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NO・2308『ハメネイの非同盟会議での演説・世界は変革の時』 [2012年08月31日(Fri)]
 イランの最高指導者であるハメネイ師が、イランの首都テヘランで開催された、非同盟諸国首脳会議で演説をした。その内容は、極めてノーマルなものであったと思われる。
ハメネイ師は世界がいま、大きな変革期にあるとし、非同盟会議などが新たな役割を、担うべきだと語っている。彼によれば、世界は冷戦の時代を過ぎた後、大国一国(アメリカ)による支配の試みは、失敗に終わっている。したがって、これからは世界が新たな道を、見出していかなければならない、という考えだ。
ハメネイ師が提唱する新たな時代とは『全ての国家が参画し、平等の権利が保証されたなかで、世界政治が決められて行かなければならない。』というものだ。そうした状態を創り出していくためには、各国間の連帯と協力が必要だ、とも力説している。
全くその通りであろう。世界はいま大きな変革期に直面していることは、誰もが認めることであろう。そして新たな時代とは、世界の国々が参画し、平等な立場で意見を出し、公平に合意を生み出していくことであろう。
しかし、それは理想論であって、実現は極めて困難なものであることも、もう一つの現実だ。過去に国際連盟が創設され、次いで国際連合が創設されたが、結果的には大国の支配が続いてきているし、各国間のエゴの主張のしあいでしか、なかったのではないか。
ハメネイ師がもしこの理想論を披歴するのであれば、彼なりの実現可能な方向性も、併せて打ち出すべきではなかったのか、と思われるのだが。
面白いことに、テヘランで開催された非同盟諸国首脳会議で、ハメネイ師と並んで演説をした、アハマド・ネジャド大統領は、ハメネイ師の演説を完全に無視したそうだ。
他方、ハメネイ師もアハマド・ネジャド大統領の演説を、全く評価しなかったと伝えられている。つまり、ハメネイ師の理想論はイランの権力中枢においてすら、反発を生み出している、ということではないのか。
我々がハメネイ師の演説から、学ぶものがあるとするならば、ハメネイ師が口にした、世界の現状に対する分析は、正しいということであろう。同時に、その現実の問題点を解決していくためには、世界中の国々が平等な立場に立ち、対等に意見を述べ合って、合意を生み出していく、ということであろう。
そして、それは極めて実現が困難なものであるということを、知ることではないのか。理想論は人類の長い歴史のなかで、何万人何十万人の哲人たちによって、示されてきた。しかし、何の解決も生みださなかったのが現実であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:19 | この記事のURL
NO・2307『バッシャール・アサドの運命とシリアの今後』 [2012年08月30日(Thu)]
 シリアのバッシャール・アサド大統領が、シリアの内部問題を処理するには、時間が必要だと発言している。確かにそうであろう。最初は平和的なデモで始まったものが、現段階では混乱が相当数の外人戦争屋(殺害やレイプを目的とする欧米人や、イスラム原理主義者と言われる者たちなど)が入り込み、抑え込みが困難になっているからだ。
バッシャール・アサドという人は、つくづく運の無い人なのかもしれない。元は大統領になどなるはずがなかったものが、兄の急死により父親ハーフェズ・アサド氏によって、急遽政治の世界に引きずり込まれてしまったのだ。
しかし、大統領になったとはいえ、彼にはほとんど独自で決定を下す、自由が無かったのではないか。それは父親時代からの古参の政府幹部が、彼を取り巻いていたからだ。
今回の国内混乱を機に、嫌気をさしたシリア政府幹部の一部が政権を離脱し、外国に逃亡を図り始めている。ある者はそれでカタールに行けば、大金をもらえると踏んでいるのかもしれない。なぜならば、カタールは一日も早く、バッシャール・アサド体制を打倒したいから、シリア政府の要人の政権離脱は大歓迎なのだ。
バッシャール・アサド大統領はその点について『去る者は追わない、抜け出したい者には、自由にシリアから出ていくようにさせている。』とコメントしていた。心の中ではそうした裏切り者に対し、怒りでいっぱいなのかもしれない。
その怒りを表に出さずに、淡々と語るところにバッシャール・アサド大統領の、悲しみと凄みを感じるのだが、いかがなものであろうか。彼は今後、順を追ってシリアの各都市に巣くっている外人部隊を追放し、シリア国民の自由意思を表面に出させるように、していこうと考えているのであろう。
それを彼の任期である、2014年まで続けて処理し、その後は自由選挙の結果にゆだねる、ということではないか。もし、彼が選挙で敗れれば、彼は案外あっさりと権力の座から、引き下がるのではないだろうか。
しかし、その後のシリアが、自由で民主的な国家になるという保証はどこにもない。既にシリアの先を越した国々では、難しい新たな状況が露呈している。リビアではカダフィ時代がよかった、と思う国民が増えているし、部族間対立も激化している。チュニジアとエジプトでは、ムスリム同胞団などイスラム原理主義者が権力を掌握し、次第に自由が制限されてきている。
シリアで一番盤石な政治組織は、ムスリム同胞団であろう。それが政権を握るのか、あるいはポスト・アサドのシリアがもっと混乱するのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:24 | この記事のURL
NO・2306『ヨルダン王制の危険性を信じない人たちへ』 [2012年08月29日(Wed)]
 大分早い段階から、ヨルダンの王制は危険な方向に向かい出した、と警告してきた。この私の意見に対して、大方の人たちは反対意見を述べていた。その根拠は、『ヨルダンの国王が英明だから』というものだった。
しかし、今回の一連のアラブの春革命による、権力の打倒劇を見ていると、打倒されるに至るには、大まかに言って、二つの理由があったことが分ろう。
一つは権力の長期化による独裁と汚職だ。大統領その人にも責任の大半があったが、それ以外には権力者の家族による汚職だった。チュニジアの大統領夫人、エジプトの大統領夫人と子息たち、リビアの場合も同じように、子息たちに問題があったようだ。
ヨルダンの場合も、大分前の段階から国王夫人の横暴が、問題視されてきていた。しかし、ヨルダンは厳しい王家に対する、批判阻止構造が出来ており、表面化し難かっただけのことだ。
しかし、アラブの春革命が次々と、アラブの体制を打倒していくと、それまで抑え込まれていた各国に、動きが見えてきている。ヨルダンもその例外ではない。同国の場合、主にムスリム同胞団の動きと、ベドウイン部族が問題の核心であろう。
それ以外に、ヨルダンの若者たちの運動が、活発化してきてもいる。ヨルダンのムスリム同胞団について述べれば、ムスリム同胞団発祥の地であるエジプトに習い、次第に活動を活発化させてきている。
ヨルダンの場合も、ムスリム同胞団は穏健な動きを装っており、決して過激な行動には出ていない。現段階では、政府が実施しようと考えている選挙を、遅らせる作戦を、執っているようだ。それは、選挙をより有利に、戦うためのものでしかない。
ムスリム同胞団はヨルダン国内にあって、最も整備された組織であり、選挙を公正に実施すれば、絶対的な優位を占めることになろう。加えて、部族の動きだが、王家の保護役であったベドウインの部族が、今では国王夫人の横暴により、王家に対して、敵対的関係に回っている。
ベドウインの部族長たちは、国王夫人が彼らの土地を勝手に取り上げ、転売して何の保証もしなかったことに、怒り出したのだが、最近では政治的な要求も、するようになっているということだ。つまり、経済問題が政治問題にまで、拡大しているということであろう。
加えて、ヨルダンではムスリム同胞や、ベドウインの各部族だけではなく、左翼、民族派、青年組織などが反政府運動を展開し始めている。この国も今年後半から来年にかけて、相当混乱するのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:15 | この記事のURL
NO・2305『シナイ半島の軍人殺害犯は大統領恩赦で出獄』 [2012年08月28日(Tue)]
 エジプトの軍情報部から、とんでもない情報が飛び出してきた。8月5日に起こったイスラム・テロリストによる軍人襲撃事件は、16人のエジプト軍人を殺害したが、その犯人はモルシー大統領の恩赦によって出獄し、45日目に犯行に及んでいたというのだ。
彼ら襲撃犯のうち、死亡した5人について医学的検査した結果、3人がエジプト人であり、残りの2人はラファ出身の、パレスチナ人であることが分かった。彼らはタクフィールのメンバーであり、刑務所に入れられていたが、モルシー大統領が恩赦で、出獄を許していたというのだ。
このシナイ半島の軍人16人が殺された事件では、軍の幹部が責任を問われ、タンターウイ国防大臣、サーミ―・アナン統幕議長が辞任させられている。その後、一連のモルシー大統領による、権力掌握劇が展開されて、今日に至っている。
さて、今回のこの情報がこれから先、どのような展開をエジプト政治の舞台に、生むのであろうか。軍のなかには、過激なイスラミストを恩赦で出獄させたのは、モルシー大統領の判断に基づくものであったことから、責任を問う動きが出てくるかもしれない。
また、一般大衆の間には、ムスリム同胞団の持つ凶暴性を、口にし始める者が、出てくるかもしれない。すでに、モルシー大統領が選出したアドバイザー・グループは、ムスリム同胞団の独占だとする批判や、地方でも県庁の幹部職や、議会でもムスリム同胞団が、議席を独占する傾向があるという、非難も出始めている。
モルシー大統領とエジプト国民のハネムーンは、100日と言われているが、既に2カ月が過ぎた。モルシー・メーター(モルシー大統領の実績を図るメーター)は限りなくゼロに近い。エジプト国民はハネムーンの後で、モルシー大統領に対する批判を、強めるのだろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:29 | この記事のURL
NO・2304『サウジアラビアでテロリストが逮捕された』 [2012年08月27日(Mon)]
 サウジアラビアもアラブの春であろうか?あるいはそれとは別の反体制運動なのであろうか。サウジアラビアの首都リヤド市と、紅海に面した第二の都市ジェッダで、テロリストが逮捕された。
テロリストの内訳は2人のサウジアラビア人と、6人のイエメン人のようだ。彼らはイエメンから持ち込んだと思われる、爆発物のテストをしていて逮捕された模様だ。なかには爆発テスト中に、指を負傷した者がいたということだ。
今回逮捕された者のなかには、アルカーイダと関連する細胞組織の、大物が含まれていたということであり、これから取り調べの段階で種々の情報が、出てくるものと思われる。
この情報が伝わる前の段階では、イエメン国境でサウジ人が警察の制止を聞かなかったために、射殺されたという情報があった。彼らはイエメンからの武器の密輸に、関連していたのではないかと思われる。
今回のテロリスト逮捕の情報で気にかかるのは、彼らが国際的なアルカーイダ組織と、関連があるということだ。そして、逮捕された者のなかには、イエメン人が多数含まれていた点だ。
つまり、うがった考え方をすれば、内戦で不安定化しているイエメン国内に、反サウジ闘争を展開していく組織が、出来上がっているのではないかということだ。加えて、彼らはアラビア湾岸アルカーイダ組織と、直接関係しているものと思われる点だ。
サウジアラビアでは、大分前からテロ組織の活動が始まっていたが、それはこれまでのところ、何とか抑え込まれてきたようだ。そのなかですらも、2009年には国防副大臣である、ムハンマド・ビン・ナーイフ王子を狙ったテロが、起こっているのだ。
今回のテロリスト逮捕が、今後ますますテロリストの活動を、活発化させていくような気がするが、その推測についての根拠はない。そうであって欲しくないものだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:54 | この記事のURL
NO・2303『イランで非同盟諸国首脳会議開催』 [2012年08月26日(Sun)]
 イランの首都テヘラン市において、8月26日の今日から31日まで、非同盟諸国首脳会議が開催される。この会議は今回が第16回であり、国連加盟国ののうち、約3分の2がメンバー国になっている。
会議では世界平和と、そのためのメンバー諸国間の協力、ということが主題のようだ。メンバー国120カ国から、145人が参加予定となっており、これに加えて、17のオブザーバー諸国が、参加する予定だ。
今回の会議のハイライトは、国連事務総長の播氏が参加するのか、ということであった。加えてエジプトの新大統領に就任した、モルシー氏が参加するか否かが、話題に上っていた。
アメリカ政府は播氏の参加や、モルシー大統領の参加について、難色を示していたが、結果的に両者の参加が、明らかとなっている。
播国連事務総長の参加については、アメリカは彼が参加することにより、イランの非同盟諸国首脳会議が、国際的に成功であるとみなされるとして、難色を示していたもののようだ。
エジプトのモルシー大統領の参加については、エジプトとイランの外交関係が、1979年以来断交状態にあったものが、今回の同大統領の参加で、関係改善が進むのではないか、という懸念があったからだ。述べるまでも無く、イランはアメリカが重視している、イスラエルを敵視している国だからだ。
もう一つ、今回のイランで開催される非同盟諸国首脳会議をめぐって、パレスチナ代表の参加が問題視された。それは、イラン政府がパレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長と、ガザのハマース代表ハニヤ氏と、二人に対して招待状を送ったからだ。
パレスチナ自治政府はこれを、パレスチナを二つに分割するものであり、ガザ地区を一つの独立した国家と認める行為だとして、激しく反発していた。しかし、その反発はイラン側からは、受け入れられなかったようだ。
もし、パレスチナ自治政府があくまでも、自治政府からだけの会議参加にこだわれば、結果的にパレスチナ自治政府は、パレスチナ解放組織結成史上、初めてこの種の国際会議に代表を、送らないことになるのではないか。
そのことは、マハムード・アッバース議長の政治キャリアに、大きな汚点を残すことになろう。イスラエルではリーベルマン外相が、マハムード・アッバース議長に対し、徹底的に非難をしている時期でもあり、今後のパレスチナ問題に影響を生む可能性があろう。(後にイラン政府はハニヤ氏への招待発送を、否定している。)
Posted by 佐々木 良昭 at 16:59 | この記事のURL
NO・2302『シナイのガザトンネル閉鎖で大ダメージ』 [2012年08月24日(Fri)]
 シナイ半島の地中海側にあるエルアリーシュで、8月5日ミリタントがエジプト警察を襲撃し、16人を死亡させるという事件が起こった。このことはエジプト側に、少なからぬ影響を及ぼした。
軍の不始末の責任を追及し、モルシー大統領はタンターウイ国防相とサーミアナン参謀総長の首を刎ね、後に大統領顧問に就任させている。そうではあるが、この事件がエジプト軍に与えた影響は、少なからぬものがある。多くの人々はモルシー大統領の決断を、クーデターとも呼んでいるほどだ。
その後、エジプト政府とガザのハマース政府が協議し、全面的な秘密トンネルの閉鎖が決められた。しかし、いまでも一部は機能しているようだ。そうでなければ、ガザの住民が必要な、最低限の物資が手に入らなくなるし、ガザの秘密トンネル経由のビジネスから徴税していた、ハマース政府は税金が入らなくもなるのだ。
ハマースが秘密トンネルをガードして、管理してきていたわけであり、何処に秘密トンネルがあるのかを、ハマースは正確につかんでいよう。一説によれば、1500の秘密トンネルが掘られているということだ。
ハマースはガザのムスリム同胞団の指導者であったヤーシーン氏存命中に、設立された行動隊組織(ハラカトムスリムーン=ムスリム運動)であり、ムスリム同胞団そのものなだ。
エジプトの現政権がムスリム同胞団であり、ガザのハマースがムスリム同胞団を母体としていれば、当然のことながら、ガザのハマース側はエジプト政府の言うことを、聞かないわけにはいくまい。
そもそも、エルアリーシュでのテロは、どうして起こったのであろうか。諸説あるが、真相は未だに明らかになっていない。一説によれば、元ガザの治安責任者であったムハンマド・ダハラーン氏が、ガザのパレスチナ人をリクルートし、イスラエル側に送り込み訓練を受けさせ、彼らが秘密トンネルを通ってエルアリーシュに抜け、犯行に及んだというのだ。
その理由は、ガザのハマースとエジプトのムスリム同胞団政権に対して、イスラエルが楔を打ち込むことに、目的があったのであったろうと言われている。
真相は未だに不明だが、ガザの住民にとっては、大迷惑な話であろう。その後、ガザ側の代表団がエジプトに入り、国境にフリーゾーンを設置することを提案したが、エジプト政府側は二つのパレスチナ国家を、創るわけにはいかないので、パレスチナ自治政府から要請された場合に、検討すると答えたということだ。
結果的に、ガザ地区住民は当分の間、生活物資に事欠くであろうし、ハマース政府は徴税額が激減し、大変な台所事情に陥ろうということのようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:04 | この記事のURL
NO・2301『モルシー大統領IMFに借金申し込み』 [2012年08月23日(Thu)]
 つい最近、エジプトのモルシー大統領は、湾岸諸国を歴訪した。述べるまでもなく、それは借金の申し入れと、エジプトへの投資の誘いこみであった。しかし、それは彼が考えたような結果には、ならなかったのであろう。
湾岸諸国がモルシー大統領に応えたのは、何がしかの金を貸すことと、投資の約束だった。しかし、投資はエジプト国内の条件が、整ってからということになるのは、極めて常識的な判断であろう。治安状況の悪い国に、投資する投資家も、国家もあるまい。
そこでモルシー大統領が考えたのは、IMFからの借り入れだった。それなしには、エジプトは外貨準備額が払底し、国家財政が成り立たなく、なってしまうからだ。モルシー大統領は48億ドルの借り入れ申し込みを、エジプトを訪問した、ラガルデ女史に行った。
ラガルデ女史はエジプト側の借金申し入れを、基本的には受け入れたが、それは条件付きだった、年利1・1パーセントの金利で、5年間で返済するという厳しいものだった。
エジプト政府は資金難であることから、何の条件交渉もせずに、IMF 側の条件を受け入れたのであろう。何としてもこの年末までに、48億ドルを手に入れたいようだ。
しかし、野党のメンバーの反応は、政府とは異なっていた。『IMFの言いなりになり、IMFにエジプトの経済を、牛耳らせるつもりか。マレーシアは金融危機を、国内の努力で切り抜けたではないか。』と厳しく政府を非難している。
そもそも、今回エジプト政府が言い出した、48億ドルという借り入れ希望金額は、何処から来たものであろうか。エジプトがIMFに持っている、通常の借入限度額は15億ドルだというから、その3倍もの額になったのだ。
そもそも、エジプトが外貨準備高を激減させたのは、観光収入が大幅に落ち込んだからだ。エジプト国内の危険さが、外国から観光客の訪問に、ブレーキをかけているのだ。
エジプトは国際的な債務額が338億ドルあり、国内での債務も1930億ドルあるということだ。そして、エジプイト国民の40%が、いま貧困ライン以下で生活しているのだ。
ラガルデ女史はエジプト側の申し出を、一旦IMFに持ち帰り、検討した後再度エジプトを訪問し、エジプト側と2度目の交渉を、することになっている。モルシー大統領は何とか金融危機から抜け出すベく、9月に予定されている国連会議参加の折に、アメリカ政府側と交渉したい、と考えているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:52 | この記事のURL
no・2300『理性のイスラエルも最後には神頼みか』 [2012年08月22日(Wed)]
 いまイスラエルの国内は、不安の絶頂にあるようだ。イランが進めている核開発は、最終的には核兵器の開発が目的であり、イランが核兵器を手にしたときに、それで攻撃されるのはイスラエルだ、と信じ込んでいるからだ。
イランが核兵器を持ったとしても、イスラエルを突然攻撃することなどあり得ない。イランはすでに核兵器を持つ意思の無いことを、世界に向けて宣言している。ハメネイ師も何度となく、核兵器の非人道性を挙げ、持つ意思のないことを主張している。
それにもかかわらず、イスラエルはイランの核兵器開発と、それによる自国への攻撃を、信じ込んでいるようだ。イスラエルはこのため、イランの核兵器開発が、どの段階まで進んでいるのかを、あらゆる筋を通じて、情報集めをしてきた。
結果は、イランは非常に近い将来、核兵器を手にする、ということのようだ。そうなると、どうしてもイランが核兵器を完成する前に、潰さなければならない、という結論に至ることになる。イスラエルのネタニヤフ首相やバラク国防相は、このためアメリカに働きかけ、イラン攻撃に参加してくれるよう、説得してきている。
しかし、アメリカはなかなか重い腰を、上げようとしてはくれない。そこで、ネタニヤフ首相とバラク国防相は、イスラエルによるイランに対する、単独攻撃を真剣に、検討しているようだ。
だが、イランに対して攻撃をするということは、イスラエルも応分の戦費と、犠牲を伴うということになる。ネタニヤフ首相が考えた、戦争継続可能な期間は、30日間ということのようだ。
この30日間の戦争で、イスラエル国民の間に500人程度の死者が出ると予測している。また戦費については、420億ドル程度ではないか、と予測されている。それはイスラエルがイランやヘズブラ、シリア、ハマースなどから受ける攻撃によって発生する、インフラの破壊などは含まれず、あくまでも兵器代のみではないのか。
いずれにしろ、イランに対する攻撃は開戦後に、アメリカが支援してくれたとしても、簡単ではあるまいし、イスラエルが失うものは、多いのではないか。戦争によって世界経済は大打撃を受け、イスラエルは世界中からその責任を問われようし、イランの核施設は破壊できても、イラン人科学者の脳内にある知識は、消し去ることができない。単なる時間稼ぎであり、核兵器生産を遅らせる効果しかないのだ。
そこで迷ったのであろうか。イスラエルの国家治安局長ヤアコウブ・アミドロール氏、内相、シャス党の政治トップのエリ・イシャイ氏らが、シャス党の宗教指導者であるラビに、イラン攻撃について可否を仰いだようだ。結果は『イランには悪魔にとり憑かれた者たちがいる、撃つべし。』ということだったようだ。
悪魔はイランのなかにいるのではなく、イランを仇敵と信じ込んだ、イスラエル国民の一部のなかに、いるのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:19 | この記事のURL
NO・2299『一番の親孝行息子サイフルイスラームが処刑される』 [2012年08月21日(Tue)]
 アラブの春革命の影響を受け、リビアでも革命が勃発し戦闘が起こり、NATO軍の介入もあり、ついにリビアのカダフィ大佐は殺害された。
あの独裁者の最後にしては、あまりにもみじめなものだった。若い革命派の戦闘員が、血だらけで捕まったカダフィ大佐から奪った拳銃で、銃弾を発射して殺したのだ。
このカダフィ大佐の反政府派との戦の最中に、家族のほとんどが近隣諸国に逃亡した。しかし、次男のサイフルイスラーム氏だけはリビア国内に留まり、父親の闘いに加わっていた。
ある時はテレビで演説し、ある時は街頭で戦闘を継続すると、元気な演説で主張していた。その演説やテレビでの発言、そして一部文書が、彼をいま絞首刑にする証拠として固められ、揃えられつつある。
サイフルイスラーム氏は昨年の11月に、リビアとマリの国境地域で捕まり、南部の町ズインタンに連れてこられ拘留されていた。以来、彼は長期間にわたって、カダフィ財宝のありかを、問い詰められていたようだ。
彼がカダフィ財宝のありかを明かしたか否かは、不明のままになっている。そして今年の9月、リビアの首都トリポリでも、リビア第二の都市ベンガジでもなく、サイフルイスラーム氏はズインタンの街で裁判にかけられ、絞首刑に処されそうだ。そのことを伝えたのは、イギリスのサンデー・テレグラフ紙だ。
これまでサイフルイスラーム氏は、弁護士を付けることを拒否続けてきた。それは不当な裁判を、正当なものに見せるためのものであることを、熟知していたからであろう。ICC(国際刑事裁判所)からのリビア政府に対する働きかけで、サイフルイスラーム氏はヨーロッパに引き渡される可能性があったが、リビア側の拒否で実現しなかった。
最終的にはリビア政府が国選弁護士を付け、死刑判決を下すのだろうが、どうも正当な裁判になるとは思えない。欧米諸国はこのリビアのサイフルイスラーム氏に対する、裁判と処刑について、何ら動こうとしないのであろうか。
『ゲームは終わった、邪魔者は消せ』ということであろうか。カダフィ大佐は草葉の陰で、次男のサイフルイスラーム氏を称賛していることであろう。『お前が一番親父孝行息子だった。』と。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:12 | この記事のURL
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