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NO・2275「ネタニヤフは国内問題隠蔽にイランの脅威扇動」 [2012年03月31日(Sat)]

 イスラエルの野党カデマ党の党首に、選出されたばかりのシャウル・モファズ氏が、非常にデリケートな発言をしている。それはネタニヤフ首相を真正面から攻撃する内容なのだ。
 シャウル・モファズ党首はネタニヤフ首相のイラン対応について、イスラエル国内問題から国民の目を、そらすためのものだと語ったのだ。つまり、イスラエルでは社会問題、経済問題が悪化しており、ネタニヤフ首相にその非難の矛先が向かって来るので、ネタニヤフ首相はそれを誤魔化すために、イランの核兵器の脅威を、イスラエル国民に対して煽っているというのだ。
 そのことにより、ネタニヤフ首相は彼自身をイスラエル国民に、イスラエルの直面する重大な脅威から救う、英雄のように見せようとしているというのだ。このシャウル・モファズ党首の発言は、イスラエルのチャンネル2とのインタビューのなかで、先週の木曜日(3月29日)に語られたものだ。
 シャウル・モファズ党首はこのことに加え、イランはいまだに核保有国にはなっていいないし、核兵器が造られるとしても、まだ大分時間があるというのが、世界の専門家の共通した考えだとも、語ったということだ。
 シャウル・モファズ党首の発言内容は、イスラエルのマスコミで報道されたが、この発言に一番喜んだのはイランであろう。イランはネタニヤフ首相攻撃と、自国の核政策に対する正当な援護に、このインタビュー内容を活用する気のようだ。
 イランのプレステレビは早速このニュースを伝えたが、そのなかでハメネイ師の発言を紹介してもいる。つまり、イランには核兵器を造る意志が、全く無いということだ。
 すでに、イスラエルによるイランに対する攻撃が、今年に限っては断念されたということをお伝えしたが、そう決断したネタニヤフ首相の立場は、弱くなっているのではないか。シャウル・モファズ党首がこのような発言をしたということは、イスラエル国民の多くが知ることになるわけであり、イスラエル国民はそのことに、怒りを覚えるのではないか。
 イランの核兵器があたかも明日にでも、イスラエル国民の頭上に落ちてくるような脅威を煽り、結果的にはそれが立ち消えになっていくとすれば、国民はネタニヤフ首相に騙された、という気持ちになろう。 
 その辺を十分に計算しての、シャウル・モファズ党首の発言であったろう。もちろん、彼の発言に嘘はあるまい。彼が言うように、イスラエル国内には物価高、住宅難、失業問題と、多くの難問が山積しているのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:52 | この記事のURL
トルコの本を出しました [2012年03月30日(Fri)]
去る2月15日『これから50年世界はトルコを中心に回る』というタイトルの本をプレジデント社から出しました。
友人がトルコ駐在の方に連絡をしたところ、現地では既に沢山の駐在員の方々が読んでくださっているという返事をもらったと報告してくれました。
タイミングが良かったのでしょう。経団連は4月6日東京会館で『日本トルコ経済委員会』立ち上げの会議を開催するそうです。
今後日本とトルコの経済関係はますます盛んになっていくものと思われます。拙著がその一助になればと思います。なお4月中にはトルコで拙著翻訳版が売り出される見通しになっています。

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Posted by 佐々木 良昭 at 15:06 | この記事のURL
NO・2274「イラン攻撃可能性後退・油価は安定か」 [2012年03月30日(Fri)]
 これまで世界の景気を後退させるのではないか、あるいは破壊するのではないか、と懸念されてきたイラン攻撃の可能性が、ここにきて急激に後退し始めている。
イラン攻撃に際し、最も重要な軍事基地となるであろうカタールは、自国をイラン攻撃に使わせないと明確に、イラン攻撃反対の立場を公表した。それはそうであろう。イランに近い小国カタールが、もし戦争に巻き込まれれば、一瞬にして廃墟と化すであろう。
同時に、このカタールのイラン攻撃反対の立場は、アメリカの意向も反映していると考えるべきであろう。アメリカがカタールに対し、イラン攻撃反対を公表することを許した、ということではないのか。
トルコもエルドアン首相がイランを訪問し、イランのガス石油を購入し続けることを明言しているが、これも同様にトルコがイラン攻撃に反対している、という意思表示であろう。
そうした中で、イスラエルだけが未だに、イラン攻撃の権利を主張している。ネタニヤフ・イスラエル首相の訪米時、オバマ大統領との話し合いでは、イラン攻撃の合意が生まれなかった。アメリカ側がネタニヤフ首相に対して行ったリップサービスは『もしイランが核兵器の開発をしていることが明確になった場合は攻撃する。』というものだった。
アメリカからはその後、CIAの情報が漏れてきているが、イランの核施設に関する明確で十分な情報を、アメリカもイスラエルも持っていない、というものだった。加えて、イランの核施設を攻撃しても、6ヶ月後にはイランのウラニューム濃縮が再開される、という見通しも出ている。
前のIAEA事務局長であったムハンマド・エルバラダイ氏は、イラン攻撃はクレイジーだと強く反対している。イギリスの国会議員も、同様の発言をしている。
そうした流れの中で、最近イスラエル政府は、今年中のイラン攻撃は見合わせると言いだしている。イスラエル政府は来年については明言していないが、来年になればアメリカの大統領選挙が終わっていることから、例えイスラエルがイラン攻撃をしようと思っても、アメリカを巻き込むことはできまい。
世論調査によれば、イスラエル国民の大半は、イスラエルのイラン攻撃について、『アメリカと共に行うのであれば賛成』と答えている。つまり、イスラエルのイラン単独での攻撃については、賛成しないということだ。これで当分の間、安心ができそうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:18 | この記事のURL
NO・2273「サウジアラビアのグランド・ムフテイが暴言」 [2012年03月29日(Thu)]
 サウジアラビアはメッカとメジナという、二つのイスラム聖地の有する国だ。このためサウジアラビアのアブドッラー国王は、自身を二つの聖地の奉仕人と自認している。
そのサウジアラビアでイスラム教の、最も権威ある地位にいる人物を、グランド・ムフテイと呼んでいる。グランドは大きい偉大なといった意味でありムフテイは宗教的権威者を意味する。
そのグランド・ムフテイであるシェイク・アブドルアジーズ・ビン・アブドッラー師が暴言を吐いたことが、今イスラム世界では大きな問題になっている。彼はアラビア半島にあるキリスト教教会を、破壊しろというとんでもない、ファトワ(宗教裁定)を下したのだ。
サウジアラビア国内にはキリスト教教会は無いが、クウエイトやカタール、アラブ首長国連邦、バハレーンには教会としての、独立した建物の数は少ないにしろ、礼拝所は幾つもあるはずだ。
これをすべて破壊しろということは、真正面から宗教戦争を仕掛けたようなものではないか。その逆に、キリスト教世界がイスラム教徒の礼拝所である、モスクを破壊しろという決定を下した場合、イスラム教徒たちはどう反応するだろうか。暴動が起きるであろうことは、想像に難くない。
クウエイトの国会議員の中からも、キリスト教教会の廃棄を主張する者が出てきているが、これはイスラム教の教えに反するものであろう。イスラム教は宗教の自由を認め、それぞれが自分の宗教を信じて、いいことになっている。なかでもキリスト教やユダヤ教のような天啓宗教は、イスラム教と同根であり問題はないはずだ。
このサウジアラビアのシェイク・アブドルアジーズ・ビン・アブドッラー師の発言に、真っ先にかみついたのは、イランの宗教組織だった。イランのアハルルベイト組織は、シェイク・アブドルアジーズ・ビン・アブドッラー師の発言は受け入れがたいとし『サウジアラビアのイスラム教は正しいイスラム教ではない。』とまで言い切った。
これから先、ヨーロッパやアメリカのムスリムの間から、多分にクレームが付いて来るものと思われる。しかも、もしサウジアラビアがキリスト教教会の破壊を主張し続ければ、キリスト教教会に対するイスラム教徒による、テロが正当化されることになり、テロが起こる危険性があろう。
そうなった場合、古い考えを持った、偏狭なイスラム教指導者の発言だけでは、済まされなくなるのだ。このシェイク・アブドルアジーズ・ビン・アブドッラー師の発言は、宗教戦争すら起しうる危険なものだ。無知が生み出した発言であろう、OIC(イスラム諸国会議)が早急にこの見解に、否を唱えるべきであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:08 | この記事のURL
NO・2272「トルコ・アメリカがシリア対応で食い違い」 [2012年03月28日(Wed)]
 シリアでは反政府運動が起こってから既に、9000人近い犠牲者が出ている、と世界の報道は騒ぎ立てている。騒ぎ立てるという表現をあえて使ったのは、実数の確認ができないことと、犠牲者の何パーセントが市民であり、何パーセントが軍人なのか分からないからだ。
 9000人という犠牲者数を耳にする時、だれもがその犠牲者は市民だと思うだろう。そして、それに続いてシリアのバッシャール・アサド体制はひどいことをする、と思うだろう。
 事実がどうであるかは分からないが、実際に相当数の犠牲者が出ていることであり、それに伴ってトルコには多くの難民が、逃れてきている。現在トルコにいるシリア人難民の数は、17000人と報告されているが、今後の状況次第で、それが10万人にも達するのではないかという強い懸念を、トルコ政府は抱いている。
 1日一人の難民に5ドルの援助をしたとして、10万人に達した場合、援助に必要な費用は50万ドルにも達するのだ。それが1カ月では1500万ドルにも上ることになるのだ。
 つまり、トルコにしてはシリアの問題は、他国の問題ではなく、自国の問題となっているのだ。難民の流入を阻止することは、人道的に出来ないことであり、受け入れが続こう。トルコがシリアの難民問題に対する対応で、決断しつつあるのはシリア国内に、バッファー・ゾーンを構築することだ。
 しかし、それはシリア軍とトルコ軍が武力衝突する可能性のある、危険なものでもあろう。シリアがトルコの考えるバッファー・ゾーンを、シリアの領土内に構築することを放置するわけがない。なぜなら、そこは反バッシャール・アサド体制の、ゲリラの巣窟になることが、分かり切っているからだ。
 韓国で先日行われた核をめぐる会議で、トルコのエルドアン首相とアメリカのオバマ大統領が、シリア対応について意見交換をした。そのなかで明らかになったことは、アメリカはあくまでも武力行使に至る、状況は作りたくないということであり、トルコは武力行使も辞さずというものだった。
 この点ではトルコとアメリカの考えは、何の合意店も見いだせなかった。そこで公表されたのは、トルコとアメリカが、トルコに流入してk来たシリアの難民に対して、人道支援をすることで合意した、というものだった。
 トルコはバッファー・ゾーンの構築に近く動き出すであろう。それはシリアとの武力衝突を、生むことが予測される。いやな言い方だが、それ以前に、シリアでバッシャール・アサド大統領暗殺や、クーデターが起こることを望む。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:48 | この記事のURL
NO・2271「アラブ関連ニュース色々」 [2012年03月27日(Tue)]
:イギリスがスコットランド王国銀行の株をアブダビに売りつけ
 イギリス政府はスコットランド王国銀行株を、アブダビに売却するための交渉を始めている。売値は買値の半額だと言われており、イギリス政府持ち株全体の3分の1程度のようだ。
 この取引で発生する損失は、イギリス国民が負うことになるのだが、どうやら今後もっと価値が下落する、見通しなのであろう。イギリス政府はこの株を2008年に45億英ポンドで購入し、スコットランド王国銀行の倒産を救ったと言われている。

:サルコジ大統領イスラム原理主義者の入国を締め付け
 フランスのサルコジ大統領は、トールーズのユダヤ人学校襲撃事件を受けてであろうか、イスラム原理主義者の入国に対し、厳しい制限を果たしたようだ。 
彼はカタールのドーハ市に居住している、世界的に有名なイスラム学者会議の会長であるカルダーウイ師の入国を拒否している。

:ノルウエーではイスラム過激派のイスラムの導師が、5年の刑に服すことになった、というニュースが流れてきた。

:アラブ首長国連邦の構成国の一つであるシャルジャ首長国は、ムスリム同胞団に対し、警告を発している。

こうした一連の対応は、イスラム原理主義組織の政治面での、台頭が目立ってきたことと、イスラム原理主義者によるテロが、強く懸念されるようになってきたからであろう。

:このようなヨーロッパ諸国の、イスラム原理主義組織に対する対応を、意識したのであろうか、チュニジアの与党になったナハダ党は、シャリーア(イスラム法)という言葉を前面に出すことを、控えることを決定している。しかし、それに対しては、より強硬なイスラム原理主義組織、サラフィ・グループが反発している。

:トルコのイスラム色の強いAKP(開発公正党)のまねをする、アラブのイスラム団体が増加してきているなかで、トルコのギュル大統領は『むやみにイスラムの名を冠することは、結果的にイスラムを冒涜することになる。』と警告している。まさにその通りであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:07 | この記事のURL
NO・2270「遂に始まったかエジプト軍とムスリム同胞団の対立」 [2012年03月26日(Mon)]
 以前から必ず起こるだろうと思っていた、エジプトの軍とムスリム同胞団の対立が、表面化してきたようだ。それは軍が半ば結成した政府を、バック・アップしていることに起因しているようだ。
 その発端は、アメリカからの援助をめぐるエジプト政府と、ムスリム同胞団の意見の違いだったようだ。政府は軍の意向を受けて、アメリカ政府が送る援助のうちの、軍事援助をそのまま軍に渡したい、と考えているだろう。
 そのことは、軍も今までどおりの、既得権と受け止めていよう。もう一つの対立点は、IMFからの援助という名の借り入れがある。この金の使い道をめぐり、ムスリム同胞団はエジプト政府に対し、使途を明確にするように迫った。
 過去には政府の高官が、公金を私的に使用するケースが多かった、いわばIMFからの資金援助や外国からの借款は、汚職の巣だったのだ。
 ムスリム同胞団は現在の政府が、軍最高評議会によって結成されたものである以上、その政府が犯した失敗は、軍最高評議会にあるとして非難し、外貨準備の大幅減少、燃料不足社会不安、法の不公正などを挙げている。
 ムスリム同胞団はこれらのことを根拠に、軍最高評議会に対し、現在の政府を解散させ、ムスリム同胞団の政党である、自由公正党が第一党になったのだから、その自由公正党に内閣を結成させろと詰め寄っている。
 このムスリム同胞団の姿勢は、真正面から軍と対峙するものだが、その結果、今後は今までのような、不安定な軍とムスリム同胞団とのハネムーン時代が、終わることを意味していよう。
 ムスリム同胞団が今後を、有利に展開していけるのかというと、必ずしもそうではあるまい。なぜならば、憲法起草委員会はメンバーの大半が、イスラム原理主義のムスリム同胞団の自由公正党メンバーと、サラフィ組織のヌール党のメンバーによって、構成されているからだ。
 このことに対しては、エジプトの世俗派が猛烈な反発を示している。したがって、軍がムスリム同胞団と対立した場合、エジプトの大衆が全面的に、ムスリム同胞団を支持するとは限らないのだ。
 それどころか今後、軍とムスリム同胞団が衝突するようなことになれば、大衆は軍を支持する可能性もあるのだ。
 そうは言っても、まだ本格的な対立が始まったとは、言い切れない段かだから、あまり深読みはしないことにしよう。いずれにせよ、今後、軍とムスリム同胞団との関係が悪化し、対立状況を生み出していくことは、間違いなさそうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:13 | この記事のURL
NO・2269「トールーズ殺人後にユダヤ人救ったパリ・モスクの美談」 [2012年03月25日(Sun)]

 フランスのトールーズにあるユダヤ人学校そばで、一人のラビと彼の二人の子供、そしてもう一人のユダヤ人の子供が銃殺されるという、痛ましい事件が起こったのはつい最近のことだ。
 その後、犯人はアルジェリアのムスリム、イスラム過激思想の持ち主だ、と紹介されている。彼はアフガンでタリバンから軍事トレーニングを受けた経歴があった、彼はイスラエルでナイフを所持していて、逮捕された犯歴がある、といった情報が流れてきた。
 これらを読んでいると、ますますユダヤ人とムスリムの敵対的な関係が、強調されていく懸念を抱くのは、私だけではなかろう。いまイスラエルがイランを軍事攻撃したいという意欲が、世界中に伝わってもいる。
 そうしたなかで、フランスの映画監督がある歴史的事実を映画にして、話題になり始めている。LUOMMESLIBRES(自由の人とでも訳すのだろうか)というのがその映画のタイトルだ。
 映画の内容は、フランスがドイツに占領された第二次世界大戦の頃、アルジェリアから渡ってきた14歳のユダヤ人少年サリム・ハラリを、パリの大モスクのイマームが、ナチの追及からかくまったという話だ。
イマームのベン・ガブリ師はこの少年を、ユダヤ人ではなくムスリムだとするために、彼の先祖の墓まで作ったという話だ。その後、この少年は著名な歌手になるが、彼はエルサレムのコンサートで『アラブ人・アラブの国よ永遠なれ!!』と叫んだというのだ。
 この映画がきっかけで、多くのイスラエル人歴史学者たちがコメントしているが、総じて高い評価をこのベン・ガブリ師に向けている。ヤド・バシム・ホロコースト記念館の責任者は『ヤド・バシム・ホロコースト記念館には24000人のユダヤを助けた人たちのリストがあるが、パリの大モスクのイマームについては記録がない、調べてみる。』と語った。
 このモスクが救ったユダヤ人は100人程度だそうだが、「人数は問題ではない。」とイスラエル人学者はコメントしている。同時に、ナチの側についてユダヤ人狩りを手伝ったアラブ人もいた、と他の学者は語っている。
 イスラエルとイスラム世界の緊張が高まっている昨今、この映画がある種のメッセージを込めて製作されたとしても、歓迎すべきではないか。もちろん映画一本がイスラエル・ユダヤとイスラム世界の緊張を、ほぐすとは考えないが、一助になることは確かであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:37 | この記事のURL
NO・2268「他人任せ無責任なファタハとハマース」 [2012年03月24日(Sat)]

 パレスチナ自治政府幹部の金遣いの荒さは、つとに知られているが、ここにきてパレスチナ自治政府は、外国からの援助が大幅に遅れているために、資金難に直面していると騒ぎ始めた。
 世界中が経済悪化の中にあるのだから、パレスチナに対する援助が遅延したり、削減されることは予測が付いていたろうし、当然のことであろう。しかし彼らは自助努力という考え方をしない。あくまでも、パレスチナ自治政府の財政が逼迫したのは、世界が援助しないから悪いのだ、という姿勢を崩さない。
 日本人のほとんどが、パレスチナの実体を知らず、援助するのが当然、という考えのようだ。確かにパレスチナの大衆は貧しい。しかし、イラク、シリア、エジプトの貧民などに比べれば、パレスチナ人の貧民層のほうが、はるかに豊かなのだ。それは国際的な援助があるからだ。
 パレスチナ自治政府の幹部は、家族で何台ものベンツを所有しており、彼らの自宅はお城のような豪邸がほとんどだ。その実態を知れば、腹が立って援助などしたくない、と思うのではないか。
 そのパレスチナ幹部たちがここに来て、資金難に困り何を言い出したかというと『イスラエルとパレスチナを一つの国にするのがいい。』というのだ。それはイスラエルの金にたかって、豊かな生活を続けたいということだ。
 もちろん、それはイスラエルを窮地に追い込むことになろう。人口比でパレスチナ人のほうが多くなり、統一国家の元首も首相も、パレスチナ人が就任することになるという、馬鹿げたことが起こりうるからだ。
 イスラエルにとってはパレスチナ人との人口比率が、重要な問題になっているのだ。たとえヨルダン川西岸地区や、ガザのパレスチナ人を加えなくとも、イスラエル国籍を有するパレスチナ人の自然増の結果、将来は確実にパレスチナ人のほうがイスラエル国民のなかで、多数を占めるようになろう。
 この問題を解決するには、出来るだけ多くのパレスチナ人を、ヨルダン川西岸地区からヨルダンに追放することであり、ガザ地区のパレスチナ人を、エジプトに押し付ける、ということではないか。
 幸いなことに、エジプトではムスリム同胞団が与党第一党になり、発言力を増している。彼らはガザ・ゲートを開き、エジプトとガザの自由な往来を認めるべきだ、と主張し始めている。
 軍が結成している現在のエジプト政府は、ムスリム同胞団の考えに難色を示しながらも、反対し難い状況に追い込まれている。そこで政府が決定したのは、燃料不足に苦しんでいるガザ住民への援助として、ガザのラファ・ゲートからガザへの石油搬入だった。これはイスラエル側も認めて実現している。
 近い将来、ムスリム同胞団が政府を牛耳るようになれば、ガザとのより強固な関係を構築していくだろう。なぜならば、現在ガザを統治しているのは、エジプトのムスリム同胞団と同じ、ムスリム同胞団の組織ハマースだからだ。
したがって、エジプトでムスリム同胞団が政権を握った段階では、ガザが実質的に、エジプトの一部に組み込まれる、可能性があるということだ。過去の歴史にも、ガザがエジプトの一部であった時期があるのだから、決してこの予測は空絵事ではない。それはイスラエルの望むところでもあろう。
以前にも書いたように、イスラエルが計画しているヨルダン川西岸地区の、鉄道計画が進められれば、大量のパレスチナ人がそれに反対し、ヨルダンに追放されることになるだろう。
パレスチナの将来は、パレスチナ国家の樹立ではなく、エジプトとヨルダンへのパレスチナ人の併合、ということになるのではないか。それを阻む唯一の道は、イスラエルとイランとの間に、戦争が起こることではないのか。
その結果、イスラエルはイランとの戦争に勝っても負けても、国家が疲弊して計画通りには、物事を進めていけなくなる、と思われるからだ。イスラエルもアメリカに寄生する国家であり、構造的にはパレスチナ自治政府と、類似している点がある。結局は自分の足で立たなければならない、ということを教えられるような気がするのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 18:25 | この記事のURL
NO・2267「イラク・クルド独立主張始まる」 [2012年03月23日(Fri)]
  アメリカやイスラエルは2003年のイラク侵攻以前から、イラクのクルド人を支援してきていた。イラク国内の情報収集には、極めて有効な相手であったのであろう。
 このためアメリカ軍がイラクに侵攻し、サダム・フセイン体制を打倒した時から、クルド地区はある種の自治権を獲得していた。イラク国内にあって、同国北部のクルド地区は、イラクの他の地域とは異なり、発展し平和を維持してこれていた。
 このイラクのクルド地区を統治する、ムスタファ・バルザーニ議長(大統領とも呼ぶ)は、トルコとの良好な関係を維持し、トルコの企業に依頼してクルド地区、なかでもその首都ともいうべきエルビル市の、開発を進めてきていた。
 今までは独特の自治権で済ませられていたクルド地区の処遇をめぐり、ムスタファ・バルザーニ議長は最近になって、分離独立を公に口にするようになってきた。
 彼ムスタファ・バルザーニ議長に言わせれば、現在イラクの実権を握っているマリキー首相は、独裁者になり彼と彼の側近だけの利益を図っている。つまり小さなグループによる、イラクの富の収奪だというのだ。
 そこでムスタファ・バルザーニ議長は、中央政府との合意はすでに無意味になっているとし、クルド地区3県をまとめて、クルド国家を設立すると言い出したのだ。
 イラク北部のクルド地区はイラク国内にあって、ほとんどの石油生産をカバーしている地区だ。それだけに、もしクルド地区がイラクから分離独立することになれば、クルド国家は巨万の富を手にすることになろう。
 しかし、それはイラク中央政府との間に、戦争も起しうる危険な動きである。また、イランやトルコもクルド問題の拡大を懸念し、厳しい対応をしてこよう。
 ではそのような危険な発言を、ムスタファ・バルザーニ議長は何故始めたのであろうか。実はクルド地区の石油開発をめぐり、エクソン社との交渉でイラク中央政府が、難癖をつけていることに起因するようだ。ムスタファ・バルザーニ議長は分離独立をちらつかせて、エクソン社との交渉権を中央政府から、得たいと思っているのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:12 | この記事のURL
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