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NO・1815「ウイキリークス騒動とそのカラクリ」 [2010年11月30日(Tue)]
 アメリカの外交文書が、インターネットを通じて、世界にばらまかれた。その量が25万件を超えるものだけに、大きなショックを世界中で起こしている。あるものは、各国トップに対する、評価や悪口であり、無責任に読んでいる分には、結構笑える代物だ。
たとえば、北朝鮮の金正日総書記については、肉のたるんだ老人と表現し、イタリアのベルルスコーニ首相については、無能な人物と評している。また、フランスのサルコジ大統領については、プライドだけが高い男、イランのアハマド・ネジャド大統領については、ヒトラーのような人物としている。
こうした人物評は、当事者にしてみれば不愉快ではあっても、それほど大きな問題ではあるまい。しかし、一国の大統領や国王が他国について言及している場合は、両国間の関係を大きく損ねる、危険性がある。
たとえば、サウジアラビアのアブドッラー国王が、イランの首をはねろと言ったとする部分は、イラン側にとって、極めて不愉快であろうし、サウジアラビア政府を信頼できなくなる、危険性がある。
アハマド・ネジャド大統領はウイキリークスの流した情報(?)は、気にしないと軽く受け流しているし、他のイラン高官は、これはしかるべき意図があって、やっていることだ。その意図とは、中東諸国関係を破壊することだ、中東の敵が、ウイキリークスの背後にいる、と語っている。
サウジアラビア政府はウイキリークスについて、気にしないとしているが、他の湾岸諸国は、いまのところ沈黙している。それはサウジアラビアのアブドッラー国王の発言とされる部分が、イランとの関係を危ういものにする、という懸念からであろうか。あるいはばからしくて、問題にならないということであろうか。
トルコについては、エルドアン首相は単に、イスラエルが嫌いな、イスラム主義者だと評し、ダウトール外相については、危険人物と評している。トルコ政府はウイキリークスに、何か不明な点がある、と考えているのであろう、疑問だとコメントしている。
それと同じような反応は、ドイツの週刊誌デルシュピーゲルも出している。ウイキリークスの裏には、秘密のエレクトロニクス・グループが、存在しているだろう、と報じている。この雑誌の記事を読んでいないので、何とも言いようがないが、そのエレクトロニクス・グループなるものが国家なのか、あるいは各国間にまたがる組織なのかについては、考えてみる必要がありそうだ。
興味深いのは、アメリカのクリントン国務長官が、少しだけウイキリークスの情報漏洩に付いて、ポジテイブに語っていることだ。つまり、このウイキリークスによる秘密情報の漏洩によって、世界中がイランの核について、強い懸念を抱いていることが、明らかになったという点だ。もちろん、彼女は2度とこのようなことがあってはならない、と強調してもいる。
アメリカ政府の膨大な機密情報が、一気に漏洩されたことで、世界中が大騒ぎになっていることは 確かなようだが、冷静に考えると、公開されている情報は 比較的安全な範囲内の ものではないのか。少なくとも このことによってアメリカが大損害を被ったり、危険が増大することは 無いように思えるのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:10 | この記事のURL
NO・1814「イランはアメリカをなめ切っているのか?」 [2010年11月29日(Mon)]
 アメリカとイスラエルは、何とかイランの核兵器開発(?)を阻止しようと、これまで何度と無くイランに恫喝の言辞を、繰り返してきている。曰く「軍事オプションは、われわれのテーブルの上にある。(選択肢の中にある)」
しかし、現在に到って、まだアメリカはイランに対する、軍事行動を起こしていない。それどころか、アメリカ政府内部では、イラン対応で意見の相違が、目立ち始めている。ミューレン提督はアメリカ政府が長い間、軍事オプションを検討してきたし、今でもそうだ。」と強硬な意見を語っている。
他方、ゲイツ国防長官は軍事的な手段は、イランの核兵器開発を止める、有効な手段ではない、いまは外交に委ねるべきだ、と軍事オプションに消極的な、意見を述べている。オバマ大統領も同様に、軍事的な手段を用いることに、反対の立場を、表明している。
こうしたアメリカ内部の意見の対立や、オバマ大統領、ゲイツ国防長官の平和路線(弱腰対応)を見てか、イランの要人たちは、押しなべて強気の意見を、口にしている。
革命防衛隊の幹部ムハンマド・レザ・ナクデイ司令官は、イランのプレスTVが、日曜日に行なったインタビューのなかで「アメリカは30年もの間、わが国を軍事攻撃することを夢見てきたが、それがいまだに、出来ないでいる。もし、アメリカがイランに軍事攻撃を、加えるようなことになれば、手痛い思いをすることになろう。イランは大国であり、世界中にわれわれの手が伸びており、アメリカは敵に囲まれた状態になるのだ。アメリカがイランに対して、軍事攻撃するなどということは、ジョークに過ぎない。」と言ってのけた
ここまでイランになめられても、アメリカはイランを、軍事攻撃しないのだろうか。あるいは、イラン国内での破壊活動を、継続していって、内部崩壊が起こるように、工作し続けるのだろうか。(11月29日テヘランの市内で、イランの核科学者が出勤途上、テロリストの襲撃を受け、死亡している、アメリカ・イスラエルとの関連については、何も証拠は無いが)
アメリカにとって、イラン攻撃には幾つものハードルが、あることは確かだ。アメリカ経済の悪化に始まり、イラク、アフガニスタンという、二つの戦線が開かれたままであり、北朝鮮との間でも、一触即発の状態にある。したがって、イランに対する軍事攻撃を加えることは、三つの戦線を同時に開くことになるため、もし開いた場合、相当厳しいものになろう。
アメリカがイランに対する、軍事攻撃をやり難い理由には、国際世論もあろう。イランは核開発について、あくまでもエネルギー入手が目的の、平和利用だと説明している。それに対する、明確な反論の根拠は、アメリカには無い。低濃縮のウラニュームの保有量を、誤魔化しているとか、原子力開発の施設に対する査察を、十分にはさせないといったことからの、推測でしかないのだ。
加えて、イランを軍事攻撃した場合、湾岸諸国は大きなダメージを、受ける可能性が高いことも否定できない。イラン海軍によってペルシャ湾の出口の、ホルムズ海峡を封鎖される危険性があり、もしそうなれば、世界経済は破壊的なダメージを、受けることになろう。そのため、世界の国々は親米国であっても、なかなかイラン攻撃について、賛成してくれないのだ。
そうは言っても、アメリカはイランになめられっぱなしで、このまま過すのだろうか。イランが余り調子に乗り過ぎ、アメリカを甘く見て対応すると、とんでもないことに、なりかねないのではないか。何事も、程々が一番ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:26 | この記事のURL
NO・1813「K・ミシャアルは西岸での武力闘争を宣言」 [2010年11月28日(Sun)]
 シリアのダマスカスに亡命している、ハマースの幹部ハーリド・ミシャアル氏が土曜日に、ハマースは今後、ヨルダン川西岸地区で武力闘争を、展開することを宣言した。これが事実であれば、パレスチナ・イスラエル問題は、新たな展開を、見せることになろう。
ハーリド・ミシャアル氏に言わせれば、和平交渉はパレスチナに、何ももたらさない、ということだ。しかし、ハマースがもし、ヨルダン川西岸地区で、イスラエルに対する武力闘争を、展開するようなことになれば、パレスチナ自治政府はそれを、阻止しなければなるまい。
去る8月に、ハマースのメンバーがヨルダン川西岸地区で、イスラエル人(ユダヤ人)を殺害したとき、パレスチナ自治政府は、ハマースのメンバーを逮捕しているからだ。
パレスチナ自治政府はアメリカの協力を得て、8千人の兵士にテロ対策の、特別訓練を施しているが、ハーリド・ミシャアル氏はそのことを、意に介していない。彼は武力闘争だけが、パレスチナ問題の存在を、維持できるのだ、と語っている。
パレスチナ自治政府の堕落振り、腐敗振りは、何度と無くこの欄で、書いてきたが、ハーリド・ミシャアル氏は「われわれの資本はパレスチナの土地と、アイデンテテイと尊厳だけだ。」と語り、パレスチナ自治政府の幹部は、パレスチナ問題をビジネスと考え、利益を追求するのみだ、と非難している。
加えて、ハーリド・ミシャアル氏は武力闘争開始の理由を「イスラエルとパレスチナとでは、あまりにも力の差が大きいために、対等な交渉は出来ない、交渉は屈辱を生むのみだ。」とも語っている。
確かに、ハーリド・ミシャアル氏の語る通りであろう。しかし、ハマースがヨルダン川西岸地区で、イスラエルに対する武力闘争を始めれば、イスラエルを攻撃する前に、パレスチナ政府との戦闘になろう。結果は、イスラエルではなく、パレスチナ人同士の殺し合いとなろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:22 | この記事のURL
NO・1811「ハリーリ首相の苦渋の選択とイラン訪問」 [2010年11月28日(Sun)]
       レバノンのサアド・ハリーリ首相が、遂にイラン訪問を決意し、土曜日に現地入りした。平たく言えば、10月のアハマド・ネジャド大統領の、レバノン訪問に対する返礼訪問、ということであろう。
 しかし、サアド・ハリーリ首相にしてみれば、イランは父親ラフィーク・ハリーリ元首相を2005年に爆殺した、ヘズブラの後ろ盾なのだ。サアド・ハリーリ首相が親の敵ヘズブラの、後ろ盾であるイランを訪問するのは、当然のことながら初めてだ。
 もちろん、ラフィーク・ハリーリ元首相の爆札については、イスラエルのモサド犯行説もあり、まだ明確にはなっていないので、ヘズブラの犯行だと断定することはできない。来年の初めには、ヘズブラの爆殺主謀者が、国際司法裁判所によって、裁かれることになっており、その容疑者の引渡し問題が、レバノン内政を危険なものにしている。
 サアド・ハリーリ首相は、なんとしてもレバノンが1975年から1990年まで続いたような、内戦状態にしたくない、という強い願望があろう。彼の父は私財を投げ打って、破壊されたベイルートを、再建しているということだ。
 したがって、サアド・ハリーリ首相は苦汁の選択をした、ということであろう。ヘズブラの後ろ盾である、イランを訪問することにより、ヘズブラとの関係改善を行い、内戦を阻止するということであろう。
 イランの側にしても、サアド・ハリーリ首相がサウジアラビアと、深い関係にあることから、サウジアラビアとの関係改善に、彼を使うということが、期待できよう。また、イスラエルに対する威圧の拠点としようとしている、レバノンが内戦状態になってしまったのでは、イランの思惑は狂ってしまおう。
 したがって、サアド・ハリーリ首相のイラン訪問は、大歓迎というのがイラン側の本音であろう。イラン側では既に、アハマド・ネジャド大統領との会談ばかりではなく、最高指導者ハメネイ師との会談も、予定しているようだ。
 イランにとっては、レバノンのサアド・ハリーリ首相の訪問の折に、核開発を認めさせることも、成果となろう。サアド・ハリーリ首相周辺は、既にそのことを既に匂わせている
 ではサアド・ハリーリ首相にとっては、どのようなメリットが、イラン訪問にあるのだろうか。サアド・ハリーリ首相のイラン訪問は、イランとの関係の上で、これまでのようなヘズブラやシリア経由、という手順を踏まなくて、よくなるということだ、イランとのダイレクト・チャネルが、出来るということだ。
 また、サウジアラビアに対して、サアド・ハリーリ首相はイランとのパイプ役としての、役割を果たすことが出来るようになる、ということでもあるし、イスラエルに対しても、これまでのような単なる、ヘズブラとイランとの関係ではなく、二国家間関係ということが、構築されることにより、より強い立場に立つことができよう。
 日本は、このアラブの小国であるレバノンの外交に、大いに学ぶべきものが、あると思えてならない。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:48 | この記事のURL
NO・1812「ウィキリークスで米土関係悪化の懸念」 [2010年11月28日(Sun)]
 世界中の関心を呼んでいる、ウィキリークスによる、アメリカの機密情報漏洩は、アメリカ単独だけではなく、アメリカと他の国々との関係を、悪化させる懸念が、拡大してきている。
今回、ウィキリークスが流した情報は、アメリカとトルコとの関係を、悪化させる懸念がある。それは漏洩された情報の内容が、あまりにもショッキングなものだったからだ。
この情報では、トルコがイラクのアルカーイダを、支援しているということだ。トルコがイラクのアルカーイダに対し、爆弾製造や銃器や武器の供与を、行っているというのだ。イラクのアルカーイダ対応で、アメリカが手こずっていることは、誰もが知るところだ。
他方、アメリカはトルコが、対応に苦慮しているPKKに対し、アメリカ軍内部では自由の戦士(フリーダム・ファイター)と呼んでいる、ということだ。また、アメリカ軍は逮捕したPKKメンバーを釈放し、武器を供与してもいるということのようだ。
もちろん、アメリカもトルコも、この情報を即座に否定している。トルコ政府のスポークスマンは、この情報に反発し、テロと戦っていることを明言した。もちろん、アメリカも同様に、テロとの戦いを強調し、情報を否定している。
 しかし、トルコとアメリカの公式発表だけでは、この情報の影響を消しさることは、出来ないのではないか。トルコとイスラエルとの関係が悪化し、しかも、トルコとイランとの関係が良好なことから、アメリカはトルコに対し、不満を抱いているからだ。
 他方、トルコ国民の間には、アメリカとイスラエルが、PKKを支援しているという推測が、広く信じられている。それは、エルゲネコン(トルコの影の政府と呼ばれる秘密組織)と、イスラエルやアメリカとの関係が、あったと信じている、トルコ国民が多いからだ。
 トルコではアメリカ、イスラエルに加え、このエルゲネコンやトルコ軍の一部が、PKKを支援しているという考え方が、広がっていた。
 今回はトルコの情報が流されたわけだが、ウィキリークスは、次回はオーストラリア、カナダ、イギリス、デンマーク、ノルウエーなどの情報を、流すと予告している
 アメリカは既に、これらの国々とコンタクトを取り、ダメージを最小限にする、努力を始めている。しかし、やはりそれでも各国に、アメリカに対する不満と不信感が広がろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:48 | この記事のURL
NO・1810「極めて重要なムバーラク大統領の一言」 [2010年11月27日(Sat)]
 まさに老骨に鞭打って、エジプトのムバーラク大統領が、湾岸諸国を歴訪した。その目的は、多分に石油で潤う湾岸諸国に対して、金の無心をしに,行ったのだろうと噂されている。
それはほぼ正解であろう。エジプトはいま、経済悪化のなかで、ますます貧富の差が広がり、何時暴発しても不思議ではない状態にあるからだ。それが国会議員選挙と重なり、エジプト国内各地で、衝突が起こっている。
しかし、ムバーラク大統領の湾岸歴訪は、金の無心ばかりでは、なかったようだ。ムバーラク大統領と湾岸各国首脳との話し合いの内容は、詳細に付いて知ることは出来ないが、彼が最後の訪問国バハレーンの予定を終えた後行った記者会見で、極めて危険な内容の、発言をしているのだ。
ムバーラク大統領はパレスチナ自治政府に対し、一日も早いイスラエルとの和平交渉の、再開を呼びかけている。彼はおおよそ、次のような内容の発言をしているのだ。
「パレスチナ政府がイスラエルとの和平交渉を、一日でも早く再開しなければ、イスラエル側は西岸地区の全域を、入植地にしてしまうだろう。そうなれば、パレスチナ政府がパレスチナの建国を決意したときに、建国すべき土地がなくなってしまうということだ。」
 これはとんでもないことなのだ。アラブをリードするエジプトの大統領が「イスラエル政府の意図は、全てのパレスチナの土地を奪うことだ。」と語っているのだ。そして、それを阻止する唯一の手段は、アメリカの仲介によって、イスラエルとの和平交渉を、再開することだというのだ。
 確かに、アメリカの仲介による交渉の最中も、和平交渉が中断している時期も、イスラエルはアメリカの入植凍結要請を聞き流し、政府の方針ではなく、あくまでも民間の動きとして、次々と入植地の建設を進めている。
 最近、日本を訪問したパレスチナ自治政府首相に対し、官総理はお土産として、1億ドルの援助を約束したようだが、実はそれがかえって、パレスチナ国家の設立の、足かせになっていることに、気が付いていないようだ。
 パレスチナ自治政府は「和平、和平」「パレスチナの権利」と口にしながら、交渉再開に種々の条件を突きつけて、前進を阻んでいる。パレスチナ問題は解決しないほうが、世界から援助を受けられ、豪奢安楽な生活が、パレスチナ自治政府幹部には約束されるのだ。
 しかし、最後に気が付いたとき、彼らには建国する土地が、残されていないという、もうひとつの現実がある。その危険をムバーラク大統領は語ったのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:55 | この記事のURL
NO・1809「オバマ大統領の祖母彼のイスラム入信希望」 [2010年11月27日(Sat)]
 ケニアに住んでいるオバマ大統領の祖母、サラー・オマルさん(88歳)が、オバマ大統領のイスラム教への改宗を望んでいることを、ハッジの巡礼のときに祈っていた、とサウジアラビアのアル・ワタン紙に打ち明けている。
 これまで、オバマ大統領の宗教は、イスラム教だというニュースが、伝えられているが、今回の彼の祖母の言葉で、いまではイスラム教徒ではないことが、明らかになった。
 彼は少年期に、インドネシアでイスラム教の勉強をしているが、その後、アメリカで生活しているうちに、何時の時点でか、クリスチャンになったのであろう。
 オバマ大統領の祖母、サラー・オマルさんは、今回のハッジで、サウジアラビアの客として、ハッジを遂げている。サウジアラビア政府に対し、感謝の意を述べたことは、言うまでも無い。
 サウジアラビアのアル・ワタン紙に続いて、このニュースをいち早く伝えたのは、サウジアラビアのシャルクルアウサト紙と、ヨルダンのヨルダン・タイムズ紙だった。
 続いて、イスラエルのエルサレム・ポスト紙が、このニュースを伝えている。もちろん、アラブの各紙とイスラエルとでは、ニュースの受け止め方が、違うだろう。アラブ各紙は歓迎であり、イスラエルのエルサレム・ポスト紙の場合は、全く逆の心境であろう。
 イスラエルにとって、生存の命綱であるアメリカの大統領が、イスラム教徒になってしまっては、政策にたとえ変更が無いとしても、イスラエルにとっては、不安でたまるまい。
 もちろん、オバマ大統領がイスラム教徒に、改宗するとは思わないが、当分の間、アラブとイスラエル双方で、この話題は持ちきりになるのではないか。それだけ、かの地の人たちにとっては、誰が何教徒なのかということが、重い意味を持つのだ
Posted by 佐々木 良昭 at 00:33 | この記事のURL
NO・1808 「NATOミサイル配備受け入れたトルコ」 [2010年11月25日(Thu)]
 以前、NATO(アメリカ)が希望する、トルコへのミサイル配備について、トルコは受け入れるだろう、という予測を書いた。それが最近になって、現実のものとなったようだ。
 トルコがNATOのミサイル配備を、受け入れるだろうと考えたのは、いたって単純な理由だった。もし、トルコがこれを拒否するようなことがあれば、欧米諸国はトルコが、完全に欧米離れをし、イスラム世界あるいは、東方に舵を切り替えた、と判断されたことであろう。
 トルコはNATOの軍事演習で、イスラエルが参加することを拒否したことから、多くの憶測が飛んでいた。そうしたなかで、もしトルコがミサイルの配備についても、断るようなことになれば、実質的にNATOの加盟国としての、認識は薄まってしまったことであろう。
 このミサイル配備で、トルコにとって問題だったのは、イランとの関係に、悪影響を及ぼすのではないか、ということだけであったろう。したがって、トルコはNATOのトルコ国内への、ミサイル配備の問題が持ち上がった時点から、この問題をイランとの間で、調整してきていたのであろう。
 イラン側にしてみれば、トルコにミサイルを配備されることの危険は、二つであろう。一つは、核兵器開発が進んでいる、と欧米が判断して、核兵器製造施設に対し、攻撃を加えるということであろう。もう一つは、イランがイスラエルなり西側の国を、先制攻撃する場合であろう。
 イランに核兵器を開発する、意図が無いのであれば、ミサイル攻撃をされる確率は、低いものとなろう、この場合、アメリカやイスラエルが強引に、平和利用目的の核開発を、核兵器製造に向かっている、と判断した場合は別だが。
 イランが欧米諸国やイスラエルに、先制攻撃をかける可能性は、皆無であろう。したがって、イランとすれば、トルコへのミサイル配備が、イランを名指しで行われるものでなければ、外交的にも国内的にも、大きな問題とはなるまい。
 事実、トルコはミサイルの配備にあたって、トルコ国内に配備されるミサイルは、特定の国に向けられるものではない、ということを条件にしたようだ。そしてトルコは、周辺諸国がトルコに対して、攻撃をしてくるとは考えていないし、トルコもまた攻撃を仕掛ける、意図が無いことを明言している。
 もちろん、このトルコの立場は、あくまでもイランに向けたメッセージであることは、述べるまでもあるまい。トルコの細やかな外交努力が、NATO にとっても、アメリカにとっても、イランにとっても、トルコへのミサイル配備を、受容しやすいものにした、ということであろう。実質的に、このミサイルは、展示用で終わるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:54 | この記事のURL
NO・1807「くすぶるイエメン内紛サウジアラビアに拡大の懸念」 [2010年11月24日(Wed)]
 イエメンのシーア派住民アルホウシ部族と、イエメン政府の対立が武力衝突に発展し、アルホウシ部族はイエメン軍と、しばらく戦闘を展開していた。
 一部族がこれだけの武力抵抗、を繰り返してこられたのは、イエメンの国内の種々の事情によろう。イエメンは21世紀の現在に至っても、地方では中央政府よりも、部族の力が強い。
 彼らはいまだに徴税(といっても住民から税金を取るほどの、余裕はないのだが)の権限を有し、中央政府の意向に関係なく、武器取引を大っぴらに行っている。そのため中央政府からは、分離独立して存在しているのだ。
 この武器の取引が、イエメンにいろいろの問題を、生み出すようになってきた。単に個人が武器を買うのではなく、アルカーイダ(?)のような戦闘集団が武器を購入し、イエメンとその周辺で、テロ活動を展開するようになったからだ。
 イエメンの中央政府には、それを禁止するだけの力が無い、ということであろう。あるいは、その部族を力で抑えるための費用と、その後の福祉予算が手配できないからなのであろう。結果的に、地方部族は自治権を有したような状況に、長い間置かれてきた。
 その一部族であるアルホウシ部族が、イエメン軍と衝突することになったわけだが、何とかイエメン軍はこれを、抑えこむことに成功した。
 しかし、その後も、サウジアラビア領内にアルホウシ部族が逃げ込んでいたが、そこから出てきては武力行動を繰り返すために、イエメンの内部問題であるはずの、部族のイエメン政府に対する反乱が、サウジアラビアも巻き込む形に、なり始めている。
 国境で戦闘が繰り返されるなかで、サウジアラビアは自国への影響を懸念し始め、イエメンに対し、しかるべき対応をしなければ、ならなくなってきているのだ。場合によっては、サウジアラビアがイエメンとの国境地帯に、軍隊を派遣し、状況改善を図るかもしれない。
 そうなると、偶発的にイエメン軍との武力衝突が起こる、危険性が生まれて来るということだ。そうした事態を起こさないために、イエメン側は政府寄りの部族を支援し、部族間の対立、武力衝突を、敢えて起こしている節がある。
 イエメンがアメリカから、アルカーイダの拠点と見なされ始めている昨今、サウジアラビアもしかるべき対応を、アメリアに要求されているのかもしれない。アメリカはなぜイエメンをそうまでも、目の敵にし、新たな戦場に仕立て上げようとしているのか疑問だが、多分にイエメンとサウジアラビアの国境地帯に、膨大な地下資源が、眠っているからかもしれない。アメリカは何のメリットもないところでは、戦争をする気が無いのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:15 | この記事のURL
NO・1806「イスラエル・原理主義で兵役逃れする若者」 [2010年11月23日(Tue)]
 イスラエルは長い間、パレスチナやシリア、レバノンとの間で、何時戦争が起こるかわからない、緊張した状態に置かれてきている。
このためイスラエル国民の間には二つの相反する感情が生まれている。ひとつは厭戦の感情であり、一日も早くアラブとの間で和平を結び、平和な生活が送りたいというものだ。
もうひとつは外的に対する恐怖心から異常なほど敵の動きに対して敏感になり、過剰な反応を起こすことだ。トルコの送ったガザへの支援船フロテッラ号に対するイスラエル兵の対応(残虐行為)はまさにその結果であったろう。
そして、もうひとつこうした感情の流れの、心理の変化のなかでイスラエルではとんでもないことが起こり始めている。それは兵役義務の年齢に達した若者たちの多くが兵役逃れをするようになったことだ。
その兵役逃れの方法とはユダヤ教原理主義者たちは戦争を宗教的判断で禁止されているとし、それを政府に認めさせ、彼らのメンバーは兵役義務を免除されるのだ。
兵役逃れを希望する若者たちは、そのユダヤ教原理主義団体であるハレデイに加盟することによって、兵役義務を逃れているのだ。
始めのうちはハレデイのメンバーの数も少なく宗教的理由があることから政府も特例扱いしてきたのだろうが、ここに来てだんだんそうはいかないことに気がつき始めたようだ。
最近では兵役義務の年齢である18歳から40歳の者のなんと50パーセントが兵役逃れをしているというのだ。それは徴兵期間だけではなく、予備役期間についても、当てはまるということだ。
これではイスラエルの軍は、人手不足でまともな戦争、国防が成り立たなくなるだろう。しかもその割合は年々増加しており2020年頃には兵役義務逃れは2010年には9・6パーセントに達し、そして2020年には13パーセントに達するという予測だ。
若者の兵役逃れの傾向は、テルアビブのような大都市では少なく、地方都市の方が多いのが特徴のようだ。
1948年に起こった第一次中東戦争、1956年の第二次中東戦争、そして1967年に起こった第三次中東戦争で、アラブに大勝したイスラエルの勝利の主因は、危機感によるイスラエル国民の、団結の強さだったと思う。しかし、1973年に起こった第四次中東戦争では、辛うじて五分五分に持ち込み、停戦したというのが実情であろう。
昨今、イスラエルは世界中から、冷たい視線を受けるなかで、国民の厭戦気分が広がっていくのでは、国防に不安が生じ、その不安は拡大していく、ということになろう。
1973年の第四次中東戦争での、引き分けに続き、1981年に起こったレバノン戦争では、シリアがいち早く停戦したために、PLOだけを敵に回す形になり、勝利することが出来た。
しかし、2006年に起こった、レバノンのヘズブラとの戦争では、勝利の形は得たものの、イスラエルが精神的には、完全に敗北することとなってしまっている。それは、イスラエル側が考えた被害を、大幅に上回る被害を、レバノンのいち集団に過ぎない、ヘズブラの攻撃で受けたからだ。
イスラエルはこの現状から、出来るだけ早く、抜け出さなければなるまい。それが出来なければ、イスラエルの仇敵である、イランのアハマド・ネジャド大統領が語っているように、イスラエルは地上から、消えてしまうことになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:16 | この記事のURL
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