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NO・1789「M・エルバラダイ氏エジプトの民主化はオバマ頼み」 [2010年10月31日(Sun)]
 ムハンマド・エルバラダイ氏は、エジプトの大統領選挙に立候補しようと、運動を展開してきたが、ここに来てほぼ不可能と考えたのであろうか。元IAEAの事務局長ムハンマド・エルバラダイ氏が、アメリカのオバマ大統領に対し、アラブの民主化を進めるよう要請したようだ。
彼はエジプト政府が国民の要望に応えなければ、失望した若者がイスラム原理主義に流れて行き、危険な状況が拡大すると警告している。確かに、エジプトでは最近になって、20人もの若者がジハード組織に加盟し、逮捕されている。
彼はこれまで、誰でも大統領選挙に立候補できるよう、憲法の改正を要求した、しかしそれは失敗に終わった、次いで11月28日に実施される国会議員選挙をボイコットするよう、野党各党に働きかけた。しかし、これも野党各党からは、思わしい反応が無く、ほぼ失敗に終わっている。
そこで、ムハンマド・エルバラダイ氏は、テロとの50年戦争を宣言しているアメリカを活用し、突破口を開く方法を考えたようだ。曰く、エジプト政府が国民の要望に応えず、民主化を進めなければ、国民の不満が募り、イスラム原理主義に流れていく。その結果は、エジプト社会が極めて危険なものに、なっていくというものだ。
もちろん、ムハンマド・エルバラダイ氏がいまの段階で、エジプトを取り上げているのは、当面の目標がエジプトの民主化ということであって、アラブ全体の民主化推進が、彼の構想の中にはあろう。
ムハンマド・エルバラダイ氏は、エジプトの貧困についても触れている。エジプト国民の半数が、電力の供給を受けられない状況で暮らしており、綺麗な飲料水も確保されていないし、健康維持へのサービスも受けられないでいる、と指摘している。
 そうした状況が続くことは、時限爆弾と同じように、時間の経過の後には、国民による暴力的抵抗が始まるというのだ。確かにその危険があることは、否定できまい。しかし、同時にエジプト社会が、そう簡単には暴発しないことも事実だ。
誰かが、大衆は思想のためではなく、パンのために革命を起こす、と言ったが、エジプト社会はいまパンに飢えているだろうか。確かにパンが値上がりして、今年は問題になった。しかし、その後の政府の緊急対応は、その問題を解決し、事なきを得ている。
トマトの暴騰の場合も同様で、政府は緊急対応を行っている。そればかりか、トマト不足をちゃっかり、政治宣伝に利用し、来る選挙を有利に展開しよう、とさえ考えているのだ。
エジプト政府にとって幸運なことは、まさにナイル川の恩恵であろう。ナイル川がある限り、農業は多くの収穫物をもたらしてくれる。一部の商売人が大もうけしようとして、品不足を画策したりするが、強権を持ってすれば、ものがあるだけに、問題を解決することができるのだ。
ムハンマド・エルバラダイ氏が、アメリカのオバマ大統領に訴えたような状況には、なかなかなりにくいのではないか。そうした判断が、ムハンマド・エルバラダイ氏の口をついて出てきたのは、彼がこの国から28年間も、離れていたことによろう。つまり、ムハンマド・エルバラダイ氏はエジプト社会に戻ってきたが、それはまるで浦島太郎のようなもので、現実が見えていないのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 19:18 | この記事のURL
NO・1788「エジプト大統領選出はトマトで決まる?」 [2010年10月30日(Sat)]
 今年の夏は日本ばかりではなく、世界中が猛暑に襲われた。ロシアのモスクワでも、35度を上回る日が長い間続き、多数の死者が出たようだ。そればかりか、野菜を始めとする農作物にも被害が生じ、小麦は世界的な規模で大凶作となった。
世界中を襲ったのは、この小麦の凶作の結果、小麦の価格が暴騰したことだった。小麦輸出国の多くが、輸出価格を値上げし、あるいは輸出を制限し、あるいは輸出を止めたからだ。
エジプトは最初に、この小麦の値上げで打撃を受けた。8400万人といわれるエジプト国民の、パンの消費量は膨大なものだ。このパンが値上がりすることは、国民の不満を高めることになり、体制にとって大きな危険となった。
エジプトで次いで起こったのが、トマトの価格の暴騰だった。エジプトはナイルの賜物といわれる国であり、農産品、野菜、果物は豊富に収穫されるため、低価格であることが、貧しい庶民の生活を、長い間下支えしてきていた。
エジプトではガルギールと呼ばれるルッコラ、日本でも知られるモロヘヤといった野菜や、マンゴーやネーブルオレンジ、ブドウ、石榴など、果物が豊富に収穫されている。もちろん、エジプトの野菜の代表格であるトマトも、大量に栽培され収穫されている。
エジプトでは、このトマトを使った料理が実に多い。というよりも、トマトはあらゆる料理のベースになっている、と言っても過言ではあるまい。スープはもちろんのこと、サラダにも、煮物にも使われる。乾燥したものすらあるほど、一般的な食品なのだ。
つまり、トマト無しにはエジプトの食卓は飾れない、成り立たないといえるほど、トマトは主要な食材となっているのだ。そのトマトも猛暑の影響を受け、今年は不作となっている。
エジプトではこのところ、食料品の値上がりがひどかったが、ここに来てトマトの価格が、過去数ヶ月前と比較し、3倍に跳ね上がり、1キロが10〜12エジプトポンド(約200円程度)になったのだ。この値上がりに庶民の台所は、直接的なダメージを受けることになった。(エジプトの平均給与は、最近引き上げられ400ポンドになった。)
これを見た与党国民民主党は、トマトを安価で販売する、活動を展開し始めた。もちろん、それは庶民に喜ばれることとなっているのだが、実はトマトの安価での販売は、与党国民民主党の選挙に向けた、選挙のための宣伝活動の一環だったのだ。
エジプトでは11月28日には国会議員選挙、そして来年には大統領選挙が待ち受けている。与野党ともに選挙で勝利するためには、庶民の支持をどれだけ取り付けるかに、かかっているわけだが、今度の選挙では、その鍵はトマトということになりそうだ。
エジプトの大統領はトマトが決める、という笑えない冗談が、現地ではささやかれているのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:38 | この記事のURL
NO・1787「トルコに突きつけられた踏み絵」 [2010年10月29日(Fri)]
 トルコの政権がエルドアン首相ギュル大統領によってリードされる、開発公正党(AKP)政権に代わって以来、トルコが次第に西側寄りというよりも、イスラム世界寄りにシフトしてきているのではないか、という疑問が欧米イスラエルのなかで、広がってきていた。
 確かに、トルコのイランに対する外交や、シリアとの関係正常化、パレスチナ問題への関与の仕方を見ていると、トルコはイスラムの国であったということを、印象付けられよう。
 トルコはイスラエルの参加する、NATOの合同軍事演習をボイコットしたり、イスラエルに対するパレスチナ対応を、強く非難してきてもいる。このため、イスラエル国内にはトルコを今までのような、中東世界唯一の友好国とみなすべきではない、という考え方が広がってきている。
 トルコは本当にイスラム世界に、接近しているのだろうか。トルコは西側諸国に、距離を置き始めているのだろうか。この点については、幾つかのトルコの事情を、説明する必要がありそうだ。
 トルコも他の諸国と同様に、アメリカのサブプライム・ローンの影響を受けている。経済は低迷傾向にあった。そのなかで、トルコが取るべき方向は、湾岸諸国との関係強化であった。湾岸諸国の資金をどう引き付けるか、ということだ。
 そのためには、トルコのエルドアン首相がイスラエルに対して、強い立場を示す必要があったのだ。それは内心では、言葉ほど強いものではないのだが、それなりに効果を発揮し、湾岸諸国、次いでアラブ全体が強い支持を、トルコに送るようになった。
 続いて起こったフロテッラ号事件、つまりガザへの支援船で、トルコ人に犠牲が出たことにより、アラブ諸国はトルコがパレスチナのために、血の犠牲を出してくれた、と大歓迎した。
 こうしたアラブ諸国の反応を受け、イスラエルとアメリカ、そしてヨーロッパ諸国のなかに、トルコへの疑問が広がったということだ。そこで今回、トルコの立場を確認する、大きな問題がアメリカやヨーロッパ諸国から、トルコに対して突きつけられることになった。
 それは、ポーランドやチェコなどに配備が予定されていた、ミサイルやレーダー・システムの配備に、ロシアが反発したことから、ポーランドやチェコではなく、トルコに配備しようという考えだ、
 しかし、トルコにミサイルとレーダー・システムが配備されることはイランにとって、極めて不利なことになる。当然、イランとの関係改善を進めているトルコにとって、これは極めて難しい判断となろう。
 イランは当然、早々とトルコへのミサイル配備に、反対の立場を示した。トルイコはトルコで、ミサイルの配備については明言を避けているが、そのミサイルが周辺諸国を攻撃することを、前提にしないこと、レーダーで得られる周辺諸国の情報を、しかるべき国に提供しないこと(イスラエルを指している)を条件とするようだ。
 いまトルコでは、政治家と軍人の間で、熱い議論が展開されているようだが、最終的には落とし所を見出して、ミサイル配備を受け入れるのではないか、と思われる。
そうでなければ、トルコはアメリカやヨーロッパ諸国、そしてイスラエルから、完全に敵視される危険性があるからだ。そこで一番の活躍は、トルコのダウトール外相であろう。イラン側のかたくなな立場を氷解出来るのは、彼にしか出来ない芸当であろうから。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:28 | この記事のURL
NO・1786「ラース・ル・ハイマ首長の死と今後の不安」 [2010年10月28日(Thu)]
 日本人でラース・ル・ハイマという国名を知っている人は、ごく一部であろう。ラース・ル・ハイマはアラブ首長国連邦の構成メンバーである、首長国の名だ。この首長国はペルシャ湾の出口である、ホルムズ海峡に隣接していることから、日本にとっても重要な意味を持つ国だ。
この国の首長(国王)が死去し、いまラース・ル・ハイマを含むアラブ首長国連邦全体に、不安定な状況が生まれ始めている。それは、死亡した首長の後継問題をめぐる争いが、今後、激化する危険性があるからだ。
死亡したのはシェイク・サクル・カーシミー首長だが、その後継になるのは、シェイク・サウード皇太子であるのが当然だ。しかし、彼はシェイク・サクル・カーシミー首長の次男であり、以前、長男のシェイク・ハーリド王子が、皇太子の地位にあったことに、今回の後継問題は起因する。
長男であるシェイク・ハーリド王子が、何故、皇太子の地位から外されたのかは定かでないが、現在の皇太子であり、首長職後継者であるシェイク・サウードとは、腹違いの兄弟だ。
シェイク・ハーリド王子は2003年まで、皇太子の地位にあったが、更迭された後、外国に居住しているということだ。その彼が、父親であるシェイク・サクル・カ−シミー首長の死亡後に、自分こそが首長職を継ぐ、正統性を持っている、と言い出したのだ。
シェイク・ハーリド王子は、アラブ首長国連邦の法に従えば、自分に後継者になる権利がある、と主張しているが、アラブ首長国連邦を構成する、6つの首長国は全てが、彼ではなく、弟のシェイク・サウード皇太子の首長継承を、支持しているということだ。
こうした問題が起こった場合、必ず外国の一部が、この問題に介入し、問題を益々、複雑化させる傾向がある。今回の場合も、多分に外国の干渉や、関与工作が予測出来よう。
問題はラース・ル・ハイマ一国に留まらず、アラブ首長国連邦全体に、及ぶ危険性があるということだ。その結果、ラース・ル・ハイマの面するホルムズ海峡が、何らかの影響を受けることになれば、日本への石油輸送にも、影響が及ぶということになろう。
あるいは、そこまで行かなくても、不安要因が保険を値上げさせることも、ありえよう。相場は変化を求めるために、小さい出来事にも、敏感に反応する傾向がある。そのことを頭に入れておく、必要がありそうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:54 | この記事のURL
NO・1785「イラクのT・アジーズ元副首相兼外相に死刑判決」 [2010年10月28日(Thu)]
 イラクのサダム体制時代に、例外的に温和な表情を世界に見せていた、ターリク・アジーズ副首相兼外相に対し、イラクの裁判所は死刑判決を下した。それは西側世界に、相当のショックを与えているようだ。
 なぜならば、彼はカソリックのクリスチャンであり、自身が何もやましいことをした覚えがないとして、アメリカ軍に出頭し逮捕されているからだ。この死刑判決については、国連もヴァチカンも国際人権組織も、強く反対している。
 裁判所が示した罪状は、クルド人の追放、宗教グループに対する弾圧、人道に対する犯罪といったことのようだ。しかし、ターリク・アジーズ氏の長男ザイド・アジーズ氏は、父親が宗教グループに対して、弾圧を加えたということはない、と明確に否定している。
そして彼は、裁かれるべきなのは父親ではなく、ウイキリークスで暴かれているように、マリキー首相の犯罪の方だと語っている。
今回のターリク・アジーズ元副首相兼外相に対する裁判所の判決の前には、既に15年の判決が下っていたが、今回はそれが絞首刑に変わっている。その理由について、ターリク・アジーズ氏の長男は1980年に、マリキー首相の属するダウア党が、バグダッドにあるムスタンシリーヤ大学で、ターリク・アジーズ氏暗殺を企てて失敗したことに対する、復讐だと語っている。
当然この暗殺未遂の後、多くのダウア党のメンバーが処刑されたものと思われることから、長男の主張する復讐としての処刑判決は理解出来よう。
確かに、多くの旧サダム体制の幹部が、死刑判決を受け、既に処刑されている。まさに、それは復讐裁判と言っても、差し支えないのではないか。かつて、大東亜戦争が終了した後、東京で開かれた極東裁判でも、同様の勝者による裁判が行われたが、それがいま、イラクの国内で起こっている、ということであろう。いわば「イラク版の極東裁判」ということであろう。
サッダーム・フセイン大統領の非人道的な支配については、これまで多くが語られてきたが、アメリカ軍がイラク侵攻して以来、死亡したイラク人の数は、サッダーム・フセイン大統領によって殺害されたと言われている犠牲者の、何百倍あるいは何千倍にも及ぶのではないか。
複雑な人種構成、宗教構成のイラクでは、ある種の独裁強権体制は、必要悪であった部分もあろう。そのサダム体制に仕えたターリク・アジーズ氏を始めとする、旧体制幹部を裁くことに、どれだけの正当性があるのだろうか。
自身がイラクの旧体制の高官であった場合、勇敢にサッダーム・フセイン大統領の冷酷な国民支配に、自身と家族の生命を賭けて反論出来たろうか。戦争後に行われる裁判について、何らかの国際的な基本ルールを、設けるべきではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:42 | この記事のURL
帰国しました [2010年10月27日(Wed)]
昨日帰国しました。
フライトの大幅な遅れなどで睡眠不足、加えてスケジュールんのつさがたたりさすがに今日はばてていました。体力回復したらご報告を始めます。-----
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Posted by 佐々木 良昭 at 19:26 | この記事のURL
海外出張のお知らせ [2010年10月16日(Sat)]
  海外出張のお知らせ
10月18日から26日まで、インドネシアとマレーシアに出張して来ます。
インドネシアには国際会議への参加です。宗教間の寛容についての会議です。マレーシアは同国の経済状況や国内的安定度などを調査してくる予定です。
したがって、出張中は中東TODAYを休ませていただきます。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:06 | この記事のURL
NO・1784「賢いハリーリ首相のA・ネジャド大統領への対応」 [2010年10月16日(Sat)]
 中東世界には、商才に長けた人たちが沢山いる、商売に才能のある人は、社会的にも評価されるのだ。それは、イスラム教の預言者ムハンマドが、商人であったことに、由来している。
それだけに、中東ではレバノン商人を筆頭に、シリア商人、リビア商人、ペルシャ商人などが、商才が長けているとして、世界的にも知られている。シリア商人の老獪さ、レバノン商人の度胸のよさなどは、つとに知れ渡っている。
今回のイランのアハマド・ネジャド大統領のレバノン訪問では・いみじくもその片鱗が見えた気がした。アハマド・ネジャド大統領は、巨額の援助をすることを冒頭に宣言し、レバノン人の気を引いた。
加えて、レバノン人が一番憎んでいる、イスラエルを非難し、イスラエル軍によって攻撃された、レバノン南部の村を訪問している。そこでは、レバノン人こそが戦いの英雄であるとし、解放闘争はレバノンから始まる、といった激しいイスラエル非難の演説も行っている。
もちろん、レバノン人の多く、なかでもヘズブラ支持のシーア派の人たちは、アハマド・ネジャド大統領のレバノン訪問を大歓迎した。彼が通る沿道には、巨大なアハマド・ネジャド大統領のポスターが張られ、沢山の人たちが熱狂的に迎えた。
アハマド・ネジャド大統領はミシェル・スレイマン大統領と会談し、ヘズブラのナスラッラー師と会談し、ハリーリ首相とも会談している。しかし、他の二人とは異なり、ハリーリ首相との会談は、アハマド・ネジャド大統領が期待する、結果にはならなかったようだ。
アハマド・ネジャド大統領はハリーリ首相との会談で、イランとレバノンがイスラエルに対抗する、同盟関係の国家として、特別な関係になることを望んだようだが、丁重に断られている。
ハリーリ首相は、レバノンが極めて特殊な文化的国家であり、いままで、イスラエルとの間起こった戦争を通じて、悲惨な状況に置かれてきたこと、アラブ・パレスチナ問題でも、多大の犠牲を払ってきたことを説明し、イスラエルに対抗するための、イランとの新たな関係を、作るつもりは無いと語っている。
お見事といえる、ハリーリ首相の対応振りだ。イランのアハマド・ネジャド大統領の希望するような形で、そのまま彼の意見を受け入れていたのでは、レバノンは明日にでも、イスラエルの攻撃の対象になってしまおう。
レバノン内戦で破壊され尽くされたベイルートを、ハリーリ首相の父が私財を投げ打って再建した。それを再度イスラエルの空爆によって、灰燼にしてしまう気は毛頭ないということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:46 | この記事のURL
NO・1783「エジプト政府選挙に備え報道規制強化」 [2010年10月15日(Fri)]
 エジプト政府は、近く実施される国会議員選挙に向けて、報道を規制する新たな方針を、打ち出したようだ。ただし、それが外国の報道機関にも当てはまるのか、それがどの程度厳しいものかは、まだ分からない。
 エジプトの場合、選挙を前に、一番影響力のある報道媒体は、テレビであろう。文盲率がいまだに高い国の場合は、活字媒体もさることながら、映像で伝える法が断然効果がある。
 選挙の投票では、候補者の名前を投票者が記入するのではなく、一定のシンボル・マークのところに、バツ印を入れて投票するのだ。つまり、ナツメヤシの木、ラクダ、ロバ、スイカなどの絵が、政党や候補者をさすのだ。これなら文盲の人でも、区別が付くということだ。
 そこで、今回の報道規制では民間のテレビ局が、一番厳しい規制を、受けることになりそうだ。ケーブル・テレビ、一般の電波によるテレビと、民間のテレビ局の数は多い。加えて、周辺諸国の民間テレビも多く、規制は決して容易では無かろう。
 今回の規制は、国会議員と地方議員選挙に、関連するもののようだが、来年の大統領選挙にも、影響するものであろう。したがって、政府与党はいまのうちから、厳しく監視することによって、反政府の党や人士に、勝手なことはさせない、という強い意思表示をする、ということであろう。
他方、これまではムバーラク大統領の子息である、ガマール氏のポスターがはがされ、オマル・スレイマ−ン情報長官のポスターも、途中で沙汰やみとなったが、ここにきて、ムバーラク大統領のポスターが、貼られ始めたようだ。
エジプトからは、ムバーラク大統領がドイツで手術を受けた後、順調に回復し、以前よりも極めて健康な状態になっている、という報道が目立つ。
そうはいっても、高齢であることから、何時何があっても不思議はない。ムバーラク大統領のポスターが、貼られだしたということは、なんとか、ムバーラク離れ、ガマール離れを、阻止しようということからではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:59 | この記事のURL
NO・1782「イスラエル外相の暴言は同国の本音?」 [2010年10月14日(Thu)]
 イスラエルのリーベルマン外相の発言は、時として乱暴すぎるために、本人は個人的な意見だったと弁解し、イスラエル政府は、彼の発言は時として暴言となる、と苦言を呈して見せてきていた。
 しかし、彼の発言を冷静に考えながら見ていると、それは暴言であるかもしれないが、イスラエル政府と国民の本音を、語っているのではないかと思われる。
ヨルダン川西岸地区への入植問題で、ネタニヤフ首相はいろいろと策を弄して、アメリカをなだめてきたが、結果的には、明確な立場を示さず、なし崩しになってきていた。
 つまり、イスラエル政府がどのような言い訳をしようが、イスラエル人による入植活動は確実に進行し、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人の土地は、強引に取り上げられてきているのだ。
最もひどいのは、東エルサレムのパレスチナ人居住者のケースであろう。彼らは自宅から追い出され、自宅は彼らの見ている前で破壊され、そこにイスラエル人のための住居が、新たに建てられているのだ。
最近になって、ネタニヤフ首相が主張し始めている「イスラエルはユダヤ人のための国家」という考えは、実は全てのパレスチナ・イスラエル人(イスラエル国籍を有するパレスチナ人)をイスラエル国内から、ヨルダン川西岸地区に追放する、という前提で語られているのではないのか。
それと交換に、一部(全部ではない)ヨルダン川西岸地区にある入植地から、ユダヤ・イスラエル人を撤退させる、ということではないのか。それが「土地と平和の交換」になる、ということであろう。
最近になって、リーベルマン外相は「パレスチナ人はイスラエル国土の中に、自治のアラブ地区を、造ろうとしているのであろう。」と語っている。彼の言わんとするところは、ヨルダン川西岸地区もイスラエルの領土であり、パレスチナ人はそのことを認め、何らかの自治権を得ることで、妥協させられるということであろう。
 リーベルマン外相の考えに近い考え方をしている、イスラエルの閣僚は少なくない。ただ、彼らは本音を明確には、口にしないだけだ。やがて、パレスチナ人はイスラエル国内から追放され、ヨルダン川西岸地区に居住し、そのような状態が不満である者は、情け容赦なくそこからも追放される、ということであろう。
 かつて、元首相だったシャロン氏が唱えていたように、ヨルダン川西岸地区はイスラエルの固有の領土であり(神がユダヤ人に約束したジュデア・サマリアの土地の範囲に、ヨルダン川西岸地区は含まれている)、現在のヨルダンが、パレスチナ人の土地なのだ、ということであろう。リーベルマン外相は実は、本音を語ってくれている、親切な人物なのかもしれない。アッバース議長はそのことを無視して、嘘でパレスチナ人を、ごまかしているだけだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:23 | この記事のURL
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