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NO・1574イラン・モッタキ外相の講演会 [2010年05月31日(Mon)]
 イランのモッタキ外相が急遽来日し、日本の外務省と交渉があった。イラン大使館からその合間を縫って、モッタキ外相の講演会を、開催してほしいという依頼があった。
当方としては、世界の最も関心の高い国の、外務大臣の講演ということで、喜んで受けることにした。5月31日正午から約2時間半の時間を、割いていただくことにした。
 講演はいたって穏やかな雰囲気の中で行われたが、それはイランの外相だけではなく、イラン国民が日本人に寄せている信頼感に、裏付けられたものであったと思われる。当然のことながら、いい雰囲気のなかでの講演には、必ず普通以上のサービスがあり、ここでしか聞けない裏話が幾つも飛び出した。
 たとえばトルコとブラジルが核燃料の交換を、イランに持ちかけていたとき、アメリカが両国を激励し、オバマ大統領が両国に対し、親書を送ったという話が出た。この点については、種々異なる情報もがあるが、案外真実であろうと思われる。
 そのためであろうか、質問者がもしアメリカが、トルコとブラジルが進めている仲介を否定した場合に、イランはどうするのかという質問に対し、アメリカは反対しないから進むだろう、という楽観的な見通しを語っていた。
 そもそも、トルコが最初に仲介役を始め、次いでブラジルがそれに参加する形になった、今回の両国の動きの裏には、われわれには知りえない、国際間の裏取引があったのかもしれない。
 講演会の終わった後、質問してくれた3人とテレビ局の参加者を、喫茶店に誘い意見交換をした。そのなかで、誰言うとも無くモッタキ外相は来日後、すぐにベルギーに飛ぶといっていたね?
多分、イランは日本の面子を立てて、最終的なアメリカの意向打診か、アメリカへのメッセージを、日本に伝えに来たのではないか?それをもって、モッタキ外相はEUの本部である、ベルギーに向かうのではないか?という推測がなされた。
トルコを舞台に、低濃縮ウランと高濃縮ウランが交換されることになれば、高濃縮ウランはフランスしか提供できない。したがって、この取引の最終的な行き着く先は、EUだろうということになった。
モッタキ外相の講演内容、質疑応答の様子は以下のアドレスで見られます。皆さんも判断してみてください。イランの核問題が平和裏に収まることを、望むばかりです。モッタキ外相の講演が見られる、笹川平和財団中東イスラ−ム基金アドレス。http://www.ustream.tv/recorded/7345596
Posted by 佐々木 良昭 at 22:45 | この記事のURL
NO・1573追い込まれるイスラエル・浮上するイラン [2010年05月31日(Mon)]
日本時間の5月29日、国連で開催された核拡散防止条約再検討会議は、核なき世界の実現に向けて、64項目の行動計画を最終文書としてまとめた。この合意に加え、国連の最終合意文書には、2012年に中東非核地帯実現に向けた会議を、開催することも決めた。
この合意文書は、今回の会議に加え2012年の会議も、イスラエルが焦点となるものであったため、イスラエルは強く反発している。イスラエルは2012年の中東非核地帯構想会議には、参加しないと拒否の立場を明確に示した。
イスラエルが今回の合意文書にクレームをつけたのは、イランの核開発に関する言及が、無かったことに起因する。国連の決議は実質、イスラエルを焦点にしたものであり、イスラエルにNPT加盟を、求める内容のものだった。
しかし、イスラエルはNPT に加盟していないことから、合意内容には縛られないと主張している。
アメリカはイランの核について追求すれば、おのずからイスラエルの核をよけて通ることは出来ず、今回のような形の合意を、飲まざるを得ないこととなった。このことから、イスラエルは「アメリカはイスラエルを犠牲にした」とアメリカ批判まで始めているが、イスラエルがかたくなになればなるほど、国際的に孤立していくことになろう。
加えて、今件6月に開催予定のIAEA会議でも、イスラエルの核問題が取り上げられそうだ。イスラエルは核兵器の保有について、これまで肯定も否定もしない立場を取り続けてきたが、どうやらその立場を貫き通すことは、難しくなっていきそうだ。
イスラエルの抵抗が強ければ強いほど、イランの核問題は影を薄くしていくことになるのではないか。少なくとも、いまの段階ではイランは、核兵器を保有していないわけだし、イランの最高権威であるハメネイ師は、核兵器を保持しない、と明確に否定している。
こうなるとトルコとブラジルが努力してきた、イランの核開発をめぐる問題が、軟着陸する可能性が出てきたということではないのか。アメリカは必死で制裁を決議し、それを早急に実施したいと考えているようだが、国際的な反発が強まるのではないか。
その場合、懸念されることは、イスラエルの軍事力行使だ。しかし、それもイスラエルにとって、極めてリスキーな選択であろう。何事も常識の範囲に収まるのが、一番好結果を生むのではないか。それを日本には提案して欲しいものだ。
今回の国連決議は結果的に、トルコとブラジルに対する、国際的な評価を高めたのではないか。イランはつかの間であれ、ホット胸をなでおろしていることであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 01:08 | この記事のURL
NO・1572アメリカはどうしてもイランを制裁したい [2010年05月28日(Fri)]
 トルコとブラジルが、イランとアメリカの仲介役を果たし、イランに対する国連制裁を、止める努力を続けてきた。結果的に、イランは低濃度のウラニュームと、中濃度のウラニュームとの交換に、応じることを正式に発表した。
 交換場所はトルコとされ、イランの核開発をめぐる問題は、一見落着したかに思われた。しかし、ロシアが国連制裁に賛成する姿勢を示し始めたことから、事態は急変し始めた。
 イランのアハマド・ネジャド大統領はロシアに噛み付き、ロシアは中東での権益を失いかねないと警告した。その後、ロシアのラブロフ外相はイランが国連の要求に応じて、核問題の解決を進めていくのであれば、制裁に参加しない可能性も、あることを口にした。
 他方、アメリカ側ではキッシンジャー博士が、制裁は時間の無駄だとし、実質的には、軍事攻撃をするべきだという内容の、発言をしている。そして、クリントン国務長官も、制裁が絶対に必要であることを語り、トルコやブラジルの仲介は意味をなさない、という立場を示している。彼女はブラジルに対し、アメリカとの信頼関係を失うことの、危険さを警告してもいる。
 それは間接的であるにしろ、トルコにも向けられたものだ、と理解すべきであろう。
 クリントン国務長官のこのような強硬な立場は、イランが現在交換しようと主張している、何倍もの低濃度ウラニュームを所持しているはずだ、という推測が元になっているようだ。
 今回、トルコとブラジルの仲介により、イランに対する新たな制裁が可決され、実施されることにならなければ、やがてイランは核兵器保有国になってしまう、という焦りからであろう。
 したがって、クリントン国務長官は、どんなことがあっても、制裁が可決されるように努力をしよう。それは、制裁を妨害したり、制裁に反対する国には、アメリカによって、何らかの制裁、脅し行われうるということであろう。
 日本は国内問題に忙殺されて、ほとんどこの問題に関心を持っていないが、各国はこのイランの核問題で、何処に位置する方がいいのかを、いま真剣に考えているところであろう。
 来る5月31日には、笹川平和財団が主催し、ホテル・オークラのオーク・ルームで、イランのモッタキ外相の講演会が開催される。笹川平和財団の働きかけにもよるが、内外の報道陣が高い関心を寄せ、この講演会に大挙して、参加する予定だ。
 会場外にはテレビが設置され、ランチョンに参加できない人にも、モッタキ外相の講演が見聞きできるよう準備される。多数のご参加を期待したい。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:09 | この記事のURL
NO・1571A・ネジャドの焦り、ロシアとの関係悪化の懸念も [2010年05月27日(Thu)]
 イランとロシアは、ロシアがソビエト時代、隣接する国同士でもあったことから、極めて関係は複雑だった。隣接国同士は通常、あまり関係がよくないのが普通だ。
 しかし、イランの体制がパーレビ国王による王制から、ホメイニ革命を経て共和国に変わり、両国の関係は改善した。その第一は、それまでアメリカの武器体系のなかに組み込まれていたイランが、ロシア型の武器に代わって行き、ロシアのイランに対する武器輸出が、伸びたことが一因であろう。
 イランは改善したロシアとの関係のなかで、核施設の建設契約をロシアとの間で交わし、ブシェールの原発はほぼ稼働できる状態になりつつある。しかも、ロシアはイランが想定する、イスラエルからのミサイル攻撃に対応することができる、S300型ミサイルの供与も合意している。
 このS300型ミサイルの供与は、いまだに実現していないが、早晩実行されるだろうと思われる。つまり、イランはロシアとの良好な関係のなかで、自国の安全を保持している、ということが言えるだろう。
 もちろん、今回国連を舞台に大問題となっている、イランに対する核開発を阻止するための制裁についても、ロシアはイランを支持してくれるだろう、と思っていたようだ。
 しかし、そのイランのロシアに対する期待は、不確かなものになりつつある。ロシアが拒否権を発動する可能性が、無くなってきたのだ。イランにしてみれば、ロシアと中国が拒否権を発動してくれれば、絶対に制裁案は成立しない、と高をくくっていた部分が、あったのではなかったか。
 このロシアの態度変化に、アハマド・ネジャド大統領は、彼独特の言い回しで噛みついた。曰く、ロシアは大国(イラン)との関係の上で、物事を決定する際には、もっと思慮深くあるべきだ。つまり、ロシアのアメリカ支持の対応を再考し、イラン支持に回って欲しいということだ。
 これに対し、ロシアの外交トップ・アドバイザーであるセルゲイ・プリコドク氏は、ロシアの立場はプロ・アメリカでもプロ・イランでもない、あくまでも国民の利益に沿って、決められるのだ、と切り返している。
 アハマド・ネジャド大統領はこれまで、巧妙な語り口で、アメリカや世界を批判してきた。そして今、盟友と期待していたロシアにも、その鋭い舌鋒を向け始めた。そのことが結果的に、イランを窮地から救うことになるのか、あるいは最悪の結果をもたらすのか。
 イスラエルにもアメリカにも、ある種の焦りがあることをお伝えしてきたが、イランの側にも相当な焦りが、出てきているということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:47 | この記事のURL
NO・1570クリントンはイラン制裁を断固推進というが [2010年05月26日(Wed)]
 アメリカのクリントン国務長官が中国を訪問し、両国関係について話し合った。同時に、イランの核問題に対する、対応も協議した。結果は必ずしも、彼女が考えていたようなものには、ならなかったのではないか。
 中国側との交渉の後、クリントン国務長官は記者団に対し、イランの核開発問題に対する、彼女の見解意を開陳した。
曰く、イランは平和的な核開発であり、それは世界のどの国も、許されるべきものだと語っているが、それはだましでしかない。イランはあくまでも、核兵器の開発を望んでおり、それを目指して核開発を進めているのだ、ということのようだ。
クリントン国務長官の考えでは、トルコとブラジルの説得に応じ、イランが低濃縮ウランと中濃縮ウランとの、交換をトルコを舞台にして実施することを、受け入れたのは、あくまでも新たな制裁が行われないようにするための、措置だというのだ。
イラン側の説明は、全く信用するに値しないものだ、ということであり、クリントン国務長官はいまだに、幾つもの疑問に対して、イラン側は答えていないと主張している。
トルコとブラジルの仲介による、低濃縮ウランの交換量は、2640ポンドだとされているが、それが全ての低濃縮ウランの量ではないだろう、というのがアメリカの考えのようだ。
つまり、イランは低濃縮ウランの一部を、中濃縮ウランと交換し、それはあくまでも医療用などに、使用すると説明しているが、裏には、相当量の低濃縮ウランが隠されており、その隠匿分が濃度を高められ、最終的には核兵器に変わるという推測であろう。
人間が人間を疑えばキリが無い。確かにアメリカが主張するように、イランは低濃縮ウランを隠匿しており、表面的には低濃縮ウランと中濃縮ウランを交換することを、受け入れることにより、イランはあくまでも、平和的な核開発を進めているのだ、という印象を世界に与えようとしている。
結果として、制裁に乗り気でないロシアや中国に、アメリカに対する制裁中止要求の口実を与え、制裁を断念させるという考えなのかもしれない
同時に、われわれはイラクの前例から、アメリカはあくまでも、イランの体制を打倒することを、最終目的としており、現在持ち出されている核問題は、そのためのステップであり、口実でしかないのかもしれないということも、考えてみる必要があるのではないか。
イラクには結局のところ、核兵器開発に繋がるものは無かったが、サダム体制は打倒された。そして、いつの間にかアメリカのイラクに対する軍事攻撃と軍事支配は、民主種的体制実現に目的が摩り替わっている。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:28 | この記事のURL
NO・1569イラク議員の死とアッラーウイ議員の今後 [2010年05月25日(Tue)]
 イラク北部の町モースルで、イラクの一人の議員が何者かによって、自宅前で暗殺された。彼は30代であり、これから政治家としての力量を、期待されていたのであろう。
 彼の名はバッシャール・アルアジェイディ氏、所属はアッラーウイ氏の卒いる、イラーキーヤ党選出の議員だった。つまり、イラーキーヤ党は彼が暗殺されたことにより、一人の議員を失ったということだ。
 そのことは、今後の予測がそうでなくとも難しい、イラク国内政治において、より一層の混乱を招く、原因になりかねまい。アッラーウイ氏が卒いるイラーキーヤ党は、僅差でマリキー首相の率いる法治国家連合党に勝った。
 結果的にアッラーウイ氏が、第一番目に内閣を組織する権利を得たわけだが、彼の卒いるイラーキーヤ党が、議席数の過半数に満たないことから、連立を組む必要があった。しかし、今回の議員暗殺により連立は、より厳しいものになったのではないか。
 たかが1議席と思うかもしれないが、そのことが与える、精神的インパクトは小さくない。すでにイラーキーヤ党が中心となって結成される新内閣では、アッラーウイ氏が率いるかたちにはするべきではない、アッラーウイ氏外しの意見が出始めている。
 世俗連合の形になっているイラーキーヤ党の実態は、イラクのスンニー派を太い柱としているだけに、シーア派のアッラーウイ氏ではなく、やはりスンニー派の議員を中心に、内閣を結成することも考えるべきだ、という意見が出始めているらしい。
 そうした動きに対して、アッラーウイ氏がどう反応し、対応するのか、マリキー首相の率いる法治国家連合党が、どう対応してくるのか、目が離せない状況にイラク国内政治はなってきている。
 余談だが、今回イラーキーヤ党のバッシャール・アルアジェイディ氏が暗殺されたモースル市では、数日前にアメリカ軍兵士が殺害されている。本来であれば、そこにアメリカ軍兵士がいるはずがないのに何故いたのか。
そして、何故殺害されたのか、そして、アメリカ軍兵士の殺害事件は、今回の暗殺と関連があるのか、クエッション・マークが多すぎる。アッラーウイ氏は最近、しきりに外国の関与を拒絶するべきだ、と主張してもいる。それは一連の流れと関係があるのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:24 | この記事のURL
NO・1568キッシンジャー博士の発言とトルコの平和努力 [2010年05月25日(Tue)]
 トルコの外交努力が実り、ついにイランはトルコでの濃縮ウラン交換を行う、意思表示をIAEAに行った。この結果、常識的に考えれば、イランに対する新たな経済制裁が停止され、イスラエルやアメリカによるイランに対する軍事行動も、実行不可能になったということであろう。
しかし、どうもそう楽観できない状況が出てきている。ワシントン・タイムズが報じたところによれば、キッシンジャー博士はニクソンセンターで行われた昼食会の席で、アメリカのオバマ政権が進めようとしている、経済制裁に実質的な効果は無く、単なる時間の無駄だ、と語ったということだ。
 つまり、世界がこぞってイランに対する、新たな経済制裁を実施したとしても、イランはそれに耐えられるだろうし、核兵器の開発を進めるということだ。したがって、イランに対する経済制裁を発動しても、核兵器開発を止めることはできず、単にイランに開発の時間を、与えるに過ぎない。したがって、軍事攻撃をかけてイランの核施設を、破壊すべきだということであろう。
イスラエルの将軍もキッシンジャー博士と、同じ考えなのであろう。イスラエルの将軍はイランに対する攻撃については語ってはいないが、イスラエルの北部の危険除去のために、レバノンンのヘズブラを攻撃すべきだと語っている。
イスラエルの情報によれば、レバノン南部のヘズブラの拠点には、ミサイルを操作する目的であろうか、イランの軍人が多数入っているということだ。
つまり、イスラエルがレバノンのヘズブラ拠点を攻撃するということは、同時に、イランとの軍事緊張を生むということでもある。
イランはイランで、イスラエルによるレバノンのヘズブラや、シリアに対する攻撃を、座視しないと言っている。つまり、そうなった場合、イランはイスラエルを攻撃するということだ。
キッシンジャー博士の発言もイスラエルの将軍の発言も、極めて重い意味を持っていると、受け止めるべきであろう。イスラエルのネタニヤフ首相も同様に、イスラエルの危険を除去することを力説している。
アメリカ、イスラエルの要人が、口を揃えてイラン攻撃の必要性を語ったのでは、イラン側もそれ相応の対応を、真剣に考慮せざるを得まい。そうなると、折角トルコやブラジルが協力して、イランの核燃料処理の妥協点を取り付けても、何の意味もなくなる可能性がある。
この問題で、一番世界に訴えうる立場にあるのは日本であろう。日本は唯一の被爆国だからだ。それは、イランに対する軍事攻撃で、小型核爆弾を使用する必要が持ち上がっているからだ。トルコと日本がイランの核問題、しいては世界経済崩壊のきっかけとなりうる問題で、協力姿勢を取れないものだろうか。支持率低迷の鳩山内閣にとって、世界的な貢献の出来る、大舞台ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:56 | この記事のURL
NO・1567ヨルダンで聞いたあるイラク人ビジネスマンの本音 [2010年05月23日(Sun)]
  ヨルダンの首都アンマンで、ヨルダンの元皇太子ハッサン王子と、日本財団の笹川会長が共催する、国際会議があり出席した。会議では旧知のイラク・クルド人(元イラク政府閣僚)友人に会い、旧交を温めると同時に、今後の協力について意見を交わした。
彼はなかなかのやり手で、世界中からスポンサーを探してきては、イラクの民主化、社会安定の会議を繰り返している。そして、彼の妻はアラブ、イラク人の国会議員、まさに夫婦でイラク国民連帯活動に、専念しているということであろうか。
もう一人、ヨルダンで会いたかった人物は、ヨルダアンのアンマンを拠点として活動している、イラク人ビジネスマンだ。彼とは私の友人の紹介で、お会いすることになっていた。
そのイラク人は私をホテルに訪ねてくれ、イタリア・レストランに招待してくれた。70歳を過ぎた彼は、イラク人としての長い経験を持つことから、話の内容は興味深いものだらけだった。ビジネス、政治、趣味の話と、レパートリーは実に広かった。
当然のことながら話題の中心は、次期イラク政府についてだった。アッラーウイ氏のイラーキーヤ党、が選挙では第一党になり、当然のことから彼に組閣をする、第一の権利が与えられるはずだった。
しかし、イラーキーヤ党は国会議員の過半数に満たないことから、他党との連立が必要であった。その間隙を縫って、マリキー首相はアッラーウイ政権樹立を潰そうとし、一部地域での票の再計算を要求した。
結果的に、選挙委員会が彼の要求を呑み、バグダッド市などで票の再計算が行われた。しかし、それは最初の計算と変わらず、アッラーウイ氏のイラーキーヤ党が、第一党であることは動かなかった。
そうしたごたごたのなかで、シーア派の各派が動き、民間の首相候補人気投票が、サドル派によって行われたり、イランとの連絡が取られたりした。元首相のジャアファル氏が出てきたり、イラク・シーア派の名家の出である、ジャアファル・ハキーム氏の名前が上がったの、もこうした動きのなかでの出来事だった。
その一人一人について意見を聞いてみると、意外なことが幾つも分かってきた。たとえば、ジャアファル・ハキーム氏は宗教的権威の名家の出ではあるが、彼は極めて世俗的でノーマルな感覚の、持ち主だということだった。 
マリキー首相については、まじめだけが売り物で、融通の効かない男だ、と半分褒め半分けなしていた。そして、いま最もイラクに必要な首相は、アッラーウイ氏だ、と彼は言っていた。
それは、アッラーウイ氏の政権が比較的、イラク社会の治安を改善したことが、あったからであろう、彼はアッラーウイ氏を支持する理由として、彼の強力な指導力を挙げていた。
彼曰く、イラクにはいま強力な指導者が必要なのであって、右顧左眄する指導者ではないというのだ。まさにそうであろう。いま世界は大変革期の嵐の海にある。いずれの国も強力な指導者を、必要としているのではないか。
強力な指導者は独裁者にも繋がる、危険があることは否めないが、それが無かったら、ただ舵輪を失った小船が、猛烈な嵐の海に浮かぶようなものではないのか。その運命は述べるまでも無い、沈没するだけなのだ。
彼は最後に、マリキー首相は8月までは、首相の座を維持するだろう。そして、アメリカ軍が撤退し終えたとき、新たなイラクの政府が誕生するだろう、と語っていた。その政府が独裁ではない、強力な指導者に導かれることを、願うのみだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:51 | この記事のURL
NO・1566トルコで拾った大人の話 [2010年05月23日(Sun)]

 トルコの最大野党CHPの党首が、ある女性との間で恥ずべき行為に及んでいた、というスキャンダル事件が発覚した。当然のことながら、このニュースは幾つもの憶測を呼んだ。
ある者は、外国が関与したトルコへの介入工作と語り、ある者は、純然たる性的スキャンダルだと語り、ある者は、CHPの人気回復のための内部犯行、と語っていた。なんで性的スキャンダル事件が、CHPの人気回復に繋がるのかとお考えだろうが、そこはトルコのような大人の社会と、日本のような女性主導の社会との違いだろう。
まず外国関与説では、トルコのエルドアン首相が最近、イスラエルに対し厳しい発言を繰り返していることから、イスラエルのモサドの工作であろう、というのだ。
その説によれば、トルコ最大の野党CHPは、反政府の立場を取る国民の代弁者であり、これまでCHPが政府与党を非難することで、ある程度のガス抜きが出来ていたというのだ。そして、非難が実際に与党にブレーキをかけたり、政策変更をさせるに到ることは無いとしても、国民は十分に溜飲を下げることが、出来ていたということだ。
しかし、その最大野党CHP党首のバイカル氏が、性的スキャンダルで党首の座から辞任し、CHPそのものの国民からの支持が下がれば、ガス抜きが出来なくなり、与党は真正面から国民の非難と、攻撃を受けることになるというのだ。言われてみればうなずけないことも無い。
続く、単純な性的スキャンダル事件に過ぎないとする説では、バイカル氏の行状を記録したビデオがあること、しかもそれが複数であり、人為的に作られたものではない、ということを根拠にしている。
第三の、CHPの支持拡大のための工作という説では、実にトルコらしいおおらかさが分からなくては、理解できないだろう。日本のように女性が前面に出ていて、世論形成に大きく影響する世界では、性的スキャンダルは下手をすると、政治家の政治生命を絶つことになる。
しかし、トルコでは今回のバイカル氏の行動を見て、国民の多くが彼も一人の男に過ぎない、俺たちと変わりは無いではないかと、親近感を持ったというのだ。意外にその受け止め方が、国民の間では広がったようだ。しかも、彼の年齢を考えた場合、よくやるなあという彼に対する励ましと、羨望の意見が少なくなかったというのだ。
実際には、バイカル氏は党首を辞任したわけだが、それは彼が男らしく自分の愚かな行為の、責任を取って辞任したのではなく、第二のビデオが出てきたことが真因らしい。いずれにしろ、CHPへの支持は、この性的スキャンダル事件で増したようだ。彼はまさにこの性的スキャンダル事件で、男を上げたということではないか?
Posted by 佐々木 良昭 at 22:01 | この記事のURL
帰国報告 [2010年05月23日(Sun)]
昨日5月22日に帰国しました。-----
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Posted by 佐々木 良昭 at 21:26 | この記事のURL
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