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NO・1549きな臭い話が尽きないアラブ、今度はレバノンか? [2010年04月29日(Thu)]
 アラブは夏に向かって、必ず何処かで軍事緊張が発生する。それは気候のせいもあるだろう。冗談で暑くなると頭が正常に機能しなくなり、人は我慢が足りなくなって暴発すると、日本人のアラブ通仲間と話し合ったことがある。
 今年も例外ではない、レバノンとシリアに対し、イスラエルが過去に無かったような、緊張状態を抱え込み始めている。大げさに言えば、戦争が何時どの瞬間に起こっても、不思議ではない状態になりつつある。
 そもそも、今回の緊張はシリアがレバノンのヘズブラに対し、ミサイルしかも飛距離の比較的長い、スカッドミサイルを供与したことに始まっている。シリアもレバノンも、それを事実ではないと否定しているが、多分事実であろう。
 緊張の度が高まるにつれ、レバノンのハリーリ首相は周辺アラブ諸国との間で、対応策を講じ始めている。こうなると、どうしても担ぎ出されるのがエジプトだ。ムバーラク大統領は病み上がりを押して、近くイスラエルのネタニヤフシュ首相と会談することになっている。
 サウジアラビアのアブドッラー国王は、シリアのアサド大統領に対し支持の表明をし、ヨルダンのアブドッラー国王はこの夏に、戦争の危険が迫っていると警告している。
 イスラエルには戦争意志が無い、とムバーラク大統領はアラブ側を落ち着かせようとしているが、イスラエルには国内的な事情もあり、戦争の可能性を全面的に否定することは出来ないようだ。
 それは、イスラエル国民のイランの核開発問題に対する不安と不満から、イランに対する軍事攻撃を叫ぶ声が多いからだ。しかし、アメリカが乗り気ではないいま、イスラエルが単独でイランとの戦争を始めることは、大きな冒険であろう。
 しかも、シリア、レバノンパレスチナがイランと連携しており、イランに対する軍事行動を起こせば、イスラエルはイランだけではなく、シリア、レバノン、パレスチナからの攻撃も、覚悟しなければならないのだ。
 イスラエルは結果的に、ガス抜き的なレバノンに対する部分的な軍事攻撃を、実行するかもしれない。つまり、シリアがレバノンのへズブラにスカッドミサイルを供与した。そのスカッドミサイルでヘズブラは、イスラエルの全ての地域を攻撃できるようになった。
 この危険な状態からイスラエル国民を守るためには、イスラエル政府は軍に指示を出し、レバノン国内のスカッドミサイル基地を、破壊しなければならないということだ。そうした雰囲気が広がり、いま当事国の間では日本では想像も付かないような、緊張状態が生まれているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:39 | この記事のURL
NO・1548革命はパンのために、イデオロギーではない [2010年04月28日(Wed)]
 人民が革命に立ち上がるのは、イデオロギーではなくパンのためだ、ということを以前読んだことがあるが、全く同感だ。誰もイデオロギーのために、血を流そうとはしない。よしんば、流そうとする人があっても、それはごく一部でしかあるまい。
 つまり、ある国の体制が危機的状況になるのは、その国の統治者が国民に、食料を提供できなくなった時だ、ということだ。アラブではそれが最も顕著に顕れる国が、エジプトであろう。エジプトは人口が多いために、食料の確保と支給は、容易なことではないからだ。
 これまで何度となく、ムバーラク体制の問題点を指摘してきたが、どうにかムバーラク体制は、打倒されることなく続いている。それは、エジプトに対する各国の投資や、援助が続いているからであろう。
 しかし、他方では権力と汚職が一体となり、一部のエジプト人は日本人が想像できないような、富を手にしているのだ。この国に援助を送る日本の中流階級など、エジプトでは貧困層の上部に位置している、といっても過言では無い程なのだ。
 しかし、エジプトの貧困層は、実に貧困であり状況は悲惨だ。この差があらゆる国内問題で、時限爆弾的な危険さを、生み出しているのだ。ちょっとしたさじ加減が、瞬間にして暴発につながるのだ。
 主食のパンを1円程度値上げした結果、暴動が起こったケースが過去にも、現在にもある。政府はその暴動を、力で抑え込んできていたのだ。
 今回、国民の不満が爆発したのは、肉の値段が上がったことが、きっかけだった。大衆が集まり、抗議デモを行い、それに警官が発砲し、死者が出た。逮捕者も100人を超え、そのうち22人が投獄されもした。
 エジプトでは安い肉を求め、インドやブラジルから輸入しているが、肉の値段が国際的に値上がりしていることに加え、輸送コストが上がっているために、エジプトでは過去4週間で、10パーセントの値上がりを、記録しているということだ。
 これでは普通のサラリーマン家庭では、肉を食卓に出すことはできない。週に一回肉料理が出れば、ハッピーな方だということだ。エジプト人の友人も、55(1100円程度)ポンドだった肉が、いまでは83ポンド(1550円程度)になったと呆れていた。所得が300ポンドから500ポンド程度の、普通のエジプト人には、とても手が出る値段ではあるまい。
 エジプトのレストラン協会も、この肉の値上がりに抗議し、4月に1300店が肉料理を出さない日を定めて、抗議意思を表明したということだ。パンの国営配給所では、パンを買い求める庶民が、先を争ってけんかとなり、14人が死亡したというニュースもある。
 ムバーラク大統領の健康問題、食糧価格の値上がりなど、エジプトを取り囲む不安材料は、日に日に増しているということではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:56 | この記事のURL
no・1547イラク選挙当選者バアス党関係者で失格 [2010年04月27日(Tue)]
 さる3月7日に実施された、イラクの国会議員選挙の結果、元イラク首相のアッラーウイ氏が率いる、イラーキーヤ党が最大の当選者を輩出したことは、既にお伝えした。
この選挙結果を受け、最初に他党との間で連立を組み、内閣を構成する権利がアッラーウイ氏に与えられた。連立を組むのはイラーキーヤ党も、過半数に満たなかったからだ。 
 問題はこの選挙結果により、結果に従って組閣を進め、アッラーウイ氏が新たな首相に就任することになれば、現職のマリキー首相は、その座を追われることになる。
 マリキー氏は選挙結果が不正であり、票の集計に問題があったとして、票の再計算を要求し、それが受け入れられた。しかし、今回の選挙をめぐり、それ以上の問題が発生している。
 独立系の高等選挙委員会が、当選者の過去を調べた結果、52人の当選者は旧バアス党の関係者であることから、失格だと判定を下したのだ。その52人のうちで明らかにされた2人の失格者は、アラーウイ氏の率いるイラーキーヤ党のメンバーだ。
 それ以外に失格となった当選者については、まだ明かされていないが、失脚の理由が旧バアス党関係者であることを考慮すると、アッラーウイ氏の党のメンバーがほとんどであろう。
 アッラーウイ氏の率いるイラーキーヤ党は、僅差でマリキー首相の政党に勝利していることから、2,3人が失格になることは、即、組閣の権利を失うということに繋がる。
 従って、今回のこのイラクの高等選挙委員会の判断は、イラク国内を危険な状況に、導くことにもなりかねない。それは、失格者たちが黙ってはいないし、彼らの支持者も黙ってはいないからだ。 
 事と場合によっては、イラクが再度内乱状態に陥る、危険な要素を含んだものだということだ。マリキー首相は彼の首相の座を守り通すために、この危険な動きに出たのか。あるいは、高等選挙委員会が独自の立場で、あくまでもバアス党解体法に基づいて、行ったのか定かではない。
 いずれにしても、今後、イラクではテロが頻発する可能性が高くなろう。そうなればアメリカ軍もあっさりと、予定通りにイラクを離れるわけには、行かなくなるのではないか。
 そのような状態を望むのはマリキー首相か、あるいはアメリカ政府なのかは皆さんに想像していただきたい。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:22 | この記事のURL
NO・1546イッザト・ドーリー逮捕はサダム派の最後か [2010年04月26日(Mon)]
 サッダーム・フセイン大統領の時代に、副大統領であったイッザト・ドーリー氏が逮捕された、というニュースが入ってきた。彼はシリアやヨルダンなどではなく、最後までイラク国内に、潜伏していたようだ。
 イッザト・ドーリー氏が逮捕された場所は、イラク国内の北東部にある、バアクーバという地域で、そこはアルカーイダのメンバーが、潜伏している場所だとこれまで言われてきていた。
 つまり、反体制派の旧サダム派やイスラム原理主義者たちが、潜伏しやすいのがバアクーバだった、ということだ。それは、スンニー派のイラク住民の多い場所であり、しかも、サッダーム・フセイン元大統領の出身地から近いこともあろう。
 イッザト・ドーリー氏はここに潜伏して、旧サダム派の反政府勢力に対し、抵抗の作戦を立て、作戦遂行の命令を出していたのではないか。
 本来であれば、早々に国外に脱出し、亡命することが出来ていたのではなかったのか。その場合に、彼の立場なら巨額の金と、高価な品々を持ち出すことも可能であったろう。
 しかし、イッザト・ドーリー氏は最後まで踏み留まって、現体制に対する戦いを挑み続けていた。それは何故なのだろうかと考えてみた。
 それは、彼イッザト・ドーリー氏がイラク人の典型的な、人柄を持ち合わせていた、ということに起因しているのではないか。
 イラク人はアラブ世界にあって、少ない農民的思考パターンを持った民族だ。チグリス・ユーフラテスという二つの川を有しているイラクは、古代から農業が盛んであり、そのことがこの国を石油の発見以前から、豊かにしてきていた。
 その農業に従事する人たちは、何処か日本人と共通する、性向を持ち合わせている。裏切れないのだ。彼イッザト・ドーリー氏は最後までイラクに留まった理由に、自分のボスであったサッダーム・フセイン元大統領が、イラクに留まり逮捕され、処刑されたことにあったのではないか。
 灼熱のイラクで生きてきた彼イッザト・ドーリー氏は、すでに明確な老人になっていたろう。そして何のこだわりも無く処刑され、彼はサッダーム・フセイン元大統領の住む、天国か地獄に向かうだろう。
 それも人間の一つの生き方であろう。彼の人生が正しかったのか正しくなかったのかについて、語る資格は私には無い。しかし、ある意味では見事な生涯、と言えるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:11 | この記事のURL
NO・1545少女婚の悲劇 [2010年04月26日(Mon)]
 以前に名誉の殺人という問題を取り上げたことがあったが、それ以外にもイスラム世界には、悲劇が存在する。最近、サウジアラビアで12歳の少女が離婚に成功した、というニュースが流された。相手は80歳の老人だったというのだから、常識の限界をはるかに超えている、としか言いようが無い。
 こんな少女が何故結婚するのかといえば、述べるまでも無い、父親が結婚させたのであり、嫁に取る男性が決めたことなのだ。もちろん、そこには少女の意志は全く働いていない。
 12歳といえば、日本では小学校の6年生か、せいぜい中学1年生の年齢だ。80歳の男性からすれば、曾孫の年齢であろうか?では何故そうした低年齢の娘を親が結婚させるのかといえば、婚資(マハル)欲しさからであろう。
 イスラム教では結婚するに際し、男性側が女性の親に対して、マハルを支払うことになっているからだ。悪い表現をすれば売買婚のようなものだ。
 サウジアラビア政府や人権団体は、少女婚に反対の立場なのだが、正式なイスラム法の裁定(ファトワ)は出ていないようだ。つまり、政府や宗教権威者が少女婚はハラーム(禁止行為)であるとしない限り、今後も少女婚は続くだろう。
 サウジアラビアの少女の場合、幸運にも離婚できたのだが、今後、彼女の心の中に出来た傷は、なかなか癒されないのではないか?
 同様のことがイエメンでも起こっている。やはり12歳の少女が結婚させられていたが、セックスを求められ、最後には死んでしまったのだ。彼女の結婚時の年齢は、10歳あるいは11歳だったのかもしれない。
 これが問題となって、イエメンでは17歳以上で無ければ、結婚が出来ないという法律を定めようとしたところ、保守派のイスラム学者の、強硬な反対を受けているということだ。
イスラム教では結婚年齢を定めてはいない、ということがその法的根拠であろうが、それでは常識は介入する余地はないのか、ということになるのだが。
 ここでニュースとして取り上げられた少女婚の例は、まさに氷山の一角であろう。表面に出ていない少女婚の例は、サウジアラビアにもイエメンにも、他のイスラム国にも多数あるのではないか。
 この問題に対する外国からの関与は、そう簡単ではあるまい。しかし、放置したままでいい問題とも思えない。キリスト教世界が関与すれば、宗教的争いに発展する危険性があろう。
 日本のような宗教的曖昧さの中に浸っている国では、しっかりした倫理的な批判の論陣を、張れないかもしれない。また、もし日本がこの問題に批判を寄せれば、日本の少女ポルノや援交はどうなのかと反論を受けよう。
 ヨーロッパ人が外国での少年買いや、少女買いも然りであろう。性的モラルはまだ人類の発展史の中では、確立していないということか?
Posted by 佐々木 良昭 at 00:57 | この記事のURL
NO・1544アカバを攻撃したのは誰か? [2010年04月23日(Fri)]
 アカバを攻撃したのは誰かという質問を受けた場合、多くの年配者はローレンス・オブ・アラビアだと答えるだろう。つまり、オスマン帝国の支配下にあったヨルダンのアカバを陥落させたのは、イギリス人情報将校アラビアのロレンスだったからだ。
 しかし、今回のアカバ攻撃は、アラビアのロレンスとは何の関係も無い。ヨルダン領内にあるアカバはイスラエル側のエイラート市と隣接している。そのアカバの倉庫にグラドという名のロケットが、今週の木曜日の朝に撃ち込まれたというのだ。
 グラドはロシア製のカチューシャ・ミサイルと同様のもののようであり、ロシア製だということが、ヨルダン政府によっていち早く発表されたが、それを発射したのが誰なのかは、いまだに分かっていない。
 考えられるのは、占領地のパレスチナ人、イスラエル、エジプト、そしてヨルダン国内からということになるが、ヨルダン政府はヨルダンからは、発射されていないと否定している。
 エジプトも現段階では、公式コメントを出していないようだがありえまい。そうなると占領地のパレスチナ人による攻撃、と考えたくなるのだが、どうもそれも怪しい。
 BBCは2005年にヨルダン領内から、イスラエルに向けてロケットが発射されたことを取り上げている。この時は結果的に、ロケットはイスラエル領内まで届かず、ヨルダン領内に落下したということだ。
 つまり、今回もヨルダン領内から発射されたが、アカバに隣接するエイラート市までは飛ばず、アカバに落下したのかもしれない。それをBBCのニュースは感じさせている。
 ただ、このロケット発射は結果的に、パレスチナ人とヨルダン政府との関係を、悪化させる可能性があるのではないか。ヨルダンもパレスチナも、他のアラブの政府や大衆も、皆いまの時点では中東和平交渉がとん挫していることと、自国の経済悪化のなかで、フラストレーションが高まっているからだ。
 それらが原因で、第5次中東戦争の引き金にもなりかねない、とヨルダンのアブドッラー国王はシカゴ・トリビューン紙とのインタビューの中で警告している。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:03 | この記事のURL
NO・1543イスラエルはイランを攻撃しないとバイデン [2010年04月23日(Fri)]
 アメリカのバイデン副大統領は、イランに対するイスラエルの軍事攻撃の可能性について質問を受け、アメリカと相談しないで、イスラエルが単独でイランを攻撃することは無いと明確に語った。
 確かにそうであろう。イランに対する攻撃は同様のイラクの核施設に対する攻撃や、シリアの核施設に対する攻撃のように、一方的なものでは終わりそうにないからだ。
 アメリカとしても、イラン攻撃が完全ゲームで終わればいいが、なかなかそれは難しいということから、軍事攻撃を出来れば避けたいとも考えていよう。だからこそ、軍事攻撃を避け外交交渉で解決しよう、とここまで頑張ってきたのであろう。
 しかし、イスラエルにしてみれば、外交交渉による解決はあり得ないと判断しており、アメリカの弱腰対応に相当焦りを感じているはずだ。誰が考えても、イランがこの段階で全面降伏し、核開発をやめるとは思えない。
イランはあくまでも核兵器製造ではなく、平和的なエネルギー確保を目的としているものであり、イランにもその権利はあると言い続けよう。
アメリカは国連安保理の決議に基づいて、イランに対する制裁を強化したい、その段階では、イランがガソリンを輸入できない状態にし、かつイランが原油輸出できなくなる状態を、生み出したいと考えている。
しかし、これに中国は納得できまい。イランから中国は大量の原油を輸入しているからだ。中国にとってイランはエネルギーの供給源であると同時に、自国製品の輸出先国でもある。バイデン副大統領は中国も近く制裁に賛成する、と語っているがそう簡単ではなかろう。
イスラエルは時間が経過するほど、核兵器製造が近付いている、と判断するであろう。イランはたとえ新たな経済制裁を受けたとしても、核開発を続行するであろう。
そうなると、アメリカ国内の右派やユダヤ・ロビー、親イスラエル派がイスラエルと同調し、イラン攻撃をすべきだという強硬論をアメリカ国内と世界に向けて展開することになろう。
アメリカとイスラエルによる、イランに対する核施設への軍事攻撃は、いまだに現実のものとして、存在しているということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:23 | この記事のURL
帰国報告 [2010年04月22日(Thu)]
昨日帰国しました。しかしウズベキスタンのガニエフ副首相を団長とする代表団の訪日があり、中東TODAY は数日してから再開させていただきます。ご了承ください。-----
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Posted by 佐々木 良昭 at 14:47 | この記事のURL
NO・1542イスラエルのヨルダン川西岸に対する水攻め [2010年04月09日(Fri)]
 イスラエルの基礎インフラ相が、パレスチナのヨルダン川西岸地域に対して、配水を止める可能性を炎めかした。砂漠の世界では井戸を掘っても、なかなか飲める水は出てこないだけに、これは大問題だと思い、注意してニュースを読んでみた。
 それによれば、イスラエルのウジ・ランダウ基礎インフラ相が、ヨルダン川西岸地区に対し、農業工業用水の配水を止める可能性について、語ったということだった。それならばわからないでもない、飲料水を止めるということであれば、人道的に大問題であろう。飲料水を止めてしまうということは、死を意味するからだ。
 それにしても、水攻めをなぜイスラエルのウジ・ランダウ基礎インフラ相は、考えたのであろうか。実はパレスチナ人の農業や工業に携わっている人たちの、排出する下水の量が相当量に上り、近くで掘られた井戸などが、汚染されてしまうからだということだ。
 イスラエルはヨルダン川西岸地区に入植地を建設し、深い井戸を掘り地下水を汲み上げている。しかし、パレスチナ人には深い井戸を掘ることを、許可していない。それでも下水の汚染が、地下水に悪い影響を与える、ということであろう。
 パレスチナ人は資金的な問題もあり、農業工業から出る下水処理を、きちんとやっていないために、出てきたトラブルであろう。この点だけをとれば、イスラエル政府の気持がわからないでもない。しかし、パレスチナ側は「イスラエルは水を止める気だ、人道的に許せない。」と世界に対し、イスラエルのパレスチナに対する水攻めを、声高に訴えるのではないか。
 イスラエルの水の使用については、パレスチナ側は今回の問題ばかりではなく、何度となくクレームをつけている。それは、ヨルダン川西岸地区の入植地に建設された住宅地域には、大量の水が供給されていること、場所によっては、プールも完備されているためだ。
 イスラエル側の強者の論理が、水をめぐってもパレスチナ住民との間に、問題を起こしているということだ。イスラエルは現在、地中海の海水を死海に流す方法や、海水の淡水化プラントの開発など、あらゆる方法で水の確保に、力を入れていることも事実だ。
 イスラエルとシリアとの間が、いまだに戦争状態から抜け切れていないのも、実は水が原因であり、イスラエルが水源としてのゴラン高原を、手放さないからなのだ。
 日本のように、良質な水の豊富な国の住民には、なかなか実感として、理解できない問題であろう。中国も水問題を抱え、昨今では、日本の水源を買いあさっている、という情報もある。この問題は将来の日本にとって、極めて重要であろうと思われるのだが、日本人の関心はいまだに、極めて低そうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:22 | この記事のURL
外国出張のお知らせ [2010年04月09日(Fri)]
4月10日から21日まで外国に出張します。
したがってこの期間は中東TODAYを休ませていただきます。-----
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Posted by 佐々木 良昭 at 08:13 | この記事のURL
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