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NO・1467インターネット時代の罠 [2009年12月31日(Thu)]
 アメリカが軍事目的で開発した、インターネットや衛星放送が、今では普通の市民が利用できるようになった。日本でも若者たちは年、賀状の代わりでEメールを利用するようになっている。
 個人でホームページを持つ人も増え、誰もが情報発信者になれる時代になった。そのため、大手の通信社や新聞社、テレビ会社が軒並みに、存在価値を下げてきている。
 そのことは、情報を支配することが、極めて難しくなってきた、ということでもある。誰かがある意図を持って、大手の情報会社(新聞社やテレビ会社など)情報を捏造し流しても、受けてはそれを信用しなくなり、真相究明に動く時代になったのだ。
 結果的に、意図的に作られ流された情報は、たちどころにして見破られ、結果は逆の効果を生むようになった。
たとえば、イランが核兵器の開発を計画しており、しかるべき証拠書類が出てきたという情報を、イスラエルが流したのは、ほんの数日前だったと思うが、今では元CIAのメンバーによって、その情報が捏造されたものだということが、暴露されてしまい、逆にイスラエルは国際社会のなかで、信用されなくなってしまっている。 
こうしたことは、一見、情報伝達の上での、大きな進歩のように思えるのだが、必ずしもそうとは限らない。真相を伝えると主張している情報発信者が、情報を捏造することもあるからだ。あるいは事実を誤認して、これが真実だと伝える場合もあろう。
こうなってくると、何が真相なのかを、情報の受け手たちは迷ってしまう。そして情報の受け手たちは、いつの間にか、自分の想像する真実(?)に近い情報を、好んで受け入れるようになる。
「あの人は目つきが悪い」「あの人の家族に殺人を犯した人がいる}「だから彼も殺人を犯しうる」「今回の事件では彼が真犯人に決まっている」といった具合に想像が進み、事実として固定化していくのだ。
そして、そこでは一般市民の間で、魔女裁判が繰り広げられ、真相がゆがめられ、嘘がまかり通ってしまい、それが真実として定着してしまうのだ。
大手マスコミはいま、もう一度その存在意義を、問われているのではないか。本来、大手マスコミは一般大衆に対して、真実を伝える役割だったはずだ。その基本に帰れば、大手マスコミにも未来はあるだろう。そうでなければ、マスコミは死に体になり、一般大衆は真実が何かを見失しなうことになろう。
そうした状況下では、賢い人物による、新手の大衆操作が起こりやすくなる、危険が高まろう。新年を迎えるにあたり、国民全てがそのことを、真剣に考えるべきではなかろうか。
 情報は、事実を、ありのままに、客観的に、個人的な想像を入れずに、伝えるべきであろう。その情報を受けた一般大衆は、自分なりにその情報を、咀嚼してみるべきであろう。事実は常識の範囲を超えない場合が、ほとんどだということが、真実に近づく鍵であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:48 | この記事のURL
NO・1466パレスチナ人人口が1090万人に [2009年12月30日(Wed)]
 最近、パレスチナ自治政府が世界中に居住する、パレスチナ人総人口を発表した。それによると、世界中で暮らすパレスチナ人の人口は、1090万人に達したということだ。
 内訳はガザ地区が150万人、ヨルダン川西岸地区が250万人、イスラエル国内が125万人、ヨルダンが324万人、その他のアラブ諸国が178万人、アラブ以外の外国居住者が618000人となっている。
 イスラエルの総人口が750万人で、そのうち550万人がユダヤ人となっている。
 さて、1000万人を超えるパレスチナ人は、ユダヤ人と同様の世界的な拡散を示し、それぞれの社会のなかで、地歩を固めつつあるのだろうか。そして、彼らパレスチナ人の間で、ユダヤ人と同様に情報の交換や、ビジネス面での助け合いが、生まれているのであろうか。
 もしそうした連携が生まれていかないのであれば、結局は、その社会のなかに埋没して行き、将来的に力を持つことはあるまい。
膨大な数の日本人が、南北アメリカ大陸に移住したが、彼らが居住する社会のなかで、一定の影響力を持った、という話を聞いたことがない。
 あるいは日本人も、パレスチナ人に似ているのであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:46 | この記事のURL
NO・1465馬鹿げているエジプトへのクレーム [2009年12月29日(Tue)]
 エジプト政府がガザとのボーダーに鉄の壁を打ち込んでいることや、ガザとのボーダーを閉鎖していることに対する抗議が、ガザのパレスチナ住民や、ヨーロッパなどのガザ住民を支援する組織によって行われている。
 ガザのハマースはこのエジプト政府の決定を、戦争行為だと非難し、あたかもエジプトがイスラエルと同等の、敵でもあるかのように非難している。彼らはエジプト政府と国民が、これまでどれだけパレスチナ問題のために、犠牲になってきたのかを、忘れたとでもいうのだろうか。ヨーロッパの支援組織も、同じようなスタンスだ。
 しかし、何故エジプトがガザとのボーダーを、こうまでも強硬に閉鎖しようとしているのかを、考えてみる必要があろう。エジプトがガザに対して、強硬に対応している主な理由は、以下のようなものではないか。
1:ガザの惨状がエジプト国内に伝わり、エジプト内政に影響を与えることを恐れている。
2:エジプト政府に対して、イスラエル政府が強硬にガザとのボーダー封鎖を、要求している。
3:ガザのハマースが地下トンネルを通じて、武器を密輸している。
 ガザへの人道援助物資は、アシュドッドなどイスラエルの港から陸揚げするか、ガザの港から陸揚げすべきであろう。しかし、それを阻んでいるのは、イスラエルだ。従って、パレスチナ側はイスラエル政府に、抗議すべきであり、援助団体もイスラエルに対して、陸揚げを要求すべきであろう。
 しかし、現実はイスラエル政府が全く受け入れないことから、簡単に妥協しそうなエジプト政府に対して抗議し、あたかも問題の核心が、エジプト政府であるかのように、伝えられているのだ。
 パレスチナはこれまで、パレスチナの問題をアラブ全体の問題と語ることによって、自身の責任を回避してきている。イスラエルとの真剣勝負が行われたのは、この前のガザ戦争だけだったのではないか。しかも、そのガザ戦争ですらも、イスラエル側からの攻撃によるものであり、決してパレスチナ側からの、攻撃によるものではなかった。
 パレスチナ自治政府はガザ戦争時に、何の行動もイスラエルに対して取らず、ガザの住民が虐殺されるのを放置していた。これでは、イスラエル側は好きなように、パレスチナ人に対する敵対行動を取ることが出来よう。
 ガザの住民の窮状を世界に訴え、解決策を図りたいのであれば、援助物資はイスラエルからこそ、入れるべきであり、イスラエルにこそ、抗議すべきではないのか。エジプトは抗議すべき対象ではない。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:31 | この記事のURL
NO・1464イランで絞首刑囚を逃亡させる事件が起きた [2009年12月26日(Sat)]
 つい最近、イランから短いニュースが伝えられた。BBCが伝えたものだったが、これは実に興味深いものだった。なぜならば、絞首刑に処せられるはずの犯人二人が、親戚たちによって(大衆という表現もなされている)処刑を妨害され、逃亡させられたからだ。
 犯人の名はエスマイル・ファスイポールとムハンマド・エスファンヂアルポールで、政府側の発表によれば、二人は武器の密輸を行っており、銀行強盗も行っていたということだ。
 イランのケルマン州で処刑を行おうとしたところ、親族などが発砲し始め、死刑囚は親族5人と共に、処刑場から逃亡したということだ。しかし、2時間後には治安警察によって、バンダル・アッバースに通じる経路で再逮捕され、シルジャンで処刑されたということだ。
 この救出劇では、銃弾によるものであろうが、25人が負傷したと伝えられている。多分に治安軍側にも、死傷者が出たものと思われるのだが、そのことについては伝えられていない。
 このニュースを目にして感じることは、イランがいまだに部族、親族の結びつきが強い社会であるということだ。部族の仲間が処刑されそうになると、彼らは立ち上がり、軍や警察に対してでも、抵抗するということだ。
 もうひとつ考えられるのは、イランの体制内部や社会に、やはりある種の緩みが発生してきている、ということではないだろうか。イランでさる6月に行われた大統領選挙以来、選挙結果に不満を持つイラン国民による、大規模デモが頻発している。
 イランのアハマド・ネジャド大統領は今後、政治的な反体制の動きに対してだけではなく、社会的たがの緩みから、犯罪が多発してくることに対しても、警戒が必要になっていくのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:44 | この記事のURL
NO・1463ネタニヤフ首相カデマ党のリブニ女史に内閣入り呼びかけ [2009年12月26日(Sat)]
 現在、イスラエル政府与党の中心をなしている、リクード党のネタニヤフ首相が、野党のカデマ党党首リブニ女史に、内閣入りを呼びかけた。つまり、与野党で新しい内閣を構成し、イスラエル国民の意識を統一しようということだ。
 この呼びかけをネタニヤフ首相が決断した裏には、現在イスラエルが置かれている国際環境が、同国にとって極めて厳しいことがあろう。ガザ戦争以来、ヨーロッパ諸国は押しなべて、イスラエルの強硬なパレスチナ対応に、極めて批判的になっている。
 ヨーロッパ諸国にとっては、パレスチナ問題に加え、イスラエルがイランに対し、軍事攻撃を仕掛けるのではないか、という懸念も大きいだろう。もしそんなことになれば、そうでなくとも困窮を極めている世界経済は、破滅的な状況になりかねないからだ。
こうしたことから、ヨーロッパ社会に潜在的にあった反ユダヤ感情が、最近になって露骨に、表面に出始めてきていることも事実だ。そのことが顕著に表面化したのは、ユダヤ人による(イスラエルも含む)臓器密輸移植の問題だった。
 加えて、イスラエルの最大の味方である、アメリカ社会のなかにも、イスラエルに対して厳しい見方をする人たちが、次第に増えてきていることも、イラエルにとっては、大きな不安であろう。
 中東地域にあって、唯一良好な関係にあったトルコとの関係が、ギクシャクしてきていることも、イスラエルにとっては不安であろう。トルコはあくまでも、中東問題の公正な仲介者の立場を、維持しようとしているだけなのだが、イスラエルにはそうは思えないのであろう。
 シリアのアサド大統領もイランのアハマド・ネジャド大統領も、トルコが公正な仲介者であることを、高く評価している。このトルコの仲介努力に、真摯に応えなければ、イスラエルは国際社会のなかで、ますます孤立していくのではないか。
 そこでネタニヤフ首相は、イスラエルの外交を大きく変更していかなければならない、と考え始めたのではないか。
 このネタニヤフ首相の呼びかけに対し、リブニ女史もある程度好意的に、受け入れるのではないかと思われる。一説によると、カデマ党内部でのモファズ元国防相との政治闘争で、彼女が弱い立場に回りつつあるからだ。
 そのことに加え、窮地に立っているネタニヤフ首相が、以前に比べ、少し穏健化してきているため、リブニ女史はネタニヤフ首相と組し易くなっている、と見ている人たちもいる。
 これとは別に、ネタニヤフ首相はカデマ党に内閣入りを呼びかけることにより、カデマ党を解体吸収することを狙っているのだ、という意見もある。こうしたネタニヤフ首相に対する警戒的な見方が、アラブのマスコミには登場している。
 しかし、現実はネタニヤフ首相が国際的に追い込まれているために、考えた策であるというのが正解ではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:09 | この記事のURL
NO・1462エジプトのガザ国境鉄壁建設は戦争行為 [2009年12月25日(Fri)]
 エジプトからガザ地区に、物資や武器が搬入されることによって、イスラエルはガザからロケット弾攻撃を受けてきた。このため、イスラエル政府はエジプト政府に対して、エジプト領土からガザ地区への、密輸を完全に阻止するよう、強く要求していた。
 ガザ側からエジプト側には、秘密の地下トンネルが掘られ、食料、医薬品、建設資材から武器までもが、運ばれていたからだ。しかし、この秘密トンネルを通過する以外には、ガザにはイスラエルが許可するもの以外に、物資が搬入できなかったのだ。燃料も食料も建設資材も、全てがイスラエル政府の許可の範囲内に、とどめられていたのだ。
 当然、イスラエル側はガザの住民が満足するだけのものを、許可しては来なかった。このため、ガザ住民にしてみれば、地下トンネルを掘ることは、当然の対抗手段だった。しかも、そこからは武器も、搬入されていたのだ。
 厳しいイスラエル側の密輸阻止要求に対して、エジプト政府は今回、秘密トンネルが掘られている地域に、鉄のボードを打ち込むことによって、秘密トンネルの遮断をすることになったのだ。
 それは、ガザ住民にしてみれば、食料や医薬品の搬入ルートを断たれることであると同時に、イスラエルに対する抵抗闘争を、断念させられることになるのだ。このエジプト政府の決断に、最初に噛み付いたのはダマスカスにいる、ハマースの幹部ミシャアルだった。彼はエジプト政府の決定を、「戦争行為と同じだ。」と激しく非難し抗議している。
 続いて、シリアに拠点を置く、パレスチナ抵抗連合も同様に、エジプト政府の決定を非難している。曰く「不法な決定であり、非人道的であり、道徳無き行為だ。」としている。
 一連のパレスチナ側のエジプト非難で気にかかるのは、このエジプト政府の決定により、今後、パレスチナ抵抗組織がエジプトを、イスラエル同様の敵と位置づけ、攻撃目標にしていくのではないかということだ。そうなれば、エジプト国内で、テロが発生する可能性があろう。それは、エジプトの観光産業にとって、大きな痛手となろう。
 来年のエジプト旅行は、エジプトやパレスチナ、中東全域の、動向をよく見てから、決める方が安全なのではないか。中東地域は世界の中でも、最も不安定な地域なだけに、その程度の注意を払うことは、当然必要であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 01:21 | この記事のURL
O・1461中東向け人身売買がロシアを中心に大盛況 [2009年12月24日(Thu)]
 年の暮れに悲しい話だが、中東のサイトを見ていると、最近になって人身売買や臓器泥棒、臓器摘出を目的とした子供の買い上げ、といったニュースが多くなってきている。
 臓器泥棒のケースは、イスラエル軍が銃殺したパレスチナ人の体内から、臓器を摘出した後に、遺族に返すというものだ。述べるまでもなく、臓器を摘出しているために、彼ら犠牲者の腹部は、大きく切り開かれ縫合されている。
 その犠牲者の裸の写真が、中東のサイトには貼り付けられているが、あまりにもむごい話ではないか。場合によっては、パレスチナ人の犠牲者のなかには、テロリストでも何でもない、普通の人たちも含まれているということだ。
 これらの事実は、イスラエル政府が認めているし、それを告発して騒ぎ始めた組織のなかには、イスラエル人の組織もある。もちろん、銃殺され臓器を摘出された犠牲者たちの遺族に、臓器摘出の許可を得ているわけではない。
 パレスチナ人の犠牲者の話題以外にも、ウクライナから何万人という、おびただしい数の子供たちが、養子にという名目で買われ、イスラエルに連れてこられ、臓器を摘出されている、ということも告発されている。
 イスラエルやユダヤ人による、こうした話題は最初に大きく報じられたのは、アメリカでであった。ユダヤ教のラビ(宗教者)が臓器の売買にかかわっている、というものだった。
 もうひとつの悲しい話題は、ロシアを中心として、旧ソ連圏から多数の若い女性たちがさらわれ、イスラエルや湾岸の国に売られているという話だ。
 人さらいにさらわれるのは、18歳ぐらいから25歳ぐらいまでの、若い女性たちで、彼女らは場合によっては、いい就職口を世話する、とだまされて売り飛ばされているということだ。
 イスラエルの場合は、ほとんどの女性たちが売春目的の、ナイトクラブで働かされたり、ウエイトレス(売春を強要される)にされているということだ。ヨルダンにはその種の無許可の売春クラブが、1000軒以上もある、と報告されている。
 湾岸のアラブ首長国連邦に売られた女性たちは、奴隷として働かされているということだが、一体、彼女たちの仕事は何なのか、ということは考えるだけ無駄であろう。
 ロシア東欧圏から、こうも多くの女性たちが非合法に連れ出され、売られるということが活発になったのは、ソ連が崩壊し、経済が悪化してからのことだといわれている。彼女たちは実は一夜を過ごす部屋や、パンが無いために、そうなった人たちもいるということだ。これ現在起こっている事実の話であって、空想の世界の話ではないのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:10 | この記事のURL
NO・1460トルコがイランと欧米・イスラエルとの間で巧妙な外交展開 [2009年12月24日(Thu)]
 トルコとイスラエルとの関係が悪化している、と言われて久しい。それは大まかに言うと、今年1月にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されたダボス会議の席で、トルコのエルドアン首相がイスラエルのペレス大統領に激怒したことによる。
ペレス大統領に対し面と向かって「ガザ戦争の責任がある、犠牲者が出たことに責任がある。」と非難して席を蹴って会議場から退出をしたことや、NATO の軍事訓練にイスラエルが参加することから、参加を拒否したことなどによるものだ。
 しかし、トルコのイスラエルに対する厳しい対応は、トルコがイスラエルとの関係悪化を、希望していることからのものでは無いと思われる。トルコがイスラエルとの関係を、現段階で悪化さえることは、決して得策では無いからだ。
 トルコがイスラエルに対して、厳しい対応を取っているのは、トルコがイスラエルとシリアやイランとの、仲介役を勤められるように、中立的な立場を確立しようとしてのことであろう。そして、湾岸諸国からの投資を期待しての、アラブ寄りの姿勢を示しているものだと思われる。
 そうした推測を肯定するような、ニュースがトルコから伝わってきた。それは、トルコのダブトール外相がイランの長距離ミサイルに、懸念を抱いているというニュアンスの発言をしたことだった。イランの長距離ミサイルについては、トルコはもちろん、東ヨーロッパ諸国やイスラエルが射程距離に入るものであることから、トルコが懸念を述べても、なんら不思議ではない。
 しかし、このことでトルコがイランに対して、懸念を抱いているという立場を明らかにすることは、イスラエルにとっては、極めて心地よいものであろう。つまり、トルコはイスラエルを敵視し、イランに接近しているのではない、あくまでも客観的な立場を、維持しているのだということになろう。
 アメリカがこれに先立って、ポーランドに設置しようと思っていた、長距離ミサイル・レーダー・システムを、トルコ国内に移すことによって、ロシアとの緊張緩和を図ろうと考えたが、今後、トルコがこのミサイル、レーダー・システムを受け入れるのか否かが、もう一つのハードルとなろう。
 現段階では、トルコのダブトール外相は、NATOの一員として検討するが、それがNATOにとって必要なものであるか否かを、確認したうえで決定すべきことだとしている。
トルコはNATOのメンバー国である以上、あるいは受け入れなければならないかもしれない。しかし、その場合はアメリカの要請に基づいて受け入れるのとは、トルコが周辺諸国に与える印象と影響とは、大分異なることになるのではないか。まさにお見事といった感じがするではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:51 | この記事のURL
NO・1459フセイン・モンタゼリ師の死と今後のイラン [2009年12月21日(Mon)]
 イランのグランド・アヤトラ(シーア派イスラム学の最高権威)である、フセイン・モンタゼリ師が死亡した。このことは少なからぬ影響を、今後のイラン国内政治に及ぼすものと思われる。
 もちろん、いまの段階で、今後のイランの国内政治の状況について述べるのは、僭越極まりないことであろう。しかし、イランがわが国にとって極めて重要な国であることを考えると、黙ってはいられまい。同様の推測を多くの専門家にも、していただきたいものだと思う。
 イランの宗教都市クムで行われた、フセイン・モンタゼリ師の葬儀では、改革派の人たちと警察との間に、小競り合いがあったと報じられている。あるいは、もっと激しいものであったかもしれない。
 フセイン・モンタゼリ師について私が知ったのは、もう30年以上前のことだ。1970年代に大学の後輩がイランのクムに留学し、フセイン・モンタゼリ師と会う機会に恵まれた。後輩はその後、私に「あの人はすごく立派な人だ。」と激賞していた。
 彼曰く、フセイン・モンタゼリ師は、一留学生にも親切に判りやすく、イスラムを説いてくれたというのだ。しかも、フセイン・モンタゼリ師の立場は、柔軟なものであり、非イスラム社会から来た者にとって、受け入れ易い教えだったと語っていた。
 そのフセイン・モンタゼリ師は、イラン改革派の人たちに対しては、自重することを薦め、段階的に社会を変えていくように、説いていたものと思われる。もちろん、そのフセイン・モンタゼリ師の意見を、改革派の幹部の人たちは、受け入れていたものと思われる。
 しかし、ここに来て状況は一変したのではないか。フセイン・モンタゼリ師の後に、改革派に理解を示してくれる、イスラムの権威ある人物はいまい。ラフサンジャニ師やこの前の大統領選挙に立候補したカロウビ師の意見では、ハメネイ師が十分に尊重するとは思えないからだ。
 その結果、ハメネイ師をいただくアハマド・ネジャド大統領派が、改革派に対してこれまでよりも、もっと強圧的な対応を執ることが予想される。その力による対応に対しては、改革派の若者たちも強硬になるだろう。
 その結果、イラン全土に流血が広がれば、状況は一変するのではないか。もちろん、それを欧米のマスコミが逐一報道するであろう。その次に何が起こるかまでは、予測しないほうがいいのかもしれない。私は預言者ではないのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:26 | この記事のURL
NO・1458不安定化の兆しかマリキー首相の懸念 [2009年12月21日(Mon)]
 イラクのマリキー首相が自国の治安部隊や警察などに対し、疑念を抱き始めているようだ。最近、バグダッドで起こった爆弾テロは、130人以上が死亡するという悲惨なものだった。
 マリキー首相はこの爆弾テロをはじめとし、何件かの爆弾テロに、治安部や警察が関与していたのではないか、と思い始めている。そうでなければ、これだけの大規模テロが、起こり得なかったということであろう。
 マリキー首相はこのような状況に対して、相当強い懸念を抱いているのであろうか。爆弾犯の裏に誰がいるのかを突きとめるために、85500ドルもの巨額の報奨金を提示している。
 来年の1月以降、アメリカ軍はイラクから撤退を開始し、3月には選挙が実施されることになっているが、これはマリキー首相にとって、大きな賭けであろう。アメリカ軍の撤退への動きは、反体制派を勇気づけるものであり、今後反体制派によるテロが、増加していく危険性があるからだ。
 マリキー首相はエジプト訪問時に、エジプトのアルアハラム紙とのインタビューで「独裁者の復活を認めてはいけない」と語っているが、これはバアス党の残党の台頭を、懸念しての発言ではないかと思われる。
 しかし、他方でマリキー首相が、旧バアス党員の治安部への復活を認めているわけであり、彼自身にその責任があるということだ。バアス党員を追放はしてみたものの、結局彼らバアス党員が持っていたノウハウが、最も治安回復のうえで有力だった、ということによるものだった。
 加えて、アメリカ側の要求もあったのであろう、アメリカは宗教色の弱い政府を作っていくために、スンニー派やシーア派の台頭を抑えるべく、バアス党員の復活を認めるように、マリキー首相に助言していたものと思われる。
 マリキー首相も世俗的政府を構成していくために、シーア派の最大組織とは距離を置きながら、バアス党員の治安組織への参画を認めていた。事実かどうかは別として、一説によれば現在、イラクの治安部には95パーセントのバアス党員が、戻っているということだ。
 ところが最近になって、どうもこの治安組織に復帰した、バアス党員による大規模テロが、イラク国内で起こり始めているということのようだ。選挙を前に、これは放置できない問題となりつつある、ということであろう。
マリキー首相のエジプト訪問は、治安問題での協力を求めてのものであるかもしれない。ただ、現在のエジプトに、イラク国内の治安回復に、協力するだけの能力があるとは、思えないのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:51 | この記事のURL
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