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NO・1388イラクでのテロはシリアとサウジアラビアの合同作戦? [2009年08月31日(Mon)]
アメリカ軍の撤退が近づくにつれて、イラク国内ではテロ事件が、頻発するようになってきている。このテロは誰が企画し、誰が支援して成立いているのか、非常に関心が持たれるところだ。
 最近、イラクの高官筋から漏れてきた情報ということで、アラブ紙のネットに掲載された情報によれば、サウジアラビア人がイラクでテロに参加している段階で、しかるべき人物に声をかけられ、シリアのラーズキーヤに連れて行かれ、そこで本格的なテロの訓練を、受けたというのだ。
 そこには、サウジアラビア人、リビア人、チュニジア人、モロッコ人、イエメン人、クウエイト人も参加していたということだ。そのラーズキーヤの訓練所では、首を切って殺害する方法などを、指導されたということだ。
 こうして訓練されたアラブ各国出身のテロリストが、イラク国内でテロ活動を展開しているが、それはイラクをシーアの支配する国家にはしない、ということが目的だと伝えられている。
 果たして、この情報がどれだけの信ぴょう性を持つものであるかの、確認のしようはないが、シリアとイラクとの関係が急速に悪化し、双方が大使を本国に召還していることなどを見ると、単なる情報や噂ではない、ということであろう。
 先にも書いたように、サウジアラビアはイエメンでも、シーア派撲滅に助力しているようであり、イランとの間接的な緊張が、高まっていることは、確かであろう。
 問題は、本来イランと良好な関係にあるシリアが、なぜサウジアラビアと協力して、イラクのシーア派勢力潰しに、協力しているかということだ。
 アメリカはこれらの情報については、確認のしようがないと、コメントを拒否している。イラクが不安定化することは、アメリカにとっては、大きなダメージであるとも考えられるし、その逆だとも考えられる。
 事実がどうなのか分からないが、アラブで流されているこの情報は、多くの国にまたがり、きわめて危険なものであることから、確認しないままに、あえて紹介することにした。
Posted by 佐々木 良昭 at 18:13 | この記事のURL
NO・1387トルコの禁煙令に喫茶店オーナーが反旗 [2009年08月30日(Sun)]
 トルコの文化を代表するもののひとつに喫茶店がある。日本で大分以前に流行った歌に「昔アラブの偉いお坊さんが恋を忘れた哀れな男に、、、。」というのがあったが、ここで歌われているのは、アラブではなくトルコであろう。
 古くは、現在のエチオピアやイエメンに始まるコーヒーが、砂漠のアラビア半島を越えて、トルコに紹介されると、オスマン帝国(トルコ)が禁酒の国であったこともあり、爆発的に広がっていったということだ。このためカフワーネと呼ばれるコーヒー店が、トルコのいたるところに、登場することになった。
 最近のような高失業率の時代には、一家の主人たちは自宅に居場所が無く、ストレスからの逃避もあり、このカフワーネに出向き、トルコ・コーヒーやトルコ・チャイ(トルコの紅茶)を飲んで時間を潰すことになる。
そこで友人とたちと世間話をし、政治談議に花咲かせ、トランプやバックギャモンに興じることになるのだ。それにはタバコも加えられて、初めてワンセットが成立するのだ。
 ことろが、今年の7月から公共の場での喫煙が禁止され、レストランでも喫茶店でも、バーでも喫煙が禁じられることになった。結果的に、喫煙者のお客は、ガーデン席に行かざるを得ないということだ。しかし、カフワーネはそうもいかない。
喫煙者のためにテーブルを表に並べると、決まって近隣者からクレームが付くからだ。今の時期はいいとしても、冬場になったら雪の降る表のテーブルには、もう座っていられなくなるだろう。
 結果的に、喫煙者たちのカフワーネに行く回数が、激減しているということだ。このことは、カフワーネの経営が厳しくなるということであり、この禁煙法が今後も続くのであれば、相当数のカフワーネが、倒産することになる見通しだ。
 そこで、さすがに耐えかねたカフワーネのオーナーたちが、禁煙法を撤回してくれるように、政府に働きかけ始め、一部のオーナーたちはハンストすらも、決行し始めている。
 エルドアン首相はトルコ国民の生活を守ると言っているが、カフワーネのオーナーたちの生活は埒外か、と憤慨している。彼らはマスコミを通じて、この運動を盛り上げていき、禁煙法を撤回させる方針だ。
 10万軒のカフワーネのオーナーたちが、一体となって運動を起こせば、あるいは禁煙法が撤回されるかもしれない。しかも、成人のトルコ国民の70パーセントが、喫煙者だといわれているだけに、この運動は今後、意外な盛り上がりを、見せていくかもしれない。
 トルコを訪問して、一番困難なことは、空港内が全面禁煙だということだ。乗り継ぎ便の時間が長いトランジット客は、乗り継ぎ便待ちの間も、タバコを吸うことが出来ないのだ。以前はビジネス・ラウンジには喫煙コーナーがあったが、今ではそこも喫煙できなくなっている。
 エルドアン首相が敬虔なイスラム教徒であり、タバコを吸わないのは分かるが、だからといって、あまりにも強硬な禁煙措置をとっては、サウジアラビアのワハビー派と同じになるのではないか。
トルコの主要産業のひとつが観光であること。トルコがイスラム世界と欧米世界との、架け橋であるならば、もう少し柔軟な対応がなされた方が、いいのではないかと思うのだが、それは私が喫煙者だからであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:08 | この記事のURL
NO・1386米東欧配備のミサイル・デフェンス計画トルコ・イスラエルに変更か [2009年08月29日(Sat)]
 アメリカ政府は近く開催される、国連会議の折に、ロシアに対し東ヨーロッパに配備を計画していた、イランや北朝鮮のミサイル攻撃に対抗する、ミサイル防衛システムの配備場所を、イスラエルやトルコに、変更する意向を伝えるようだ。

 これまで、アメリカはチェコやポーランドに、ミサイル防衛システムを配備することを、希望していたが、ロシアが強く反対していたために、なかなか、チェコやポーランドとの交渉が、うまく進んでいなかった。

 これ以外にも、ウクライナやグルジアへの、配備も検討されたが、最も安全な配備先として、イスラエルとトルコを、最終的に選択したようだ。

 このアメリカの進めようとしている、ミサイル防衛システムの配備は、イランと北朝鮮のミサイル攻撃から、東ヨーロッパ諸国を守るという、ふれ込みになってはいるが、本音はロシアの再度の、東ヨーロッパへの台頭を押さえることに、目的があるのであろう。だからこそ、ロシアはこのミサイル防衛システム配備に、強く反対していたのであろう。

 もし、トルコがアメリカの要請を受け入れて、ミサイル防衛システムの自国内配備を受け入れた場合、問題はイランとトルコの関係が、今後どうなっていくのかだ。現段階では、トルコはナブッコ・パイプラインの問題で、イランとの良好な関係が、非常に重要になっている。

 イラン向けのミサイル防衛システムを、自国内に受け入れることは、少なからぬ影響を、イラン・トルコ関係に及ぼそう。あるいは、アメリカは現在反対している、ナブッコ・パイプライン計画に、イランを引き込むことに、ミサイル防衛システムの配備と交換に、賛成するのであろうか。

 イスラエルは既に、自国をアメリカが防衛の、前線基地として使うことに、不満を述べている。そうなれば、イスラエルはヨルダン川西岸地区での入植地拡大を、交換条件としてアメリカに要求することになろうし、それ以上の交換条件も付けよう。

 そうなれば、アメリカのオバマ大統領が唱えている、中東和平推進は頓挫してしまうことになろう。その結果、アラブ諸国はオバマ政権に対する、信頼を失うのではないか。こう推測してみると、ミサイル防衛システムの中東配備は、今後、種々の新たな問題を生み出しそうだ
Posted by 佐々木 良昭 at 23:08 | この記事のURL
NO・1385A・ネジャド大統領の暴走・ハメネイ師と立場を異にする [2009年08月29日(Sat)]
 イランのアハマド・ネジャド大統領は、恒例の金曜礼拝を、テヘラン大学で行い、そのなかで過激な発言を行っている。
 彼はイランの大統領選挙結果に不満を抱き、デモを行ったメンバーとその首謀者に対し、厳しい対応をすべきだと語っている。しかも、このデモの首謀者たちは、外国との関係をもあるとし、断罪すべきだとも語っているのだ。
 他方、これまでデモ企画者と参加者に対して、厳しい意見を述べ、アハマド・ネジャド氏の大統領当選を、いち早く支持してきたハメネイ師は、最近になって、デモ参加者に対する対応を、和らげてきている。デモ企画者たちが外国との関係を持っているという、アハマド・ネジャド大統領の指摘についても、否定的な立場を取っている。
 つまり、ハメネイ師は現在のような、国論分裂の状態は、イラン国家と神権体制にとって、危険だと判断したということであろう。アメリカのイラン攻撃の可能性は、だいぶ低くなったものの、イスラエルの攻撃の可能性は、アメリカのそれよりも高いし、イギリスやアメリカ、イスラエルなどが、イランの弱体化工作を、続けていることは事実であろう。
 そうした判断は、アハマド・ネジャド大統領の対極にいる、ムサビ氏やラフサンジャニ師も同じだろう。だからこそ、ラフサンジャニ師はハメネイ師を中心とする、国民再連帯を呼びかけたのだと思われる。そして、そのラフサンジャニ師の呼びかけに、ハメネイ師も敏速に応えたのであろう。 
 こうしたイランの高位者たちの、暗黙の合意の外に、最近のアハマド・ネジャド大統領はいるのではないか。それは、アハマド・ネジャド大統領が新たな動きを、察知できないからではなく、意図的に埒外にいよう、としているのではないかと思われる。
 アハマド・ネジャド大統領は二期目に入り、自身の権力を拡大することを、もくろんでいるのかもしれない。そうであるとすれば、早晩、彼の新たな一歩が踏み出されるのではないか。もしそうなった場合、ハメネイ師やラフサンジャニ師らは、どのような対応をアハマド・ネジャド大統領に対して、取るのか実に興味深い。
 忘れてならないのは、現段階ではイラン国民のほとんどが、反アハマド・ネジャド大統領になっているという状況だ。ハメネイ師もアハマド・ネジャド大統領の暴走を、快く思ってはいまい。突然の大統領更迭、ということも起こりうるし、アハマド・ネジャド大統領がそれに、力で抵抗することも、考えうる状況になってきているのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:06 | この記事のURL
NO・1384イランの最高権威者ハメネイ師反政府派と妥協か [2009年08月27日(Thu)]
 イランの大統領選挙で、同国の権威集団である法学者グループが、二つに分裂したのではないか、ということを何度となく書いてきた。そして、それに輪をかけ、ハメネイ師とアハマド・ネジャド大統領との関係にも、亀裂が生じているのではないかということも書いた。
 ここにきて、また新たな動きがイラン国内で、起こり始めているようだ。それは、一時期反政府派が外国政府なかでも、イギリスとの関係があった、あるいはアメリカの反政府派に対する、支援があったという情報が、飛び交っていた。
 常識的に考えれば、もしそうした情報に信頼性があるのであれば、デモ参加者に対する裁判は、極めて厳しいものになり、国家反逆罪で処刑される者も、多数出ることが予想された。
 しかし、ここにきてイラン高官の発言に、変化が生まれている。まずイランで最高位にあるハメネイ師が、デモは選挙前から計画されていたとしながらも、国の関与を否定したということだ。その予兆は、ラフサンジャニ師の仲介役としての、ニュアンスを含んだ発言から、始まっているのではないか。
 加えて、これまで沈黙を守っていたハタミ元大統領が、「裁判は無効だ」と声高に主張し始めたことだ。彼は強要によって得た証言は、何ら正当な根拠や証拠に、ならないと語っている。
 こうなると、今回の選挙後のイラン国内の混乱の張本人は、アハマド・ネジャド大統領ということになるのではないか。つまり、彼がデモ参加者に対して、必要以上に厳しい対応をした結果、イランの国論が分裂し、敵意が拡大したということになろう。
 しかも、極め付きは逮捕者に対する、レイプが起こったという、抗議だったろう。イスラム教を国教とするイランは、性的に厳格な国であるにもかかわらず、国家権力側の人間が、留置所内で男女をレイプしたということが、実際には起こらなかったとしても、それが話題になるだけでも、極めて恥ずべきことであろう。
 女性のレイプ被害者は、いまだに名乗りを上げていないが、男性のレイプ被害者が、名乗りを上げている。つまり、レイプは実際にあったということを、イラン国民全体に訴えたということだ。
 こうした流れのなかで、ハメネイ師は神権体制を維持していく上では、ハタミ師やカロウビ師、ラフサンジャニ師らと、妥協する方が得策、と考えたのかもしれない。そうであるとすれば、今後アハマド・ネジャド大統領は、極めて危険な状況に、置かれる可能性があろう。その危険に、彼が力で対抗しようとするのか、座して死を待つのか。大統領選挙によってはじめられた、イラン国内の権力闘争は、今後厳しい展開を見せよう。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:00 | この記事のURL
NO・1383ヨルダンでスンニー派からシーア派への転向問題化 [2009年08月26日(Wed)]
 ヨルダンの軍事法廷が、6人のシーア派イスラム教徒が、彼らの思想を広げる活動をしたかどで、逮捕され裁かれている。この6人のシーア派イスラム教徒が、ヨルダン国籍なのか否かについては、報道のなかではふれられていない。
 本来であれば、スンニー派がほとんどを占めるヨルダンで、シーア派が宣教活動をしても、何の成果も得られないはずなのだが、現状はどうもそうではないようだ。
 レバノンのヘズブラによる、反イスラエル闘争がパレスチナ人の間で、大きな支持を得たと同じように、ヨルダンのスンニー派イスラム教徒の間にも、支持者を増やしているようなのだ。
 このため、ヨルダン政府は今回の対応に、踏み切ったものだと思われる。その場合、スンニー派からシーア派への転向よりも、シーア派に転向したヨルダン人が、イスラエルへの抵抗闘争を起こしていく不安と、ヨルダン国内での反体制活動につながって行く、不安からであろう。
 イランの欧米に対する強硬な立場は、イラン国民だけではなく、イスラム教徒世界全体で、ひそかな共感を呼んでいるようだし、アラブ世界では、ヘズブラの勇敢なイスラエルに対する闘争が、大きな支持を集めていることは事実だ。
 それらの感情は、イスラエルに対する敵対心もさることながら、イスラエルに対し何もできない、自国政府と自身に対する、不満からであろう。その心理状態は拡大していき、何時の時点かで暴発する危険性を、はらんでいるのではないか。
 イエメン政府がサアダ県の、アルホウシ部族に対して、強硬な軍事対応を行ったのも、何処かヨルダンの例と、通じているような気がしてならない。サウジアラビア国内での、シーア派に対する強硬姿勢や、隣国イラクへのテロリスト送り出し、スンニー派過激組織への資金供与、といった情報が流れてくるが、これらはどこかで同じ原因に、つながっているのではないだろうか。
 シーア派対スンニー派の対立は、小規模なものであれば、過去にもあったことは否定できないが、昨今のような大規模なものは、歴史的に類例がなかったのではなかろうか。そう思いたいのは、イスラム教徒の共通の感情であり、したがって、スンニー派対シーア派の対立は、欧米がイスラム教徒を分裂させ、敵対させるために仕組んだものだ、という思考に結び付いていく。そして、すべての問題の原因の種は、欧米によって播かれたということになる。
 しかし、そうした被害者の論理による、現実からの逃避だけではなく、イスラム教徒内部にこそ、真の原因があるという考えも必要であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:48 | この記事のURL
NO・1382エジプト・サッカー選手はラマダン免除 [2009年08月26日(Wed)]
 イスラム教の宗教学者のなかに、サッカーの大フアンがいるのだろうか。エジプトのイスラム法最高機関ダール・ル・エフターは、9月24日から始まる世界サッカー大会に向けて、自国選手が体力を温存できるように、断食の義務を免除するという判断を下した。
 これは、世界大会に向けたトレーニングが、絶対必要だからという配慮からであったろう。サッカーの試合は、別に戦争ではないので、断食を免除されるという、イスラム法上の正当性は、成立しないのだが。
 日本人のような、宗教心の薄い国民からすれば、サッカーの試合が無くとも、1カ月にも及ぶ断食はきついと感じ、当然このダール・ル・エフターの宗教裁定(?)を、歓迎すると思われるのだが、エジプトの場合はそうでもなかった。
 エジプトのサッカー協会のスポークスマンである、アラーア・アブドルアジーズ氏の語るところによれば、選手たちは断食免除を、受け入れないということだ。
 これには、宗教権威者たちが肩透かしを、食らったということであろうか。選手たちは断食をしながらの練習の苦しさよりも、アッラーの命令どおりに断食に耐えて練習した方が、勝利の可能性が高いと判断したのであろう。
 イスラム教には「アッラーは自ら勝利を招く者を愛でる」という教えがある。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:43 | この記事のURL
NO・1381アラブ系イスラエル人はキャリア外交官にするな [2009年08月25日(Tue)]
  これまでも何度となく過激な発言で、世界のマスコミをにぎわせてきた、イスラエルのアヴィグドール・リーバーマン外相が、また問題発言をした。この問題発言とは、今後のイスラエルのイメージを予測する上で、大きな意味を持っているかもしれない。
 アヴィグド−ル・リーバーマン外相は、兵役義務あるいは社会サービスを行っていない者には、キャリア外交官としての教育を、受けさせるべきではないと言いだしたのだ。このニュースはヨルダンの新聞や、BBCで報じられてた。
 アヴィグド−ル・リーバーマン外相は必要であればクネセト(イスラエル国会)にかけて法制化売るつもりのようだ。これまでイスラエル国籍を有するアラブパレスチナ人は一部の例外を除いて、兵役義務がなかった。
 イスラエルの法律ではイスラエル国民に、平等の権利を与えることになっており、もしクネセトに持ち込まれた場合、相当激論が戦わされるのではないか。
 この兵役義務免除(アラブ系イスラエル人に軍事訓練経験を持たせないという目的)は、イスラム教徒ばかりではなく、キリスト教徒にも当てはめられている。同様に、イスラエルユダヤ人ではあるが、ユダヤ教原理主義者たちも、兵役義務が免除されている。
 現在イスラエリ・アラブ人と呼ばれている、イスラエル国籍を有すアラブ系イスラエル人の人口は、イスラエル国民の5分の1(145万人)を占めるに至っている。彼らは、常にイスラエリ・ユダヤ人とは、差別されていると感じている。
 気になるのは、ネタニヤフ首相の主張した「イスラエルはユダヤ人の国家」という意見を思い起こすと、今回のアヴィグドール・リーバーマン外相の発言は、将来的に、アラブ系イスラエル人を、公職から追放することを考えての、発言ではないかということだ。
 これまでも、イスラエルの強硬派の人たちの間から、1948年組と呼ばれる、イスラエル国籍を取得しているパレスチナ人を、ガザ地区や西岸地区などに追放しろ、という意見が何度となく出ている。
 イスラエル国籍を有するパレスチナ人の、クネセト・メンバーがこれまで、反イスラエルの立場の意見を、述べてきていることから考え、イスラエル人にしてみれば、やむを得ない意見なのかもしれない。それが公然と語られなかったのは、イスラエルが中東唯一の民主国家という看板を、掲げていたためであろう。
 イスラエルはいま、建前が優先されるのか、あるいは現実が優先されるのかという、難しい選択を迫られているということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:40 | この記事のURL
NO・1380A・ハキーム師が重態その後のイラクは [2009年08月24日(Mon)]
 イラクのシーア派組織SIICのリーダーである、アブドルアジーズ・ハキーム師が重態で入院した。彼は肺癌に罹っているということだ。彼の指導するSIICは、イラクのシーア派組織では、最も大きなものだと言われており、この組織以外では、モクタダ・サドル師が率いるマハデイ組織であろう。
 もしアブドルアジーズ・ハキーム師が病没した場合、彼の息子アンマル氏が、後継者となることが予想されているが、一部には彼の指導力は、巨大な組織をリードしていけるのか、いぶかる人たちもいる。
 そうなると、今後のイラク内シーア派社会では、イランから移住しているシスターニ師に加え、モクタダ・サドル師が大きな力を、持つようになって行くものと思われる。
 つい最近、そのモクタダ・サドル師は、イランのクムで2年間勉強し、アヤトラ・オズマ(大アヤトラ)の学位を得て、帰国したといわれている。したがって、彼モクタダ・サドル師はファトワ(宗教裁定)を発出する、権限を有したということだ。
 そうなると、シスターニ師のファトワと、モクタダ・サドル師が発出するであろうファトワとが、いずれもイラク国内で有効とされるように、なるということだ。
このモクタダ・サドル師のアヤトラ・オズマの学位と、彼の発出するであろうファトワの権限は、イランのクムの学者たちに認められたものであるだけに、今後、モクタダ・サドル師はイランとの関係強化に、向かう可能性が高まろう。
その場合、サドル師の権威と比べ、アブドルアジーズ・ハキーム師の息子アンマル氏とでは、名声においても、学位、イスラムの知識においても、イランとの関係においても、天地の差が出てこよう。
もう一つの問題点は、マリキー首相がサドル師との関係を、どうしていくかということだ。マリキー首相はシーア派スンニー派クルドが、一体となるイラクの、国家建設を模索している。そうなると、サドル師のシーア派イラク国民の利害と、対立する場面が出てくる、可能性は否めない。
その場合、サドル師はマリキー首相と対立するのか、あるいは巧妙に良好な関係を維持しながら、イランの後ろ盾で、次第に勢力を拡大していくのか、そのいずれかであろう。
来年にはアメリカ軍のイラク領土からの撤退が、現実化していくことになり、その状態では、マリキー首相の力は弱まる、と考えるべきであろう。そうなると、マリキー首相はクルドとの問題、スンニー派との調整、モクタダ・サドル師のグループとの調整と、極めて難しい舵取りが、必要になるということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:24 | この記事のURL
NO・1379ラフサンジャニ師の新たな立場 [2009年08月23日(Sun)]
 イランの元大統領であり、護憲評議会の議長であるラフサンジャニ師は、宗教的権威としても、金持ちとしても、世界的な著名人としても、よく知られている人物だ。彼の老獪な政治手腕が、ここに来てイラン国内の混乱を、止めるかも知れない。
 大統領選挙以来これまで、ラフサンジャニ師は反政府派を、擁護する立場に回っていた。つまり、ムサヴィ氏らを支持していたということだ。しかし、ここに来て、彼はハメネイ師の顔を立てる、発言をし始めた。
 ラフサンジャニ師は「ハメネイ師の意見に従い、国民は意思を統一すべきだ。」と言い出したのだ。それが何を意味しているのかを、考える必要がありそうだ。
 考えられることは、彼が支援したムサヴィ氏やカロウビ師が、場合によっては逮捕され、裁判にかけられそうな雰囲気に、なってきたことが挙げられよう。イランの強硬派のなかから、問題の中心人物たちを捕まえて、取り調べろという声が、高まってきているからだ。現在の混乱状態が続くことは、イランの将来にとって、決して都合のいいことではあるまい。
 また、これまで逮捕された者のなかから、外国の関与を語る者が、出てきていることも、ラフサンジャニ師にとっては、気がかりであろう。拷問によるのか、あるいは死刑という不安からか、一部の逮捕者が、今回の反政府の動きに、イギリスやアメリカの資金が、流れていたことを、話し始めているというのだ。しかし、この点については、どうもすっきりしない。
 もうひとつ考えられることは、ハメネイ師がラフサンジャニ師に対し、ムサヴィ氏やカロウビ師を逮捕しない代わりに、ラフサンジャニ師に対し、政府側と反政府側との仲介を、依頼したのではないかということだ。
 これまでも述べてきたように、今回のイラン国民の分裂は、それだけではなく、イランの神権体制そのものを、分裂と危機に追い込んでいるからだ。そのことは、ハメネイ師にとってもラフサンジャニ師にとっても、決して都合のいいことではあるまい。
 ラフサンジャニ師はこのハメネイ師の申し入れを受け(?)善意の仲介者としての立場を、得るということであろうか。いずれが正しいかは別に、ここに来て、イランの国内政治の流れに、変化が生まれたことは確かであろう。それでもイラン国民の、神権体制離れは止まるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:21 | この記事のURL
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