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NO:5011 2月10日 『アメリカの思惑は外れている』 [2018年02月09日(Fri)]
*最近、目立っているのはアメリカもトルコも、自軍を前面に立てずに、他を使って戦争を行っていることだ。アメリカはシリアでSDF(クルド・ミリシアが主体の)を使って、戦争をしているし、トルコもFSA(シリア自由軍こちらはアラブ・クルドなどの混成部隊の反アサドミリシア)を、前面に立てて戦っている。*

*つまり、自分の手は汚さずに勝利の果実だけを、手に入れようという作戦だ。しかし、そうした手法は成功すまい。当初トルコとアメリカの支援を受けていたFSAは、アメリカが提供した武器を、容易に敵側のアルカーイダやIS(ISIL)に渡していた。*

アメリカは物量でその時その時の状況により、手を組む相手を変えてきている、アルカーイダもIS(ISIL)も、FSAもかつてはアメリカの盟友だったが、いまではクルドのミリシアが最も信頼できるとして、SDFを結成しそれに主体的に、援助を行っている。

だが、そのSDF(実体はYPG)との連携にも、ひびが入り始めているようだ。YPG
はトルコと敵対しているわけだが、そのトルコとアメリカは裏で通じている、という不信感が広がっているからだ。

シリアのアフリンでの戦闘では、アメリカは関与しない立場を取っており、トルコはロシアと共同で、アフリンのクルドをせん滅しにかかっている。ロシアには反アサドのクルド・ミリシアを、叩きたいという考えがあり、トルコはクルドが強化されれば、トルコ本土が危険になる、ということであろうか。

トルコは攻勢に立っているためか、至って鼻息は荒く、アフリンの次の攻撃目標である、マンビジュについてアメリカ軍は出ていけ、そうでないとトルコ軍と戦うことになる、とアメリカに警告している。

アメリカはマンビジュを死守するつもりであり、トルコにマンビジュを手渡す気はない。そうなると、アフリンでトルコに対抗する動きは、採れないということだ。そうすることによって、トルコとの妥協を生み出す、考えなのであろうか。(この裏にはシリアの石油支配がある)

マンビジュではアメリカの利益のために戦っている、クルド・ミリシアがアフリンではアメリカの支援を受けられない、ということは納得がいくまい。結果的にアメリカに対するクルド側の信頼度は、大幅に下がったということであろう。

アメリカはこれまでのいずれの戦争でも、友軍を道具として使い、その後に使い捨ててきたが、シリアでも同じことを繰り返している。その結果、ロシアに対する信頼度が上がり、ロシアはアメリカに対して中東全域で、優位に立つようになった。

どうもアメリカの株の暴落の繰り返しと言い、アメリカは賢い判断が、出来なくなってきているのではないだろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:41 | この記事のURL
NO:5010 2月9日 『イラクのブラック・リストは2段階だった』 [2018年02月08日(Thu)]
 イラク政府が発表したブラック・リストに、IS(ISIL)のリーダーであるバグダーデイの名が無い、ということはイラク政府が彼を死亡、と判断したからではないか、という推測を数日前に書いたが、どうやらそうではなかったようだ。
 最初のブラック・リスト(60人の名が記載されている)に次いで、第2段階目のブラック・リスト(7人の名が記載)が発表されたが、それにはバグダーデイの名が、記載されていた。当然といえば当然であろうが、このことはバグダーデイが生存している、という判断をイラク政府がいまだにしている、ということであろう。
 バグダーデイに次いでアブドルラハマン・カドウリの名前が挙げられている。今回のブラック・リストには7人の名前が並んでいるが、そのうちの5人は外国人(欧州人の意味か)、他はサウジアラビア人が2人、イエメン人が一人、カタールが人一人となっている。
 これらの7人は、最初のブラック・リストに掲載された人物たちよりも、もっと危険な連中だということのようだ。第2段のブラック・リストにはIS(ISIL)のメンバーに加え、バアス党残党メンバー、アルカーイダのメンバーも含まれていた。
 第一段階のブラック・リストにはサダム・フセインの長女ラガドの名前も載っているが、彼女と取り巻きは、ヨルダンのアブドッラー国王の庇護の下にいる。
 イラク政府はIS(ISIL)に対する、完全な勝利で自国を解放したことになり、これからは、これらの危険人物たち67人を捜索し、逮捕し、裁判にかけるということであろう。もし彼らが逮捕された場合、何処まで正式な裁判が行われるのかは不明だ。
 アラブ世界は部族世界であり、逮捕者のなかに、有力な部族の出身者がいた場合には、お目こぼしされることもあるし、シーア派とスンニー派の対立が、影を落とす場合もあろう。旧バアス党のメンバーの場合には、サダム・フセインの暗い影が、影響を及ぼす可能性もあろう。
 いずれにせよ、今回のイラク政府によるブラック・リスト発表は、IS(ISIL)との戦争の終りの締めくくり段階に、イラクが入ったということであり、歓迎されるべきであろう。
 アラブ世界はありがたいところで、もし逮捕された後か、逮捕される前に、国外逃亡に成功すれば、彼らを受け入れてくれる国はある。ウガンダの大統領もスーダンの大統領も、サウジアラビアが丁重に匿ってくれているのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:58 | この記事のURL
NO:5009 2月8日 『聖地めぐりサウジ・カタール対立先鋭化』 [2018年02月07日(Wed)]
メッカとメジナはサウジアラビアが管理する、イスラム教の二大聖地であり、その事はサウジアラビア政府にとって、最も誇りとしていることであろう。そのため、サウジアラビアでは国王に対する呼称は国王ではなく『メッカ・メジナの聖地を管理する者=ハーデム・ハラマイニ・シャリーファイニ』という呼称が用いられている。

このハーデム・ハラマイニ・シャリーファイニという、サウジアラビア国王に対する新たな呼称は、サウジアラビアがイスラム教の二つの聖地の管理者であり、イスラム教を主導しているのだ、ということを意味している。

もう一つのイスラム教の聖地はエルサレムであり、こちらはヨルダンの王家が管理してきていたが、その事をアラブ連盟で正式に認めてもらおうと、ヨルダン国王が動き出すと、サウジアラビアはそれに反対している。

サウジアラビア王家の考えでは、メッカ、メジナに次いで、エルサレムも管理下に置き、完全にイスラム教を支配する形に、したいからであろう。しかし、エルサレムについては、以前からヨルダンが管理している場所であるだけに、そう簡単にサウジアラビアの、管理下に置くことは出来まい。

サウジアラビアが聖地の管理者であることに、これだけこだわっているなかで、カタールが『二大聖地は国際管理下に置くべきだ。』と言い出している。カタールの前にはイランが、メッカ巡礼で多数の犠牲者を出すという事故が起こった後、『サウジアラビアにはメッカを管理する能力は無く、国際管理にすべきだ。』と主張し始めていた。

カタールの二大聖地国際管理案提案に対して、サウジアラビアとバハレーンは『その発言は宣戦布告と同じだ』と激怒しているのだ。

実はその事が問題なのだ。サウジアラビアとアラブ首長国連邦、そしてバハレーンやエジプトが一体となって、カタールを追い込んでいるが、それはカタールがイランとの関係を、進めているからだった。そうした背景のなかで、カタールが二大聖地の管理にクレームを付け、しかも、それはイランと同じ立場であり、つまり、共同歩調を採っているとなると、話しは簡単ではなくなる。

ますます緊張関係を高めているなかで、サウジアラビアとアラブ首長国連邦、そしてバハレーンが、共同で軍事訓練を行うことになった。それはバハレーン軍が設立された50周年記念、ということなのだが、主役をバハレーンに譲ることにより、サウジアラビアは二大聖地問題が、軍事訓練を実施した主因では無い、と言いたいのであろう。しかし、共同軍事訓練は実弾を用いたものであり、本格的な訓練となっている。

これはどう考えても、サウジアラビアが主体で、アラブ首長国連邦とバハレーンが参加した形で行われた、カタールに対する軍事恫喝であろう。それが今後何処までサウジアラビア側とカタールとの緊張を、高めていくのか気がかりだ。何と言ってもこの地域は、日本の最大のエネルギー・ソースなのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:27 | この記事のURL
NO:5008 2月7日 『なぜUAEはイエメンで戦うのか』 [2018年02月06日(Tue)]
*アラブ首長国連邦(UAE)はサウジアラビアと、一衣帯水の関係があることで、知られている。最近ではサウジアラビアとカタールとの対立で、UAEはサウジアラビアを全面的に、支援している。*
*そのUAEはこのところ、サウジアラビアがイエメンを攻撃しているなかで、サウジアラビアの軍に支援を送っており、イエメンで空爆を繰り返している。その被害は相当なものであろう。*

*UAEがなぜそこまで、サウジアラビアを支援するか、ということが疑問だったが、よく考えてみると、それはUAEの国益とも、直結していることが分かり、UAEのイエメン攻撃は、サウジアラビア支援の名を借りた、UAEの国益追及の戦いだ、ということが分かる。*

*イエメンは紅海の入り口にあたる、バーブ・ル・マンデブ海峡を支配している国だ。イエメン軍によってこの海峡が、コントロールされるようになれば、UAEの石油は欧米市場に向かえなくなるのだ。*

*加えて、現在イエメンで勢力を増している、ホウシ・グループはイランの支援を受けた、シーア派戦闘集団であり、このグループがイエメンを支配してしまえば、UAEは自国の南部に強力な敵を、置くことになるのだ。*

*そして、もう一つの問題はイエメンと、サウジアラビアとUAEの国境に近いイエメンン領には、レアメタルが眠っており、石油やガスもあるといわれている。こためUAEはイエメンの領土の一部を、UAEは奪取したいと考えている。*

*そもそも、UAEの構成国であるアブダビとイエメンとは、1960年代から1970年代の初めにかけて、ゾハール戦争を展開していた経緯がある。その折にアブダビを支援したのはイラン軍だったと記憶する。*

また、UAEにとってはイエメンの各港も、奪いたいようだ。イエメンの港はアデンを始めホデイダなど幾つもあり、紅海、アラビア海、そして東アフリカにつながっているのだ。つまり、
UAEは善意だけでサウジアラビアの、味方をしているのではない、ということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:04 | この記事のURL
NO:5007 2月6日 『イラク政府60人の名を逮捕者リストに載せる』 [2018年02月05日(Mon)]
*昨年末にイラク政府は、IS(ISIL)掃討作戦を完了した。その後、アバデイ首相はイラク領土が、シリア国境に至るまで、IS(ISIL)から解放された、と宣言している。しかし、それでイラクの敵が全て消えた、というわけではない。*

*イラクは今回逮捕者60人の名前を連ねた、リストを公表することになった。そのリストには、故サダム・フセイン大統領の長女、ラガドの名も載っている。そしてバアス党員の幹部、20人の名も書かれてある。*

それ以外には、IS(ISIL)のメンバー28人の、名前が記されてあり、アルカーイダのメンバーの名も、12人が掲載されている。逮捕者リストには、従って60人の名が連ねられている、ということだ。

ただ不思議なことに、この逮捕者リストには、IS(ISIL)のトップであるバグダーデイの名は、記載されていないということだ。それはイラク政府が『バグダーデイは死亡した。』と判断してのことなのであろうか。

サダム・フセインの長女ラガドについては、旧バアス党員を集め、現体制を打倒することを考えている、と説明している。彼女にはいまだに莫大な資金が、残っているというのだ。そして、彼女はいまヨルダンのアブドッラー国王の庇護の下に、ヨルダンで亡命生活を送っている。

アラブ世界の現代政治史は、まさに小説よりも奇なりと言える、興味深いものだ。復讐の女王サダム・フセインの長女ラガドが、これからどんな手を打つというのであろうか。ただ言えることは、リビアの場合と同じように、冷静に考えると庶民の生活は、カダフィの時代、サダム・フセインの時代のほうが安定し、豊かだったという事実がある。

その昔を思い出す庶民が、死んだ独裁者の体制の復活を望む、ということは十分にあり得よう。日本の様な自由で安定した社会では、考えられないことなのだが、独裁者はアラブ世界だけではなく、発展途上の国の多くでは、必要悪の部分があるのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:10 | この記事のURL
NO:5006 2月5日 『国境が見えなくなってきた中東諸国』 [2018年02月04日(Sun)]
*最近思うことは、中東諸国の国境が、不鮮明になってきているということだ。いままでは、敵対しあっていたイスラエルとアラブ、あるいはアラブとアラブが敵対しており、それぞれの関係は極めて明確であり、厳しいものだった。*

*しかし、最近ではアラブとイスラエルが、協力し合い友好的になったり、敵対しあっていたアラブの国の関係が、良好になったり、あるいは友好的だったアラブの国が、敵対しあうようになっている。*

*こうした状況は、いままで中東諸国に抱いていた、一般的な認識が大変化するということであり、古い認識で状況を診ては、とんでもない間違った判断をする、ということだ。

*例えば、アラブとイスラエルは不倶戴天の敵同士、といわれていたが、いまではアラブ最大の軍事力を有し、4度のイスラエルとの戦争で主役を勤めた、エジプトがイスラエルと良好な関係になっている。*

*そのエジプトはシナイ半島北部の、IS(ISIL)のテロ活動に、手を焼き困っていたが、IS(ISIL)のシナイ半島北部進出は、イスラエルにとっても危険なことであり、イスラエルとエジプトが共闘作戦を、取り始めているのだ。*

*イスラエル側はエジプト政府との合意の下に、シナイ半島北部のIS(ISIL)の拠点を、100回以上に渡って空爆したということが、明らかになっている。これまでであれば、自国領土をこともあろうに、イスラエルに空爆させるなどということは、起こり得なかったのだ。*

*単純に言ってしまえばIS(ISIL)はエジプトにとっても、イスラエルにとっても敵であることから、共同して対応するということなのであろう。*

北アフリカのリビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコの関係も、IS(ISIL)
を中心とするテロリスト対応をめぐり、協力姿勢が見え始め、いままでの状況とは異なってきている。例えば、アルジェリアとモロッコとは敵対関係にあったが、最近では治安面等で、協力姿勢が目立ってきている、それはチュニジア・リビア関係でも然りだ。

サウジアラビアとUAEは領土問題をめぐり、敵対関係にあった時期もあるのだが、最近では関係が良好になり、カタールを共通の敵とする形になっているし、イエメン戦争ではUAE
がサウジアラビアを支援し、軍事作戦に参加している。

トルコとシリアとの関係は、以前は悪くなかったのだが、いまでは完全に敵対関係になり、トルコはシリアに軍事侵攻している。トルコのハラの内はシリアを、オスマン帝国の時代の自国領土と考え、シリア北部を奪取したいということのようだ。

トルコが数百万人(トルコに居住するシリア難民数は、300万人とも500万人とも言われている)
のシリア難民を抱え込んでいるのは、将来への布石であり、それを国際的にアピールするためであり、決して単純な人道的な、支援ではあるまい。

各国の利害が最優先してであろうか、現在では各国はそれぞれの国益を最優先し、かつての敵とでも組む時代に、入っているようだ。それは国境の存在をぼかし、中東地域に新たな組み合わせを、作っていくのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:15 | この記事のURL
NO:5005 2月4日 『米土のシリア介入はシリア戦闘員同士の戦い』 [2018年02月03日(Sat)]
*シリアの内戦は2011年に始まり、既に7年を経過している。初めはシリア国民同士の、政府と反政府の戦いであり、それほど大きなものではなかったろう。しかし、時間が経過するにつれて、外国がシリア内戦に手を出し始め、それぞれの国の都合によって、シリア内戦は継続されるように、なっていった。*

*最初に手を出したのは、シリアに隣接するトルコだった。トルコにしてみれば、隣国の内戦が自国に、影響を及ぼすのは危険であり、何とか内戦はシリア国内に留めて、おきたかったのであろう。*

*トルコはシリアの反政府勢力各派を集め、武器を与え、資金を与え、統一して行き、自由シリア軍(FSA)が誕生した。トルコはFSAをトルコに呼び寄せ、他の組織も巻き込んで、シリア内戦を終わらせる、和平会議のようなことを、何度も繰り返してきている。*

*FSAの幹部たちは、いまではトルコ国籍も与えられ、住居も与えられ、トルコ政府が支払ってくれる給料で、優雅な生活を送っているのだ。戦闘員たちはと言えば、俸給は受けるものの、たいした額ではないのであろう。彼らが勇敢に戦っている、という話は聞いていない。*

*次いでFSAに支援を始めたのは、アメリカだった。アメリカは物量作戦なのか、FSAに大量の武器を与えている。しかし、それらの武器の多くは、FSAによってアルカーイダや、IS(ISIL)側に渡されている。*

* FSAの口実は、ある地点を通過する時に、安全に移動できるよう、一部の武器を敵側に渡している、ということだった*
*が、それは実際には、戦闘員の収入に繋がっているのであろう。*

もう一つの戦闘集団はSDF(シリア防衛軍)という名前が付けられた。これはアメリカが組織したものであり、シリアの反政府勢力全てを結集し、IS(ISIL)やアサド体制に対抗させるというものだが、実際はアメリカにとって使いでのいい、クルドの戦闘員を中心とする組織だ。

FSAは名目上、シリア国内全域で活動し、SDFはトルコに近いシリア北部一帯で、活動している。SDFはアメリカの庇護の下に、将来はシリアの北部地域を、自分たちの自治区、そして、その先にはそこを国家にしたい、と願っている。

最近では、このトルコの傭兵集団FSAと、SDFとが戦闘を繰り返す様相が出てきている。つまり、シリア国民同士が戦っているのだ。そして、その二つのグループの背後には、トルコとアメリカが存在しているのだ。

このまやかしの戦闘集団は、トルコとアメリカの関係が、良好な時は良かったが、最近のようにトルコとアメリカが、対立するようになると、立場は厳しいものになっていく。

しかし、その事はトルコやアメリカの軍人にも、危険が及ぶようになる、ということでは無いのか。シリアの民兵たちが、何時までもトルコやアメリカの、傭兵としての役割を、続けるとは思えないからだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:38 | この記事のURL
NO:5004  2月3日 『ユダヤ人が追い込まれている?』 [2018年02月02日(Fri)]
*イスラエルにハイム・ゴウリという、作家兼ジャーナリストがいたということが、ネットに掲載されていた。彼はイスラエルの独立時に戦った、勇敢な戦闘員であったようだ。*

*彼はまさにイスラエルの建国から、その後の時代を生き抜いてきた、人だったようだ。その彼は晩年になって、左派系のマスコミで執筆していたようだ。独立を勝ち得ることとは異なり、1967年戦争の勝利後、ユダヤ人は横暴になってきていることに、懸念を抱いていたのであろう。*

*彼は1920年代に生まれた人のようだが、その頃のイスラエルには、あまり多くないユダヤ人が、ある意味でパレスチナ人と隣人同士で、生活していたのだ。ユダヤ人とパレスチナ人の関係が、穏やかだった頃であり、子供たちが一緒に遊んでいたという話を、1970年代の終わり頃に日本に駐在した、PLOの代表が懐かしそうに、穏やかな関係だった時期について語るのを、聞いたことがある。*

*私にはその話が奇異なものとして、聞こえたのだが、既に当時のユダヤ人とパレスチナ人との関係は、劣悪になっていたからであろう。1970年代といえば、PFLPによるハイジャック・テロが頻発しており、ライラ・ハーリドという名の女性闘士が、世界的に知られていた頃だ。*

ハイム・ゴウリ氏はすっかり変わってしまった、イスラエルやユダヤ人について、将来のイスラエルそしてユダヤ人について、不安を抱きながら死んでいったものと思われる。彼の娘は『父はまさに全てのエネルギーを出し切って死んで言った。』というようなことを語ったらしい。

実はイスラエルやユダヤ人の、将来に対する不安が、少しずつ芽生え始めている。一般的には巨像アメリカを利用して、ユダヤ人は世界を牛耳っている、といったことがマスコミを通じて伝えられ、ユダヤ人に勝つ術は無くなった、というイメージなのだが、実態はそうでは無さそうだ。

ドイツの外相がイスラエルのネタニヤフフ首相に対して『ヨーロッパではイスラエルに対する不満が拡大している。』と警告したようだ。それは実はアフリカからの、不法な難民のヨーロッパへの大量流入に、起因しているのかもしれないし、トランプ大統領による『エルサレムはイスラエルの首都』という発言に、起因しているのかもしれない。

 ポーランドではドマ大統領に対して、彼の支持者からホロコーストを再考しろ、という要求が出た結果、彼はホロコーストについて再調査することを、約束したようだ。ポーランド人の間ではナチによる、ホロコーストの犠牲者には、多くのポーランド人が含まれていた、という認識なのだ。

 そのポーランド人の犠牲を無視し、あたかもホロコーストの犠牲者は、ユダヤ人だけだという、ユダヤ人の主張は許せない、ということであろう。彼らはポーランドの歴史認識を間違えさせる、大問題だとみなしているのだ。

 ヨーロッパ、なかでもナチの発祥の地であるドイツでは、最近、ナチ支持、ヒトラー賞賛の若者が、増えているといわれている。こうした社会的傾向は一定の時間の経過のなかで、サイクルのように甦って、来るものなのかもしれない。

アメリカでも同様に、反ユダヤが、拡大しているようだ。1パーセントの富裕層が、99パーセントの貧困層を創っている、という非難は述べるまでも無く、ユダヤ人に対する敵意の発言なのだ。いままさにユダヤ人に対する、ネオ・ポグロム、ネオ・ホロコーストが、始まっているのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:19 | この記事のURL
NO:5003 2月2日 『トルコの経済はどうなっているのか』 [2018年02月01日(Thu)]
*トルコの経済は戦時下で、どうなっているのであろうか。トルコ政府は華々しい戦果を、公表しているが、実態はそうでもなさそうだ。前面にはトルコが支援する、クルド主体のSDFを立て、トルコ軍の兵士はその後ろで、動いているようだ。*

*それでもトルコ軍の将兵の中にも、敵の攻撃を受けて、死傷した者が出ている。その数が増えていけば、それはトルコ国内で、問題化していくことは必定だ。戦争にかかる負担も少なくはなかろう。そいれに加えて、トルコの経済は種々の問題を、抱えているようだ。*

*ちなみに、昨年の外国からの観光客数は、3240万人だとうことだ。トルコ政府は観光客が、戻ってきているし、今年はもっと増えるだろう、という予測をしているが、そう喜んでばかりも、いられなさそうだ。*

*最近、政府が発表したところによると、トルコ国内のホテルの予約率は、上がっているようだが、値引きしている関係か、ホテルの収入は下がっている、というのだ。*

*貿易面でも回復の話はよく聞くが、実際は昨年の段階で、767億ドルの差が貿易収支に出ている、ということのようだ。つまり、赤字が大幅に出ているということだ。それをごまかしてこれたのは、外国からのトルコへの投資資金なのだ。だがそれは短期の、足の速い金であり、トルコ国内に落ち着いて、留まってくれる、性質のものではない。*

* その外国からの資金の流れも最近は減少しているのだ。ロシアとの貿易もあまり景気のいい話は、聞こえてこない。*

*今年の夏はトルコがどうなるのか、戦争はどうなるか、戦費はどうなるか、景気はどうなるか、国民の不満は暴発するのか、不安なことが多すぎるような気がする。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:44 | この記事のURL
NO:5002 2月1日 『トルコ軍は15日でシリア戦争終わらせられる』 [2018年01月31日(Wed)]
トルコのヌーレッテン国防大臣が、1月30日に記者会見を開き、シリアの軍事情勢を説明した。そのなかで彼は『シリア人の安全を考えなければ、作戦は最長15日で終えることが出来る。』と語っている、

ヌーレッテン国防大臣は『クルドのYPGは市民を盾に使って戦っているが、トルコ軍は細心の注意を払って、戦っているのだ。』とも語った。彼は戦闘が長引いている理由はそこにあり、トルコ軍はYPGから特攻攻撃を5回受け、FSAも24回受けていると語っている。

トルコ軍側はこれに対して、空爆で応戦し、458のYPG拠点を攻撃し、649人のYPGの戦闘員を殺害している。陸軍の攻撃はYPGの4370の拠点を、攻撃したとも語っている。

こうした状況を受け、野党第一党のCHP議員は、トルコがFSA(自由シリア軍)との協力作戦を展開しているが、FSAはやがてトルコの敵に回るだろう、と警告している。確かにそれは十分ありえよう。トルコはシリアの北部地域を奪取し、トルコ領に併合しよう、と考えているからだ。

FSAが何処までシリア内戦で、優位に立てるかは、保証の限りでは無いが、彼らもシリア国民であり、トルコが自国領土を奪うという段階では、銃口をトルコ軍に向けるのは、当然であろう。現段階はあくまでも、アサドと彼の体制が、トルコ・FSAにとって、共通の敵になっているための、共闘以外の何物でもないのだ。

トルコはシリア内戦に手を出したことにより、多くの損失を生み出しているのではないか。エルドアン体制とアメリカとの関係は、完全に信頼を失っているし,EUとの関係も、決していい状態にはない。

シリアの前線では、次第にトルコ軍の犠牲が、増えてきてもいる。イスラム学者の一部は、『シリアのアフリンでの戦闘はジハード(聖戦)だ。』と戦争を鼓舞する発言をしているが、トルコ国民は醒めており、その言葉を信用してはいまい。

トルコ国民のそのような感情は、トルコに居住するシリア難民に対する対応でも、明らかになってきている。いまではシリア難民が、トルコ国内で襲撃されたり、非難されるケースが、増えているのだ。

その事もあってか、トルコ政府はアフリン作戦を、一日も早く終わらせ、トルコに居住するシリア難民を、シリアに追い返したい、ということのようだ。最近発表された数字によれば、トルコに居住するシリア難民の数は、500万人を超えたということだ。その多くはトルコで生まれているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:56 | この記事のURL