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NO5676 9月13日『エルドアン大統領支持急落』 [2019年09月12日(Thu)]
ここに来て、エルドアン大統領に対する支持が、急激に下落しているようだ。大統領制への支持が、37パーセントに下がったのだから、そのことはエルドアン大統領に対する支持が、下がったのと同じであろう。

2017年4月の段階では、51・4パーセントの支持を得ていたのだから、どれほど下がったか分かるだろう。この調査は野党CHPの依頼によって、実施されたものだが、大統領制支持は現在では、大幅に下がったわけだが、大統領制を支持していた人たちの数は、昨年の段階では54パーセントであった模様だ。

 この大統領制というシステムは、大統領に絶対的な権限を与え、議会の権限を狭めるものであった。それと合わせて、首相の権限も狭められることになった。この改革案を支持した野党は、MHPであり可決されたが、そのことによって、多数の政党が生み出す、不安定な状況を排除しようと、考えたのだということだ。

 そして、今回の調査では、今後も大統領制を続けるべきか、という質問に対して、53.8パーセントの国民が、反対の立場を明らかにした。それとは反対の大統領制を、維持すべきだと答えたのは、41.4パーセントだったということだ。

 大統領制の下では、大統領は絶対的な権限を有し、行使することが出来る。政府の権限の配分や、政党に対する締め付けも、可能なのだ。従って、この制度は帝国主義と変わりない、ということになる。

 このところ、与党議員の離党と、彼らによる新党の結成や、マスコミのエルドアン大統領に対する反発、そして地方市長選挙で見せたような、反エルドアン大統領の動きが、活発化してきている。それだけ、エルドアン大統領の人気と、彼に対する信頼が、低下したのであろう。

 そうなると、まず考えられるのは、次の大統領選挙で、エルドアン大統領は再当選できるのか、という問題だ。トルコ国民の熱狂的ともいえる、エルドアン大統領支持の時代は。既に去ったということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:08 | この記事のURL
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