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NO:5597  7月4日『エルドアン体制はいつまで持つのか』 [2019年07月03日(Wed)]
エルドアン大統領が現職に就いてから、大分時間が経過した。そうなると、必ず国民は長期政権に飽きが来て、大統領に対する非難を始める。それはその大統領が立派であるか否かに、あまり関係ない。
トルコの場合もしかりで、エルドアン大統領に対する批判が、既に始まっている。先日行なわれたイスタンブール選挙では、それが如実に表れ、野党の勝利となった、ということであろう。確かに国民が、エルドアン体制を批判をするのは、彼の汚職体質に合わせ、トルコの景気が悪化しているためであろう。失業、インフレ、高金利、対外債務の超過などを見れば、一目瞭然だ。
 そこで実際にはどうなのかというと、まず与党内部からエルドアン大統領に対する、批判が生まれており、党が二分される状況に、近付いていると言われている。元首相のダウトール氏、元蔵相のアリ・ババジャン氏、元大統領のギュル氏などは、揃って新党結成に、動き出している。
 その声に加えて、エルドアン大統領が始めた、権限が全部エルドアン大統領に集中する、現体制はまずいという声が、上がり始めている。その声は与党内部から始まり、与党の支持党であるMHPの党首からも、上がり始めている。
 こうなってくると、エルドアン体制はいつまで持つのか、という話題が盛り上がってくる。ある者は今後10年は続くだろうと言い、ある者はあと一年だろうと言っている。10年続くという者は、権力が完全にエルドアン大統領の手中にあり、誰も反対運動を起こせないからだ、ということがメインだ。
 一年以内に終わるだろうと言う者は、トルコ経済の悪化を、その理由としている。一年以内にトルコの経済は、もっと悪化し、庶民は耐えられなくなるからだ、ということだ。確かにリラ安を防ぐために、トルコ政府はドルを放出し、外貨準備は相当減ったようだ。それでも対外債務への支払いは、厳しい状態が続いている。
 一年以内に変化があれば、庶民は楽になるかもしれないが、楽観はできまい。それは。エルドアン大統領が作った、対外債務によるメガ・プロジェクトの、付けは減ることは無いからだ。当分の間は権力が交代しても、トルコの庶民の生活は、改善されないだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:11 | この記事のURL
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