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NO:5396 2月19日『中東短信』 [2019年02月19日(Tue)]
:アメリカはトルコに武器売らず・YPGには援助で送る

エルドアン大統領はアメリカの冷たい態度に、腹を立てているようだ。彼はある集会で『アメリカはクルドのYPGには、ただで武器を与えているが、トルコには売ってくれない。』と文句を言った。

エルドアン大統領の言うところによれば、アメリカはYPGに対して、トラック23000台分の武器を、無償で供与したということだ。その量が正確かどうかはわからないが、以前からアメリカはトルコの敵に、武器を送る傾向があるようだ。IS(ISIL)もしかりで、アメリカから相当量の武器を、受け取っている。

ところが、トルコはシリアとの国境911キロメートルで、クルドのYPGと相対しているわけであり、トルコの安全はこの国境を、いかに守るかということにある。エルドアン大統領はクルドのYPGに対して、近く大攻撃をかけ、敗北させると言っている。

アメリカとトルコは安全地帯について、協議し合っているが、トルコ側はこの安全地帯は、トルコのコントロール下に置かなければならない、と主張している。このことについて、ロシア政府は安全地帯の設置は、シリア政府と協議して決めるべきだ、と語っている。アメリカはシリアトルコの一方的な意見に、賛成していないのだ。


:ISが2億ドル持ってシリアからイラクに移動

 シリアに残存しているIS(ISIL)の戦闘員数は、多分14000人ぐらいだろう、とみられているが、彼らがシリアでの戦闘が不利になったために、イラクへの移動を決めたようだ。このIS(ISIL)のイラクへの移動は、6か月ほど前から始まっていた、ということだ。

 IS(ISIL)のどの程度の戦闘員が、イラクに移動するのかは不明だが、彼らは2億ドルの現金を持って、イラクに移動するということだ。そのことは今後、IS(ISIL)にとってイラクが重要な拠点になる、ということを意味していよう。

 そのイラクの移動地域はシリアとの国境にある、アンバル地区などイラクの北部の山岳地帯などであろう。(その地域には石油が埋蔵している。)

トランプ大統領はIS(ISIL)の敗北を高らかに語っているが、未だにIS(ISL)には資金、武器、戦闘員、隠れ家などが与えられている。そこで、アメリカはIS(ISIL)のスポーンサーを、今後攻撃の対象とするという発言をしているが、そのほとんどは、アメリカと友好的な関係にある、アラブ湾岸諸国の王侯たちではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:32 | この記事のURL
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