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NO:5312 11月28日『ソロスがエルドアンと対立』 [2018年11月28日(Wed)]
NO:5312 11月28日『ソロスがエルドアンと対立』

ジョージ・ソロスと言えば、多くの人が知る、世界的に知られる富豪だ。彼は金儲けの目的が達成されると、外国の国内政治に関与してきている。いわゆる何色革命と言われた、一連の東ヨーロッパの革命は、彼の提供した資金にようるものだった、と言われている。

ジョージ・ソロスは各国にソロス財団を設立し、その財団を拠点にこれまで各国の内政に、関与してきたということであろう。もちろん、その財団の主たる目的は、表向きは民主化、人道支援といったものになっている。

しかし、あまりにもジョージ・ソロスの進出と、その相手国で起こることが生臭過ぎたのであろう。各国はソロス財団に深い疑いを、持つようになっていった。その結果、ソロス財団は各国から密かに、調査される対象となったのだ。

もちろん、ソロスの関与で革命が成功した国からは、彼は大歓迎され、まさに地上の神のような存在に、なっているのであろう。

だが、トルコはそれほど甘くはなかった。エルドアン大統領はソロス財団を警戒し、大分前から調査を始めていたのであろう。そして、ついにはソロスのジョージ・ソロス・オープン・ソサエテイ・ファンデーションは、トルコの厳しい取り調べを、受ける対象となったのだ。

エルドアン大統領は『ソロスは国家を分断し、国家を破壊に導く目的を持っている。』と厳しい非難の言葉を向けている。その結果、トルコの内務省はソロス財団の取り調べを、強化したというわけだ。

まず、トルコの内務省が取り上げたのは、2013年に起こった、ゲジ・パークのデモだった。このデモではハカン・アルテナリを始めとする、13人が逮捕されている。彼らが獄中にある中で、支援を送った人物は、人道支援者として知られる、オスマン・カラバであり、彼はトルコの体制崩壊を、狙っていたということだ。

さて、ではこのオスマン・カラバに、資金提供をしていたのは誰か、ということになる。また彼の背後には誰がいるのか、ということになる。その人物こそがジョージ・ソロスだというのが、トルコの内務省の出した最終的な結論だ。

結果的に、危険を感じたのであろうか、ジョージ・ソロスはトルコでの破壊活動(?)を止め、トルコから手を引くことになった、ということだ。

トルコの情報機関は体制維持と、国家防衛のため、極めて優れた組織となっている。先のカシオギ事件で分かるように、トルコの情報機関のレベルは、世界でもトップ・クラスであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:38 | この記事のURL
NO:5314 11月29A日『ムハンマド皇太子の歴訪と各国の対応』 [2018年11月28日(Wed)]
トルコのサウジアラビア領事館で、カシオギが殺害されて以後、初の外遊をムハンマド・ビン・サルマン皇太子は始めた。友好関係にあるUAEやバハレーンに加え、エジプトを訪問したが、エジプト側はシーシ大統領が空港に出迎えるという、大歓迎ぶりを示した。

当然のことながら、シーシ大統領とムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談では、両国の関係強化と経済協力が話し合われ、経済関係を拡大することが、決められた。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の訪問団には、大型のサウジアラビア経済代表団も同行しており、種々の経済協力が話し合われている。これは具体的なビジネスの話が、まとまりやすいのではないか。

これとは異なり、チュニジアでは国民による、反対デモが始まっている。チュニジアは政府がナハダ党という、イスラム政党の政権であり、ナハダ党はムスリム同胞団と、兄弟関係にある政党だ。

サウジアラビアはカタールとは異なり、ムスリム同胞団を危険なテロ組織、とみなしている。そのため、チュニジア政府とサウジアラビア政府との関係は、敵対関係にあるということであり、このために、国民のムハンマド・ビン・サルマン皇太子を歓迎しないデモは、政府も黙認するということであろう。

これらのアラブ歴訪の後、ムハンマド・ビン・サルマンサルマン皇太子は、G20に参加することになるが、アルゼンチンの人権団体などは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が入国したら、逮捕すべきだと強硬な意見を、述べている。

G20にはエルドアン大統領も出席するわけであり、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談が、予測されている。このことについて、エルドアン大統領は『希望するなら会わないこともない。』ともったいぶった意見を述べている。

エルドアン大統領は本音では早く会いたい、ということであろうから、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談は、多分確実に行われることになろう。サウジアラビア側がその場で、トルコ側にどれだけの、経済メリットを提示するかが、今後のトルコ・サウジアラビア関係を決めよう。

他方、アメリカはクシュネルを動かし、サウジアラビアに1100億ドルの武器購入を、迫らせるつもりでいるようだ。つまりムハンマド・ビン・サルマン皇太子の外遊は、外遊と言えるような暢気なものではなく、厳しい要求が出てくる、ということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:26 | この記事のURL
NO:5313 11月29日『レバノン政府ゴーンで動き出す』 [2018年11月28日(Wed)]
レバノンのジブラーン・バーシリー外相が、在レバノンの山口日本大使を呼び出して、ゴーン問題について意見を述べている、ジブラーン・バーシリー外相はレバノン政府が、ゴーン問題を重要視していることを伝え、今後、フランス政府と協力して、対応を進めていくと語った。

また、ゴーンの親戚のレバノン人ナッザール・ザカーも、レバノン政府に働きかけ、事態の改善を進める、と語っている。

この二つのレバノンでの動きは、日本との関係を考慮してか、いたって丁重であり、穏やかなもののようだ。ただ、フランス政府はこの限りではないだろうから、レバノンなどを巻き込んで、攻勢をかけてくることも予想される。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:52 | この記事のURL
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