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佐々木の中東情報 [2018年08月09日(Thu)]
NO:5195 8月10日 中東TODAY



『アメリカはISを帰国させる作業に入った』

シリアやイラクで戦闘を続け、一時期は多くの地域を支配した、IS(ISIL)
が敗色を濃くし、いまではほとんどの地域を、手放すことになっている。こうしたなかで、行き場を失ったIS(ISIL)の戦闘員たちは、多くがSDF
の捕虜になっているが、その数は600人を超え、40か国以上の出身というこのようだ。

これではSDFにとっては、IS(ISIL)に捕虜の食事を、提供するだけでも、大変な負担となっていよう。しかも住居も衣服も、提供しなければならないのだ。それらの資金は、アメリカ政府が出しているのであろうが、アメリカ政府にとっても、大きな負担となっていよう。


そこでアメリカが考えたのは、IS(ISIL)の戦闘員たちを帰国させる、という計画だ。帰国させてしまえば、各国が裁判をし、IS(ISIL)
に対して処遇を決める、ということだ。『後は知らない』というのが、アメリカの立場であろう。しかし、どうも納得がいかない。これまで、IS(ISIL)
をせん滅させる、と言い続けてきたアメリカが、ここに来て釈放する、と言うのだから。

そのIS(ISIL)
の戦闘員が、帰国することについては、種々の反応がある。全員を刑務所に入れて、順次裁判にかけるという、マケドニアのような国もあれば、帰国を認めたくない、というフランスのような国もある。

IS(ISIL)
の戦闘員を裁判にかけるとなれば、罪状に見合った証拠がなければなるまいが、それを揃えることは、不可能に近いのではないか。彼らは騙されたとか、食事の担当をしていたとか、罪を免れるいろいろの嘘の理屈を並べることは、予想がつくというものだ。

また、フランスの場合はIS(ISIL)
の戦闘員の、帰国を拒否しているのは、彼らが帰国した後には、シリアやイラクでの戦闘経験を活かし、フランス国内でテロを起こすことを、懸念しているからであろう。フランス国内ではそれが既に、何度も起こっているし、フランス国内となれば、
IS(ISIL)
のテロ作戦に対する、協力者参加者は多数出て来よう。失業している北アフリカからのイスラム教徒、差別を受けているイスラム教徒は、フランス国内には幾らでもいるからだ。

そうした各国の事情とは関係無く、アメリカ軍の飛行機は、彼らを帰国への旅行に案内する、ということだ。

そもそもIS(ISIL)
などイスラム過激派は、アメリカを中心にサウジアラビア、イスラエル、カタールなどが、でっち上げたテロ組織だ。そうである以上、責任を取るべきは、彼らの出身国ではなく、テロ組織でっち上げに加担した、各国ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:20 | この記事のURL
NO:5195  8月10日 『アメリカはISを帰国させる作業に入った』 [2018年08月09日(Thu)]
シリアやイラクで戦闘を続け、一時期は多くの地域を支配した、IS(ISIL)
が敗色を濃くし、いまではほとんどの地域を、手放すことになっている。こうしたなかで、行き場を失ったIS(ISIL)の戦闘員たちは、多くがSDF
の捕虜になっているが、その数は600人を超え、40か国以上の出身というこのようだ。

これではSDFにとっては、IS(ISIL)に捕虜の食事を、提供するだけでも、大変な負担となっていよう。しかも住居も衣服も、提供しなければならないのだ。それらの資金は、アメリカ政府が出しているのであろうが、アメリカ政府にとっても、大きな負担となっていよう。


そこでアメリカが考えたのは、IS(ISIL)の戦闘員たちを帰国させる、という計画だ。帰国させてしまえば、各国が裁判をし、IS(ISIL)
に対して処遇を決める、ということだ。『後は知らない』というのが、アメリカの立場であろう。しかし、どうも納得がいかない。これまで、IS(ISIL)
をせん滅させる、と言い続けてきたアメリカが、ここに来て釈放する、と言うのだから。

そのIS(ISIL)
の戦闘員が、帰国することについては、種々の反応がある。全員を刑務所に入れて、順次裁判にかけるという、マケドニアのような国もあれば、帰国を認めたくない、というフランスのような国もある。

IS(ISIL)
の戦闘員を裁判にかけるとなれば、罪状に見合った証拠がなければなるまいが、それを揃えることは、不可能に近いのではないか。彼らは騙されたとか、食事の担当をしていたとか、罪を免れるいろいろの嘘の理屈を並べることは、予想がつくというものだ。

また、フランスの場合はIS(ISIL)
の戦闘員の、帰国を拒否しているのは、彼らが帰国した後には、シリアやイラクでの戦闘経験を活かし、フランス国内でテロを起こすことを、懸念しているからであろう。フランス国内ではそれが既に、何度も起こっているし、フランス国内となれば、
IS(ISIL)
のテロ作戦に対する、協力者参加者は多数出て来よう。失業している北アフリカからのイスラム教徒、差別を受けているイスラム教徒は、フランス国内には幾らでもいるからだ。

そうした各国の事情とは関係無く、アメリカ軍の飛行機は、彼らを帰国への旅行に案内する、ということだ。

そもそもIS(ISIL)
などイスラム過激派は、アメリカを中心にサウジアラビア、イスラエル、カタールなどが、でっち上げたテロ組織だ。そうである以上、責任を取るべきは、彼らの出身国ではなく、テロ組織でっち上げに加担した、各国ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:19 | この記事のURL
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