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NO:5167  7月14A日   「トルコは経済問題解決できるか』 [2018年07月13日(Fri)]
エルドアン大統領が再選された結果、ある種の勢いがトルコ社会には、生まれているかもしれない。そのエルドアン大統領が、いま一番力を入れなければならない政策は、経済問題の解決であろう。

トルコはいま、トルコ・リラの下落が起こっており、それはついに1ドルに対し5リラのレベルに、達するだろうといわれている。そのことは、リラの価値が半分に近付いている、ということであり。今年だけでも、25パーセントの値下がりを、しているということだ。

もう一つの経済問題は、リラの下落によるところが大きいのだが、インフレが高じている。遂に、トルコのインフレ率は公式発表で、16パーセントを超えているのだ。実質は20パーセントを、はるかに越えていよう。

インフレが進めば、それだけ庶民の負担は、増えるということであり、このインフレ対策は緊急を、要するものであろう。もし、その対応に失敗すれば、エルドアン大統領に対する支持は下がり、政府が危険水域に入ってしまうということだ。

続いて懸念されるのは、失業問題だ。総じてトルコの企業は不景気であり、就職の機会が減っている。なかでも若者の失業率は、相当高くなっているものと思われる。先日、若者が働かず学ばずという状態にある、というニュースが流れたが、働く場所が無いのだ。これも社会的暴発要因であろう。

対外債務が増加している問題もある。外国からの借り入れ金で進めてきた、メガ・プロジェクトはいま、危険な状態にある。イスタンブール大空港は建設半ばにして、工事が止まってしまうのではないか、という懸念が出てきているのだ。

 加えて、外国からのトルコへの投資が、減っていることも問題であろう。それは外貨不足であり、それにつられてリラが売られ、ドルが買われるために、ドルはますますリラに対して強くなろう。

 また、これまで外国から借り入れてきていた、外貨は相当額に上り、元金はもとより、金利支払いだけでも、大変な問題となっていよう。しかも、リラ安のなかでは、ドル建て支払いは、25パーセントも増えているということだ。

 以前、エルドアン大統領は金をベースにした、借り入れを行いたい、ということを言っていたが、それもままなるまい。

 そこで問題はこの経済のかじ取り役に、エルドアン大統領の義理の息子、ベラト氏が就任したことだ。果たして、彼はこの難題を解決できるのだろうか。彼は自信に満ちた声で『経済問題はじきに解決する。』と語っている。

 そして、その具体策であろうか。これまで政府が介入しては、失敗を繰り返していた経済問題で、中央銀行にバトンを渡す方向に、動き出している。しかし、エルドアン大統領のせっかちな性格からすれば、それも長期化するとは思えないのだが。

 金の流れは世界中がつながっており、一国が頑張ってもなかなか改善できないのは、当たり前だ。勤勉に働いてすら、改善できないような搾取構造が、国際的に出来上がっているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:01 | この記事のURL
NO:5166   7月14日    『ISがダラアの一部奪還』 [2018年07月13日(Fri)]
IS(ISIL)がダラア県の一部の街を、奪還したという情報が出ている。その場所はヒート市で、ヨルダン国境やゴラン高原に、近い場所だということのようだ。今回のIS(ISIL)側の主役はハーリド・ビン・ワリード軍団で、IS(ISIL)に直結するミリシア・グループだ。

このヒートの戦いでは、ロシア軍やシリア軍が空爆したのだが、ハーリド・ビン・ワリード軍団を掃討するには、至らなかった。つまり、ハーリド・ビン・ワリード軍団はかろうじて、ヒート市に残留できた、ということかもしれない。

このヒートでの戦いでは、16人のレベルが死亡し、ミリタントも12人死亡したと報告されている。

 シリア政府は現在国土の80パーセントを、支配しているが、IS(ISIL)側も何とかシリアに、へばり付いているということであろう。IS(ISIL)の状況はこうしたことから判断して、最終段階を迎えている、ということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:17 | この記事のURL
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