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NO:5009 2月8日 『聖地めぐりサウジ・カタール対立先鋭化』 [2018年02月07日(Wed)]
メッカとメジナはサウジアラビアが管理する、イスラム教の二大聖地であり、その事はサウジアラビア政府にとって、最も誇りとしていることであろう。そのため、サウジアラビアでは国王に対する呼称は国王ではなく『メッカ・メジナの聖地を管理する者=ハーデム・ハラマイニ・シャリーファイニ』という呼称が用いられている。

このハーデム・ハラマイニ・シャリーファイニという、サウジアラビア国王に対する新たな呼称は、サウジアラビアがイスラム教の二つの聖地の管理者であり、イスラム教を主導しているのだ、ということを意味している。

もう一つのイスラム教の聖地はエルサレムであり、こちらはヨルダンの王家が管理してきていたが、その事をアラブ連盟で正式に認めてもらおうと、ヨルダン国王が動き出すと、サウジアラビアはそれに反対している。

サウジアラビア王家の考えでは、メッカ、メジナに次いで、エルサレムも管理下に置き、完全にイスラム教を支配する形に、したいからであろう。しかし、エルサレムについては、以前からヨルダンが管理している場所であるだけに、そう簡単にサウジアラビアの、管理下に置くことは出来まい。

サウジアラビアが聖地の管理者であることに、これだけこだわっているなかで、カタールが『二大聖地は国際管理下に置くべきだ。』と言い出している。カタールの前にはイランが、メッカ巡礼で多数の犠牲者を出すという事故が起こった後、『サウジアラビアにはメッカを管理する能力は無く、国際管理にすべきだ。』と主張し始めていた。

カタールの二大聖地国際管理案提案に対して、サウジアラビアとバハレーンは『その発言は宣戦布告と同じだ』と激怒しているのだ。

実はその事が問題なのだ。サウジアラビアとアラブ首長国連邦、そしてバハレーンやエジプトが一体となって、カタールを追い込んでいるが、それはカタールがイランとの関係を、進めているからだった。そうした背景のなかで、カタールが二大聖地の管理にクレームを付け、しかも、それはイランと同じ立場であり、つまり、共同歩調を採っているとなると、話しは簡単ではなくなる。

ますます緊張関係を高めているなかで、サウジアラビアとアラブ首長国連邦、そしてバハレーンが、共同で軍事訓練を行うことになった。それはバハレーン軍が設立された50周年記念、ということなのだが、主役をバハレーンに譲ることにより、サウジアラビアは二大聖地問題が、軍事訓練を実施した主因では無い、と言いたいのであろう。しかし、共同軍事訓練は実弾を用いたものであり、本格的な訓練となっている。

これはどう考えても、サウジアラビアが主体で、アラブ首長国連邦とバハレーンが参加した形で行われた、カタールに対する軍事恫喝であろう。それが今後何処までサウジアラビア側とカタールとの緊張を、高めていくのか気がかりだ。何と言ってもこの地域は、日本の最大のエネルギー・ソースなのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:27 | この記事のURL
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