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NO:04760 11月30日 『トルコは踏んだり蹴ったり』 [2017年11月29日(Wed)]
* トルコのエルドアン大統領はいま、まさに窮地に追い込まれている、という状況にあろう。トルコ国内では野党第一党のCHP党のクルチダウール党首が、エルドアンファミリーの海外隠匿金の話を、明らかにしたのだ。*

*何百万ドルという金がタックス・ヘイブンに、送られたと言ったのだ。これに対してエルドアン大統領は、『クルチダウール党首は国賊だ。』と非難しているが、あまり効果はあるまい。エルドアン大統領は『海外に小金でも、隠匿していることが明らかになれば自分は大統領を辞める。』と見えを切って見せたが、誰も信用していない。*

加えて、アメリカはYPG(クルド組織)に、武器を供与することを止める、とエルドアン大統領に約束したにもかかわらず、その6時間後には大量の武器を、YPGに送り付けている。つまり、エルドアン大統領のとの約束など、トランプ大統領は歯牙にもかけなかった、ということだ。

多分、アメリカとの話は武器供与を止める、と言ったのではなく、アメリカは検討すると言ったのであろう。しかし、トランプ大統領とこの問題で、話し合えたことを大きくし、エルドアン大統領は話がついた、とトルコ国内で公表したのであろう。

こうしエルドアン大統領の虚言癖は、以前から続いているのだが、それは、エルドアン大統領の信用を失わせることに、なるのは明らかであろう。アメリカだけではなく、ヨーロッパ諸国との関係でも、同様であろう。

アメリカとトルコとの関係が悪化する中で、トルコの経済は目に見えて、悪化しているようだ。トルコ・リラはドルに対して、3・979リラに達し、もうすぐ、4リラになるのではないか、と懸念されている。

こうしたトルコ経済の悪化は、レザ・ザッラブ問題も大きく影響している。彼の証言次第では、トルコがアメリカの経済制裁の、対象国になるからだ。そうなれば、米からのトルコへの投資は止まってしまうだろう。トルコの経済は自転車操業であり、外国からの投資や借入金で、運営できているからだ。

ある私の読者が『トルコのエルドアン体制はファイナル・カウントダウンですか?』と言ってきたがそうではなかろうか。国内では暴政、妊婦が出産すると、刑務所に閉じ込める。刑務所内での拷問による死者の数は200人を超えており、人道という言葉などどこにもないのが、トルコの現状のようだ。

1000人を超える逮捕者の行方を、政府は説明していないことから、彼らは殺害されたのであろう、と言われている。一説によれば、エルドアン大統領はマフィアを使って殺害し、死体は海や山に捨てている、ということのようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:56 | この記事のURL
NO:04759 11月29日 『アメリカがレザ・ザッラブでトルコ締め付け』 [2017年11月29日(Wed)]
*アメリカで逮捕されている、レザ・ザッラブの裁判が、近く始まるが(当初の予定は11月27日だったが12月5日に延期)、この裁判ではトルコが窮地に追い込まれる、危険性がある。*

*レザ・ザッラブは既に、アメリカ側と法取引をしたようであり、イランへのマネー・ロンダリングには、トルコ政府が関与していたことが、明らかになろう。当然のことながら、トルコ政府はレザ・ザッラブと裁判が始まる前に、打ち合わせをしたいのだが、彼が何処にいるか分からない状態だ。*

*アメリカ側がレザ・ザッラブを、保護しているためであろう。イランにしろトルコにしろ、レザ・ザッラブの証言は両国にとって、極めて不利になるために、彼を暗殺することも、起こりうるからだ。*

*一説にはアメリカ政府は、レザ・ザッラブに対して、『死ぬまで一生刑務所で暮らすか、アメリカ側が提示した書類にサインするかを選べ。』と言ったということだ。彼は既にその書類に、サインしたのであろう。*

*レザ・ザッラブの弁護士も、彼と連絡を取りたがっているが、取れない状態にあるということだから、アメリカ側のレザ・ザッラブに対するガードが、相当厳しい、ということであろう。*

*この問題には、トルコの元ハルク・バンクのマネージャーであり、のちに経済大臣に就任したチャーラヤン氏も関わっており、彼もアメリカで逮捕されている。トルコ政府はこの人物とも、連絡が取れていないようだ。*

*さて裁判が始まったら、トルコはどうなるのであろうか。一番厳しい予測は、アメリカがトルコに対して、経済制裁を発動することだ。そうなればトルコの経済は、相当厳しい状況に、置かれることになろう。*

*それは、エルドアン大統領にとっては、極めて不都合な状態であろう。現在のトルコの経済状態は最悪であり、経済制裁が果たされれば、もっと悪化することは明らかだ。それはエルドアン支持を下げることになろう。*
Posted by 佐々木 良昭 at 08:13 | この記事のURL
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