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NO4218『トルコ政府クルドの首都を移動名前も変更』 [2016年08月04日(Thu)]
トルコ政府は同国の南東部に多く居住する、トルコ・クルド人の首都を、移動することを決定した。それは結果的に、トルコ政府にとって、クルド統治を容易にする可能性がある、と言われている。

その都市の一つはハッカリ市であり、この都市はイランやイラクの、国境に近い街だ。そこからユクセキフ市に移し、都市名もグルムリークに変更される。この名前は、クルド語のグルミルグから名づけられた、と説明されている。

もう一つの都市は、シュルナク市だが、ここの都市名も、ヌーフ市に変更されることが決まった。ヌーフは言うまでもなく、ノアを意味する名前だ。

しかし、クルド語の元々の名前に近い、新都市名が付けられたことによって、クルド人が喜んでいるか、というとそうでもなさそうだ。クルド人側にすれば、それはトルコ政府の統治を、容易にするからだということだ。

そうであるとすれば、今後、再度クルド各派とトルコ政府との関係は、緊張していくことが予想される。また、イランやイラクなどの、国境に近い都市からの移動は、クルド側のイランやイラクへのアクセスを、難しくするということでもあろう。

今後、トルコ政府はクルド、IS(ISIL)との、緊張関係が続くことになり、難しい国内政治状況が、生まれるということだ。トルコ政府は軍や情報部の、改変を進めているが、果たして、その改変が間に合うのか、それがトルコ政府を強化しうるのか疑問だ。

ギュレン系公務員の一掃で、軍からも、検察からも、警察からも、情報部からも優秀な人材は、追い出されている、というのが実情であり、あまり機能的ではなくなるだろう、というのが私の予測なのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:08 | この記事のURL
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