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NO3768 『IS(ISIL)による大量殺戮は本当なのか?』 [2015年08月05日(Wed)]
イラクのクルド自治政府の発表によれば、イラクの第二の都市モースルで、IS(ISIL)が大量殺戮を行ったということだ。

この情報によれば、IS(ISIL)は過去2週間で、モースルの軍人、警察官、役人など2000人を、殺害したというのだ。

しかも、ご丁寧にもIS(ISIL)は、殺害した人物の名前を公表し、遺族に遺体は渡さない、と語っているということだ。

今年3月に、イラク政府はシーア派やスンニー派の義勇兵を募り、モースル奪還に動き、一部を取り戻している。

今回のIS(ISIL)による、イラク国民の大量殺戮ニュースは、一体何を狙ったのであろうか。多分に失地回復というか、イメージを取り戻すためのものではないか、と思われる。

戦争状態の中では、常に双方が自分の側の優位を、創作するものだ。このイラクのモースルでの、大量殺戮ニュースは、IS(ISIL)側にしてみれば、いまだに強力であること言う印象を、ニュースの受け取り手に伝えよう。

また、このニュースを広げたイラクのクルド側は、いかにIS(ISIL)が残酷な組織なのかを、伝えたいためであろう。

大本営発表ではないが、戦時下のニュースは一つ一つ、確認の必要がある、ということではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:59 | この記事のURL
NO3767  『遂に始まったリビアでカダフィ支持デモ』 [2015年08月05日(Wed)]
何時か必ず出てくると思っていた、カダフィ支持デモが、遂にリビアの東部の町、ベンガジで起こった。それは、カダフィ体制が独裁であったかもしれないが、今に比べれば自由であり、物資も豊だったからだ。

石油産出国のリビアの国民が、今では日々のパンに困るような生活に、陥っているのだ。しかも、国民は多くの武装グループの衝突で、危険にさらされているのだ。こうした状況が、既に4年も続いていると、誰もがカダフィ時代を、懐かしむはずだ。

しかし、カダフィ体制を打倒したのは、誰の意志でもなく、リビアの全国民であり、いまさら元に戻そう、とは言い難い状態に、国内はあるのだろう。

ベンガジでのデモには、どの程度の人数が参加したのか伝えられていないが、『アッラーのみ、、カダフィ、、リビア』というスローガンが叫ばれたということだ。このデモ隊に対して、一部のリビア人が発砲したり、投石したようだが、負傷者は一人も出ていない。そのことは多くの国民が、同じ気持ちでいるということの、証明ではないのか。

デモ隊はカダフィ時代の、緑一色の国旗をはためかせてもいた、ということだ。こうなってくると、リビアの南西部のズインタンの部族がかくまっている(軟禁している)、カダフィ大佐の子息サイフルイスラームの価値は、おのずと上がって来ようし、彼を次の時代を作る政治的道具として、利用したいグループも出て来よう。

リビアの今後は、まだ見えていないということであろう。アラブの春革命後、ほとんどの国の状況が、革命以前よりも悪化しているが、そのような状況の中から、回顧派が出てきても不思議ではあるまい。それはリビアに始まり、チュニジア、シリア、イラク、なども同じではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:36 | この記事のURL
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