• もっと見る
« 2015年04月 | Main | 2015年06月»
NO3696『タジキスタンの特殊部隊司令官がIS(ISIL)参加』 [2015年05月30日(Sat)]
5月31日 中東TODAY




タジキスタンの特殊部隊司令官が、IS(ISIL)
に参加したと宣言した。それはシリアから伝えられた映像で、明らかになったのが、彼は黒の帽子をかむり機関銃を持った写真を公表している。

その人物の名前はグルムロド・カリモフで、タジキスタンの特殊部隊にあっては抜群の人気を誇っていいた人物であり、4
月に彼が不明になって以来、どのようにしてシリアに渡り、素早く参戦できたのか、疑問になっている。

彼はタジキスタンの特殊部隊で、抜群の能力を発揮し、治安維持を図っていたということだ。その彼が『タジキスタンに斬首人を連れて行く。』と宣言したのだ。彼はまたタジキスタン人が、ロシアで過酷な労働条件下に置かれていることについても触れている。

このグルムロド・カリモフのネット上のメッセージは、政府によって即座に閉鎖され、タジキスタンでは現在、見ることができなくなっている。

問題は、彼グルムロド・カリモフは特殊部隊のなかで、抜群の人望があることに加え、彼が創り上げた対テロ機構が、優れている点だ。したがって、グルムロド・カリモフがその逆の組織を創り上げたときには、タジキスタン政府は、対応に相当苦しむのではないのか。

グルムロド・カリモフはタジキスタンの治安部隊が、どのような編成でありどの程度人数であり、どの程度の武装をしているかなど、全てを把握していよう。またロシア政府がタジキスタン政府を、どの程度支援しているかについても、詳細に把握していよう。

シリアやイラクのIS(ISIL)には、中央アジアから200〜500
人が戦闘員として参加している、と伝えられており、中央アジア人が結成した組織も存在する。例えば、イマーム・ブハーリージャマーアや、サブリー・ジャマーアなどがそれだ。

これらの中央アジア人が結成した組織は、コバネの戦闘や、アレッポの戦い、パルミラの戦闘にも加わっていたようだ。こうなると、彼らがタジキスタンに移動して、国内の同志を集めて、大規模な戦闘集団を結成することも、難しくはあるまい。

同時に、この動きはロシアもターゲットとしている、と考えるべきであろう。以前から指摘してきたように、サウジアラビアやロシアは、IS(ISIL)
にとって次の攻撃目標に、なっているのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 18:12 | この記事のURL
NO3695『サウジアラビアでIS(ISIL)が爆弾テロ』 [2015年05月30日(Sat)]
5月30日 中東TODAY




サウジアラビアのペルシャ湾に面した、ダンマンでIS(ISIL)が爆弾テロを実行した。同市のアルノウド・モスクの金曜礼拝時に起こったテロで、4
人が犠牲になった。そのうちの一人が爆弾テロ犯か否かは不明だ。

IS(ISIL)は爆弾テロ実行犯の名前をアブー・ジャンダル・アルジャズラーウイと発表した。多分彼の苗字から判断すれば、湾岸の出身のテロリストであろう。

サウジアラビアではつい1週間前にも、アルカテイーフでモスクを狙ったテロが起こり、21人が犠牲になっているが、今回はその続きであるとし、IS(ISIL
)の犯行であるとすれば、サウジアラビアは今後も継続して、シーア派モスクを狙ったテロが、起こることを警戒しなければなるまい。

サウジアラビアの内務省は犯人について、女性の服装をしていたというが、それは間違いではないか。サウジアラビアでは女性が車を運転することは、禁止されているからだ。もちろん、それを承知で行ったとも考えられなくは無いが、テロ実行犯が警察に捕まるようなことを、あえてするとは思えない。

内務省の責任者は、犯人の遺体の特定ができていないために、テロ実行犯と被害者を、混同したのではないか。

爆弾テロが起こったダンマンはサウジアラビア東部の州都で大都市であり、シーア派とスンニー派が混住している所であり、今後はその他の都市にも拡大していくとすれば、サウジアラビアは危険な方向に、向かっているということであろう。

既に、IS(ISIL)はサウジアラビアをターゲットとする、と宣言しており、その宣言どおりに、テロが行われたということだ。

サウジアラビアは一方では、イエメンとの戦争を始めており、他方ではイランとの緊張関係が続いており、いまはIS(ISIL)
によるテロ攻撃に、さいなまれているということだ。

サウジアラビアが警戒しなければならないのは、これだけではない。イラクのシーア派勢力やレバノン、シリアとの関係も、極めて緊張した状態にあるのだ。それらのいずれと衝突するか分からないということだ。

もちろん、レバノンやシリアがサウジアラビア本土に、テロを仕掛けてくる可能性は低いだろうが、外国在住のサウジアラビア外交官やビジネスマン、観光客がターゲットとなる可能性は否定でき無い。

加えてイラクの動向を見ていると、イラク政府がIS(ISIL)のサウジアラビア侵入を、黙認する可能性もあろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:33 | この記事のURL
| 次へ