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新刊本出しました売れています [2015年04月27日(Mon)]
各位
「と向かっては聞きにくい
イスラム教徒への99の大疑問」の雑誌プレジデントが掲載した抜粋がYAHOOの4月27日版の経済面で紹介されました。うれしい限りです。
ご一読ください。佐々木拝
Posted by 佐々木 良昭 at 14:03 | この記事のURL
NO3694『アリー・ババジャン副首相の苦しい説明』 [2015年04月27日(Mon)]
トルコの通貨リラがこのところ、立て続けに値を下げている。昨年は1ドルに対して1・98リラ程度だったものが最近では2・73
リラよりも値を下げている。一部の輸出業者にとっては、好都合であろうが、自国通貨が下がることは、エネルギー輸入やその他の輸入物資の値段を、釣り上げることにつながり、それが国内ではインフレの引き金を、引くことになる。

トルコはエネルギーの大輸入国の一つであり、直接的にボディ・ブローが効いている、という感じであろう。うがった見方をすれば、最近トルコ全土で起こっている、電力供給の停止事故は、その辺に理由があるのではないのか、とさえ考えたくなる。

アリー・ババジャン経済担当副首相は、最近行った民間テレビとのインタビューで、トルコ・リラの下落について説明している。彼によれば、トルコ・リラの下落は世界的な傾向の一部であり、特別にトルコ政府の対応がまずい、ということはない、という説明をしている。

彼に言わせれば、外国の金融市場が不安定なために、各国でドルに対して通貨が下がっているが、トルコ・リラの場合もその一例であり、トルコが特別に通貨の価値を、下げているわけではない、ということだ。

世界の経済がトルコにも影響を与えることは、当然の現象であり、それが起こっているのだということだ。世界経済は、今後10
年間は不安定な状況になろうが、その遠因は2008年のアメリカで起こった、リーマンショックだとしている。

アリー・ババジャン副首相はユーロもドルに対して値を下げていると語った。

このアリー・ババジャン副首相の説明は明解であり、反論の余地はないのだが、トルコ・リラの下落には、他の要因もあることを、忘れるわけにはいかない。トルコのエルドアン大統領が中央銀行に圧力をかけて、強引に進めた金利抑制政策が、原因しているのだ。

その結果、外国の投資家たちは、トルコに対する投資資金を、回収し始めたのだ。加えて、トルコ・リラの空売りさえ起こっている。その結果がトルコ・リラの下落、ということであろう。

しかし、問題があまり先鋭化しないのは、トルコの各野党の側にも、これといったアイデアが、あるわけではないからだ。このままエルドアン大統領の、強引な金利抑制政策に従っていれば、やがてはその付けを、トルコ国民が払わされる時が来よう。

トルコ国民はいま血を流すのか、近い将来に大インフレに見舞われて、首をくくるのかの、瀬戸際にあるということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:33 | この記事のURL
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