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NO3599『ガス・プロムはトルコを唯一の回廊と決定か』 [2015年01月16日(Fri)]
ロシアのガス・プロム社はウクライナ経由の、ヨーロッパに繋がるガス・パイプ・ライン・ルートをやめて、トルコ経由だけにする方向だと発表した。これはガス・プロム社のアレクセイ・ミラー社長が、ヨーロッパの代表に対して語ったものだ。

アレクセイ・ミラー社長は『トルコ・ストリーム』が、唯一のロシアのヨーロッパへのガス輸送ルートになると語り、現在ウクライナ経由でヨーロッパ市場に送られている、
630億立方メートルのガスは、トルコ・ギリシャ経由となる、ということのようだ。

しかも、それだけではなく、この新しいパイプ・ラインのルート建設は、極めて短期間で行われ、ヨーロパ各国が早急にしかるべき対応をしなければ、ガスは他の地域に輸出される、とも語った。

ロシアのメドベーエフ首相もウクライナに販売した、30
億ドル分の代金がいまだに支払われていないことから、この問題をヨーロッパ諸国はウクライナの肩代わりとして、処理する必要がある、と語っている。

このことは、ヨーロッパが今後もロシアのガスを輸入したいのであれば、ウクライナが未払いのままに、放置しているガス代金を、ヨーロッパが代わりに支払え、ということであろう。もしそれが行われなかった場合は、ロシアはガスの売り先をヨーロッパから、他の国々に変更する、という脅しだろう。ロシアは昨年末に、ウクライナが
30億ドルを支払った後、ウクライナのロシアに対する債務150億ドル分を、帳消しにしている。

ロシアの今回のヨーロッパに対する脅しは、単なる脅しなのかそうでないかは、今後のパイプ・ライン工事の進捗状況で分ろうが、今後の推移は、ヨーロッパ側にとっては、あまり甘くはないのではないか。


トルコ側にしてみれば、これはまさに朗報であろうが、そのことがかえって、トルコのエルドアン大統領を有頂天にし、冷静な判断をさせなくなるかもしれない。またロシアとトルコは歴史的に、仇敵の関係にあることも忘れてはなるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:05 | この記事のURL
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