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NO3309 『米司令官コバネでISは窮地に立ち始めた』 [2014年10月18日(Sat)]
アメリカ中央軍司令官ロイド・オースチン将軍が、珍しく記者団の前に現れ、最近のシリアのコバネでの戦闘について発言している。

彼の発言内容によれば、いまだにISが優位に立って、コバネでの戦闘を行っているようだが、ISは次第に追い込まれているということだ。それは、アメリカ軍による
ISに対する、空爆の効果が上がっているからだ。

このコバネでの戦いで、ISが不利になりつつあることは、イラクやコバネ以外のシリアでのISの立場を、弱くしつつある。それはコバネでの戦闘に、IS
側が相当数の戦闘員を、集結しているからだ。

アメリカ軍は水木と二日に渡って、14回の空爆を行い、ISの立てこもるビル、指揮所、戦闘部、狙撃部、重機関銃射撃所などを、破壊したと語っている。この結果、
IS側には甚大な損害が発生し、アメリカ軍司令官によれば、ISは早晩コバネで、敗北するだろうとのことだ。

ISにとって、コバネの闘いが極めて重要であることから、多数の戦闘員を集結させたことが、アメリカ側には好都合だったようだ。アメリカは今後、5000
人の穏健なシリア戦闘員を訓練し、ISと戦わせる方針だ。

その訓練を受けた戦闘員に、アメリカは十分な武器を装備させ、指導していけばしかるべき成果が生まれる、ということであろう。

アメリカが豪語するように、ISは現在コバネの戦闘に重点をいているのであろう。イラクの軍司令官は、イラクにいるIS
の軍司令官の半分が、戦死したと語っている。

ISはこの不利な状況打開のためであろうか、シリア軍から奪ったといわれる、飛行機を利用する前提で、パイロットの訓練を始めているという情報もある。既にIS
側は上空から、戦場を調査しているという情報もある。

これにはアレッポの東にある、ジャッラ空軍基地を使用している。パイロットの指導は、サダム体制下でパイロットをしていた者が、担当しているということのようだ。もちろん、アメリカ側は
ISが航空機を戦闘に使用することを、阻止するだろうから、今後、コバネの戦闘支援にあわせ、ジャッラ空軍基地にあるIS
側の飛行機を、破壊する作戦に出ることが予測される。

コバネに集結したISに対する、アメリカ軍の攻撃が成功すれば、IS
側は戦意をそがれることになり、反対にクルド民兵やそれ以外の、反シリア戦闘員の士気は上がろう。問題はアメリカが反シリア戦闘員を訓練する目的が、アサド体制打倒には無いとしている点だ。

そのことは、戦闘員の訓練がトルコの基地で、実施することが語られているが、トルコとアメリカとの間に、新たな問題を生み出す可能性があるということだ。トルコのシリア関与の第一目的は、あくまでもアサド体制の打倒なのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 18:31 | この記事のURL
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