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No.3218『真剣勝負が始まるかイスラエルハマース』 [2014年07月09日(Wed)]

イスラエルがパレスチナの領土を、支配して久しい。そもそも、現在イスラエル国家と言われている土地は、パレスチナ人のものであった。一部はパレスチナの不在地主がユダヤ人に売却し、一部はユダヤ人テロリストによる戦闘の結果として占領支配しされるようになった。そして国連の分割があり、その後には、4度の中東戦争によって、より一層の土地の占領が起こり、その占領地の定着が行われた。
1947年のイスラエル建国以来、パレスチナ人が独自に戦った解放のための戦闘は、皆無に等しい。故アラファト議長は世界を舞台にした宣伝マンであり、パレスチナ問題を世界に認知させた功績があるが、彼の戦闘服は一度も、血に染まったことが無かったのではなかったか。
その後のパレスチナのリーダーたちも同様であろう。それで大衆は業を煮やし、インテファーダなる投石の闘争を始めたのだ。それはそれなりの心理的効果を、イスラエルと国民に及ぼした。
全く抵抗する姿勢を見せなかったパレスチナ人が、イスラエルの兵士に対して、投石だけで戦い始めたからだ。そのインテファーダは2度行われたが、その後はインテファーダを始めるぞ、という掛け声だけは聞こえるが、実際には起こらなくなった。
しかし、そうした無抵抗の中で始まったのが、ハマースとガザの過激派による、イスラエル南部地域に対するロケット攻撃だった。やっと飛距離を飛ばす程度のロケットであり、イスラエル側に対してしかるべき被害を、もたらすことはなかった。
だがその自家製のロケット弾は、次第に改良されかつガザとエジプトを繋ぐ秘密のトンネルから部品が密輸され、次第に性能を上げていった。その数も数百あるいは千の大台に達していると言われるようになっている。
最近の攻撃ではハマース側が『ハイファ、テルアビブエルサレムも射程距離に入った。』と豪語しているが、実際にガザから放たれたロケット弾が、エルサレムやテルアビブにも届いているようだ。
最近になってこのガザからの攻撃が本格化し、先週の月曜日から今週の初めまでの間に、117発のロケット攻撃が行われた、とイスラエル国防省は発表している。そのほかに29発がアイアン・ドームのミサイル防御システムで、撃ち落とされたということのようだ。
この事態を重く見たネタニヤフ首相は、当然のことながらパレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長に、ハマースの攻撃を阻止するよう働きかけるのだが、マハムード・アッバース議長には、どうやらハマースに命令を下す能力はないようだ。マハムード・アッバース議長はただイスラエル側に対して、ガザへの攻撃を中止してくれるように、頼みこむだけのようだ。
事態を重く見たネタニヤフ首相は、4万人の予備役を招集し、長期戦を行うつもりのようだ。事実、ネタニヤフ首相は長期戦を、覚悟していると語っている。現在のところ行っていないが、イスラエル側は空爆だけではなく、最終的には陸上部隊を、ガザに侵攻させなければなるまい。その場合に想像される、イスラエル・パレスチナ双方の人的被害は甚大であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:39 | この記事のURL
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