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NO・3125『チョット間の抜けたリビア石油密輸話』 [2014年03月12日(Wed)]
北朝鮮のモーニング・グローリー号という名の石油タンカーが、リビアの東部にあるシドラ湾の港に停泊していた。述べるまでもなく、リビアの原油を積み出すためだった。
リビアの東部は未だに東部地域分離派が支配しており、リビアの中央政府に関係なく、石油の輸出をするということだ。石油地帯のほとんどがリビアの東部にあるために、東部地域は分離独立、少なくとも高度な自治権を獲得したいと考えて、中央政府に抵抗してきていた。
今回の北朝鮮への原油輸出は、我慢できなくなった東部が、強行突破を図ったということであろう。モーニング・グローリー号には、およそ234000バーレルの原油が、積まれていたということだ。
積み込みを終われば、タンカーは当然のこととして、シドラ湾を離れることになるが、リビア政府軍がこれを阻止しようと動いた。しかし、大型タンカーはそのリビア海軍の阻止網を抜けて、公海上に達したようだ。もちろん、、リビア政府は公海には至っていない、と言っているが多分嘘であろう。
なぜこのような、間抜けなことが起こったのであろうか。リビア政府の説明のよれば、気候が悪く海が荒れていたために、小型の警備艇ぐらいでは、正常な活動ができなかったからだ、ということらしい。
リビア政府は海軍だけではなく、空軍も阻止活動を行った、、つまり全力を尽くしたのだと説明している。この場合、まともな作戦を立てられる人物が、軍の中には居ないということと、軍人の訓練の度合いが低い事があげられよう。
そもそも、リビア東部では昨年の8月以来、3つの主要な港が東部分離派によって、支配されてきていたということだ。その奪還作戦はどうなっていたのであろうか。東部分離派のミリシアが強いということであるとしても、基本的にはリビア軍が機能できていない、ということであろう。
この密輸船の捕獲が出来なかったことは、リビアの国会で大問題になっている。当然であろう、リビアの国家収入のほとんどが、石油輸出に依存しているわけであり、今回のような東部のグループによる、勝手な石油輸出が今後も続けば、リビアでは東西の経済的アンバランスが起ころう。それは政治的不安定を増長することになるのは、目に見えている。
このため、リビア国会はアリー・ゼイダーン首相を更迭し、臨時首相に国防大臣を充てることを決定した。アブドッラ―・アルシンニーがその人物だ。しかし、彼に国会はなぜ今回の捕獲作戦の責任を問わないのであろうか。そこにも部族間対立が、影を落としているということか。そうだとすると、リビアはまだまだ国家を、統一できないということか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:00 | この記事のURL
本出しました [2014年03月12日(Wed)]
各位へ
2月末に今年最初の本を出しました。
今回の本は高校生が読んでも十分理解できる内容で読みやすい本です。
お友達にもご紹介ください。佐々木拝
本のタイトル:『日本人が知らなかった中東の謎』
出版社:海竜社
値段:税込み1260円
Posted by 佐々木 良昭 at 12:03 | この記事のURL
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