• もっと見る
« 2012年09月 | Main | 2012年11月»
NO・2336『イスラエルにとって不快な話』 [2012年10月02日(Tue)]
 昨日、イラクのマリキー首相の仲介で、イランとアメリカとの関係修復の、動きがあることをお伝えした。場合によっては、イラン・アメリカ関係に、劇的な変化が生まれるかもしれない。
そんなことを考えながら、ある外国人の友人と夕食を共にした。彼はオバマ大統領やヒラリー・クリントン国務長官と、極めて親しい関係にある人物だ。その彼がぽつりと語ったのは、オバマ大統領がイスラエルのネタニヤフ首相に対して、強い不信感を抱いているということだった。
古くは、クリントン元大統領がはめられた、ルインスキー・スキャンダル、そして預言者ムハンマドを冒涜する映画、そしてリビアのアメリカ大使殺害事件、これらいずれにもネタニヤフ首相が関係していた、というニュアンスの話だった。
そして今日、ネット検索をしていると、イランのプレス・テレビがキッシンジャー博士の予測を報じていた。要点は『アメリカ経済が悪化しているために、イスラエルを支援し続けることは困難だ。
しかし、イスラエルはアメリカからの、何兆ドルもの資金援助と軍事援助なしには、アラブ諸国に取り囲まれたなかで、生き残っていけない。よって、2022年までには消え去るだろう。』という内容だ。
アメリカ政府内部には、以前からイスラエル支援が、大きな負担になってきていることから、縮小していかざるを得ない、という考えがあった。それをキッシンジャー博士が、口にしたということだ。
ただ、話した人物がユダヤ・アメリカンの、キッシンジャー博士であることから、それなりの重みがあろう。
アメリカ政府は最近、軍を中東から東アジアに、シフトしたと宣言している。中東は二の次だということだが、実はイスラエルではなく、トルコにイニシャチブを取らせることにより、アメリカの中東における負担を、減らそうということかもしれない。
つまり、アメリカの中東地域における最高のパートナーを、イスラエルからトルコに変えるということだ。昨今の中東で起こっている激変は、その地ならしなのかもしれない。
そうなると、中東地域ではトルコが力を付けるわけであり、昨日書いたように、イランにとってスンニー派諸国への不安が拡大し、アメリカとの妥協が浮かんできても不思議はあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:39 | この記事のURL
| 次へ