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NO・2260「イスラエルヨルダントルコイランが科学分野共同研究」 [2012年03月16日(Fri)]
 世の中では不思議なことが起こるものだ。そんなことを感じる昨今だ。私のところに2月に入ってきた情報によれば、あれだけ緊張関係にあるアメリカとカタールが、イランと共同でカスピ海の海底ガス田を開発する合意が、出来上がっているというのだ。
述べるまでもなく、世間で流れている情報では、アメリカが明日にでもイランを軍事攻撃すると言われているのだが、それとこの情報とは真っ向から、対立するように思える。もちろんアメリカがイランを軍事攻撃する条件として『イランが核兵器を開発しているということが確認されれば』という一言がある。
それにしても、現段階でイランとアメリカそしてカタールとの間で、そんな大規模な開発合意がなされたということは、信じ難いのだが。そうした疑いの目でこの情報を検討していたところ、これ以上に刺激的な情報が、飛び込んできた。
それはシンクロトロンの共同開発計画をUNESCOが提案し、イスラエル、トルコ、ヨルダンが進めるというのだ。何と驚かされたのは、この計画にイランも含まれているのだ。
トルコ、イスラエル、ヨルダン、イランがシンクロトロンの共同研究を進める。しかも、各国はこの研究に500万ドルずつ拠出するというのだ。もともとは、イランではなくエジプトがこの共同研究に、加わるはずだったのだが、エジプト国内の不安定が問題となり、イランがエジプトに代わって、仲間入りをしたということのようだ。
私はこの情報を目にしたとき、20年ほど前に聞いた話を思い出した。イスラエルのヘブライ大学の教授が日本を訪問し、中東情勢の講義をしてくれたのだが、最後に私は『イスラエルはイランをどう思っているのか?』という質問をしたことがある。
私の質問に対してこの教授は『中東で最も信頼できる国はイランです。したがって、イスラエルはイランを裏切るようなことはしません。イランもわが国を裏切るようなことは、絶対にしないと思います・』と答えてくれた。
さてそこで、それではなぜ今イランとイスラエル・アメリカとの間に、軍事緊張が高まっているのか、ということを考えてみなければならないだろう。物事にはメリットとデメリットがある。メリットの方がデメリットよりも1%でも多ければ、その計画はゴーなのだ。
イラン、イスラエル、アメリカの間に発生し、高まっている軍事緊張のメリットは何か、そしてデメリットは何か?謎ときゲームのようだが、日本にとっては極めて重要なことであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:29 | この記事のURL
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