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NO・2125「イスラエルのイラン攻撃はあるのか国論は二分」 [2011年11月04日(Fri)]
 いまイスラエルではイランを攻撃すべきか否かが、国論を二分する大きな問題となっている。どうやらネタニヤフ首相とバラク国防大臣は、推進派のようだが、閣内にも反対意見があるようだ。
 イスラエル国民はというと、ネタニヤフ首相を信頼している、という答えが52パーセント、イラン攻撃については43パーセントの国民が、支持しているということだ。もちろん、その反対側には39パーセントの国民が、戦争反対の立場を表明している。
つまり、イスラエルは今、イランの核兵器開発を恐れ、事前に攻撃してその生産に、歯止めをかけるべきか否かが、大きな問題となっているということだ。イラン側は核兵器を造る意思が全く無いことを主張し、同国に対する核兵器製造をめぐる非難は、見当違いだと反論している。
しかし、ここに来て、どうやらアメリカもイギリスも、イランに対する軍事攻撃を、真剣に検討し始めているのではないか、と思えてならない。アメリカのオバマ大統領はイランに対しては、圧力をかけるしかないと語っているが、経済制裁をさんざん行ってきた今、残されているカードは戦争だけ、ということになるのではないか。
イギリスは当然のことながら、アメリカと緊密な関係にあり、本音部分で話し合っているのであろう。最近、イギリスのガーデアン紙が伝えたところによれば、イギリス政府はアメリカのイランに対する、軍事攻撃を援護する目的で、湾岸に海軍を派遣することを決めたようだ。
こうなると、どうやらイスラエルのイラン攻撃が口火となり、アメリカ、イギリスがイランに対する攻撃を始める、ということが確実なように思えてきた。もちろん、あくまでもブラフとする見方もあろうが、どうもそうは思えない。
こうした緊張状態が起こると、思い出すのは2007年の段階で、アメリカの欧州軍総司令官だったウエスリー・クラーク氏の『アメリカが中東7カ国を支配する計画を持っている。』と発言していたことだ。
 彼によれば、アメリカ政府はシリア、リビア、ソマリア、スーダン、レバノン、イラク、イランは、これから5年以内にアメリカの支配下に、置かれることになるというものだ。
述べるまでもなく、リビア、イラン、ソマリア、スーダンはエネルギー資源国だ。そしてシリアとレバノンはイスラエルにとって、最も大きな脅威を与える国家であろう。
アメリカはイスラエルの将来的安全と交換に、これらエネルギー資源国を支配下に置く、先兵としてイスラエルを使う、ということであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:58 | この記事のURL
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