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NO4162『バグダーデイの死亡にまつわるほら話がまた出てきた』 [2016年06月16日(Thu)]
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IS(ISIL)の頭目バグダーデイが重傷を負った、という話は大分前に出てきた。もちろん、述べるまでもなくその有効な攻撃を行ったのは、精強なアメリカ軍ということになる。
今回も、バグダーデイの重傷説が流れた後、彼は死亡したようだ、という情報が流れている。

ところが、そのバグダーデイ死亡説はどうも信用が置けない感じがする。なぜならば、3つの死亡情報は以下のようなものだからだ。

:バグダーデイはシリア北部の街、IS(ISIL)の首都ラッカ市に対する、アメリカ軍の空爆で死亡した。

:バグダーデイはイラク北部の都市モースル市で死亡した。

:バグダーデイはイラクのカルバラ市で開催される、IS(ISIL)幹部会議に出席するため、移動中に攻撃されて死亡した。

死亡現場はシリアのラッカ市と、イラクのモースル市、そして、イラクのカルバラ市への路上だ。こんな情報は情報ではなく、噂かでまかせでしかあるまい。

大分前に、ラッカ市からIS(ISIL)の幹部が、イラクのモースル市や、リビアのシルテ市に移動した、という情報があった。何故バグダーデイが、いまにも陥落しそうな、ラッカ市に居残る必要があるのか、腑に落ちない。

モースル市もしかりだ。ここもだいぶ危険になってきている、と以前から言われていた街だ。そこにラッカ市から移動して、バグダーデイは潜伏していたのであろうか。

カルバラ市で開催されるIS(ISIL)の幹部会議などあるわけがない。このカルバラ市はイスラム教シーア派の聖地であり、そこでスンニー派(?)と称しているIS(ISIL)が、幹部会議を開くはずはない。

危険極まりない敵の陣地で、IS(ISIL)は何故、幹部会議を開かなければならないのか、実にばかげているとしか言いようがない。

これまでビンラーデンの死亡にしろ、サダム・フセインの死亡にしろ、彼らの死亡情報には、多くの疑問が投げかけられている。バグダーデイの場合にも、疑問が沸くのは当然なのであろう。死亡説が出てきているということは、彼の役割が終わった、ということであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:40 | この記事のURL