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NO.3209『駐トルコ米大使隣任前のコメント』 [2014年06月28日(Sat)]
 トルコの駐在するアメリカのリチャルドーネ大使が、トルコ駐在を近く終えるが、それに先だって、トルコについてマスコミに答えている。彼のトルコに関するコメントは、意外に突っ込んだ内容となっているので、ここにご紹介することにした。
 リチャルドーネ大使はトルコ国民が独裁者の体制の、誕生を望んではいない、トルコ国民は民主的で自由な国家を、望んでいるのだ。トルコは独裁を望んではいないと語った。
 リチャルドーネ大使はトルコ国民のみが、トルコの民主主義を守るのだ、ということを強調し、例えばゲジ公園のデモなどは、重要な民主主義維持の運動の、現われだと語っている。述べるまでも無く、エルドアン首相はこのゲジ公園デモに対して、力による対応で終始した。
 来る8月10日の大統領選挙ついては、エルドアン首相の対抗馬であるエクメレデイン・イフサノール氏について、インテリであり清潔な人物であり、尊敬している、と賞賛している。
 そのことは、リチャルドーネ大使からすれば、エルドアン首相がいかに粗暴で、無教養であるかを、暗に語っているのかもしれない。
 リチャルドーネ大使は、トルコが民主国家であり続けるためには、チェック・アンド・バランスする機能を、保持しなければならないとも語り、特定の人物や政党に、権限が集中することは、よくないとも語った。
 以前、エルドアン首相はゲジ公園問題などで、リチャルドーネ大使がトルコ政治に内政干渉をしたと語り、追放をほのめかしたことがあるが、そのことも影響しているのかもしれない。
 他方。トルコがISILなどのシリアへの通過点となっているか、という質問に対しては、これを否定している。それは当然であろう。シリアへの外人ジハーデストの流入や、反シリア政府側への武器の供与は、アメリカやサウジアラビア、そしてカタールのトップ機密事項に、なっているのだから。
 このリチャルドーネ大使の発言内容は、エルドアン首相に対するしっぺ返しであり、本音をぶちまけたということであろうか。このリチャルドーネ大使の発言への、トルコ国民の率直な反応を、知りたいものだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:49 | この記事のURL