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NO・1901「シリアでもフェイス・ブックの攻撃が始まった」 [2011年02月28日(Mon)]
 現代の革命は武器を必要としない、流血を避けて出来る革命だ、と言われている。リビアのように、多くの血が流される場合もあるが、そもそもの始まりは、インターネットやツイッター、フェイス・ブックなどによる、不特定大衆への、呼びかけによるものだった。
 結果的に、この電子革命はチュニジアの、ベン・アリという独裁者を逃亡させ、頑強なエジプトのムバーラク体制を打倒した。しかも、その電子革命による犠牲者数は、500人にも満たなかったのだ。
 リビアの場合には、カダフィ大佐の徹底的な、革命潰し作戦が、既に、数千人の犠牲者を生み出しているが、他の国家元首たちには、恥というものがあるのだろう。一定のレベルまで国民の怒りが高まり、多数のデモ参加者が集結した段階で、潔くその職を辞している。
 さてこの電子革命の波が、遂にアラブの独裁国シリアにも、向かい始めたようだ。複数のネットやフェイス・ブックが、バッシャール・アサド体制批判を始め、大衆抵抗運動を、呼び掛け始めている。
 今回の動きの前には、2月4日に大衆デモを呼び掛ける、フェイス・ブックの動きがあったが、失敗に終わっている。それは、雨降りであったことが、最大の原因であり、警備が厳重であったことも、大衆動員失敗の原因だった、と言われている。
最近になって、シリアでのフェイス・ブックの動きが、急を告げてきたのは、タラール・マアロウヒという19歳の少女が、CIAのエージェントとして、5年間の刑に処せられたことが、原因している。
 さて、シリアのバッシャール・アサド体制を揺るがすだけのものに、今回のフェイス・ブックの呼びかけは、発展していくのだろうか。それとも、シリアのアラブのリーダー国としての立場が、それを否定することが、出来るのだろうか。
 シリアは少数派のアラウイ派によって、統治されている国であり、スンニー派のムスリム同胞団の隠れ党員で、あふれている国だと言われている。そのムスリム同胞団はいま、シリアで動き出す時期だ、と考え始めているのだろうか。
起こり得ないはずの、オマーンですら起こっている、今回の革命という伝染病は、シリアの体制をも侵すのであろうか。もう少し様子を見てみよう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:07 | この記事のURL