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NO:5089   4月28日   『IDBとAIIBが連帯へ』 [2018年04月27日(Fri)]
イスラム諸国で構成されるイスラム開発銀行と、中国を主体とするAIIBが、連携関係になる方向にある。

AIIBは84か国がメンバーになっており、1000億ドルの資金を有している、国際的にも巨大な銀行だ。他方のIDBは、サウジアラビアなど多数の産油諸国を、メンバーに抱えている優良銀行だ。

これから、この二つの銀行が連携して、発展途上国のインフラ開発に、乗り出す方針のようだ。IDBのメンバー国になっている、アフリカ諸国の多くの地域では、いまだに電力が共有されていないのが実情だ。

IDBとAIIBでは加盟国が相当ダブっており、連携統一の方向に向かうのは自然な流れだ、とIDBのハッジャル代表は述べている。IDBのメンバー国は57か国だが、そのうちの6500万人は、いまだに電力の供給がなされていないのだ。従って、AIIBとIDBが協力して、現状の改善に向かおうとしている。

電力事業では日本企業が、多くの国々で活躍していることもあり、今後、この新たな連携によって生まれるビジネスに、日本企業も大きく関係していくものと思われる。日本企業もこれまで、
JBICの資金を使い、多くの国々で電力開発事業を、行ってきているが、これからは新たに生まれた、AIIBとIDBの支援もあり,事業はより活性化していくものと思われる。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:32 | この記事のURL
NO:5088   4月27日  『トルコ大統領選挙のもろもろ』 [2018年04月26日(Thu)]
トルコの大統領選挙が6月24日投票と決まったが、それがそのまますんなりと実行されるか否かは、いまだに不明な部分がある。与党AKPについては、エルドアン大統領が現役立候補することは間違いないが、野党側の候補者はまだ最終決定に、至っていないのではないかと思える。

野党側で立候補がほぼ確実なのは、IYI党のアクシェネル女史であり、クルドの政党HDPのデミルタシ氏、と言ったところであろうか。それ以外にも野党候補として、元大統領のギュル氏の名前が挙がっているが、最終決定ではないようだ。
ギュル氏の立候補については、エルドアン大統領から相当圧力が、かかっているようだ。そうでなけれ、既に立候補宣言しているはずであろう。

 巷ではギュル氏が立候補すれば、51パーセントの支持をる、と予測されているのだが、そうなった場合はエルドアン大統領は、落選するということだ。ギュル氏は元首相のダウトール氏とも、何度と無く話し合いをしているし、両者は公職離脱後には、比較的頻繁に意見交換をしていた、と言われている。

 エルドアン大統領は野党側候補者には、あらゆる方法で圧力をかけ、立候補取りやめをさせるつもりであろうし、もしそれでも立候補した場合には、物理的な圧力をかけるかもしれない。選挙の投票結果についても、既にいろいろな説がささやかれている。

 エルドアン大統領は前回の選挙同様に、在外トルコ国民に投票の機会を与えることになるが、そのためにヨーロッパ諸国を歴訪し、選挙のための集会を企画している。しかし、前回の選挙では、ほとんどのヨーロッパの国々が、選挙運動の大集会を、許可しなかったと記憶するのだが、今回はどうなのであろうか。

 もし、ヨーロッパ諸国が選挙前の大集会を、許可しなければ、エルドアン大統領は激しい非難の言葉を、ヨーロッパ諸国に向けることになろう。それでは、トルコをますます孤立させることになるのだが。

 しかし、これだけエルドアン大統領に対する、非難の声が高まっている中でも、野党各党は連立候補を立てる、合意に至れないのであろうか。何やらトルコ人の狭い料簡が、見えるような気がするのだが。

 野党全党が結束すれば、確実に過半数を超えて得票できよう。それは内外からも認められ、たとえエルドアン大統領が勝利したと言っても、それは認められまい。それができないのでは、エルドアン王朝、ネオ・オスマン大帝が誕生するということなのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:23 | この記事のURL
NO:5087   4月26 『アメリカはシリアから撤退するのか』 [2018年04月25日(Wed)]
アメリカのトランプ大統領は、シリアから早急に撤退したい、と何度と無く言っている。しかし、それに反対する動きは、アメリカ国内には少なくない。シリア撤退に反対する人たちに言わせれば『膨大な軍事費を費やしてシリアに駐留し、IS(ISIL)の掃討をしていたのに、いま引き上げたのではIS(ISIL)が再度復活してしまい、派兵の成果が消えてしまう。』と語り『アメリカ軍がいま引いたのでは、何の経済的なメリットも手にすることが出来ない。』と不満を述べている。

確かにそうであろう、現在アメリカ軍が駐留しているのは、マンビジュでありそのすぐそばには、エルズールの油田があるのだ。アメリカにとってはそこを手放すことは、大きな損失であり、しかも、北シリアから撤退してしまえば、当初のシリアへの軍派遣の目的であった、イラク・シリア経由のペルシャ湾海底ガスの輸送は、不可能になる確率が高いのだ。

トランプ大統領に言わせれば、クルドの軍事組織SDFに、大量の武器を無償で援助して、アメリカ軍の代役をやらせるから、大丈夫だということであろう。しかし、アメリカ軍が抜けた後のSDF
の実力は、それほどではなかろう。あくまでもバックにアメリカ軍がいるために、SDFは軍事力をいかんなく,発揮できていたものと思われる

ロシアはアメリカ軍のシリアからの撤退をせせら笑ってる。ロシアはアメリカ軍のシリアからの撤退はあり得ない、と予測しているのだ。同じ様にイランも、アメリカ軍のシリアからの撤退は、あり得ないと判断している。

アメリカ軍がシリアから撤退することが、これほど信じられない理由は、アメリカの経済的メリットや、軍事的成果の維持だけではない。実はアメリカ軍がシリア国内に留まることは、イスラエルの安全に大きく寄与しているのだ。

イランがシリアのアサド体制を支持し、軍を派兵しているが、シリアのイスラエルとの国境に、彼らは陣取っているのだ。加えて、レバノンのヘズブラもシリアとイスラエルの国境にある、ゴラン高原のそばに陣取っているのだ。

 トランプ大統領はアメリカ大使館を、テルアビブからエルサレムに移転し、全面的にイスラエルを擁護するように見えるのだが、今後もそうするのであれば、シリアからアメリカ軍を撤退させるわけにはいくまい。アメリカの利益を最優先するトランプ大統領が、もしシリアから軍を引くことになれば、それは大きな対イスラエル政策の変更を意味しよう。

  確かに、トランプ大統領はネタニヤフ首相の対ヨルダン川西岸での、入植に腹を立ててもいる。彼はネタニヤフ首相に対して、和平をやる気があるのかと迫っている。そうしたトランプ外交の大転換は、間もなく見えてこよう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:50 | この記事のURL
NO:5086 4月25日 『シリア反体制派交渉トップが語る』 [2018年04月23日(Mon)]
*シリアの反体制側交渉者代表である、ナスル・ハリーリ氏が次のような意見を、述べている。『アメリカはシリアから早急に、軍を撤収すると言っているが、アメリカのIS掃討作戦は、まだ完了していない。』と語り、シリアでの戦いは砂のなかを歩き回るようなものであり、ISはここで叩いても、また他の場所で顔を出してくる。アメリカがIS掃討を第一重点事項としても、それは無理だというのだ。*

*ナスル・ハリーリ氏は政治的解決以外に、シリア問題を終わらせる方法は無い、と語っている。そして、その政治解決とは、アサド大統領を外すことだ、とも語っている。なぜならば、アサド大統領には軍事解決しか考えが無く、政治交渉をする気が無いからだ、ということだ。*

*そして、政治解決の基本はロシアとアメリカが、合意することであり、それに先立って話し合うことだ、としている。それは相当困難な交渉となろうということだ。*

* 確かにロシアはシリアに2015年以来、軍を派兵しているが、軍事力だけでシリア全土を、コントロールすることは出来まい。従って、ロシアも政治解決に頼るしかないのだ、ということになろう。**サウジアラビアや他のアラブ諸国、例えばエジプトやヨルダン、アラブ首長国連邦などが、アメリカの要請によりアメリカ軍に代わる軍として、シリアに派兵するということなのだが、それはどの国も本音では望んではいまい。*

*アメリカはミリシア・グループに、武器を与えることも止めるべきだ。アメリカが本気でアメリカ軍の、シリアからの撤収を望むのであれば、アメリカは方針を変えなければならない、ということになる。*

* 確かに・ナスル・ハリーリ氏の言う通りであろう。だがそれも、そう簡単には前進しない、ということも事実だ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 22:03 | この記事のURL
NO:5085     4月24日   『聖なる月ラマダンはどうなるのか』 [2018年04月23日(Mon)]
今年もラマダン(断食月)が始まる。今年は5月17日がその開始の日になった。エジプトの日本で言う天文台がラマダンの始まりの日を,発表したのだ。

このラマダンの月は約1か月続くが、各家庭では沢山の御馳走を作り、家族や友人親せきと、楽しむのが習わしだ。

その一年で一番楽しいはずのラマダン月を、今年はどう過ごすのであろうか。シリアの難民はラマダンをエジプト、ヨルダン、レバノン、トルコ、そしてヨーロッパ諸国で、迎えることになろう。一部はシリアに戻り始めているが、そこが安定して安全になったとは、言い切れない。

薄氷を踏むような気持でシリア難民は、帰国しているのだ。彼らがシリアに帰っても、大御馳走を準備することはできまい。

イスラム諸国は世界の動向と同じように、経済的には苦しい状況にある。従って、今年のラマダンは、少し質素なものになるかもしれない。

それでもいい、平和な状態さえ実現してくれれば。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:36 | この記事のURL
NO:5084 4月23日 『リビア・ハフタル将軍の危篤状態と今後』 [2018年04月22日(Sun)]
リビア東部の実質的トップであったハフタル将軍が、危篤状態に陥っている。これは4月5日にヨルダン病院で治療不可能とされ、フランスの病院に移送されたことで、明るみに出てきていた。

このフランスの病院というの、実は分けありというか、とんでもないところのようだ。外国の要人が重病になった場合に、担ぎ込まれることで知られ、内部からは全く情報が漏れない、仕組みになっているようだ。病院名はヴァル・デ・グラス・ホスピタル、フランス軍直轄の病院なのだ。

ハフタル将軍の病状は、極度のアルツハイマーと言われ、加えて、呼吸困難とも伝えられている。また脳梗塞説も流れている。フランスの病院にはハフタル将軍の家族と彼の右腕といわれている、アウン・アル・フィルジャーニ氏が付き添っている。(一部では既に、ハフタル将軍の死亡説も流れている。)

ハフタル将軍の功績は、混乱するリビア国内で、旧カダフィ派やイスラム原理主義者、部族などを統合することに成功し、外敵をベンガジから排除したことであろう。またベンガジを拠点とする、アウラーキ部族も抱き込みに、成功したことにあろう。その後、ハフタル将軍はベンガジを中心に、経済再建を図り、他部族も抱き込んでいっていた。

 ハフタル将軍の後釜に誰が座るのかということが、現時点での最大関心事となっているが、先に述べたハフタル将軍の右腕であるアウン・アル・フィルジャーニが有力であり、次いでアブドッサラム・ハ−シ、軍人のマブルーク・サハバーン、イドリス・マーデイ、アブドッラージク・アルヌズーリなどの名前が挙がっている。

 そして、ハフタル将軍の子息ハーリド・ハフタルの名前も、浮かんできている。彼はアブドルラージク・アルヌズーリと共に、特別部隊を構成していた。

 東リビアの状況はといえば、ベイダ地域はバラエーサ部族が支配し、トブルク地区はオベイダート部族が支配している。これらの有力部族がハフタル後を、狙っていることは容易に想像が付こう。東リビアではこのほか共和勢力を、アワーギル部族が支持している。

 西リビア政府のセラジ首相は、ハフタル将軍が病気で倒れたことにより、力を増しているようだ。セラジ首相は今年末までに選挙を実施し、彼の地位を固めることが予測される。そのためにはハフタル派の、抱き込み工作も行われるであろう。

 そうした動きのなかでは、東リビアを押さえている、アブドッラージク・アルヌズーリの力を、軽視するわけにはいかなそうだ。いずれにせよ、いまの段階ではまだリビアの今後は、見えていないということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:11 | この記事のURL
NO:5083 4月22日 『中東短信』 [2018年04月21日(Sat)]
毎日中東のサイトを10数箇所見ているが、これといったニュースが無い日も少なくない。そうした日は、なんか損をした気分になるのだが、世の中が落ち着いている、証拠でもあろう。そうした日には、その日出たニュースで、これから問題になりそうなものや、詳細が報じられていないものを拾って、中東短信としてお送りしている。今日は以下のようなニュースが今後大事になっていくかも知れない。

:トルコ経済悪化

 トルコの外貨獲得の手段は、述べるまでもなく輸出だが、トルコは高度な工業製品を造って、輸出するレベルには達しておらず、外国、例えば日本の企業が車の組み立てをやっているのを、輸出するといった具合であろう。後は軽工業品が主であり、観光などだ。

 それ以外に、トルコが外貨を得ているのは、外国からの借り入れであり、もう一つは不動産の販売だ。イスタンブールのボスポラス海峡に面した側は、風光明媚であり外国の金持ちが、高級マンションや一戸建てを、買っているのだ。

 しかし、その高級家屋の外国人への売れ行きが、下がってきているようだ。トルコ政府の発表によれば、その傾向は3月からめいかく顕著に、なっているということだ。もちろん、トルコ国民の不動産購入の割合も、下がっている。つまり、トルコの不動産建築業界は冬の時代を、迎えているのかもしれない。

 加えて、トルコではトルコ・リラ安が影響してか、インフレが昂進している。庶民の生活が苦しくなってきている、ということであろう。これは早められた大統領選挙に、影響を及ぼすものと思われる。それがもっと進んだ場合は、トルコ国民のエルドアン大統領に対する、支持が下がることから、与党AKPは選挙を来年から、今年に早めたのだ。


:エジプトはアメリカ軍の代理派兵拒否

 アメリカは出来るだけ自国民の犠牲を減らそうとして、世界で展開しているアメリカ軍の代わりに、それぞれの地域の国々の軍隊を使って、アメリカの支配を続けようとしている。トランプ大統領は『アメリカ軍を早急にシリアから撤退させる。」と言ったが、それではまさに力の空白が、シリアに生じてしまい、混乱が生まれよう。

 そこでアメリカが考えているのは、シリアにエジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などの軍隊をシリアに派遣して、その穴を埋める作戦だ。いわばこれらの国々は、アメリカの命令に従って、傭兵を出すということだ。

 エジプトはこれに対して、自国軍のシリアへの派兵は拒否する、と言い出している。そこには同じアラブの国同士という感情があり、シリア軍やシリアのミリシアと戦うような状態には、なりたくないということであろう。

 ただそのエジプトの対応に対して、アメリカは経済的圧力を、掛けてくることは必定であり、エジプト国内でテロを起こし、観光産業にダメージを与えることも考えよう。従って、アメリカの要求に対する『ノー』は、エジプトにとっては、極めて危険なことでもあろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:09 | この記事のURL
NO:5082 4月21日  『トルコ選挙早期実施の方向』 [2018年04月20日(Fri)]
トルコでは大統領選挙と地方選挙が、早めて実施される方向に、なってきたようだ。本来,トルコの選挙は、2019年11月3日に予定されていたものだ。しかし、ここに来て、選挙は今年,しかも6月24日に、実施される運びとなった。

選挙を早めろという要求は、野党側からも出ていたが、与党AKPも選挙の早期実施に動いた。その理由は、トルコ経済が悪化したなかでの選挙は、与党に不利になるという判断を、AKPが下したからだと言われている。

確かに、トルコはいま経済的に難しい状況に、陥り始めている。シリアでの戦争はしかるべき戦費を、必要としていよう、ロシアとの貿易もまだ、正常に戻っていない。トルコはトマトの輸出を希望していたのだが、いまになってみれば、手遅れだったということだ。ロシアはビニール栽培などで、トマトを大量に生産できる体制が、整ってしまったのだ。

観光事業もトルコにとっては、ロシアとの大きな取引の一つだが、思うように伸びていないようだ。それはやはり、トルコ国内の治安に、問題があるのであろう。日本からの観光客も大幅に、減っていると聞いている。

さてそれでは、早期選挙がエルドアン大統領の勝利を、約束してくれるのであろうか。与党AKPはエルドアン大統領が、選挙で55パーセントの票を獲得する、と見込んでいるようだ。また他のAKP幹部は、エルドアン大統領の当選は、確実だと語っている。

他方,野党はと言えば、IYIとCHPの連立が組まれそうになり、その場合はIYIのクシュネル女史が、立候補者になるのではないか。彼女のIYI党は20パーセントを超える支持を、集めていると言われ、IYIと連帯するCHPも、28パーセントの支持を集めている、と目されている。

 これに他の野党が加われば、エルドアン大統領支持の55パーセントを切り崩せるかもしれない。ただ野党と違い、与党には十分な選挙資金があり、動員力がある。選挙は水物とよく言われるが、まだ勝敗の予測は無理であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:14 | この記事のURL
NO:5081 4月20日 『英米仏の攻撃で立場が有利になったアサド大統領 』 [2018年04月19日(Thu)]
 アメリカ・イギリス・フランスの3国によるシリア攻撃が、4月13日(アメリカ時間)に行われた。いみじくもこの日は金曜日、魔の13日の金曜日という仕掛けだ。アメリカやヨーロッパはこうした日を選ぶのが、好きなのであろうか。
 トランプ大統領はミッション・コンプリートと高らかに、勝利宣言をしたのだが、世間の見方はどうも違うようだ。まず、アメリカやイギリス・フランスの攻撃には、正当性がなかったと言われ出したことだ。シリアは化学兵器を使ってシリア国民を、攻撃はしていなかったのだ。
 それは当然であろう。シリアの国内状況はISなどの掃討にほぼ成功し、再建に向かうところだったのだ。そのアサド大統領が化学兵器を使って、国民を殺害する必要は、全く無かったのだ。再建時には、国国民が一体となることが必要であり、国民の体制に対する支持が、最も重要なのだ。
 アメリカやイギリス・フランスはあくまでも、シリアが化学兵器を使ったとして、非人道的なアサドを許すわけにはいかない、と言って攻撃を加えたのだ。しかも、国際化学兵器査察チームが入る、ほんの少し前にそれをさせずに、攻撃を加えたのだ。
 その事実はシリア人の間では、広く知られていよう。このアメリカやイギリス、フランスのデマの証拠となった証言をした、いたいけない少女は、今後どうなるのであろうか。彼女は一生懸命に化学兵器が使われた、と証言していたのだ。シリア人の間では、アメリカの手先になった少女、ということになろうし、彼女の父親は国を裏切ったとして、殺されるかもしれないのだ。
 一方、このアメリカ・イギリス・フランスの攻撃が、相当手控えられたものであったために、被害は少なく数人が負傷し、建物の幾つかが破壊されただけだった。シリア軍が迎撃したミサイルで、アメリカ・イギリス・フランスが放った105発のミサイルは、71発が撃墜された、とも報じられている。
 これではアサド大統領が勝利した、と言われても仕方あるまい。また、イランやロシアとの関係も、このことで強化されたものと思われる。シリアは国防力を強化したということを、ロシアやイランに対しても、主張できるようになったのだ。加えて、ロシアは同国の武器が高性能であることを、世界に宣伝することに成功した。
 シリア軍を支えてきたイランもしかりであり、イランの支援を受けることが、どれだけ心強いかが周辺諸国にも、伝わったものと思われるし、イランと対峙するサウジアラビアは、肝を冷やしていることであろう。
 今回のアメリカ・イギリス・フランスのシリア攻撃後、イスラエルは新たな不安を抱えることとなった。アメリカは今後少なくとも当分の間は、シリアを攻撃することはあるまい。そのことからイスラエルを、放置するのではないということだ。
 アメリカはイラン攻撃を思いとどまったのではないか、イランはハマース支援を強化するのではないか、といった不安からだ。そして、シリアの軍事力が強化されたことは、イスラエルとの武力衝突を産む可能性を高めたし、シリア国内でのイラン軍の活動も、活発になるということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:01 | この記事のURL
NO:5080 4月19日 『世は外人部隊のシーズンか』 [2018年04月18日(Wed)]
*私が少年だった頃に、外国映画で外人部隊を取り扱ったものが、多かったように記憶する。ストーリーそのものは、ヨーロッパから来た外人部隊の兵士と、それを追いかけてきた、酒場の女性とのラブストーリーであり、最後は悲劇に終わる、というものだったような気がする。*

*それほど格好良くは無いのだが、最近この外人部隊のようなものが、増えてきている。正規の兵士ではない、雇われ戦闘員たちが、戦闘現場で働いているのだ。それは国家の法に、縛られることがないため、相当乱暴なことをしているようだ。例えば拷問や虐殺だ。雇っている国家は、その罪を問われずに済むから、極めて安易なのだ。*

*アメリカはイラクでもシリアでの戦闘でも、この雇われ戦闘員を使ってきているし、なにやら人道支援という、仮面をかむっている、人道支援部隊と呼ばれる、ホワイト・ヘルメットの集団も、アメリカに雇われた戦闘員だ。*

*彼等は化学兵器を使用した、といわれる場所に行って、そこに化学兵器の材料をばら撒いたりし、その後に国際調査団が入り、化学兵器が使用されたという、報告が出るような仕組みを作っているのだ。シリアではまさにこの手の、犯罪とも呼べる行為が行われているのだ。*

 そうした回りくどい方法ではく、直接に現地人を殺害する戦闘集団を、アメリカはいまシリア向けに、結成しようと思っているようだ。つい最近、アメリカ政府はシリアの安全確保のために、
60000人から63000人の傭兵が必要だ、と言い出している。

 彼ら傭兵にアメリカ軍が撤退した後を、任せようということであろう。その場合アメリカ軍の兵士はほとんどが、撤収できアメリカ政府はアメリカ国民の前で、大きな問題を解決した、と主張できよう。

 しかし、傭兵による治安維持や安全確保は、相当乱暴なものになるのではなかろうか。トランプ大統領はシリアからのアメリカ軍の撤退を、何度も口にしているが、実はこの傭兵によるものであり、その費用はアラブ湾岸諸国から、徴収するということであろう。

 加えて、サウジアラビアも1000人のアフリカ兵を、集めたいと思い募集しているようだ。それは述べるまでもなく、イエメン戦線に投入される、ということであろう。サウジアラビアのイエメン進攻は大分時間が経過しているが、まだ先が見えない状態にあり、発表は押さえられ、報道には出て来ないが、やはり、相当数のサウジ兵の死亡は事実であり、その数が増えていけば、国内ではイエメン派兵反対が、起こることは必定であろう。

 その意味では、アフリカ兵を雇うというのは、得策であろう。何人犠牲になろうとも、それは国内的には、問題を生まないからだ。せいぜい、一人300〜500ドル程度のカネを、支払うことで、アフリカ人戦闘員を、確保できるのだ。

 こうした傭兵作戦が一般化していくと、各国は自国民の血を流さないため、戦争をしているという実感が、沸かなくなり戦闘が長期化することもありえよう。それはコンピューターで敵を攻撃するのと同じだ。洒落たオフィスでコンピューターの画像を見ていて、ボタンを押すだけでミサイルがそこに、撃ち込まれるので、誰も罪悪感を抱かなくて済む。

 戦闘機のパイロットも同じであろう。機内の画像を見ながらボタンを押すと、白黒画面にパッと広がる光が、ミサイルの爆発の状況なのだ。戦争の高度化は次第に、人間の神経を麻痺させているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:24 | この記事のURL
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