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NO4672 8月22日 『トルコの新星大統領候補は女性議員』 [2017年08月22日(Tue)]
*最近では、トルコのエルドアン体制にうんざりしている、トルコ国民は少なくなかろう。彼の独裁振りが、もう我慢の限界に来ている、と思われるからだ。しかし、問題は彼を超えるキャラクターを持つ政治家が、いまのトルコにいるか、ということだ。*

そうしたなかで、いまトルコでは一人の女性議員が、次の大統領になるのではないか、という期待が高まりつつあるようだ。彼女の名はメラル・アクシェネルで、MHP(保守政党)を離党し、新党の結成が待たれている。*

 この政党には、MHPを離党しコライ・アイドン議員も加わる意向であり、彼は10月後半に新党が立ち上げられると語った。党本部は首都アンカラの、ムスタファ・ケマル通りに面した、ビルが予定されている。*

 メラル・アクシェネル女史は、MHPの2016年に行われた、党首選挙にも立候補しており、党内での影響力は小さくなかった。そうした経緯から、今回新党結成を考えたのであろう。*
*
 彼女と支持者たちは、エルドアン大統領による新憲法下での、独裁に嫌気がさしたのが、主な原因のようだ。既に、何人かのMHP議員が離党し、メラル・アクシェネル女史の政党に、参加すると言い出している。*

 元MHP議員で現在独立議員の、ユセフ・ハラキョール氏は8月18日、『新党は民族主義であり、保守主義であり、アタチュルキストの政党になる。』と語っている。つまり、この新党はあらゆる人士が希望する、政党としての性格を、持った政党になるということだ。*

 そうしたことから、この政党にはAKPのメンバーも、CHPのメンバーも抵抗なく入って来れる、ということだ。新党はあくまでも、トルコの憲法の基本を、維持していく方針なのだ。*

 新党は2019年の大統領選挙、国会議員選挙に参加し、大統領ポストの奪取に、向かう予定だ。もちろん、新党のメラル・アクシェネル女史は、大統領に当選する意欲満々だ。*

 これまで、トルコの人達と何度と無く、ポスト・エルドアンに付いて、意見を交換してきたが、やっとエルドアン大統領に対抗できる人物が、登場してきたということであろうか。*

*以前タンス・チルレルという女性が、トルコの首相職に就いていたことがあり、トルコでは女性政治家の活躍は、既に前例があるのだ。タンス・チルレル元首相はご主人のスキャンダルが原因で、辞任したという経緯がある。*

*こうしたトルコの政治史からして、国民はあまり抵抗無く、彼女メラル・アクシェネル女史を受け入れるかもしれない。少なくとも、いまの段階から、彼女の名を頭の片隅に、留めておく価値はありそうだ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 08:55 | この記事のURL
NO4671 8月21日 『アメリカ軍は何時までシリアに駐留するのか』 [2017年08月21日(Mon)]
シリア国内のIS(ISIL)の力はイラク同様に、相当弱まってきているようだ。最後の一番大きなヤマは、IS(ISIL)が首都とだと言ってきた、ラッカが何時陥落するか、という事であろう。

こうしたシリア優位の状況を受け、アサド大統領は『IS(ISIL)の掃討はほぼ完了したが、西側諸国はいまだに留まっている。彼らの目的がいまだに、達成されないばかりか、失敗に向かっているからであろう。』といった内容の演説を行っている。

そうした西側の対応については、SDFが強くアメリカを非難している。彼らに言わせれば、アメリカ軍はIS(ISIL)掃討後も、何十年とシリアに留まるであろう、というのだ。確かに種々の情報を集めてみると、アメリカ軍が簡単に、シリアを手放すとは思えないからだ。

アメリカ政府は同国のシリア駐留は、あくまでもIS(ISIL)の掃討にある、というのだが、大型の基地を何十とシリア国内に建設していることや、YPGへの対応などから、簡単には引き上げないだろうと思われる。

加えて、アメリカはトルコとの関係がまずくなり、トルコのインジルリク空軍基地から、撤収するとも語っている。そして、代替えの空軍基地は、シリア国内に設けるということであり、現実にそれが進んでいるのだ。

イランからイラク、そしてシリアにつながる、幹線道路沿いのシリアのタヌーフには、アメリカ軍の空軍基地が、建設されているのだ。これはIS(ISIL)対応というよりは、イラン軍がイラクを経由して、シリアに移動し易くなることを、阻止するためであり、それはイスラエルの防衛に、直結する問題なのであろう。

アメリカ政府はラッカ攻略をめぐり、トルコとの間に決定的な溝を作ってしまい、今後はトルコよりも、クルドのYPGが主要なパートナーとなるだろうが、このことに関して、アメリカはYPGへ供与した武器は、作戦終了後回収する、とトルコ側に応えていた。

その後、アメリカはラッカ作戦が終わっても、YPGは武器を必要とするので、供与し続けると語っている。トルコ政府の語るところによれば、既に、アメリカはYPGに対して、トラック909台もの武器を、輸送したと言われている。

そして、今回のシリアからの撤退問題でも、アメリカは当初、IS(SISIL)掃討作戦が済めば、引き上げると言っていたものが、次第にそうではなく、その後も留まるという発言に、変わってきているのだ。

アメリカが今後、シリアに長期駐留するということが、事実であるとすれば、いずれかの時点で、アサド問題を処理しなければならない、という事になろう。それはロシアを意識したシリアの分割か、あるいは単純なアサド政権の打倒か、のいずれかであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:32 | この記事のURL
4670 8月20日 『トルコがEUと関税協定でもめる』 [2017年08月20日(Sun)]
* トルコとEUとの間で、関税協定が結ばれたのは、1995年12月31日のことだった。それ以来、トルコとEUは、お互いにこの協定を活かし、貿易取引を拡大してきていた。*

*簡単に言えば、トルコ製品は関税がかからない状態で、ヨーロッパの市場に輸出され、その逆もまた然りだった。つまり,EUからトルコへの輸出も、関税がかからなかったのだ。*

*
しかし、ここにきてドイツがこの関税協定に、文句を言い始めて、トラブルが始まっている。メルケル首相は関税協定を、改善する意志がないことを、口にしたのだ。*

*つまり、20年の長きに及ぶ関税協定は、既に、幾つかの問題が発生しているにもかかわらず、改定する必要は無いと言ったのだ。20年も前のトルコの
経済状態はきわめて弱いものであり、当時交わされた協定の内容は、トルコにとって極めて不利なものであり、平等なものではなかったことが、推測される。*

*
これに対して、トルコ側は今回のメルケル首相の発言は、あくまでもドイツ国内の政治問題のために、この関税協定が取り上げられたのだ、と見ている。メルケル首相はトルコに対しての支援は、最小限にとどめるとも言っているが、まさに、宣戦布告といった感じがする。*

*
そもそも、関税協定の改正は2016年12月21日の段階で、EU側によって取り上げられたものだった。EUはトルコとの関税問題を、改善したいと希望していた、ということだ。*

*
それに先立ち、2015年11月29日に、この問題はトルコとEUとの間で話し合われ、2016年3月18日には、ステートメントが出されていたのだ。述べるまでもなく、トルコはEUとの関税協定を重要視している。それだけに、エルドアン大統領もこの問題に、言及しているのだ。*

*
トルコとEUとの貿易額は、現段階では、トルコのEU向け輸出が667億ユーロ、EUのトルコ向け輸出額は780億ユーロにも及んでいるのだ。つまり、トルコとEUはお互いに、大きな貿易のパートナーに、なっているということだ。*

*
一時的な国内問題のために、この美味しい関係を壊そうと、真剣に考える国はあるまい、それはドイツのメルケル首相とて、同じであろう。だから、トルコは今回のトラブルを、ドイツ側の国内問題だ、と言い放っているのであろう。*

*
ただ、現在のトルコの貿易事情は、極めて厳しいものがある。例えば、ロシア向けの農産物や果物は、ほぼ停止した状態にあるし、カタール向けも空輸という、非常手段を講じなければ、ならなくなっている。従って、トルコ側は過剰な反応を、ドイツのメルケル首相とEUに対して、示したのかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 10:17 | この記事のURL
NO4669 8月19日 『ヨーロッパ二つのテロの意味』 [2017年08月19日(Sat)]
*イラクのモースルが陥落し、シリアのラッカもほぼ陥落に近づいた、と見られている。このことは、ISのイラクやシリアでの活動が実質的に、停止状態に近づいている、ということであろう。*

しかし、それはIS(ISIL)の終りを、意味しているわけではない。新たな形での、IS(ISIL)メンバーあるいは支持者の犯行が、続いているのだ。そうした例が、スペインのバルセロナで起こり、14人が死亡し100人以上が負傷するという、大惨事になっている。これは車を人ごみの中に突っ込み、跳ね飛ばし、あるいはひき殺すという、犯行の結果だった。*

同じように、北欧のフィンランドでも、刺殺事件が起こっている。こちらは2人が刺し殺され、6人が負傷するというものだった。その犯行には大型のナイフが、使用されたと報告されている。単独犯行のようだが、警察は他にも関係者がいるものとして、調べている。*

IS(ISIL)がネットを利用し、世界のムスリムの若者に、テロを呼びかけているが、その結果が今回のテロ事件を、起こしたものと思われる、バルセロナ事件の後、いち早くIS(ISIL)は『ISによる犯行だ。』として犯行声明を出しているが、実行犯とIS(ISIL)との関係が、あったのか否かは、確認できていない。*

だが、その事がかえって大きな不安を、ヨーロッパ諸国に人たちに、抱かせているようだ。昨日まで微笑んで、挨拶を交わしていた人物が、今日は突然テロリストに豹変し、何人もの人達を死傷させる、ということが現実のものと、なっているからだ。*

これらの単独犯の若者たちは、何故テロ行為に走るのか、ということについては、経済的な理由、宗教過激派の働きかけなど諸説あるが、一つのことが原因なのではなく、複合的なものが原因なのではないか。*

私が考えるところでは、最大の原因は映画であり、マンガであり、ゲームではないのかということだ。アメリカのハリウッドで作られる映画も、中国で作られる映画も、押しなべて暴力が、主役になっているのだ。もちろん、漫画も然りであり、ゲームも殺人、破壊がその中心になっている。
*
テロリストたちは、それを子供の頃から見続けてきて、現実と仮想の世界に、区別が付き難く、なっているのではないかと思う。もちろん、失業、貧困、差別、嫌悪といった要素も、忘れるわけにはいかないのだが。*

日本ではお笑い番組や、淡い恋愛物の内容の映画が主流であり、テロを生む状況はまだあまり、活発化していない。ただあるテレビ局の朝のドラマでは、役者たちの怒鳴りあいのシーンが、多いことが気になっている。その事にいつも不快感を抱いているのだが、他の人たちはそれを、どう受け止めているのだろうか。*

 ポルノ映像、暴力映像などがはびこると、そこからテロや犯罪が増える危険性がある、という懸念を、もう少し真面目に捉えるべきであろうし、テレビなどは放送を、少し自重すべきではなかろうか、と思うのだが。そうしなければ、明日は日本でも、無差別テロが増えかねないからだ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:30 | この記事のURL
4668 8月18日 『エジプトのインフレは異常な動き』 [2017年08月18日(Fri)]
*エジプトの庶民は毎月上がる、物価値上がりの前に、青息吐息であろう。そうでなくとも、この夏は異常な高温だ。それだけでも大変な生活苦であろう。建物が厚い石やコンクリートの壁で出来ているために、外気が室内を暑くする度合いは、日本とは違うのだが、それでもエアコンが効かないとなると、寝苦しい夜が続くだろう。*

 人口が増えそれに伴って、水の使用量が増え、その結果として、カイロの街も湿度が高く、なってきているのだ、私が留学していた40年前とは、自然条件が全く異なっているのだ。*

 さて、エジプトの経済状況だが、IMFの厳しい指導があり、エジプト政府はエジプト・ポンドの切り下げを進め、5〜60ポンドだった対ドル・レートが、いまでは160〜170ポンドにまで下がっている。つまり、エジプト・ポンドの価値は、半分以下になったのだ。*

 そのことは、エジプトの諸物価を押し上げ、インフレが恒常的になっている。例えば、6月のインフレ率は29・8パーセント上がったが、7月には33パーセントに達しているのだ。なかでも、食品の値上がりはひどいようで、年率43パーセントを超えている、ということだ。*

 こうしたことから、経済立て直しを、何とか実現しようと、シーシ大統領は必死なのであろう。サウジアラビアとの間で進めた、チラン海峡の2島の、サウジアラビアへの返還も、そうした意図によるものであろうし、いま問題になっているサウジアラビア対カタールの対立で、エジプトが選択したサウジアラビア支持も、それであろう。*

 しかし、それだけでは何ともなりそうにない。以前、ある日銀OBから聞いたのだが、IMFの指導に従っていると、経済は破綻するということだ。あるいは、エジプトがいま向かっているのは、経済破綻の方向ではないのか。*

エジプトは結果的に、多くの国家資産を、外国企業に売り出していく、筍生活に入って行くかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 10:50 | この記事のURL
NO4667 8月17日 『リビアの混沌』 [2017年08月17日(Thu)]
ICCがリビア東部のベンガジ市にいる、ムハンマド・ワルファッリを指名手配した。彼はベンガジで少なくとも33人を処刑した、ということのようだ。処刑に当たっては、ムハンマド・ワルファッリ自身が撃ち殺したということのようだ。処刑された人たちは、頭をすっぽり袋で包まれ、撃ち殺されたと伝えられている。*

処刑された者たちは、特別に犯罪を犯した、ということではなく、ムハンマド・ワルファッリの敵対する側の、メンバーだったということであろう。戦争には正義も何も、無いのが当たり前で、正当化は勝者の側が、勝手にでっち上げるものだ。

この犯罪はリビア東部のベンガジで起こっており、当然のこととして、ハフタル将軍の管轄下で起こったことから、彼に何らかの責任が、あろうということだ。

そうであるとすれば、ハフタル将軍はこの事件に対して、何らかの対応を、しなければならないはずだ。ムハンマド・ワルファッリは悪くない、と判断するなり、犯罪者だと判断し、当り前であろう。

何故、ハフタル将軍が動かないのかというと、実はムハンマド・ワリファッリの出身部族が、リビアでは著名な大部族だ、ということにあるのではないか。ハフタル将軍が下手にこのムハンマド・ワルファッリを、逮捕して裁くようなことになれば、ワルファリ部族全体を敵に回しかねない。

リビアの現状はいかにして、多くの部族を抱え込み自分の陣営を、強化するかにかかっている。ハフタル将軍はもとより、セラジ首相の側も同じことを考えていようし、他の有力部族もそうであろう。

そうした状況下では、事の正義か否かは、あまり重きを置かれない、という事になろう。それだけ、リビア国内はいまだに不安定だ、ということだ。リビア東部で有力なハフタル将軍の側も、トリポリで首相職にあるセラジ氏も、共に絶対的な力は持てずにいる。

ハフタル将軍はアラブ諸国や欧米、ロシアを味方に付けることにより、自陣営を優位に立たせる、工作をしているが、未だにしかるべき成果は、出ていないようだ。それは国連もアメリカ、ロシアも、そしてヨーロッパ諸国も、もう少しリビアの様子を見よう、ということなのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:01 | この記事のURL
NO4666 8月16日 『ISはまだ終わっていない、問題は国内事情』 [2017年08月16日(Wed)]
イラクのモースル、シリアのラッカで、敗色を濃くしているIS(ISIL)だが、専門家の一部からは、IS(ISIL)が今後勢力を盛り返してくる、と見る者がいる。その一人はジュネーブの高等研究所の、メンバーであるムハンマド氏だ。
彼の考えによれば、IS(ISIL)は戦略を変えて立ち直るというのだ。彼は[ ISの思想』という本も書いている専門家だ。彼によればIS(ISIL)は場所を変えて、蘇るという読みだ。そして、IS(ISIL)は新たな軍事戦略と政治戦略で、巻き返してくるということだ。
また、他の専門家であるマッショ・ギデールに言わせると、IS(ISIL)は拡大戦略をとるだろうとみている。その根拠は、イラクが今後あらゆる意味で、分裂に直面していく可能性が高いからだ。政治対立、部族対立宗派対立などであり、IS(ISIL)はこの対立を、利用することが出来るというのだ。
 こうした国内対立を防ぐには、政府がしっかりした国民憲章を、制定しなければならない、と主張している。確かに、都市部たとえばモースルでは、スンニー派国民とシーア派国民との、対立が存在する。
 そうした流れのなかで、シーア派のハシャド・シャアビー軍は、イランからの支援を受けているし、イラク、シリアでの影響力も、拡大してきている。
 イラクではバグダッド政府と、クルドのエルビル政府の間に、問題が拡大していることは事実だ。クルド自治政府は国民投票にかけて、イラクからの独立を、進めるつもりでいる。
 確かに、この二人の専門家が主張するように、IS)ISIL)には今後再生の、可能性があることは否定できない。イラクもシリアも、IS(ISIL)を取りあえず片付ければ、抑え込まれていた各派の不満が、表面化するからだ。
 しかし、それが原因でIS(ISIL)が再度、シリアやイラクで大きな力を、得ていくとは思えない。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:33 | この記事のURL
NO4665 8月15日 『政府寄りコラムニスト・アメリカはトルコを攻撃する』 [2017年08月15日(Tue)]
トルコ政府寄りというか、エルドアン大統領寄り、と言われている、ユ−スフ・カプラン氏がエニ・シャファク紙で、彼の持論を展開した。その内容は実に驚くべきものであったため、トルコ国民の間で話題になっている。

そのユースフ・カプラン氏のコラムには、『アメリカがトルコ国内で、内戦を起こすことを、画策している。』というのだ。例えば、アメリカがクルドのYPGに対して、大量の武器を提供していることも、その動きの一部だというのだ。

アメリカは実際に何百台というトラックで、クルドのYPGに、武器を送っている。それはあくまでも、『ラッカのIS(ISIL)掃討作戦に使うものだ。』とアメリカ側は説明しているが,必ずしもそうではあるまい。

アメリカはラッカ作戦が完了した後に、YPGに供与した武器を回収する、とトルコ側に説明した後で、クルドの戦いはその後も続くため、武器の供与は続けられるし、回収することも無い、と言い直している。

トルコの調べでは、アメリカは909台のトラックに、武器を満載してYPGに送ったということだ。しかし、トルコの側はシリアでの、ユーフラテス作戦との関係で、シリア国内の武器については、トルコとSDFが管理すべきものだ、と主張している。

ここからユースフ・カプラン氏の、持論が出てくるのだが、彼に言わせると『西側諸国はトルコの大国化を恐れており、トルコが西側諸国による中東進出を阻止し、地域の独立を守るつもりでいるからだ。』ということだ。

トルコはこのため、最近では、ロシアや中国との、関係を強化してきている。加えて、ブラジルとの関係も強化され、その関係は今後、ますます強いものになって行くだろう、ということのようだ。

こうした西側諸国のトルコに対する敵対姿勢は、彼らが公開した地図を見れば歴然であり、その地図ではトルコが、二分されているというのだ。『昨年7月15日に起こったクーデター未遂事件も、この流れの一部だ。』と彼は主張している。

このトルコを二分する地図というのは、多分、もう10年近く前に発表された、地図のことを言っているのであろう。それはアメリカの軍事雑誌に掲載された、ラルフ・ピーター退役中佐の論文で『新中東地図』というタイトルのものだった。
その論文では、確かにトルコは、トルコとクルドの国に二分される、と書かれてあり、そのことをトルコの国際会議で、私が公表しようとしたところ、会議主催者側からやめてくれ、と言われた記憶がある。
しかし、その会議に出席していた、トルコの元大使が私のところに来て、地図を受け取りこれはとんでもないことだ、と帰って行った。そして3〜4日後、トルコの新聞2紙がこの地図を一面トップに掲載し、論評を加えた。

また、その後ローマで開催されたNATO会議で、トルコ代表がこの問題を取り上げ、抗議したと聞いている。確かに強大化するトルコ、エルドアン大統領の傲慢な発言と外交、そしてNATOやEU
に対する冷たい対応、ロシアや中国への接近は、欧米を震撼させていることであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:20 | この記事のURL
NO4664 8月14日 『ISの戦闘に激しさ増したのか』 [2017年08月14日(Mon)]
戦闘は双方が戦闘をするから、成立するのであって、一方だけが優位に戦ったのでは、戦闘ではなく虐殺、ということになろう。もちろん、この場合優位な側は、戦闘だと主張しよう。

IS(ISIL)はイラクでもシリアでも、相当追い込まれている。長いことはなく、イラクでもシリアでも、終わりを迎えるだろう、と言われてから既に、1〜2か月が経過した。無理もない。この地域での戦争は、そう簡単には終わらず、ずるずると小規模になって行く、性質のものだろう(大陸型)。

IS(ISIL)の最後がまだ見えないなかで、嫌な感じがしているのは、ロシア軍の攻撃が始まるまではIS(ISIL)が絶対優位に立っていたために、イラク軍もシリア軍も追い込まれた、感じであったということだ。

現在の戦争終了が遅れていることは、あるいはそこに原因があるのかもしれない。イラク、シリア軍だけではIS(ISIL)をきちんと、追い込めないのではないか。そうだとすれば、今後、再度IS(ISIL)が優位に立つことも、考えられるのではないか。

アメリカ軍の兵士がイラクとシリアの国境近くで、戦死したようだが、これはアメリカをして、戦闘意欲を無くしていき、政府も介入を止めよう、と考えるかもしれない。それは、ロシアも同じようなものであろう。ただ、ロシアは直接的な利害が、シリアにはあるため、簡単に店じまいをすることはなかろう。

ロシアはシリア国内にタルトースの海軍基地を持ち、これは現段階では唯一のロシア海軍が利用できる、地中海沿岸の軍港だ。そのため、シリア問題はこの軍港の利用が可能な形でなければ、終わらせるわけにはいくまい。

アメリカ側はどうかといえば、カタール―を始めとするガスのイラク・シリア経由ルートが、確保できればいいということだ。それは、ほぼ達成されたと言えるのではないか。そのために、アメリカはシリアのクルドYPGに対して、大量の武器を送っているのであろう。

ただ、この武器は必ずしも、IS(ISIL)との戦いのために、送られているのではあるまい。それよりも、トルコへの攻撃が主たる理由かもしれない。トルコの南東部では、大量の武器を積んだIS(ISIL)の、トラックが捕まっている。

しかし、それは形だけのものではないのか。トルコ政府はシリアのクルドが力を増して行くなかで、IS(ISIL)を盾に使おう、と思っているのではないかと思われる。幾つかの、IS(ISIL)の戦闘員とトラックを捕まえ、あとは黙認するという事であろうか。

 イラクとシリアではIS(ISIL)との戦いが、ぐずりながらも小規模化していき,戦場はトルコに、移っていくのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:35 | この記事のURL
NO4663 8月13A 日 『『イスタンブールのトプカプ宮殿崩壊の危機?』』 [2017年08月13日(Sun)]
*
世界的に有名なトルコのイスタンブールにある、トプカプ宮殿が崩壊し、海に落ちるのではないか、という懸念が沸き起こっている。ことの始まりは、フリエト紙のオメル・エルビル記者が書いた、記事によって始まったものであり、他のマスコミもこれに追従する形となり、大騒ぎになったのだ。*

当然このことは、トルコ政府の関心も呼び、1
月には調査が行われたようだ。そしてつい最近、ヌーマン・クルトウルムシ文化観光大臣が、その心配は無いと明言した。そうであろう、マスコミが書きたてたように、トプカプ宮殿が崩落して海に落ちるようなことになれば、まさにトルコにとっての最大の恥であり、観光遺産を失うことにもなる

トプカプ宮殿はスルタンの居城であったが、現在では観光スポットとしてばかりではなく、文化センターなどにも使われている。

そもそも、トプカプ宮殿が崩れ落ちて、海に埋没するのではないか、という不安が沸いたのは、この近くを通る、マルマリ・オウロッパ海底トンネルの完成や、地震などで地盤が緩んだため、ということのようだ。

ヌーマン・クルトウルムシ文化観光大臣は政府が1
月から、補強工事をしているので、問題無いと語った。もし、マスコミが書いているようなことになれば、エルドアン大統領の進めるメガ・プロジェクトは、国民の非難を受けることに、なりかねないだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:17 | この記事のURL
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