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NO5707   10月19日『やっとトルコが停戦に向かう気配』 [2019年10月18日(Fri)]
トルコがやっと停戦に向かう、気配が見えて来た。何のことは無い、トルコのメンツを守るような言辞を、アメリカやロシアが、使い始めているからであろう。アメリカはペンス、ポンペオ両氏をトルコに送り込んだが、エルドアン大統領は会わない、と言ってのけた。
加えて、トランプ大統領からの親書は読んだあと、ごみ箱に捨てたというのだ。これでエルドアン大統領の強気は、アメリカに十分に、伝わったことであろうし、トルコ国内では、彼の強気の姿勢が、十分に国民の間に伝わり、留飲を下げさせたことであろう。
他方、ロシアはと言えば、シリアとトルコの折衷案のような提案をし、トルコのめんつを保っている。これでトルコはシリアとの武力衝突を、取りやめることが出来たわけだ。もちろん、ロシアの軍事介入を始めから、織り込んでいたトルコは、シリア軍がマンビジュを抑えても、それがテロの掃討に繋がるのなら、問題ないと言っている。
エルドアン大統領は、一旦は断ったペンスやポンペオとの面談を、ペンスに限って許可している。そのときに、細かいアメリカとの取引を、したのであろう。バカを見たのはポンペオということになろう。彼は三枚目役者を、演じさせられたということだ。それでも、それは必要なことだったのかもしれない。
アメリカが弱気にならざるを得ない、幾つものことがあったのは事実だ。トランプ大統領の選挙に向けた、メンツの維持、そして、大きな問題は、トルコのインジルリク空軍基地に、アメリカ軍が50発とも60発ともいわれる、核弾頭を置き去りに、していたことだ。
 その核弾頭は旧式だった、とは言われてはいるが、それがトルコの手に渡ったのでは、アメリカはヨーロッパ諸国に対しても、中東諸国に対しても、立場を失ったことであろう。これらの国々に危険を及ぼす、可能性があったからだ。
 ロシアについて言えば、ロシア空軍はトルコ空軍とは戦闘を展開したくなかったろうし、それはトルコ側も同じだ。以前、トルコ軍機がロシア軍機を、撃墜するということが、起こっているが、双方ともに、その二の舞は望むまい。
 トルコとロシアはいま、S400の取引以来、極め良好な関係にある。その関係を壊したくないのは、ロシアもトルコも同じであろう。トルコにしてみれば、ロシアとの良好な関係を誇示しながら、アメリカとの交渉を、有利に進めたい、ということは明らかだ。
 これだけの、何枚ものカードをめくりながら、ロシアもトルコも、アメリカも交渉しているということだ。それに比べると、日本と韓国との間で、起っている険悪な関係は、案外、単純なゲームなのかもしれない。
 ただ、日本の政治家や官僚は、何処まで悪者になれるか、ということだ。国際関係はだましあい、裏切りあい、なんてことは当然のことなのだから。善良と正直を絵に描いたような人たちに、国際的交渉は、可能なのだろうか、と不安になる。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:39 | この記事のURL
NO5706   10月18日『露イランが米より上手なトルコ対応』 [2019年10月17日(Thu)]
どうもここに来て、アメリカのトルコ対応に、問題があるような、気がしてきた。アメリカはいつも通りの、高飛車な命令口調で、エルドアン大統領に、対応しているのだが、エルドアン大統領はトランプ大統領の、いまいる位置をよくわきまえている。
トランプ大統領は来る大統領選挙に備えて、国民を戦争に駆り立てたくはない。せいぜい、傭兵を使うか、空爆する程度であろう。しかし、トルコはそのアメリカの傭兵(SDFやYPG)と、いま戦っているのであり、空軍もトルコのパイロットに勝てるか疑問だ。
 結局、エルドアン大統領はトランプ大統領の、大口叩きを完全に無視する、立場をとっている。そうしたなかでトルコに送られた、ペンスとポンペオ特使は、みじめなものだった。エルドアン大統領はトランプ大統領と以外は、話さないとこの特使とは、会いもしなかったのだ。
 また、エルドアン大統領は『この戦争は止めない。』とも言っている。それはトルコの安全に、直接かかわっているからだ。そのあたりをよく分っているロシアは、『トルコには国防の権利がある。』と言い、イランのロウハーニ大統領も、トルコの立場に理解を、示している。
 こうなっては、アメリカには打つ手があるまい。『平和的に解決しろ。』『住民の犠牲を生むな。』と幾ら繰り返しても、意味をなさないのだ。遂に頭にきたトランプ大統領は『トルコとシリアの国境問題は、俺達には関係ない。』と言い出したのだ。
 大人げないでは済まされない、投げやりな言葉は、ヨーロッパ諸国もうんざりしているのではないか。トランプ大統領はエルドアン大統領を、放置するということは、武器の取引を意識してであろうか、とさえ考えたくなる。
 他方、ロシアはトルコとシリアとの武力衝突を、阻止するためにパトロール部隊を、両国の接点に送り込んでいる。トルコの側もシリアの側も、もし攻撃をするのであれば、ロシアはそれを放置しない、ということであろう。そのロシアの立場を、分かっているエルドアン大統領は、『シリアがマンビジュを支配することが、YPGやSDFの掃討に、繋がるのであれば、構わない。』と言い出している。
 そもそも、今回トルコが強気で、シリア侵攻を進めたのには、トルコには絶対的権利が、あったからであろう。トルコの反政府クルド組織PKKと、連携するシリアのYPGやSDFを、叩きたいということであり、それは何処の国も、認めることであろう。
 しかも、シリア難民の激増で、苦慮しているトルコは、トルコとシリアとの国境のシリア側に、安全地帯を設置して、そこに難民を押し返すというのだ。このトルコの考えに、ヨーロッパ諸国が賛成しなければ、トルコはヨーロッパとの国境を開き、何百万人というシリア難民を、ヨーロッパに追放することになろう。それは誰もが考えるように、ヨーロッパが大混乱に、陥るということだ。
 今回のトルコの始めたシリア侵攻は、結局、アメリカが中東外交の舞台から放り投げられ、それにロシアが代わったということであろう。もうアメリカの外交は、通用しなくなったのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:12 | この記事のURL
NO5705   9月17日『クルド・ミリシアがISの逃亡を許す』 [2019年10月16日(Wed)]
フランスに帰国したIS(ISIL)のメンバーが、フランスのル・パリジャン紙に、語ったところによれば、シリアのSDFやYPGが、IS(ISIL)のメンバー10人と、子供たち25人をキャンプから、逃げさせたということだ。

このIS(ISIL)のメンバーは、突然ドアが開かれ『出ろ、走って逃げろ。』と言われたというのだ。最初のうちは何のことかわからなかったが、状況を理解した後、IS(ISIL)のメンバーたちは、走って逃げた、ということのよう*だ。*
この逃亡したIS(ISIL)のメンバーは、女性10人であり、IS(ISIL)戦闘員の妻や、姉妹たちだろう、ということだ。彼女たちがテントから逃げ出した後、テントはYPGの戦闘員たちによって、焼かれたということだ。
このIS(ISIL)の女性メンバーの、逃亡の裏では、ほかの男性メンバーも、逃げたものとみられている。YPGはあえてIS(ISIL)メンバーを、逃げさせたということだが、それは彼らを味方にして,トルコとの戦闘に備えた、ということだと理解されている。*
ルパリジャン紙がフランス政府に、このことについて、問い合わせると、フランス外務省は『注意深く見ている。』としか、コメントしなかったということのようだ。つまりこれは言わずもがなではないが、IS(ISIL)を逃亡させて使う、ヨーロッパやアメリカの策謀が、あるということを示しているのではないのか。*
 エルドアン大統領もIS(ISIL)のメンバーの逃亡について語っており、彼は、IS(ISIL)のメンバーが逃亡したのは、アメリカやヨーロッパがねつ造した、嘘だと語っている。つまり、アメリカやヨーロッパは、IS(ISIL)を逃げさせてはいない、IS(ISIL)の逃亡には、関与してはいない、と言いたいのであろう。そのことを、エルドアンは指摘しているのであろう。*
 YPGにしてみれば、IS(ISIL)の戦闘員を捕まえたということは、アメリカやヨーロッパとの取引の、交渉材料になるということのようだ。YPGなどはトルコ軍が、IS(ISIL)のキャンプ、例えばアイン・イッサ・キャンプを、空爆すると言っていたが、それは嘘だ、とエルドアン大統領は、否定している。*
 YPGやSDFはユーフラテス川東岸地域を、IS(ISIL)に抑えさせ、テロリストの自由地帯を、作るつもりのようだ。話は益々複雑さを、増しているということであろうか。ロシアはこうしたなかで、トルコ、シリア、そしてクルドの仲介工作を、進めているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:27 | この記事のURL
NO5704   9月16日『大分複雑になってきたトルコのシリア侵攻』 [2019年10月15日(Tue)]
トルコがシリアで勝手な動きをするなら、アメリカは制裁する、とトランプ大統領が息巻いている。その意気持は分かるが、エルドアン大統領はトランプの弱腰を、十分に分かっている。トランプは何とか次の大統領選挙で、勝ちたいということで、口先でしか強いことは言えないのだ。
 EUもしかりであり、シリアなどの難民を、何百万人単位で送られたのでは、社会は大混乱となり、支援の資金も莫大なものになろう。従ってEUもトルコに対して、腰の引けた対応をしている。例えば、トルコに対する武器輸出については、制限をするという言い回しなのだ。輸出を止める、とは言っていないのだ。
 クルドのYPGやSDFもしかりであり、アメリカ軍の支援は期待出来なくなったので、単独でトルコ軍と、戦わなければなるまい。その場合、やはりトルコ軍とクルドとでは、武器のレベルが大きく異なるだろう。加えて、航空兵器を有している、トルイコ側の空爆に対して、クルドには打つ手があるまい。
 シリアはと言えば、シリアもしかりであり、真正面からトルコ軍と、ぶつかる気はなかろう。そうしたなかで出て来たのは、クルド側から提案のあった、シリア・クルド合同軍で、トルコ軍に対抗する、という方法だ。もちろん、シリア政府はこの提案に、飛びついたようだ。
 それでもやはり、トルコは怖いのだろう。マンビジュでは早速に、トルコ軍とシリア軍が、対立することになっているが、どうなるのだろうか。シリア軍はクルドの支配地域までは、勇敢に進軍するのだが、その先はどうもそうでもないようだ。
 シリア北部のトルコ軍が、侵入した地域のそばまで、シリア軍は入っているが、攻撃を加える様子は無い。それでも一部では小規模な武力衝突が、起こっているようでもある。大オスマン帝国の亡霊が、エルドアン大統領に味方しているのであろう。
 さてこうしてみてみると、トルコの戦況は絶対的に、有利ということになるのだが、どうだろうか。これから予想されることは、幾つかある。それらはもちろん、トルコに不利に働く、という意味で考えてみた。
 まずトランプ大統領の言い始めている、経済制裁によるトルコへのダメージだが、トランプ大統領はトルコの鉄鋼に対する、関税を引き上げると言っている。また、トルコへの投資も削減していくことになろう。アメリカのマスコミを使い、アメリカの金融界と結託すれば、トルコへの投資はヨーロッパからもしぼもう。そうなると、やはりトルコにとっては、大ダメージとなろう。
 ロシアとの関係では、ロシアはやはりシリアを、支持する立場にあり、トルコ軍とシリア軍が衝突するようになれば、ロシア軍は放置できまい。その意味でトルコは、シリア軍だけではなく、ロシア軍との戦闘も、考慮しなければならない、ということだ。
 加えて、イランもトルコの見方にはなるまい。やはりイランの支援は、シリアに向かうだろう。そうなると,トルコはシリア、ロシア、クルド、IS(ISIL)、イラン、そしてアメリカを敵に、回さなければならなくなる、可能性があるということだ。これまで何度となく、第三次世界大戦の話が出ていたが、この戦争が第三次世界大戦の、小型版になる可能性はあろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:17 | この記事のURL
NO:5703   10月15日『トルコ軍シリア侵攻・血の代償』 [2019年10月14日(Mon)]
トルコが始めたシリアへの、軍事侵攻作戦はトルコ国内で、死傷者を生み出している。その攻撃対称になっているのは、トルコの南東部の街であるサンヌルウファ、マルデンなどであり、細かくいうと、サンヌルウルファのアクチャカレ、ジェイランプナル、スルチュ、マルデンのヌサイビンといったところだ。
アクチャカレでは7人が犠牲になり、ジェイランプナル、ヌサイビンでは木曜日に攻撃を受け、8人が犠牲になっている。スルチュでも金曜日には、2人が死亡している。これらの攻撃は、シリア側からロケット弾や、臼砲で行われ、その攻撃はPKKやYPGによって、行われたものだ。
トルコの民間人の犠牲に合わせ、トルコ軍のなかからも犠牲者が出ている。トルコ軍がシリア北部の地域に侵攻し、YPGから報復された結果だ。このYPGについてはトルコ政府とヨーロッパ諸国、アメリカとの間には、認識に差異がある。
ヨーロッパ諸国やアメリカは、YPGを対IS(ISIL)の協力ミリシアとみなしている。従って友軍ということになるのだ。しかし、トルコはこのYPGを、自国内の反政府テロ組織PKK(クルド労働党)と、連帯するテロ組織と見なしている。
トルコ軍がシリア領内に軍事侵攻すると、アメリカはこれを非難した。そして、アメリカ軍はトルコ軍の侵攻して来る場所から、撤退している。今後アメリカ軍は、シリアから完全撤退することも、ありえそうな雰囲気に、なってきている。
 アメリカの議会では、民主党共和党の与野党議員らが、アメリカ軍のシリア撤退は、YPGやSDFといった、クルド・ミリシアに対する裏切りだ、と非難しており、アメリカ軍の駐留延長を主張している。しかし、トランプ大統領は大統領選挙を意識してか、アメリカ軍のシリアからの、全面撤退を主張している。
 今後、アメリカ政府がどのような結論を、出すか分からないが、シリア駐留をめぐり、駐留派と撤退派とに、アメリカ政府は分裂しており、多くの政府高官が、トランプ大統領によって首にされている。その代表格はボルトン大統領特別顧問であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 07:15 | この記事のURL
NO:5702   10月14日『クルドはトルコ軍の攻撃受けるが独立には繋がるまい』 [2019年10月13日(Sun)]
クルドのSDFやYPGは、トルコ軍に対峙している。今後相当の被害が、生まれるであろうことは、想像に難くない。既に戦死者が出ている。そのためSDFやYPGは、トルコ本土への攻撃を、始めているようだ。その攻撃で、すでにトルコ側では、市民が14人死亡している。
 クルド・ミリシアはアメリカ軍の、空からのカバーが必要なのだが、今のところアメリカ空軍は、動く気が無いようだ。そうなると、クルド側に出る犠牲は、大きいものとなろう。多くのクルド人の血が流されれば、欧米諸国ではトルコを非難する動きが、生まれようが、だからと言って、クルドを支援する軍隊を、送ることは期待できまい。
 欧米のクルド人に対する対応は、歴史的にも利用はしても、本気で支援することは無かった。最も悲惨な出来事は、イラクがサダム体制の時代に、ハラブジャで化学兵器を使い、5000人を超えるクルド人が、犠牲になったことであろう。
 第一次世界大戦で、オスマン帝国(トルコ)が敗北した後、クルド国家の樹立が話題になったが、それは実現しなかった。実は極めて短期間(数ヶ月) クルド国家が誕生したことがあったが、いつの間にか消えてしまった。それはクルドの内部対立が、原因だったといわれている。
 結果的に、世界で最大の難民、国家を持たないクルド民族は、そのまま放置されている。クルド人はトルコ、イラク、シリア、イランに多く居住するが、トルコでは分離独立闘争が続いており、その主体はPKKであり、オジャランがリーダーになっている。ヨーロッパではドイツが最大のクルド人受入国であり、次いでアルメニア、アゼルバイジャン、レバノンなどが並んでいる。
 イラクではイラク北部に自治区を作り、形式的なクルド国家のようになっているが、実質の力は無い。イランではクルドの独立闘争の組織はあるが、極めて脆弱だ。そしてシリアでは現在ある状態だ。つまり、アメリカ軍の傭兵のような形での、闘争が行われてきていた。
 今回のアメリカの動き、トルコの動きはあるいは、クルド国家創設のチャンス、とクルド人たちは考えているかもしれないが、それはリスクは大きいが、国家樹立はほとんど期待出来無いのではないか。
 クルド人の流す血は尊い、などと言っておだてられても、それは何にもなるまい。一時的な夢の独立に騙されて、トルコという強敵の前に、身をさらすだけではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:08 | この記事のURL
NO:5701   10月13日『プーチン大統領トルコ軍攻撃はISを逃がす』 [2019年10月12日(Sat)]
ロシアのプーチン大統領は、今回のトルコ軍によるシリア北部への、軍事侵攻は結果的に、いま拘束されているIS(ISIL)を、刑務所やキャンプから、逃がすことになる、危険性があると警告している。

確かにそうであろう。一部にはSDFやYPGが、IS(ISIL)を刑務所から釈放し、トルコ軍に対抗させる意図がある、とも伝えられている。つまり、SDFやYPGはIS(ISIL)と連携して、トルコ軍に対抗する、ということだ。

しかし、それが効果的であるかどうかは、いまの段階では分からない。単純に考えれば、今回のトルコ軍のシリア北部への軍事侵攻は、アメリカの軍部を激怒させている。従って、アメリカ軍がIS(ISIL)を、刑務所から逃すことにより、トルコ軍に対抗させるということは、ありうる話だ。

しかも、そもそもIS(ISIL)を創ったのは、アメリカであり、アメリカにとっては、SDFもYPGもIS(ISIL)も、アメリカにとっては、使い勝手のいい同じ道具であろう。

また、IS(ISIL)
はシリアの敵であり、そのシリアを支援しているのはロシアであることから、このプーチン大統領の発言の根拠は、充分にありうる話、ということになる。

そのため、IS(ISIL)がシリアの刑務所から脱獄し、アメリカの意向に沿って戦うことに、何の不思議も無い。その事を懸念して、プーチンは今回の発言を、したのであろう。もちろん、何の根拠も無しに、プーチン大統領がこうした、デリケートな問題について、発言することはあるまい。

もし、IS(ISIL)がSDFやYPGと連携して、戦闘に参加するなら、SDFやYPGは元気付くことであろうから、アメリカ軍の武器供与に合わせ、トルコ軍は苦戦するかもしれない。

今回のトルコ軍の、シリア侵攻によって、IS(ISIL)は新たな戦闘の機会を、得たという見方は、アメリカの専門家の間でも、ヨーロッパの専門家の間でも、言われている。そうなる可能性は、決して低くないということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:49 | この記事のURL
NO:5700   10月12日 『トルコ軍シリア侵攻への各国の反応』 [2019年10月11日(Fri)]
トルコ軍がシリアの北東部に、軍事侵攻し始めて間も無く、各国からこれに対する、反応が出ている。イランは直接的には非難していないが、トルコとの国境に、軍を移動している。これは場合によっては、トルコ軍と対峙するつもりがある、ということだ。
アラブの大国エジプト、のシーシ大統領は明確に、トルコ軍の軍事行動を、非難している。その事は、必要があれば軍事行動を起こす、ということであろうか、あるいは単なる、サウジアラビアやアメリカに対する、リップ・サービスであろうか。
ギリシャはもし、フランス軍が行動を起こすなら、フランスの軍事作戦に、参加してもいいと言い出しているが、それはギリシャとトルコとの関係が、基本的に悪く敵対関係に、あるからであろう。
ヨーロッパ諸国は総じて、今回のトルコによる、軍事作戦に反対の立場を、採っている。もし放置し、トルコが付け上がるようなことになれば、将来、危険がヨーロッパ諸国に及ぶ、と考えているのであろう。
そもそも、今回のトルコ軍の動きには、かつてのオスマン帝国の領土を、奪還したいという意向もあるのだ。そうなると、東ヨーロッパ各国の領土も、将来はその対象になろう。つまり、シリアで起こっていることは、他人事では済まされないのだ。
 アメリカではトランプ大統領が、トルコに対してシリア侵攻を、認めたということに対する非難が、燃え上がっているが、ポンペオ国務長官はそれを、否定している。いずれにせよ、アメリカ議会の議員たちからは、トルコに制裁を加えるべきだ、という声が高まっており、経済制裁が実施される、可能性は高い。それは、トランプ大統領も既に、口にしていることだ。
 さて、今回のトルコ軍の、シリア攻撃の裏では、多数のIS(ISIL)戦闘員が、シリアの刑務所から逃亡している、という事実が明らかになってきた。現段階で把握されているのは、いまシリアの刑務所には、11000人から12000人の、IS(ISIL)受刑者がおり、そのうちの1000人から1200人が、逃亡したろうということだ。
 そのなかには、多数の外国人戦闘員も含まれており、イギリスのビートルと呼ばれる戦闘員も、その中にいるようだ。こうしたことが起こったのは、これまでIS(ISIL)戦闘員を投獄していた、SDFの戦闘員がトルコとの戦争に備えて、多数が北シリアに移動したため、刑務所の警備が緩くなっていたからだ。
 昨夜トルコのインテリと話したが、彼はIS(ISIL)が、エルドアン側に付いて戦うだろうと言っていた、私はそれに対して、逆であり、IS(ISIL)はアメリカ側、つまりシリア側に付いて戦おう。従ってトルコはシリアのクルド・ミリシアである、YPGやSDFに加えて、IS(ISIL)とも戦うことになろう、と言っておいた。
 そうしたことには、時間が正解を出してくれるだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 05:39 | この記事のURL
NO:5699   10月11日『トルコのシリア侵攻が始まった 始まった』 [2019年10月10日(Thu)]
 トランプ大統領の無責任な、シリアのクルド放置が、トルコ軍にグリーン・ライトを点けたのであろうか、アメリカ軍が撤収する、と言い出したために、トルコ軍は遂にシリア国境を、越えることとなった。
 既に、トルコ・シリア国境の町は、トルコ空軍の空爆により、犠牲者が出ている模様だ。その犠牲者の正確な数は分からない。当然であろう、いまの段階では、外国の報道陣や人権団体が、入っているとは思えないからだ。
 さて、破竹の勢いのトルコ軍は、空爆と地上作戦とが、一体となって進められているわけだが、クルド・ミリシアにはまだ、それに応戦する準備は、出来ていないのではないか。クルド・ミリシアがどう反撃してくるかは、これから分かろう。
 このトルコ軍の動きに対する、各国の反応はどうかというと、総じて反対のようだ。EUはこぞって、今回のトルコのシリア侵攻を、非難している。ロシアも然りであり、イランも然りだ。
 EUにしてみれば、今回のトルコの軍事侵攻は、シリア難民を増やし、それがヨーロッパ諸国に、なだれ込んで来ることを、警戒しているのだ。イランはといえば、イラン・トルコ国境で突然、軍事訓練を始めている。つまり、必要とあれば、イラン軍は何らかの行動を、トルコに対して起こす、という暗黙のメッセージを、トルコに送ったということであろう。
 アメリカも国内では、民主党を始めとし、アメリカ軍のシリアからの、撤退を非難し、クルド・ミリシアを置き去りにしたことに対する、非難の声が高まっている。述べるまでも無く、これに対しトランプ大統領は、反論している。
 トランプ大統領に言わせれば、まずアメリカ軍は、もうシリアに留まるべきではない、ということであり、トルコ軍の一線を越えた、軍事攻撃に対しては、応分の軍事的反撃を行う、と言っている。加えて、トランプ大統領はトルコが、言うことをきかなければ、トルコの経済を破壊する、とも言っている。
 このトランプ大統領は、とんでもない曲者かもしれない。人によっては、トランプ大統領の悪知恵を、誉めるかもしれないが。トランプ大統領は大使館を、テルアビブからエルサレムに移転することで、あたかもイスラエルを、支持しているように見せ、実態はイスラエルを、世界から孤立させることになった。
 今回のトルコのシリア侵攻で、トランプ大統領はグリーン・ライトを点し、どうぞ侵攻してください、という意志を示し、アメリカ軍を要所から、撤収させた。その結果、トルコ軍はシリアに、侵攻したわけだが、それがとんでもない困難に、トルコを向かわせるのではないのか。
 つまり、トランプ大統領がトルコに示した、グリーン・ライトは実は罠だった、ということだろうと思う。トランプ大統領はクルド・ミリシアと協力して、IS(ISIL)を追い込んだのだが、いまはクルド・ミリシアでは無く、トルコにその役割を、担わせるつもりだ、彼はトルコに対して『IS(ISIL)を掃討しろ。』と言い出しているのだ。
 トルコでは戦費がかさみ、経済は悪化して行こうが、それに輪をかけて、アメリカが裏からトルコ・リラの暴落を工作しよう。トルコの経済は欧米からの投資、貸付で自転車操業しているのだ。従って、トルコ経済は簡単に崩壊する、危険性がある。その結果は、間も無く出よう。トルコ軍のシリア侵攻は、長期化しないのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 05:07 | この記事のURL
NO:5698   10月10日『どうなるトルコ軍のシリア攻撃』 [2019年10月09日(Wed)]
トルコ軍が大挙して、シリア国境に接近するなかで、各国からこれに関連する情報が、出てきている。ショッキングなのは、このトルコ軍によるシリア攻撃は、結果的にトルコの経済に、大ダメージを与えることになるという、アメリカの構想によるものだ、という説が出ていることだ。
確かに、戦争当事国の経済がよくなった、という話はほとんど聞いたことが無い。戦費がかさみ、その国の経済が悪化することは、当然であろう。今日もトルコ・リラは値下がりを昂進しており5.83リラに達している。
この情況下では、シリア政府やロシア政府が、大喜びしているだろう、という話も出ている。トルコ軍の侵攻にあわせ、アメリカ軍が撤退するからだ。シリアのクルド・ミリシアも、シリア政府への接近工作を、始めている。それはシリア政府も歓迎しているということだ。
それは、アメリカに頼れなくなった、クルド・ミリシアがとても、トルコ軍とは戦えないし、勝ち目が無いからであろう。それはイスラエルも同様で、イスラエル国内では、クルドの後に、アメリカに見捨てられるのは、イスラエルではないか、という懸念が高まっている。
では、本当にアメリカは完全に、クルド・ミリシア支援を、止めるのかというと、そうでも無さそうだ。第一には、YPGやPKKといった、クルド・ミリシアに対して、アメリカ製武器の供与を、増やしているという事実だ。
加えて、アメリカはトルコ・シリアの北西空域での、トルコ空軍の動きを、阻止するつもりのようだ。トルコ空軍が飛びたてば、アメリカ軍がこれを迎撃し、撃墜するということだ。それではたまらないので、トルコ空軍は作戦を中止し、陸軍は空軍のカバー無しに、闘わなければならない状態が、起こりえそうだ。
そうなると地の利を生かして、案外、クルド・ミリシアが、善戦するかもしれない。これに対応しようとすれば、トルコ側は最新兵器を大量に、投入することになろうから、アメリカにはビジネスチャンスが、広がることになろう。トランプ大統領とエルドアン大統領はワシントンで11月13日に会うそうだが、これは武器の買い付けなのかあるいは?
Posted by 佐々木 良昭 at 06:28 | この記事のURL
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