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NO4144 『IS(ISIL)正念場を迎える・イラク軍クルド軍と衝突』 [2016年05月30日(Mon)]
おごれるものは久からず、とはこのことであろうか。いまIS(ISIL)
は極めて厳しい状況に、シリアでもイラクでも、追い込まれている。影の支援者であったアメリカが、最近では本格的にIS(ISIL)
に対して、空爆を行うようになっているし、ロシアは以前からそうだ。

加えて、これまでスポンサーであったトルコも、IS(ISIL)に対して厳しい対応を、執るようになってきている。そうは言っても、トルコとIS(ISIL)
は、未だに地下水脈で、通じているようだが。

イラクではイラク軍が、ファルージャ奪還作戦を遂行しており、モースル奪還作戦も、同時進行で行われている。このうちのモースル奪還作戦には、クルド自治政府のペシュメルガ軍も、参戦している。

どうやら、こうした反IS(ISIL)側の、連合軍の攻撃に対して、IS(ISIL)は打つ手が無いのかもしれない。流れてくるのは、IS(ISIL)
が大量処刑を行ったとか、以前行った大量処刑の埋葬現場が、発見されたという種類のニュースが、ほとんどだ。つまり、非戦闘員に対する攻撃だけだ。

そうしたなかで、注目すべきニュースは、シリアとトルコの国境地帯での、IS(ISIL)とトルコ軍、あるいは、IS(ISIL)
とクルドを含む、シリアの各派の戦闘だ。なかでも、トルコ国境のトルコ軍との戦闘は、相当厳しくなってきているようだ。それは、IS(ISIL)
がイラクやシリアから逃亡するに際して、トルコが最も有力な経由地に、なっているからであろう。

トルコにしてみれば、いまだに地下水脈で通じている、IS(ISIL)
との関係を、完全に破壊したい、とは考えていまい。当面のトルコにとって重要な軍事作戦は、クルドのPKKを潰すことであろう。IS(ISIL)
はこの作戦で、まだ利用できる余地があるからだ。

トルコ政府にしてみれば、IS(ISIL)
がトルコ国内に、逃げ込んで来ても、その後、ヨーロッパなどに移動してくれるのであれば、大きな問題ではあるまい。それどころか、トルコが唯一のIS(ISIL)
との秘密交渉の、窓口になれるのであれば、それは政治・外交上のメリットがあるだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:33 | この記事のURL
NO4143『トルコ危険が一杯アヤソフィアをモスクに』 [2016年05月29日(Sun)]
いまの時期にトルコでは、東ローマ帝国の首都コンスタンチノープルを、オスマン帝国が攻略し、イスタンブールにした記念行事を、開催しようと言い出している。このことは少なからぬショックを、ヨーロッパ諸国や世界のキリスト教徒に、及ぼすだろう。

これはあたかも、トルコがヨーロッパ社会に真っ向から挑戦している、印象を与えることは間違いない。そうでなくとも、最近ではヨーロッパ諸国では、IS(ISIL)による脅威が語られ、イスラム脅威論が広がっている。

加えて、シリアやイラクからの難民、それに加えてリビア経由で入って来る、アフリカ難民の対応でヨーロッパ諸国は、青息吐息なのだ。なかでも、一番多くの難民が押し寄せてきている、ドイツはメルケル首相が頭を抱え込んでいる。

そのドイツを始めとした、ヨーロッパ諸国の窮状に、まさに傷口に塩をすり込むように、トルコのエルドアン大統領は難民支援金として、EUに60
億ユーロを要求したり、トルコのEUへの加盟を認めろ、トルコ人のビザ無し渡航を許可しろ、と息巻いている。

こうしたなかで出てきた、今回のイスタンブール攻略勝利記念行事の、開催の提案はどれだけのショックを、EU諸国に与えることか、と心配される。加えて、トルコの国民の何千人もが、アヤソフィア教会をモスクにしろ、とデモを行っている。


このアヤソフィア教会は、述べるまでも無く東ローマ帝国の、キリスト教教会であったものを、オスマン帝国がコンスタンチノープロを奪取し、イスタンブールに改名した後、モスクに改造して、イスラム教徒の礼拝所にしていた、という経緯がある。

しかし、トルコ政府はアヤソフィア教会を後に、観光名所として利用することを考え、モスクとしては、使用していなかったのだ。アヤソフィア教会の内部を飾るキリスト教の聖画は、漆喰で塗り固められ、その上にはイスラムの模様が描き込まれている。その漆喰の一部がはがされ、いまではキリスト教徒の観光客の目を、楽しませている。

何処まで本当か知らないが、最近目立つのは、ヨーロッパ諸国にはトルコに対する、嫌悪感情が拡大しているということだ。そこからヨーロッパ諸国はアメリカと連携して、イスタンブールを攻略し、元のコンスタンチノープルに戻す計画がある。そのコンスタンチノープル奪還作戦には、ロシアのプーチン大統領も、敬虔なロシア正教徒であることから、参加するという噂が流れている。

そうした雰囲気のなかでの、今回のトルコの二つの動きは、今後、問題化していくのではないか、という懸念を払拭することは出来まい。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:33 | この記事のURL
NO4142『エジプト版ロミオとジュリエット』 [2016年05月27日(Fri)]
エジプトではクリスチャン(コプト・クリスチャン)もムスリムも、異教徒同士の結婚は認められていない。しかし、若者の間に恋が芽生えることは、ごく自然なことであり、ムスリムの青年が、クリスチャンの女性を愛したり、その逆であることは、起こりやすい。

今回はクリスチャンの青年が、ムスリムの女性と交際したことが、大問題になった。特にムスリムの女性が、クリスチャンによって、虜にされるということは、ムスリムには許させないことなのだ。自分たちのムスリム女性が、クリスチャンによって奪われた、という被害者意識が、拡大するからだ。


結果はクリスチャンの青年の母が裸にされ、市内を歩かせられる、という事態に発展し、加えて、300人のムスリムの若者が、松明を持って行進し、クリスチャンの家が7軒も、放火されたのだ。 これに対抗して、クリスチャンもムスリムの家3軒に、放火している。

クリスチャンの家族は、身の危険を感じて、現地の警察に保護を求めているが、どこまで守ってくれるかは、保証の限りではない。なぜならば、警察のほとんどはムスリムであり、ムスリムの住民の考えに、迎合する傾向が強いからだ。

これまで、エジプトでは何百回となく、ムスリムとクリスチャンとの、衝突事件が起きてきた。そしてその度に、クリスチャンの方が、より大きなダメージを、受けてきている。それは、ムスリムとクリスチャンとの、人口比から来ているのであろう。

国家の権力層も、ムスリムがほとんどであり、クリスチャンの閣僚などは、対外的な見世物として、その地位を与えられているに過ぎず、実権はほとんどない。世界的に知られている、国連事務総長経験者のガーリ氏は、外務担当国務大臣だったが、正式な外務大臣には、なれなかったのだ。

エジプトでは、コプト教徒クリスチャンが、正式な大臣職に就任できるようになったのは、ムバーラク大統領の時代であろう。それは彼の妻が、コプト教徒クリスチャンであったからであろう。

日本ではあまり聞いたことがないが、外国では宗教が違うと、全く別世界の住民同士、ということになり、外国人よりも嫌悪する場合がある。それは他宗教徒が隣人同士であることから、日常的に摩擦が起こるからであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:11 | この記事のURL
NO4141『アゼルバイジャン・トルコ・ガス・パイプライン計画』 [2016年05月26日(Thu)]
欧州再建開発銀行(EBRD)が、トルコとアゼルバイジャンに対して、パイプライン建設計画への投資を、持ちかけている。これはTANAP(トランス・アナトリア・ガス・パイプライン)と呼ばれる計画だが、その建設費用は170億ドル、と見積もられている大規模なものだ。

このパイプラインは、アゼルバイジャン、グルジアを経由し、トルコそしてギリシャに向かい、ヨーロッパにガスをもたらす、というものだ。このパイプラインが完成すると、160億立方メートル(
bcm)のガスが運ばれ、そのうちの60億立方メートル(bcm)が、トルコでの消費に回され、残りはヨーロッパ諸国に、向かうということだ。

なお、ヨーロッパに向かうガスは、トランス・アドリアチック・パイプライン(TAP)に、連結されることになる。

この結果、TANAP(トランス・アナトリア・ガス・パイプライン)のキャパシテイは、年間で230億立方メートルに増大し、次いで2026年には、310億立方メートルに、拡大する予定だ。

この計画には15億ユーロの予算が組まれており、そのうちEBRDは、5億ユーロを投資し、残りを世界の銀行から、シンジケート・ローンとして調達する予定だ。

トルコはこうしたプロジェクトに、参加することにより、何とかロシアのガスへの依存を下げ、出来ればロシアからのガス輸入を、止めたいようだ。現在のトルコとロシアとの関係を見ていれば、それは自然なトルコ側の発想であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:41 | この記事のURL
NO4140『アヤトラ・ジャンナーテイ師が宗教専門家会議議長に当選』 [2016年05月25日(Wed)]
5月24日、イランでは宗教最高指導者の組織である、宗教専門家会議の議長を選出する、選挙が行われた。

この会議の本部は、イランのクム市にあり、ここはいわば、シーア派イスラムの総本山なのだ。そこの宗教専門家会議の、トップに就任するということは、イランばかりではなく、世界のシーア派イスラム教徒の、指導者になることを、意味している。


今回の選挙では、大所でアヤトラ・マハムード・サホロウデイ師、アヤトラ・エフラヒム・アミニ師が立候補し、アヤトラ・マハムード・サホロウデイ師が13票、アヤトラ・エフラヒム・アミニ師が21票したが、アヤトラ・ジャンナーテイ師が、全体で88票のうちの、51票を獲得し、勝利に終わった。

今回の選挙には、2011年まで議長を務めていた、大物のアヤトラ・ラフサンジャーニ師は、立候補しなかった。

つまり、今回のシーア派の専門家会議の議長選挙には、ハメネイ師が相当裏で動き、圧力をかけたのであろうと思われる。

現在イランでは、穏健改革派と言えるラフサンジャニ師や、現職の大統領ロウハーニ師などと対抗し、ハメネイ師が強硬な立場をとっている。ハメネイ師のバックには、いまのところ革命防衛隊がついているのだ。

このイラン国内の穏健派と強硬派の衝突が、何時頃表面化してくるのか、見ものだ。穏健派はアメリカとの関係を改善し、経済改善に乗り出したい、と思っているが、それにブレーキをかけているのは、ハメネイ師と彼の支持者たちだ。

ハメネイ師はシリアやイラクにも介入し、シリアのアサド大統領派を支援するために軍隊を送り込んでいるし、イラクについてもしかりだ。

先日、イラクで起こったグリーン・ゾーンへのデモは、サドル師が指揮したのだが、デモの命令はハメネイ師から、出ていたものと思われる。そうすることによって、イラクがアメリカ一辺倒になることを、防ごうとしているのであろう。

こうしたイラン国内の対立は、アメリカにとっては、好都合なのではないか。アメリカは時間をかけて、イラン側に妥協するだけ妥協させ、最終的にはイランを絡め取ろう、と考えているからではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:19 | この記事のURL
NO4139『シリアの海岸2都市・ISが攻撃死傷者多数』 [2016年05月24日(Tue)]
シリアの主要都市では、日常茶飯事のように、テロ攻撃が起こっている。もちろん、首都ダマスカス市も、例外ではない。

しかし、5月23日に起こったテロ事件は、これまでのものに比べ、相当な規模であり、被害も尋常ではなかったようだ。145人が死亡し(一説には、200人を超えている、とも伝えられている)、負傷者の数がまだ不明なのだ。それだけショックが、大きかったのであろう。

今回の攻撃を仕掛けたのはIS(ISIL)であり、彼らは誇らしげに、犯行声明を出している。五つの特攻攻撃があり、それ以外に二つの車爆弾も、爆発したのだ。しかも、その爆弾テロは数秒以内に、連続して起こった、と伝えられている。

そのことは、この連続テロ攻撃が、周到に計画され、計算されて実行されたものだった、ということではないのか。そして、今回テロが起こったのは、タルトース市であり、もう一つは、ラタキア県のジャブレ市だ。

述べるまでもなく、この二つの都市は、地中海に面した都市であり、住民の多くは、アサド大統領と同じ、シーア派のアラウイ―教徒なのだ。加えて、タルトース市にはロシア海軍の軍港があり、ジャブレ市はロシアの空軍基地が、すぐそばにあるのだ。

つまり、今回のテロはアサド体制への恫喝であり、ロシア軍に対する報復であった、ということであろう。強気のプーチン大統領は即座に、シリアと協力して反撃対応する、と宣言している。

アサド大統領とプーチン大統領は、当然、強硬対応をやるだろうが、問題は犠牲者が市民であり、彼らには打つ手がないのだ。爆発現場ではどちらに逃げたらいいのか、分からない市民が、右往左往していた、と報告されている。

しかも、彼らが逃げようとする現場の地面は、血と吹き飛ばされた、人間の肉片が、散乱しているのだから、まともな神経ではいられまい。現場は病院であり、バス停留所だったのだから、多数の市民が集まっていたのであろうし、それが被害を大きいものに、したのであろう。

私には何の対応策も、思い浮かばない。時間だけが問題の解決の、手段なのだろうか。ただ言えることは、IS(ISIL)との交渉の窓口を、誰かが作る必要があるような気がする。

いまのシリア国内のIS(ISIL)の状況は、追い込まれて行き場を無くしているものと思われる。だからこんな大規模なテロが起こるし、それが自爆型になるのではないのか。既に、IS(ISIL)の幹部の多くは、イラクやシリアを、離れているものと思われる。残ったIS(ISIL)のメンバーは自暴自棄になっているのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:48 | この記事のURL
NO4138『イラク軍ファルージャ制圧作戦近い』 [2016年05月23日(Mon)]
イラク軍のIS(ISIL)に対する攻勢が続いているが、ついにファルージャ攻略作戦に入るようだ。このファルージャはアンバル県にあり、IS(ISIL)が最も早く占領した場所だ。

その後IS(ISIL)はイラク全域で戦闘を展開し、多くの町村を支配下に置いて行った。つまり、ファルージャは特別な意味を、持っているということであり、それだからこそ、イラク政府はこのファルージャの攻略に、本腰を入れる気に、なっているということだ。

イラク軍は戦闘開始に先立ち、ファルージャの住民に対し、街から逃げ出すよう指示している。そうしなければ、IS(ISIL)との戦闘が始まった段階で、多くの一般市民が、犠牲になるからだ。

イラク軍はファルージャの西、南西、南東部の道を開いておくので、そこから逃げ出せ、と市民に呼びかけている。加えて逃げ出すことのできない市民は、白旗を掲げておけば、そこは攻撃しない、とも伝えている。

ファルージャには現在なお、75000人の市民が、留まっているようであり、彼らを人間の盾として、IS(ISIL)側が使うことも考えられる。これまでもIS(ISIL)は市民が街から逃げ出すことを、阻止してきているのだ。食料を始め医療品などが不足するなかでの、市民の生活は困窮の極みであろう。

イラク軍の攻勢が成功して、ファルージャの住民がIS(ISIL)の支配から、解放されることを、望むばかりだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:17 | この記事のURL
NO4137 『トルコのイズミールは地上の楽園』 [2016年05月22日(Sun)]
トルコのエーゲ海に面した街に、イズミールというところがある。ここは昔住民のほとんどが、ギリシャ人だった街であり、歴史的な経緯から、トルコというよりは、ヨーロッパの雰囲気のほうが増している。

しゃれたカフェやレストランが沢山あり、魚介類の料理は抜群にうまい。ここには友人の経営する、オリーブを始めとする、食用油の工場がある。彼の会社は地中海周辺では、最大の規模だと聞いた。

ムール貝に貝の味と米を混ぜてつめ、それを特別のスープで、煮込んだ料理は実にうまい。バケツ一杯買ってきて、それを仲間でほうばるのだ。

今回、トルコのフッリエト紙は、イズミールに関する記事を掲載したが、それを読んでいると、第二の人生を、そこで過ごしたい気分になる。時間の経過はゆっくりであり、首都のアンカラのような、階級社会ではないし、イスタンブールのような、競争社会でもない。

夕暮れの海岸と海の景色は抜群であり、そこでワインを飲みなが、友人と語るのもいいだろう。女性は押しなべて美人であり、彼女らは皆ヨガを習ったりスポーツ・ジムに通って、しなやかなスタイルを維持している。

イズミールの不動産価格は、上昇してはいるが、まだアンカラの半額でしかない。そこの住民の感覚は、EUの住民と似ている。友人を作り、セレブな生活を楽しめる。

ボートの話を友人たちとし、仕事の話などする野暮な奴はいない。エーゲ海の海岸に育成するハーブは、貴方(貴女)の永遠の若さを、保ってくれる。

この記事には、いろいろな意味が、込められているのではないかと思われる。ビジネスの中心都市イスタンブールも、政治の中心地であるアンカラも、いずれも神経を使う街であり、そこで戦う者たちの神経は、ぼろぼろになっているのではないか。

そうした現状のなかで生きている人たちに、心の休まる場所として、イズミールを紹介したのであろうか。過大な推測をすれば、それはエルドアン大統領とその体制に対する、ソフトな批判なのかもしれない。

イズミールを訪問した折に、友人が午後にクルーザーを仕立ててくれ、料理と船旅とベリーダンスを、楽しんだ思い出がある。夜には陸上のガーデン・レストランで、ダイニング・パーテイを開いてくれた。心地よい海風がやわらかく頬をなでてくれる、すばらしい夕食会だった。

日本には心安らぐ場所があるのだろうか、とふと考えてしまった。それは私が有産者階級では、ないからなのかもしれないが。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:05 | この記事のURL
NO4136 『ハフタル将軍統一政府とは一緒に行動しない』 [2016年05月21日(Sat)]
リビアがカダフィ時代に、チャドに軍事侵攻したときの、司令官がハフタルだった。彼はその後、アメリカに渡りCIAの庇護の下で20
年間暮らし、リビア革命が始まると、ベンガジに戻った。

以来、彼は分裂した東リビア政府のなかで、軍のトップの座に就いている。東リビア政府は国際的に承認された、正式なものであったが、その後も、リビアの分裂と対立が続いたために、欧米は新にリビア統一政府なるものを結成させ、セラジュをトリポリに送り込んだ。

しかし、セラジュはその後、リビアの各派を纏めることが出来ず、今日に至っている。そうした混沌のなかで、大きな影響力を持つのは、東リビア政府のハフタルだが、彼は最近以下のような発言を行っている。

彼の発言を紹介する前に、まず記さなければならないのは、カダフィの故郷シルテに、IS(ISIL)
が陣取っているが、これに対しリビアの東西政府は、軍を派兵し、IS(ISIL)に対抗しているという点だ。

従って、リビア統一政府のセラジュの意向に関係なく、IS(ISIL)に対抗することについては、リビア人が一体となっているということだ。

ハフタルは『我々はセラジュとは関係がないし、東リビア議会もセラジの言うリビア統一政府を、承認していない。』

そして『セラジュはミリシアに依存しているが、そのミリシアを我々は認めていない。ミリシアには意見を統一することは出来ない。』とも語った。

またハフタルは『IS(ISIL)はリビア軍に勝利することはできないが、戦闘はまだ続くだろう。』と冷静に現在の状況を分析している。

そしてハフタルは最後に、以下の言葉でインタビューを、締めくくっている。『国際組織が我々に対して、武器禁輸を解いてくれれば、IS(ISIL)を短期間で打倒することが出来よう。』


つまり、大国は自国の都合で、次々と手を変え品を変えて、リビアに対応しているということだ。そのため、リビアの安定には時間がかかり、しかも、状況をより悪化させている、ということなのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:38 | この記事のURL
NO4135『ISはイスラエルをターゲットにすると宣言』 [2016年05月21日(Sat)]
シリアやイラクで蛮勇を奮った、I(ISIL)が遂にイスラエルも、攻撃のターゲットにすると宣言した。述べるまでも無く、このIS(ISIL)の宣言にイスラエル政府は、真剣に対応を考えているようだ。

しかし、イスラエルが陥りやすい、間違いを犯しているのではないか、と思えてならない。IS(ISIL)の行動を、アッラーや一般のムスリムと同列にして、論評している点だ。ほとんどのムスリムは、IS(ISILに対して、反発を感じながらも、イスラエルに対してはそれ以上の、反発を感じているのだ。

アッラーを引き合いに出すことは、ムスリムのイスラエルに対する敵意をむき出しにしてしまい、IS(ISIL)に参加しないまでも、背後から支援する可能性が、拡大するだろう。

この記事で気になるのは、IS(ISIL)の幹部のほとんどは、既にイラクやシリアを、離れているのではないかということだ。アメリカはしきりに、バグダ−デイはイラクに居るようだ、と分析を巻き散らしているが、そうではないような気がする。

結果的に、イラクやシリアに残存している、IS(ISIL)のメンバーの多くは、アラブ人や東南アジア、西アジアのムスリムではないのか。そうなると、彼らにとってはエルサレムの解放という、本来の夢が前面に出てくるのだ。

それが今回のIS(ISIL)による、イスラエルをターゲットとする、という宣言の背後に、あるのではないのか。

IS(ISIL)の幹部はリビアやアフガニスタンに異動し、新たな目的のための戦闘を展開しているのだ。既に目標を達したイラクやシリアには、用はないということであろう。

このような状況で、不安になるのはIS(ISIL)の残存部隊である、アラブ人の戦闘員が本気で、イスラエルに攻撃を始めることだ。そうなれば、ヨルダン川西岸のパレスチナ人も、武器を持って戦闘に参加しようし、ガザのパレスチナ人も、然りであろう。

この段階では、いままで影でネタニヤフにおもねっていた、アッバース議長の意見など、誰も聞かなくなるだろう。イスラエル人の首がシリア人やイラク人と同様に、切り落とされる日が、近づいているのかもしれない。

イスラエルでは著名なテレビ・キャスターが、イスラエルから家族全員で離れる、と語ったというニュースが流れていた。彼らには情報がいち早く届くのであろう。その結果の判断ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:26 | この記事のURL
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