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4670 8月20日 『トルコがEUと関税協定でもめる』 [2017年08月20日(Sun)]
* トルコとEUとの間で、関税協定が結ばれたのは、1995年12月31日のことだった。それ以来、トルコとEUは、お互いにこの協定を活かし、貿易取引を拡大してきていた。*

*簡単に言えば、トルコ製品は関税がかからない状態で、ヨーロッパの市場に輸出され、その逆もまた然りだった。つまり,EUからトルコへの輸出も、関税がかからなかったのだ。*

*
しかし、ここにきてドイツがこの関税協定に、文句を言い始めて、トラブルが始まっている。メルケル首相は関税協定を、改善する意志がないことを、口にしたのだ。*

*つまり、20年の長きに及ぶ関税協定は、既に、幾つかの問題が発生しているにもかかわらず、改定する必要は無いと言ったのだ。20年も前のトルコの
経済状態はきわめて弱いものであり、当時交わされた協定の内容は、トルコにとって極めて不利なものであり、平等なものではなかったことが、推測される。*

*
これに対して、トルコ側は今回のメルケル首相の発言は、あくまでもドイツ国内の政治問題のために、この関税協定が取り上げられたのだ、と見ている。メルケル首相はトルコに対しての支援は、最小限にとどめるとも言っているが、まさに、宣戦布告といった感じがする。*

*
そもそも、関税協定の改正は2016年12月21日の段階で、EU側によって取り上げられたものだった。EUはトルコとの関税問題を、改善したいと希望していた、ということだ。*

*
それに先立ち、2015年11月29日に、この問題はトルコとEUとの間で話し合われ、2016年3月18日には、ステートメントが出されていたのだ。述べるまでもなく、トルコはEUとの関税協定を重要視している。それだけに、エルドアン大統領もこの問題に、言及しているのだ。*

*
トルコとEUとの貿易額は、現段階では、トルコのEU向け輸出が667億ユーロ、EUのトルコ向け輸出額は780億ユーロにも及んでいるのだ。つまり、トルコとEUはお互いに、大きな貿易のパートナーに、なっているということだ。*

*
一時的な国内問題のために、この美味しい関係を壊そうと、真剣に考える国はあるまい、それはドイツのメルケル首相とて、同じであろう。だから、トルコは今回のトラブルを、ドイツ側の国内問題だ、と言い放っているのであろう。*

*
ただ、現在のトルコの貿易事情は、極めて厳しいものがある。例えば、ロシア向けの農産物や果物は、ほぼ停止した状態にあるし、カタール向けも空輸という、非常手段を講じなければ、ならなくなっている。従って、トルコ側は過剰な反応を、ドイツのメルケル首相とEUに対して、示したのかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 10:17 | この記事のURL
NO4669 8月19日 『ヨーロッパ二つのテロの意味』 [2017年08月19日(Sat)]
*イラクのモースルが陥落し、シリアのラッカもほぼ陥落に近づいた、と見られている。このことは、ISのイラクやシリアでの活動が実質的に、停止状態に近づいている、ということであろう。*

しかし、それはIS(ISIL)の終りを、意味しているわけではない。新たな形での、IS(ISIL)メンバーあるいは支持者の犯行が、続いているのだ。そうした例が、スペインのバルセロナで起こり、14人が死亡し100人以上が負傷するという、大惨事になっている。これは車を人ごみの中に突っ込み、跳ね飛ばし、あるいはひき殺すという、犯行の結果だった。*

同じように、北欧のフィンランドでも、刺殺事件が起こっている。こちらは2人が刺し殺され、6人が負傷するというものだった。その犯行には大型のナイフが、使用されたと報告されている。単独犯行のようだが、警察は他にも関係者がいるものとして、調べている。*

IS(ISIL)がネットを利用し、世界のムスリムの若者に、テロを呼びかけているが、その結果が今回のテロ事件を、起こしたものと思われる、バルセロナ事件の後、いち早くIS(ISIL)は『ISによる犯行だ。』として犯行声明を出しているが、実行犯とIS(ISIL)との関係が、あったのか否かは、確認できていない。*

だが、その事がかえって大きな不安を、ヨーロッパ諸国に人たちに、抱かせているようだ。昨日まで微笑んで、挨拶を交わしていた人物が、今日は突然テロリストに豹変し、何人もの人達を死傷させる、ということが現実のものと、なっているからだ。*

これらの単独犯の若者たちは、何故テロ行為に走るのか、ということについては、経済的な理由、宗教過激派の働きかけなど諸説あるが、一つのことが原因なのではなく、複合的なものが原因なのではないか。*

私が考えるところでは、最大の原因は映画であり、マンガであり、ゲームではないのかということだ。アメリカのハリウッドで作られる映画も、中国で作られる映画も、押しなべて暴力が、主役になっているのだ。もちろん、漫画も然りであり、ゲームも殺人、破壊がその中心になっている。
*
テロリストたちは、それを子供の頃から見続けてきて、現実と仮想の世界に、区別が付き難く、なっているのではないかと思う。もちろん、失業、貧困、差別、嫌悪といった要素も、忘れるわけにはいかないのだが。*

日本ではお笑い番組や、淡い恋愛物の内容の映画が主流であり、テロを生む状況はまだあまり、活発化していない。ただあるテレビ局の朝のドラマでは、役者たちの怒鳴りあいのシーンが、多いことが気になっている。その事にいつも不快感を抱いているのだが、他の人たちはそれを、どう受け止めているのだろうか。*

 ポルノ映像、暴力映像などがはびこると、そこからテロや犯罪が増える危険性がある、という懸念を、もう少し真面目に捉えるべきであろうし、テレビなどは放送を、少し自重すべきではなかろうか、と思うのだが。そうしなければ、明日は日本でも、無差別テロが増えかねないからだ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:30 | この記事のURL
4668 8月18日 『エジプトのインフレは異常な動き』 [2017年08月18日(Fri)]
*エジプトの庶民は毎月上がる、物価値上がりの前に、青息吐息であろう。そうでなくとも、この夏は異常な高温だ。それだけでも大変な生活苦であろう。建物が厚い石やコンクリートの壁で出来ているために、外気が室内を暑くする度合いは、日本とは違うのだが、それでもエアコンが効かないとなると、寝苦しい夜が続くだろう。*

 人口が増えそれに伴って、水の使用量が増え、その結果として、カイロの街も湿度が高く、なってきているのだ、私が留学していた40年前とは、自然条件が全く異なっているのだ。*

 さて、エジプトの経済状況だが、IMFの厳しい指導があり、エジプト政府はエジプト・ポンドの切り下げを進め、5〜60ポンドだった対ドル・レートが、いまでは160〜170ポンドにまで下がっている。つまり、エジプト・ポンドの価値は、半分以下になったのだ。*

 そのことは、エジプトの諸物価を押し上げ、インフレが恒常的になっている。例えば、6月のインフレ率は29・8パーセント上がったが、7月には33パーセントに達しているのだ。なかでも、食品の値上がりはひどいようで、年率43パーセントを超えている、ということだ。*

 こうしたことから、経済立て直しを、何とか実現しようと、シーシ大統領は必死なのであろう。サウジアラビアとの間で進めた、チラン海峡の2島の、サウジアラビアへの返還も、そうした意図によるものであろうし、いま問題になっているサウジアラビア対カタールの対立で、エジプトが選択したサウジアラビア支持も、それであろう。*

 しかし、それだけでは何ともなりそうにない。以前、ある日銀OBから聞いたのだが、IMFの指導に従っていると、経済は破綻するということだ。あるいは、エジプトがいま向かっているのは、経済破綻の方向ではないのか。*

エジプトは結果的に、多くの国家資産を、外国企業に売り出していく、筍生活に入って行くかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 10:50 | この記事のURL
NO4667 8月17日 『リビアの混沌』 [2017年08月17日(Thu)]
ICCがリビア東部のベンガジ市にいる、ムハンマド・ワルファッリを指名手配した。彼はベンガジで少なくとも33人を処刑した、ということのようだ。処刑に当たっては、ムハンマド・ワルファッリ自身が撃ち殺したということのようだ。処刑された人たちは、頭をすっぽり袋で包まれ、撃ち殺されたと伝えられている。*

処刑された者たちは、特別に犯罪を犯した、ということではなく、ムハンマド・ワルファッリの敵対する側の、メンバーだったということであろう。戦争には正義も何も、無いのが当たり前で、正当化は勝者の側が、勝手にでっち上げるものだ。

この犯罪はリビア東部のベンガジで起こっており、当然のこととして、ハフタル将軍の管轄下で起こったことから、彼に何らかの責任が、あろうということだ。

そうであるとすれば、ハフタル将軍はこの事件に対して、何らかの対応を、しなければならないはずだ。ムハンマド・ワルファッリは悪くない、と判断するなり、犯罪者だと判断し、当り前であろう。

何故、ハフタル将軍が動かないのかというと、実はムハンマド・ワリファッリの出身部族が、リビアでは著名な大部族だ、ということにあるのではないか。ハフタル将軍が下手にこのムハンマド・ワルファッリを、逮捕して裁くようなことになれば、ワルファリ部族全体を敵に回しかねない。

リビアの現状はいかにして、多くの部族を抱え込み自分の陣営を、強化するかにかかっている。ハフタル将軍はもとより、セラジ首相の側も同じことを考えていようし、他の有力部族もそうであろう。

そうした状況下では、事の正義か否かは、あまり重きを置かれない、という事になろう。それだけ、リビア国内はいまだに不安定だ、ということだ。リビア東部で有力なハフタル将軍の側も、トリポリで首相職にあるセラジ氏も、共に絶対的な力は持てずにいる。

ハフタル将軍はアラブ諸国や欧米、ロシアを味方に付けることにより、自陣営を優位に立たせる、工作をしているが、未だにしかるべき成果は、出ていないようだ。それは国連もアメリカ、ロシアも、そしてヨーロッパ諸国も、もう少しリビアの様子を見よう、ということなのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:01 | この記事のURL
NO4666 8月16日 『ISはまだ終わっていない、問題は国内事情』 [2017年08月16日(Wed)]
イラクのモースル、シリアのラッカで、敗色を濃くしているIS(ISIL)だが、専門家の一部からは、IS(ISIL)が今後勢力を盛り返してくる、と見る者がいる。その一人はジュネーブの高等研究所の、メンバーであるムハンマド氏だ。
彼の考えによれば、IS(ISIL)は戦略を変えて立ち直るというのだ。彼は[ ISの思想』という本も書いている専門家だ。彼によればIS(ISIL)は場所を変えて、蘇るという読みだ。そして、IS(ISIL)は新たな軍事戦略と政治戦略で、巻き返してくるということだ。
また、他の専門家であるマッショ・ギデールに言わせると、IS(ISIL)は拡大戦略をとるだろうとみている。その根拠は、イラクが今後あらゆる意味で、分裂に直面していく可能性が高いからだ。政治対立、部族対立宗派対立などであり、IS(ISIL)はこの対立を、利用することが出来るというのだ。
 こうした国内対立を防ぐには、政府がしっかりした国民憲章を、制定しなければならない、と主張している。確かに、都市部たとえばモースルでは、スンニー派国民とシーア派国民との、対立が存在する。
 そうした流れのなかで、シーア派のハシャド・シャアビー軍は、イランからの支援を受けているし、イラク、シリアでの影響力も、拡大してきている。
 イラクではバグダッド政府と、クルドのエルビル政府の間に、問題が拡大していることは事実だ。クルド自治政府は国民投票にかけて、イラクからの独立を、進めるつもりでいる。
 確かに、この二人の専門家が主張するように、IS)ISIL)には今後再生の、可能性があることは否定できない。イラクもシリアも、IS(ISIL)を取りあえず片付ければ、抑え込まれていた各派の不満が、表面化するからだ。
 しかし、それが原因でIS(ISIL)が再度、シリアやイラクで大きな力を、得ていくとは思えない。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:33 | この記事のURL
NO4665 8月15日 『政府寄りコラムニスト・アメリカはトルコを攻撃する』 [2017年08月15日(Tue)]
トルコ政府寄りというか、エルドアン大統領寄り、と言われている、ユ−スフ・カプラン氏がエニ・シャファク紙で、彼の持論を展開した。その内容は実に驚くべきものであったため、トルコ国民の間で話題になっている。

そのユースフ・カプラン氏のコラムには、『アメリカがトルコ国内で、内戦を起こすことを、画策している。』というのだ。例えば、アメリカがクルドのYPGに対して、大量の武器を提供していることも、その動きの一部だというのだ。

アメリカは実際に何百台というトラックで、クルドのYPGに、武器を送っている。それはあくまでも、『ラッカのIS(ISIL)掃討作戦に使うものだ。』とアメリカ側は説明しているが,必ずしもそうではあるまい。

アメリカはラッカ作戦が完了した後に、YPGに供与した武器を回収する、とトルコ側に説明した後で、クルドの戦いはその後も続くため、武器の供与は続けられるし、回収することも無い、と言い直している。

トルコの調べでは、アメリカは909台のトラックに、武器を満載してYPGに送ったということだ。しかし、トルコの側はシリアでの、ユーフラテス作戦との関係で、シリア国内の武器については、トルコとSDFが管理すべきものだ、と主張している。

ここからユースフ・カプラン氏の、持論が出てくるのだが、彼に言わせると『西側諸国はトルコの大国化を恐れており、トルコが西側諸国による中東進出を阻止し、地域の独立を守るつもりでいるからだ。』ということだ。

トルコはこのため、最近では、ロシアや中国との、関係を強化してきている。加えて、ブラジルとの関係も強化され、その関係は今後、ますます強いものになって行くだろう、ということのようだ。

こうした西側諸国のトルコに対する敵対姿勢は、彼らが公開した地図を見れば歴然であり、その地図ではトルコが、二分されているというのだ。『昨年7月15日に起こったクーデター未遂事件も、この流れの一部だ。』と彼は主張している。

このトルコを二分する地図というのは、多分、もう10年近く前に発表された、地図のことを言っているのであろう。それはアメリカの軍事雑誌に掲載された、ラルフ・ピーター退役中佐の論文で『新中東地図』というタイトルのものだった。
その論文では、確かにトルコは、トルコとクルドの国に二分される、と書かれてあり、そのことをトルコの国際会議で、私が公表しようとしたところ、会議主催者側からやめてくれ、と言われた記憶がある。
しかし、その会議に出席していた、トルコの元大使が私のところに来て、地図を受け取りこれはとんでもないことだ、と帰って行った。そして3〜4日後、トルコの新聞2紙がこの地図を一面トップに掲載し、論評を加えた。

また、その後ローマで開催されたNATO会議で、トルコ代表がこの問題を取り上げ、抗議したと聞いている。確かに強大化するトルコ、エルドアン大統領の傲慢な発言と外交、そしてNATOやEU
に対する冷たい対応、ロシアや中国への接近は、欧米を震撼させていることであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:20 | この記事のURL
NO4664 8月14日 『ISの戦闘に激しさ増したのか』 [2017年08月14日(Mon)]
戦闘は双方が戦闘をするから、成立するのであって、一方だけが優位に戦ったのでは、戦闘ではなく虐殺、ということになろう。もちろん、この場合優位な側は、戦闘だと主張しよう。

IS(ISIL)はイラクでもシリアでも、相当追い込まれている。長いことはなく、イラクでもシリアでも、終わりを迎えるだろう、と言われてから既に、1〜2か月が経過した。無理もない。この地域での戦争は、そう簡単には終わらず、ずるずると小規模になって行く、性質のものだろう(大陸型)。

IS(ISIL)の最後がまだ見えないなかで、嫌な感じがしているのは、ロシア軍の攻撃が始まるまではIS(ISIL)が絶対優位に立っていたために、イラク軍もシリア軍も追い込まれた、感じであったということだ。

現在の戦争終了が遅れていることは、あるいはそこに原因があるのかもしれない。イラク、シリア軍だけではIS(ISIL)をきちんと、追い込めないのではないか。そうだとすれば、今後、再度IS(ISIL)が優位に立つことも、考えられるのではないか。

アメリカ軍の兵士がイラクとシリアの国境近くで、戦死したようだが、これはアメリカをして、戦闘意欲を無くしていき、政府も介入を止めよう、と考えるかもしれない。それは、ロシアも同じようなものであろう。ただ、ロシアは直接的な利害が、シリアにはあるため、簡単に店じまいをすることはなかろう。

ロシアはシリア国内にタルトースの海軍基地を持ち、これは現段階では唯一のロシア海軍が利用できる、地中海沿岸の軍港だ。そのため、シリア問題はこの軍港の利用が可能な形でなければ、終わらせるわけにはいくまい。

アメリカ側はどうかといえば、カタール―を始めとするガスのイラク・シリア経由ルートが、確保できればいいということだ。それは、ほぼ達成されたと言えるのではないか。そのために、アメリカはシリアのクルドYPGに対して、大量の武器を送っているのであろう。

ただ、この武器は必ずしも、IS(ISIL)との戦いのために、送られているのではあるまい。それよりも、トルコへの攻撃が主たる理由かもしれない。トルコの南東部では、大量の武器を積んだIS(ISIL)の、トラックが捕まっている。

しかし、それは形だけのものではないのか。トルコ政府はシリアのクルドが力を増して行くなかで、IS(ISIL)を盾に使おう、と思っているのではないかと思われる。幾つかの、IS(ISIL)の戦闘員とトラックを捕まえ、あとは黙認するという事であろうか。

 イラクとシリアではIS(ISIL)との戦いが、ぐずりながらも小規模化していき,戦場はトルコに、移っていくのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:35 | この記事のURL
NO4663 8月13A 日 『『イスタンブールのトプカプ宮殿崩壊の危機?』』 [2017年08月13日(Sun)]
*
世界的に有名なトルコのイスタンブールにある、トプカプ宮殿が崩壊し、海に落ちるのではないか、という懸念が沸き起こっている。ことの始まりは、フリエト紙のオメル・エルビル記者が書いた、記事によって始まったものであり、他のマスコミもこれに追従する形となり、大騒ぎになったのだ。*

当然このことは、トルコ政府の関心も呼び、1
月には調査が行われたようだ。そしてつい最近、ヌーマン・クルトウルムシ文化観光大臣が、その心配は無いと明言した。そうであろう、マスコミが書きたてたように、トプカプ宮殿が崩落して海に落ちるようなことになれば、まさにトルコにとっての最大の恥であり、観光遺産を失うことにもなる

トプカプ宮殿はスルタンの居城であったが、現在では観光スポットとしてばかりではなく、文化センターなどにも使われている。

そもそも、トプカプ宮殿が崩れ落ちて、海に埋没するのではないか、という不安が沸いたのは、この近くを通る、マルマリ・オウロッパ海底トンネルの完成や、地震などで地盤が緩んだため、ということのようだ。

ヌーマン・クルトウルムシ文化観光大臣は政府が1
月から、補強工事をしているので、問題無いと語った。もし、マスコミが書いているようなことになれば、エルドアン大統領の進めるメガ・プロジェクトは、国民の非難を受けることに、なりかねないだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:17 | この記事のURL
NO4662 8月13日 『エジプトの若者の実態』 [2017年08月13日(Sun)]
エジプトの人口が1億人を超えるのはすぐだ、ということを報告したが、その人口に占める若者の割合が、多いことに驚かされる。しかも、その多くは大学を卒業しており、インターネット,携帯電話に通じてるのだから、何かがあれば一気に暴発する、危険性を抱えているのだ。

エジプトの18歳から29歳までの若者人口は、全人口9300万人のうち2170万人に達しており、全人口の23・6パーセントに当たるのだ。

若者が暴発する危険に近づくのは、就職問題であり、結婚問題であろう。それ以外の問題は、それほど危険だとは言えまい。その就職状況については、若者の26・7パーセントが職無しの状態にある。つまり失業者なのだ。

この若者たちの構成割合は、51パーセントが男性、49パーセントが女性だ、ということだ。そして、結婚している男性の割合は、62・6パーセント、女性の既婚者の割合は、83・6パーセントとなっている。

しかし、離婚率は高く、男性の離婚率は23・2パーセント、女性の離婚率は43・6パーセント、と報告されている。女性の離婚率のほうが高いのは、女性の感情爆発が、男性に比べ激しいからであろう。

エジプトの労働人口の、67パーセントが男性、女性は29・4パーセント。職無し男性の割合は21・6パーセント、女性は38・8パーセントが職に就けないでいる。この職にありつけない人達の、37.7パーセントは大学卒なのだ。男性は29・8パーセント、女性は48・4
パーセントが、大学を出ても就職できないで、いるということだ。

それでも若者たちは、新しいモノには興味が強く、62パーセントの若者がコンピューターを使い、96・7パーセントが携帯電話を、使っていると報告されている。加えて彼らの61・9パーセントがインターネットを利用し、インターネット利用者のうち、76・8パーセントがフェイス・ブックやツイッターと、繋がっているということだ。

エジプトのアラブの春革命で、若者たちはインターネットやフェイス・ブック、ツイッターを活用して、大衆 動員をかけ、革命に成功しているのだ。大学卒、インターネット、ツイッター、フェイス・ブック、そして作戦本部には若い男女が。社会道徳から解き放たれたように、集まってもいた。それが革命のエネルギーに、なっていたのだ。

こうした状態は、極めて危険といえるのではないか。ツイッターやフェイス・ブック、インターネットは、大衆革命だけではなく、IS(ISIL)のような過激な集団へのアクセスを、容易にするということであり、若者たちはそこから、強い影響を受けよう。

 しかも、彼らは高学歴者であり、政府や社会に対する不満は、強いものと思われる。そこでは自分を正当化するために、イスラムの正義に取り憑かれていく、危険性が高いのだ。

 結婚問題も然りであり、性的不満が暴発するエネルギー源の、一つになっている。これは押しなべて、イスラム社会に見られる傾向であろう。それはイスラム社会が、極めて厳しい道徳観によって、規制されているからだ。

 かつて大衆の不満を解消するには『スポーツ、シネマ、セックスの自由を認める。』ということが言われたが、イスラム社会ではそうはならないのだ。その分、統治者たちの負担は、大きいということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:56 | この記事のURL
NO4660 8月12日 『ヨルダンがイラクとの関係強化希望だが』 [2017年08月12日(Sat)]
ヨルダンのアイマン・サファデイ外相が、イラクのアバデイ首相と会議を持ち、そのなかで、ヨルダン・イラク両国のあらゆる面での、協力促進について話し合った。なかでも石油パイプ・ラインの再開問題は、最も重要なものであったようだ。

ヨルダンとイラクとの間には、バスラからアカバに通じる、ツイン・パイプ・ラインの完成が待たれている。このパイプ・ラインが完成すれば、イラクから石油やガスが、ヨルダンに安価で供給されるだけではなく、西側市場にも送られることになるのだ。

従って、パイプ・ラインの完成はイラクにとっても、ヨルダンにとっても緊急性を持つ、重要な課題ということになろう。なお、イラクがヨルダンに対して、特別安価で石油を供給していたのは、サダム体制の時代からのことだ。

ヨルダンとイラクとの間では、このことに加え、ヨルダン・イラク国境の開放も、話し合いのテーマに上っている。もし両国の国境が開放されれば、人の移動が自由になり、しかも物資の移動も容易になる。

ヨルダンは自国の製品だけではなく、他の国の製品も陸路で運ぶことになり、その事はヨルダンの経済を、大いに潤すことになる。イラクが平和な時代には、ヨルダンのアカバ港で陸揚げされた、外国からのあらゆる物資が、トラックでイラクに運ばれていたが、それはまさに数珠繋ぎの状態に、なっていたものだ。

この一見すばらしい、イラク・ヨルダンの協力促進にも、問題が無いわけではない。述べるまでも無く、いまはイラクで敗北した、多くのIS(ISIL)
の戦闘員が、外国への逃亡経路を、探している。

ヨルダンとイラクとの陸路が解放され、国境のゲートも開放されれば、難民などに身分をごまかしたIS(ISIL)
のメンバーが、ヨルダンに流れ込む危険があるからだ。彼らがヨルダンに入り込めば、幾らでも隠れ家はあろう。反政府思想を持つヨルダンのパレスチナ人の多くが、彼ら
IS(ISIL)の味方に、なってくれるからだ。

当然のことながら、それはヨルダン政府も予測していよう。従って、万全の治安対策が採られる、ということであろうが、そううまくはいかないのではないか。イスラエルでもトルコでも、治安維持のための壁が建設されたが、ヨルダンとイラクとの間でも、今後、治安維持のための壁の建設が、必要になるかもしれない。

経済的なメリットを優先させ、治安問題を放置すれば、やがてはヨルダンもシリアやイラクのような、内戦国家になる危険性がある、ということだ。ヨルダンのアメリカや
NATOとの軍事協力は、誰しもが知るところであるだけに、IS(ISIL)とすれば、ヨルダンは是非攻撃したい国の、一つであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:02 | この記事のURL
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