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NO4721 10月21日 『ラッカ陥落後に待ち受ける米への重圧』 [2017年10月21日(Sat)]
*シリアのラッカが、SDF(シリア民主軍)の手に落ちた。IS(ISIL)はほぼ完全に、ラッカから追放され、あるいは殺害され、あるいは逮捕されたようだ。その事はラッカ住民にとって、最高の喜びであろう。*

 しかし、その後には、ラッカがIS(ISIL)侵入前のような状態に、回復出来るのか否かという問題が、持ち上がってくる。あるいは、シリア軍がラッカに、圧力を掛ける前の状態、つまり、シリア内戦ガ起こる前の状態に、戻すということだ。

 この現実を前にして、アメリカ政府は相当頭を、悩ましているものと思われる。アメリカ政府はラッカ住民に、家を建ててやり、食糧を与え、学校を再開してやらなければ、ならないからだ。医療サービスも必要であろう。

 2014年以来、ラッカを支配下に置いていたIS(ISIL)は、そこで法を定め、通貨を発行し、パスポートを発行していたのだ。IS(ISIL)は彼らの組織を、イスラム国家と名乗り、ラッカをその首都だ、と宣言していたのだから、ある意味ではこうしたことを行ったのは、当然であったろう。一時期は、マスコミを通じて、IS(ISIL)の発行した金貨の写真が、広く報じられてもいた。

 アメリカ政府はラッカの住民に対して、人道的な援助を送ることは当然であり、IS(ISIL)のもたらした精神的拘束からも、解放しなければなるまい。また、各所に設置された爆弾、地雷なども、撤去しなければなるまい。

 そして、ラッカに地方政府を設立し、民主化も図らなければなるまい。それには、地域の人種民族への、権限の配分も考慮しなければならない、ということだ。そうしなければ、新たな衝突がラッカの住民の間で、起こってしまう危険性があろう。

 シリア政府にしてみれば、アメリカの息のかかった、新しいラッカの誕生を、邪魔したいと思うだろうし、ロシアやイランもしかりだ。つまり、アメリカが努力しても、ラッカは極めて不安定な状況に、あるということだ。

 莫大な資金と、ラッカの正常化への地方政府に対する、統治支援には、アメリカから多くの分野にわたる、専門のアドバイザーも、送り込まなくてはなるまい。それ無しには、ラッカ住民だけでは戦後の復興には、時間がかかり過ぎてしまうからだ。

 だが、そのラッカへの支援に、アメリカ政府はどれだけの資金をつぎ込み、専門のアドバイザーを、送り込めるだろうか。それに比べ、イランやロシアの方は、アメリカが考えるような、贅沢なことは考慮しないであろうから、復旧は案外早くできる可能性がある。

 アメリカはこの場合も、世界に呼びかけて、負担を強いるのであろう。国連はそのいい道具になろう。もちろん金満大国の日本は、応分の負担を強いられよう。日本政府はいまのうちから、覚悟しておいた方がいいだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:20 | この記事のURL
NO4720 10月20日 『IS幹部トルコへ逃亡・地獄の沙汰も金次第』 [2017年10月20日(Fri)]
*シリアのIS(ISIL)の首都とされていた、ラッカがSDFの攻撃の前に陥落し、その後、IS(ISIL)の戦闘員は、シリア各地に離散している。ラッカに残った者のほとんどは、殺されたようだ。*

*しかし、IS(ISIL)の幹部たちは、トルコ領土に逃亡したようだ。シリアのラッカを始め、デルズール、ホムス、北アレッポといった場所から、トルコに逃亡している、ということだ。*

IS(ISIL)の幹部たちは、トルコ側に対して、2〜3万ドルの現金を渡すことのよって、トルコ領に入れたということだ。その2〜3万ドルが一人に付き、なのか、団体に付き、なのかは分からないが、多分一人に付きではないかと思われるが、トルコ側にとっては結構ないい取引であろう。

トルコへの逃亡の際、IS(ISIL)の幹部たちは、アレッポの北に集結し、その後、シリア・トルコ国境地域に移動し、次いでトルコ領土内に、逃れた模様だ。

同じように、シリアの北部のハサカからも、数百人のIS(ISIL)メンバーが、トルコ領内に逃亡している。逃亡者の内訳は外国人、シリア人などさまざまなようだ。

これまでトルコ政府がIS(ISIL)に対して、影で種々の便宜供与をしていたことは、既に多くの人達の、知るところとなっている。トルコ政府はIS(ISIL)に対して、武器を供与し、サウジアラビアやカタールから送られる、資金を手渡し、戦闘員の入国と通過も、黙認してきていたのだ。

また、IS(ISIL)の多くの戦闘による負傷者の治療も、トルコ国内の病院で行われてきているし、その病院はIS(ISIL)のメンバーだけのものであり、その責任者はエルドアン大統領の、娘だということも知られている。

従って、今回のようなIS(ISIL)戦闘員や、幹部のトルコへの逃亡は、黙認されて当然であろうし、あるいはトルコ政府が、後ろでそれを、支えているのかもしれない。

もうひとつは、トルコとシリアとの間には、幾つもの密輸ルートが出来ており、これまで、そのルートを通じて消費物資が、トルコからシリアに送られていた。また、シリアからはトルコに向けて、石油の密輸が行われており、ロシアは数百台のタンク・ローリーの車列を空爆したが、ロシアは攻撃の後、その空爆の写真を、公開してもいる。

このシリアの石油のトルコへの密輸は、エルドアン大統領の子息ビラールがやっていたことも、良く知られている。トルコのエルドアン一家は、IS(ISIL)への支援で、相当の利益を上げていたものと思われる。

それにしても、ラッカの陥落はまさに『地獄の沙汰も金次第』を証明することになったようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:40 | この記事のURL
NO4719 10月19日 『サイフルイスラーム・カダフィ政治復帰』 [2017年10月19日(Thu)]
*リビアのカダフィ大佐の次男サイフルイスラームが、政治の世界に復帰した、とカダフィ・ファミリーの弁護士ハーリド・ザーイデイが語った。この弁護士はチュニスに事務所を抱えている。*

*彼は頻繁にサイフルイスラ−ムと、電話連絡しているということだが、サイフルイスラームがいま何処にいるのかを、明かしてはいない。サイフルイスラームはズインタンから釈放されたと言われているが、サイフルイスラームの事務所が何処にあるのかも、明かしていない。*

*しかし、サイフルイスラームがリビア国内で、各部族と連絡を取り、政治活動を開始していることを、明言している、また、サイフルイスラームの健康状態は、心身ともに良好だ、とも語った。*
 サイフルイスラームはいまだに、国内外の裁判所が戦争犯罪者として、逮捕しようと思っているが、彼は父親の跡を継ぎ。リビアの建て直しを、する意志が固いようだ。彼に対してリビアのトリポリ裁判所は、欠席裁判で死刑判決を下している。また、国際刑事裁判所も逮捕を命じている。*

 さて、このリビアの大スターを、トリポリのセラジ首相が抱きこむのか、あるいは東部のハフタル将軍が抱え込むのか、興味深いところだ。彼は何と言っても、混乱が続くリビアでは、大物であろうし、国民の期待も大きいだろう。リビア国民は戦いと貧困に疲れ切っているはずだ。

 もちろん、サイフルイスラームは自身で部族を引き寄せ、一大勢力を結成していくかもしれない。平易な言い方をすれば。彼はまさにリビアの台風の目であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:11 | この記事のURL
NO4718 10月18日 『クルドは戦わずに何故キルクークを手放したのか』 [2017年10月18日(Wed)]
* クルドの軍隊であるペシュメルガは、最初にシリアのコバネでの戦いで、圧倒的な強さと勇敢さを示し、それまでシリア軍もイラク軍も勝てなかった、ISに勝利している。*

その勇敢なクルドが、何故今回はキルクークでの、イラク軍との緊張のなかで、戦わずにキルクークをイラク軍に、明け渡したのであろうか。バルザーニ議長の頭のなかには、どんな考えがあったのであろうか。

そして、そもそもクルド自治政府は、何故多くの国々が反対するなかで、強引に住民投票をして、クルド地区のイラクからの分離独立を、問うたのであろうか。バルザーニ議長は今回の、キルクークからのペシュメルガ軍引き上げの後『住民投票の結果をゴミ箱に捨てるつもりは無い。』と語っている。

つまり、ペシュメルガ軍がキルクークから、戦わずにして撤収したのは、計算づくだったということであろう。それは単純に考えると、イラクの一大産油地であるキルクークで、もしクルドのペシュメルガ軍と、イラク軍が戦闘することになれば、多くの死傷者を出すばかりではなく、油田地帯の施設も油井も、破壊されたことであろう。それでは、その後の復旧までに膨大な資金と、時間を必要とすることになろう。

クルド自治政府はキルクークでの、イラク軍とのにらみあいのなかで、ペシュメルガの持つ装備と規模を、十分にイラク軍側に示し、知らしめたことであろう。それにもかかわらず、バルザーニ議長がペシュメルガ軍を、撤収させたということは、イラク政府に対してその後に政治交渉をしろ、とメッセージを送ったということであろう。

 いったん戦闘が起こらなくなったいまでは、ゆっくりとバルザーニ議長はイラク政府との政治交渉開始に、備えることが出来るようになったということだ。そして、その政治交渉を早急に始めろという要求は、周辺諸国や欧米から起こってこよう。

 この政治交渉については、アメリカは現状では中立の立場を採る、と言っているが、裏ではクルド自治政府を支援して、有利な合意を生むように、イラク政府に働きかけることになろうし、ヨーロッパ諸国も然りであろう。

 トルコとクルド自治政府との関係は良好だったし、クルド自治政府との間には、経済的メリットも石油の輸入や企業進出で大きい。従って、トルコ政府は自国の経済利益を、最優先して動くことになろうから、クルド自治政府の敵にはなるまい。

 イラク政府はクルド地域が、イラクから分離独立することは、国家としての面子を失うことになり許せまい。またそれを許せば、他のアラブ諸国でも、分離独立の動きが激しくなり、せっかく安定化に向かい始めた状態が、元の戦闘状態に戻ってしまう危険性があろう。
 そうなると、今後のイラク政府の選択肢は、クルド地域の石油利益をどう配分するのかということと、イラクは今後、クルド地域を含む連邦国家にする、というあたりが落としどころではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:19 | この記事のURL
NO4717 10月17日 『今後も続くアメリカのクルド全面支援』 [2017年10月17日(Tue)]
*アメリカがイラクのクルドを、支援し始めたのは、1960年代の後半から、1970年代であろうか。イラクの体制と対立していたアメリカは、クルドを利用してイラクへの介入を、強化していたということだ。*

*イラクのクルドは、サダム体制からの弾圧の下で、アメリカのスパイとして活動していた、ということだ。そして、イラクのクルドを支援していたもう一つの国はイスラエルだった。イスラエルにしてみれば、『敵の敵は味方』という発想だったのであろう。*

*シリアでもアメリカが一番支援したのは、クルドの部隊であり、今回進められている、ラッカからのIS掃討作戦でも、クルドを中心とするSDFが、主力となっている。その作戦は成功裏に進み、ラッカからのIS掃討作戦は、ほぼ終了した形になっている。*

 いまイラクでは、キルクークの支配をめぐり、クルド自治政府とイラク政府が、武力衝突の一歩手前にあるが、アメリカはどう動くのであろうか。アメリカはこの緊張のなかで、中立の立場を採ることを、決めたと言っている。

 実はアメリカは中立ではなく、クルドを支援する意向のようだ。イスラエルからの情報によれば、アメリカはイラク軍がクルドに対して、攻撃を加えた場合には、イラク軍を攻撃する、と語っているのだ。

 これはアメリカが今後も、クルドを自国の道具として使っていく、ということの意思表示であろう。またその必要は、何処にあるのかといえば、イラク政府に対する圧力であり、イランをも伺う、ということではないのか

 今回のアメリカのクルド支援の発表は、アメリカの本音がばらされた、ということであろうか。それはトランプ政権の情報管理が、ずさんなためなのか、あるいはアメリカには、迎える国は無いという、傲慢な姿勢から出たものでであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:01 | この記事のURL
NO4716 10月16日 『キルクークにPKKが支援部隊戦闘参加か』 [2017年10月16日(Mon)]
*イラクからの分離独立をめぐり、北イラクのクルド自地政府と、イラク中央政府が対立し、このなかでキルクークの領有をめぐり、両者の関係は悪化の一途を、たどっている。それは述べるまでも無く、キルクークがイラクのなかで、最も大きな石油地帯の、一つだからだ。*

*クルド自治政府は自軍のペシュメルガを、キルクーク地域に送り込み、死守する構えのようだが、これにトルコのクルドのテロリスト組織PKK(クルド労働党)が、支援に入ったようだ。*

 キルクークの領有問題については種々あるが、サダム体制下でキルクークをアラブ・イラクの地域にするために、サッダーム・フセイン大統領はアラブ人を移住させ、クルド人を追放し、キルクークをアラブの地域にすることを、狙っていたといわれている。

 このため、多くのクルド人がキルクークから追放され、住民の大半がアラブ人に変えられた、という経緯がある。それはあたかも、イスラエルがパレスチナ人を追放して、イスラエルの土地だ、としたことに似ている。

 当然のことながら、それはクルド人の怒りを呼び、サダム体制崩壊後には、その逆の現象が起こり、クルドのペシュメルガの部隊が、今度はアラブ人を追放し、クルド人をキルクークに帰還させる、という現象が起こっていた。

 キルクークをクルド自治政府が支配するのか、イラク中央政府が支配するのかで、今後の状況は一変することになる。クルド自治政府が支配下に置けば、クルド自治政府は経済的な問題が無くなり、豊かな国家として独立し、兵器も装備し、イラク中央政府は手を、出し難くなる危険性があろう。

 もし、キルクークをイラク中央政府が支配すれば、その逆の状況が生まれるということであり、クルド自治政府は独立が困難となり、自治権を付与され、イラク中央政府がくれる石油収入の分け前を、受け取るだけとなろう。

 こうした事情から、今回のキルクークをめぐる戦いには、トルコのPKKが参戦する形になったのだ。それは、PKKがこれまで、クルド自治政府から、同地域のカンデール山に拠点を持ち、留まることを許可され、トルコ軍の攻撃から守られていた、ということがあるからだ。
 
 つまり、単純な言い方をすれば、トルコのPKKはクルド自治政府の危機にあって、援軍を送ることで、これまでの好意に対して、お礼をしているということだ。

 しかし、話はそれだけではあるまい。いまクルド人たちの頭の中にあるのは、トルコのクルドもイラクのクルドも、クルド国家の樹立であり、それにはイラク北部だけではなく、トルコの東部の地域も、包含されるということであろう。

 こう予測するのは、私だけではあるまい。当然のこととして、トルコ政府も同じような懸念を、抱いているものと思われる。そうなると、クルド自治政府とイラク政府による、キルクーク支配をめぐる戦闘が、クルド自治政府のペシュメルガ軍と、イラク軍の間で起これば、トルコ軍が介入する可能性が極めて高くなろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:24 | この記事のURL
NO4715 10月15日 『ISはモースルに続けてラッカも敗北近い』 [2017年10月15日(Sun)]
*IS(ISIL)のイラクのモースル敗北は既に完了したが、IS(ISIL)が彼らのイスラム国家の首都だと語っていた、シリアのラッカの拠点も失いそうだ。既に、敗北の兆候は明確になってきている。*

*ラッカ作戦はアメリカが立案し、主にクルドのSDFが攻撃に当たっていたが、このSDFの攻撃が効を奏したのであろう。ラッカからの市民の脱出や、IS側の脱出などが、SDFとIS(ISIL)との間で合意され、これまでに何度か実施されたようだ。*

*そして遂に、SDFはラッカの85パーセントを、解放したと宣言するに至った。それはまんざら嘘ではあるまい。IS(ISIL)はここでも、もう戦闘を継続する能力を失なったようだ。そうなるとIS(ISIL)は今後どうするのか、ということが注目される。*

*SDFによるラッカ攻略が成功しているのは、一言でアメリカが与えた武器の、種類や量が潤沢だということであろう。もちろん、SDFの戦闘員の戦闘意志と、その能力が高いことも、評価すべきであろう。*
 以前、シリアのコバネでの戦闘で、クルドのミリシアはIS(ISIL)との戦闘に勝利しており、SDFは主体がクルドであることから、SDFの戦闘員には、IS(ISIL)に対する恐れは、無かったのであろう。*

*もう一つのポイントは、アメリカがシリアのラッカでは、既にIS(ISIL)を必要としなくなった、ということであろう。そうでなければ、アメリカはIS(ISIL)に対して、空輸で武器を送っているはずだからだ。*

*アメリカはシリアでもイラクでも、何度もIS(ISIL)側に対して、武器や医薬品その他の物資を、空中から投下して支援していたのだ。*

 いま、アメリカはIS(ISIL)の戦闘員を、シリアのデルズールやイドリブに集結させ、それをSDFに攻撃させるという、方針なのかも知れない。イドリブには親切にも、トルコ軍が出向いているのだから、戦闘はIS(ISIL)側にとっては、ますます不利なものになる、ということであろう。

 もちろん、アメリカはそうしたIS(ISIL)の窮地にあって、幹部と家族だけは救う手立てを、しているのであろう。今後、デルズ−ルやイドリブで、IS(ISIL)が掃討されていくなかでは、アメリカ軍による、IS(ISIL)幹部救出作戦が、ヘリを使って行われた、というニュースが何度か飛び出してこよう。

そのニュースが頻繁になってきたときが、IS(ISIL)のラッカ敗北の、明らかな兆候ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:28 | この記事のURL
NO4714 10月14日 『火を吐くエルドアンの反EU演説』 [2017年10月14日(Sat)]
*アメリカに対して『トルコはアメリカを必要としない』とエルドアン大統領が発言したのは、つい数日前だった。そして今度は、EUに対しても『お前たちは正直ではない、トルコはEUを必要としない。』という内容の発言を10月13日にしている。*

*エルドアン大統領はトルコのEU加盟について『お前たちが正直なら、EUはトルコを加盟させたくない、とはっきり言うべきだ。我々はEU加盟を必要としてはいない。』と語ったのだ。つまりトルコのEU入り交渉は、もう止めにしようということだ。*

*エルドアン大統領が腹を立てているのには、ビザ・フリーの問題がある。トルコがEUのメンバー国になり、トルコ人がビザ無しでヨーロッパ諸国を、訪問できることを望んで、交渉してきたのだが、未だにこの問題は進展していない。*

*エルドアン大統領は相当このビザ・フリー問題で、腹を立てているのであろう。それは多くのトルコ人が、自由にヨーロッパ諸国に入ることを、強く望んでいるからだ。なかでもドイツ訪問は、300万前後のトルコ人が居住しているために、トルコ国民の間から強い要望があるのだ。エルドアン大統領は『俺たちは哀れに、EU入りのビザを待ち続けるのか?』と問いかけている。*

*エルドアン大統領はEU諸国が、本音を隠してトルコを、EUに入れないようにしている反面、テロリストたちには手あつい対応をしている、と怒っているのだ。ヨーロッパではトルコがテロリスト組織とみなしている、幾つものグループが自由に行動し、現地政府から生活支援を、受けてもいるのだ。*

*『ヨーロッパ諸国はテロリストに対して、自由を与えているが、彼らは正統なトルコ政府に攻撃を仕掛けている。』とエルドアン大統領は怒鳴りまくっている。EU諸国はトルコに対して、昨年7月15日に起こったクーデター以後、人権無視の対応をしている、とも非難しているのだ。*

*なかでもトルコとドイツの関係は、最悪の状態にある。ドイツのメルケル首相は公然と『トルコはEUに加盟させるべきではない。』と発言しているのだ。そのドイツはトルコにとって、最大の貿易相手国であり、関税合意が結ばれているのだから、話はややこしい。*

 エルドアン大統領は今年実施された、大統領権限拡大の国民投票で、在EUのトルコ人との大集会を企画し、閣僚を派遣したのだが、ドイツはもとより、オランダでもオーストリアでも、集会は全て禁止されている。その問題もエルドアン大統領が、激怒している理由の一つだ。

 さて、エルドアン大統領のアメリカに次ぐ、EUへの決別発言は、今後どのようはリアクションを、引き起こすのであろうか。ヨーロッパ人は総じて冷静な対応をするのであろうが、それは言い方を変えると、冷血な対応ということになる。エルドアン大統領が激高すればするほど、EU諸国の対応は厳しいものになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:32 | この記事のURL
NO4713 10月13日 『エルドアンのアメリカへの啖呵』 [2017年10月13日(Fri)]
*トルコのエルドアン大統領とは、何処まで強気な人物なのであろうか。この強気は外部の圧力に対してなのであろうか、あるいはまた国民の前での、エエカッコシーなのであろうか。

*最近、トルコとアメリカの関係は、劣悪のレベルに突入している。それはアメリカ側が、トルコ人に対するビザの発給を、停止しているためであり、トルコもまたアメリカ人に、ビザを発給しないことになっている。双方がお互いを拒否した、ということであろう。*

このトルコとアメリカとの関係悪化の原因の一つは、現在アメリカに居住している、ギュレン氏の引渡しをめぐって始まった。トルコはギュレン氏を、昨年7月15日に起こったクーデターの、張本人だとしているのだ。しかし、アメリカは何の証拠も無いので、引渡しは出来ない、としてきている。

以来、トルコはNATOやアメリカの反対を無視して、ロシアからS400ミサイルの輸入を決め、他の武器の製造協力も話し合っている。つまり、トルコはアメリカよりもロシアを、信頼しているということだ。

アメリカもシリアのラッカ作戦では、トルコの意向を無視して、YPG(クルド・ミリシア)との協力で進めるとし、大量の武器を供与してもいる。その事は、潜在的なトルコの脅威になり、トルコはYPGへの武器供与を、阻止しようとしたのだが、アメリカは完全にトルコの意向を無視し、ラッカ作戦が完了しても、武器を供与し続ける、と公言している。

アメリカはトルコのインジルリク空軍基地からは、何時でも出て行けるとしながらも、ここを押さえることによって、トルコに圧力を掛けるつもりのようだ。こうしたことが、トルコのエルドアン大統領を、激怒させ続けているのだが、結果はどうなるのであろうか。

今回のビザ問題では、エルドアン大統領は激怒し、『わが国は民主国家であり部族国家ではない。トルコを民主国家として受け入れないのであれば、我々はアメリカを必要としない。』と言ってのけたのだ。

ビザについて、エルドアン大統領はあくまでも、アメリカ大使ドン・バス氏の個人的な判断だとしているが、もちろん、これはアメリカ政府の判断であり決定だ。そこには強気の発言とは別の、アメリカへの妥協があるのかもしれない。

実際にユルドルム首相や外相は、アメリカとのビザ問題は解決したいし、間も無く解決されると発言しており、大統領府のイブラヒム・カルン報道官も『簡単に解決する問題だ。』と語っている。

加えて、エルドアン大統領が国籍を与えた、イラン人ビジネスマンのザッラブについて、アメリカは彼を利用してトルコに、圧力をかけていると語っている。実際には、彼はトルコとイランの暗殺を恐れて、アメリカに逃亡し自首したのだ、と言われている。

エルドアン大統領にしろ、トランプ大統領にしろ、強気の暴言を吐き、それを政府のスタッフが尻拭いをしている、という感じがする。その意味ではトランプ大統領にはエルドアン大統領の真意が、手に取るように、分かっているのかもい知れない。

エルドアン大統領の強気は、実はエルゲネコンの圧力があるからかもしれない。エルゲネコンはギュレン・グループを撲滅したい、という立場に立ってきており、いまではエルドアン大統領と、立場が一致しているのだ。トルコの動きは実に興味深い。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:03 | この記事のURL
NO4712 10月12日 『スパイ合戦はインターネットの時代』 [2017年10月12日(Thu)]
*世界は相互に敵国の情報をキャッチして、対応をはかるというのが、最近、特に目立って来ている傾向であろう。経済情報、技術情報、治安情報、軍事情報、政治外交情報と、その範囲はきわめて広い。*

*ある国が新しい技術を開発すると、その会社の自動車のエンジン部分の技術や、デザインを盗む国もあろう。その事によって、相手国よりも優位に立つことが、出来るのだ。従って、産業分野ではいかに早く、相手の情報を引き出すか、盗むかということが、勝敗を決めるのだ。*

*その情報は相手の企業や、国のコンピューター・システムに入り込んで、盗み出すのだ。椅子に座り、コンピューターを見ている何の変哲も無い男が、とんでもないスパイに、なっているのだ。もう007は古いのだ。*

*軍事技術も然りであり、相手国の軍の配置なども、分かってしまうし、その国がどの国と、どのような協力関係にあるのかも、分かってしまうのだ。その世界にはプロがおり、彼らはハッカーと呼ばれている。*

*世界的に著名なハッカーは、元アメリカ政府のスタッフだった人物で、彼はアメリカ政府の機密書類を、次々と盗み出し、世界に公表した。結果的に、アメリカは極めて難しい状況に、追い込まれることとなった。*

*もちろん、アメリカ政府はこの人物の、逮捕を考えたのだが、ロシアやヨーロッパ諸国が彼の利用価値を認め、匿うようになっている。彼の名はスノーデンだ。いまではコンピューターの、ハッカーの世界では、神様並みの高い評価を得ている。*

*つい最近起こったことは、イスラエルのハッカーが、ロシアのコンピューターに潜り込み、アメリカに関連した情報を、引き出したことであろう。結果的に、ロシアはアメリカに対する、一定の計画を再構築しなければならなくなっている。それは金額にすると、とんでもない額に、相当するのではないか。*

*トルコもやはり同じように、反政府と目される人物たちの、電話を盗聴している。ギュレン・グループのメンバーの電話を盗聴し、会話している双方を逮捕するのだ。もちろん、彼らの間で行われていた銀行送金も、監視下に置かれている。*

*このため例えば、日本にいるギュレン・グループのメンバーが、トルコにいる親に電話したくても、出来ないのだ。そうすることは、親を逮捕させることに、繋がるからだ。また東京でお金が儲かっても、トルコにいる家族に送金することも出来ないのだ。*

*ギュレン・グループのメンバーの、会社や個人のコンピューターは、世界中でトルコ政府の監視下にあるということであり、ギュレン・グループのメンバーの会社の内情も、全て把握されてしまっている。こうなると小さな不法も、許されなくなるのだ。*

*
日本でも時折、個人情報がばらされたという話が、マスコミで取り上げられるが、個人の血液型、住所、電話番号、銀行口座、使用メールの内容などは、全て筒抜けだと思った方がいいだろう。つまり、いまの時代は個人の秘密など無いのだ。ましてや国家は。*
Posted by 佐々木 良昭 at 08:39 | この記事のURL
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