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NO4230『成果なしのバイデン訪土トルコ不満』 [2016年08月25日(Thu)]
アメリカのバイデン副大統領がトルコを訪問し、エルドアン大統領、ユルドルム首相、ジャウイーシュ外相、イスマイル・ハッキ国会議長らと会談した。しかし、何の成果も生まなかった、とトルコ側もアメリカも側も、判断したようだ。

特に、トルコ側はギュレン氏引き渡しについて、明確な返答が得られなかったために、不満は募っている。バイデン副大統領は『我慢しろ。』とのみ応えたようだ。それは、オバマ大統領にはギュレン氏に関する、トルコ側の提示したギュレン氏と、クーデターを結び付ける証拠が、不十分だという判断に、立っているからだ。

しかし、このことについて、トルコ側はウサーマ・ビン・ラーデンの場合は、不十分な証拠でも、軍事侵攻まで実施している、と反論している。

バイデン氏は『特定の人物の引き渡しについて、それを実施しないことは、何の利益にもならない。』とも語ってる。そして、『問題は法的に引き渡しが、合法か否かのみにかかっている。』と言ったようだ。

アメリカにしてみれば、在米のギュレン氏と、トルコで7月15日に起こったクーデターと、直接結び付ける何の証拠も無い、ということであろう。

トルコのエルドアン大統領は、当初一部の軍人が、クーデターを計画した、と説明し、次いでギュレンがそのバックで指揮していた、と言い出し、ついにはギュレン氏とCIAがクーデターを企てた、とまで語るようになった。

これでは、何の理論的筋立ても、無いではないか。単にエルドアン大統領は、彼が政敵だと考える組織や人物を、証拠も無く極悪犯のように仕立て、逮捕投獄、そして処刑したい、と望んでいるに過ぎない。

最初はエルゲネコンと呼ばれる、シャドウ・ガバメントのメンバーが、攻撃対象になり、次いで軍幹部が攻撃の対象になった。その結果、トルコ軍は正常に機能できなくなっている。

軍幹部の次に狙われたのはギュレン・グループだったが、これは政府の官僚、検察、警察、判事、教員などもターゲットにされ、多くの解雇や逮捕を生んでいることから、トルコはいま国家として、機能し難くなっているのだ。

こんなバカげたエルドアン大統領の、大粛清ゲームは近く、終わるのではないか、と予想している。それは、エルドアン大統領を取り囲む国際環境が、大きく変化してきているからだ。その事については、次回に書くことにする。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:34 | この記事のURL
NO4229『アメリカの勝手な言い分が危機を生んでいる』 [2016年08月24日(Wed)]
アメリカは合同軍なるものを結成し、シリアの内戦に勝手に介入している。ロシアの場合は正式に、シリア政府が介入を要請しての駐留であり、それに沿っての作戦行動だが、シリア政府は何も、アメリカの介入を頼んではいない。

シリア政府が軍を動かして、反体制グループに対する、攻撃を行っているが、これに対して、アメリカは限界を超えれば、シリア軍機を撃墜する、と息巻いている。それは、アメリカが勝手に派遣した、反アサド派のグループへの軍事顧問がいるからだ。

反アサド派のグループとは、シリアのクルド組織YPGや、IS(ISIL)などだが、もちろん、アメリカ政府はIS(ISIL
)に対して、軍事顧問を派遣している、とは言っていない。しかも、アメリカはこの反体制グループへの攻撃も、自国の軍事顧問に対する攻撃と、同等にみなし反撃する、と言っているのだ。

そこで問題になるのは、トルコ軍によるIS(ISIL)や、クルド・グループに対する攻撃を、アメリカはどう判断するか、ということだ。ここにも、トルコとアメリカとの間の、亀裂が見えるような気がするのだが。

アメリカが激怒し始めたのは、シリア北部に陣取っている、シリアのクルド組織YPGや、IS(ISIL)
に対するシリア空軍による、爆撃が始まったからだ。以前にも同じことが起こり、アメリカ軍機が飛び立った時は、既にシリア軍機が作戦を終えて、その場から飛び去っていた。

もし、シリア機がその場に留まっており、アメリカ軍機がこれを捉えていれば、アメリカはシリア機を撃墜していたであろうし、またその逆に、シリア機がアメリカ軍機を撃墜していた可能性も、あったであろうと思われる。

問題は、アメリカが勝手に設けた、シリア領空へのノー・フライ・ゾーンを、何処の誰が認めるかということだ。アメリカ国内ではケリー国務長官と、大統領候補のヒラリー女史が認めているが、オバマ大統領は必ずしも、このノー・フライ・ゾーンの設定を、歓迎してはいないようだ。

アメリカ軍機による攻撃がシリア機だけで終われば、問題は拡大しないだろうが、アメリカ政府はシリア機だけではなく、ロシア機も攻撃の対象にする、と言い出している点だ。

ロシアのプーチン大統領はアメリカと、事を構えようとは思っていないだろが、アメリカ側には多くの、ロシアとの戦争を望む人士がいるのだ。プーチン大統領はアメリカの勝手な発言に、応える気は無いだろう。

アメリカの戦争待望論者と、強気のプーチン大統領が、重大な危機を生み出す可能性が、あるということだ。今後、ロシア軍機とアメリカ軍機が、スクランブルを行い、その結果、どちらかの戦闘機が撃墜される、という事態も発生しうる状況に、なって来ているということではないのか。

戦略は最悪の状態を想定して、建てるべきなのが常識だ。であるとすれば、いまの状況は極めて危険だ、と判断し、今後の対応を検討する必要が、日本にもあろう。しかし、日本の官民にはそんな切迫感は、みじんもあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:34 | この記事のURL
NO4228 『中東短信』 [2016年08月23日(Tue)]
:リビア議会統一リビア政府拒否

リビア東部にあるトブルク政府の議会は、トリポリに本部を置く、国連に支援される統一リビア政府の方針を、拒否する決議を出した。内訳は101人の議員のうち、61人が反対、一人が賛成、他の39人は欠席した。このことは今後、新たな東西対立が、リビアのなかで起こることを予測させる。



:イランはロシアのイラン基地使用に中止決定

イラン政府はあまりにもあけすけに、ロシア政府がイランのハマダン空軍基地を、使用していることを明かしたため、今後、同基地の使用を禁止する決定を下した。イランにしてみれば、ロシア軍機がシリアを空爆することには、賛成なのだが、そのことはあまり公表してほしくない、ということであろう。それは多分に西側諸国を、意識したものではないかと思われる。

なおその後のイラン政府の発言からは、一時的な中止であり、近い将来、ロシア軍がイランの空軍基地を、再度使用することが認められ、再開されるものともわれる。



:クルド人結婚式の爆弾テロ

ガゼンテペで開かれていた、結婚式場に対するテロが起こり、54人の死者を出したが、当初、このテロは12歳から14歳の少年たちによって、爆弾が持ち込まれた、とみられていた。しかし、その後の調査では、どうも爆弾テロ犯はそうではなかったのではないか、という判断が出てきている。

爆弾は特殊なものであり、通常のものではない、高威力のものであったことなどから、IS(ISIL)の犯行説が、有力になってきている。ただ、今回のテロで気になるのは、ほとんどの犠牲者が、クルド人であったことだ。

以前、アンカラで起こったクルド人の集会に対するテロも、多数の犠牲者を生み出したが、それはクルド人がやはり、犠牲者のほとんどであったことから、内部犯行ではないか、という疑惑が沸いていた。



:エジプト外相イスラエルのガザ攻撃はテロではない

エジプトのシュクリー外相は、イスラエルが行ったガザ地区に対する、空爆について言及した。彼によれば、この攻撃はテロではなく、通常の軍事攻撃だということだ。これに先駆け、トルコ政府はガザ攻撃について、テロ攻撃だと非難している。もちろん、ガザのハマース・スポークスマンは『エジプトの外相は目が見えない。』と非難している。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:08 | この記事のURL
NO4227『トルコのダウトール元首相とバルク大使の関係問題化』 [2016年08月22日(Mon)]
7月15日に起こったクーデターは、その後も大きな影響を、トルコ国内外に及ぼしている。多くの官僚が逮捕投獄されているし、学者、ジャーナリスト、ビジネスマンもしかりだ。結果的に会社を政府に没収されたり、自宅から金まで巻き上げられた、ビジネスマンもいる。

ジャーナリストは真実を伝えることが、自分の命と交換であることを、よく分かっており、誰もが真実を伝えようとしなくなっている。それは司法の世界でも同じことだ。誰もがお互いに監視しあう社会に、いまのトルコはなっている。

そのような社会をどう呼ぶかは、個々にお任せするが、何やら第二次世界大戦時に、一部のヨーロッパの国々で起こっていたことに、似ていると思えるのだが。あるいはスターリンの、ソビエトの時代か。

権力による、元権力への取り締まりも、始まっている。元首相だったダウトール氏の外交顧問だった、バルク氏がここに来て、問題視されている。それは、彼がダウトール首相とギュレン氏の、会談を仲介したからだ。

この問題はギュル元大統領にも、及ぶことになる。彼もこのことを知っていたからだ。ただ、ダウトール首相のギュレン会談が、事前にギュル大統領に報告され、許可を得ていたのかどうかが、不明な状態になっている。

エルドアン大統領がもし腹を立てれば、元大統領のギュル氏や、元首相のダウトール氏も逮捕され、場合によっては、投獄されるかもしれない。

この大スキャンダルで役割を果たした、バルク大使はだけではない。多くのトルコ人外交官が、ギュレン氏との関係を、疑われ始めている。300人の外交官が、本国への帰国を命令され、取り調べを受けることが決まった。

彼らがもし、ギュレン氏と関係があったり、ギュレン氏の組織ヘズメトと、関係があったということが、明らかになれば、当然の帰結として、彼らは刑務所に送られ、資産はすべて没収され、社会人としての権利を、家族を含めて、奪われることになる。

ギュレン関係者として逮捕された本人と、家族は病院に行けず、就職が出来ず、旅行が出来ず、パスポートは剥奪され、家も資産も没収され、死亡した場合には、自分の家の墓にも埋葬されないし、イマームもジャナーザ
(死者を弔う宗教儀式)も行なってくれないのだ。

気になるのは、エルドアン大統領のこうしたやり方が、トルコそのものの可能性を、全て潰してしまうのではないのか、ということだ。経済計画を立てる人材も、それを推進ずる人材も、外交政策を立案する人材も、それを行う人材も、教育分野でも、科学分野でも、皆優秀な人材が、追放されているのだ。

このことについて、問題提起するマスコミの自由は、いまのトルコには無い。誰もが真実を語りたがらないのだ。『裸の王様』の話のように、誰かがエルドアン大統領に、間違いを直言すればいいのだが、そんなことをしたら、彼は無縁墓地に入ることになろう。恐ろしいことだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:56 | この記事のURL
NO4226『トルコ・ガゼンテペで大規模テロ死傷者多数』 [2016年08月21日(Sun)]
トルコの南東部にあるガゼンテペ市で、クルド人(?)の結婚式に対するテロ攻撃が起こり、30人が死亡し、94人が負傷した。負傷者のなかには重傷者もいることだろうから、これから死亡する者も何人もいよう。つまり、このテロで相当なダメージを、トルコは受けたということだ。

以前に起こった、イスタンブール空港へのテロでは、40人が死亡し、20人以上が負傷している。テロの規模は次第に、大きなものになっている、ということではないか。

このガゼンテペ市のテロ事件の前には、3日間でテロが4回起こり6人が死亡し、250人が負傷している。トルコとPKKとの間で、結ばれていた停戦合意が、2013年に破棄されて以来、トルコの治安部員が600人死亡し、PKK側にも7000人の死者が出ている、という報告がある。

現在のトルコは、クルドのテロ組織PKKと、IS(ISIL)という、二つの敵の組織と戦っているのだ。ガゼンテペ市で起こったテロ事件は、どうやらIS(ISIL)によるものだったようだが、これはトルコ政府が発表した、シリアへの徹底介入という決定を、揺るがすことになるかもしれない。

トルコでは7月15日に起こったクーデターで、関与していたと思われる軍人の多くが、更迭されたり逮捕・投獄されている。また、ギュレン組織との関係があるとして、同じような処罰を受けた、軍人も少なくない。

これではまともな対テロ作戦は、立てられないだろうし、情報収集活動もその分析も、不徹底なものとなろう。エルドアン大統領はクーデターで、彼の敵であるギュレン・グループを、一網打尽に捉え処罰することができたが、その結果軍は、多くの官僚や軍人の頭脳と戦闘員を、失ったということではないのか。

昨日、私の事務所を訪れた在米のトルコ人は、トルコの将来について、大きな不安を抱いており、『国家が機能しなくなっている。』と嘆いていた。彼の予測では、このまま事態が推移すれば、やがては内戦状態が、起こるだろうということだった。

アメリカは今後ますます、ロシアに接近するトルコに対して、疑念を抱き、シリアでの陸上戦闘や、空爆を強いるものと思われる。そうなれば、シリアのクルド、トルコのクルドが、より強硬な対応を、トルコに対して採るだろうし、IS(ISIL)もしかりであろう。

そう事態が進めば、トルコの軍部に不満が出ないか、ということが懸念される。これまでに、そしてクーデターを機に、一掃された多くの高級将校や、将軍たちは何もしない、ということであろうか。彼らは行動を起こす、タイミングを見計らって、いるだけではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:37 | この記事のURL
NO4225『中東からの幾つかのニュース』 [2016年08月20日(Sat)]
:アメリカがサウジアラビアから軍事顧問引き揚げ

アメリカ政府はサウジアラビアが推進している、イエメンへの軍事攻撃について、軍事顧問を派遣して、指導していた。しかし、国内外の非難が強まったために、サウジアラビアの非人道的なイエメン攻撃を、支援するのはまずい、と考えたのであろう。

結果的に、現在サウジアラビアのリヤド市などに、残っている軍事顧問の数は、5人に減少した、ということだ。

サウジアラビアがイエメンに対して、軍事攻撃をかけ始めたのは、副皇太子にムハンマド・サルマン王子が就任してからだが、アメリカはそれを、止めようとは考えなかった。つまり、サウジアラビアのイエメン攻撃は、大量のアメリカ製兵器を、消耗させると考えたのかもしれない。

それがここに来て、突然のように軍事顧問を引き上げるということは、アメリカがサウジアラビアそのものに対して、不信感を強めているからではないか。



:イラン国防相アメリカは中東戦略を間違えた

イランのホセイン・ダハカン国防相は、『ワシントンの中東戦略は失敗した。』と語った。これはテヘランの金曜礼拝の場で語られたものだ。

『アメリカは民主主義、平和、治安、安定化などを語り、中東諸国に介入したが、実際はその逆で、中東諸国は危険な状態に陥った。』とも語っている。

しかし、『イランは十分な軍事力を持っており、アメリカの陰謀には騙されない。イランは自国を防衛する十分な武器があり、兵器生産能力もある。』とも語っている。

アラブを始めとした中東諸国では、押しなべて、アメリカが怨嗟の対象になっているが、これはイランにしてみれば、勝利の一つであろう。アラブを始めとした中東諸国の政府は、アメリカには直接は言えないが、政府も国民もアメリカの介入の仕方に、腹を立てていることは事実だ。



:ギュレン氏アル・アラビーヤTVのインタビュー受ける

アメリカのペンシルバニアに亡命している、フェイトッラー・ギュレン氏はアル・アラビーヤ・TVのインタビューを受けた。彼は述べるまでもなく現在、エルドアン大統領の最大の敵であろう。

フェイトッラー・ギュレン氏の指導するヘズメト組織は、エルドアン大統領の判断によって、慈善団体を含む多くの組織が破壊され、多数の関係者が逮捕投獄されている。

エルドアン大統領のギュレン・グループに対する弾圧は、今後も続くものとみられ、大統領はメンバーを投獄するために、現在獄中にある、非ギュレン関係の囚人、38000人を釈放している。つまり今後、エルドアン大統領はギュレン・グループのメンバーを、38000人ほど逮捕投獄する、ということではないのか。

フェイトッラー・ギュレン氏がインタビューのなかで語った、重要なポイントは次の点であろう。

―トルコ政府はクーデターを起こしやすく取り計らっていた。

―軍の組織に対して敵対するつもりはない。

フェイトッラー・ギュレン氏は今回のトルコのクーデターは、エルドアン大統領によって仕組まれた、と暗に語ったということであろうか。

また、軍に対しては本物のクーデターによる、エルドアン体制の打倒を、希望しているという、メッセージを送ったのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:53 | この記事のURL
NO4224『トルコ・ロシア・イランによるシリア問題解決』 [2016年08月19日(Fri)]
トルコのマスコミが発表した、最近のシリア対応については、何がしかの希望が、持てそうな気がする。それは、トルコとロシア、そしてイランが一体となって、シリア問題を解決する、と言っているからだ。

ロシアとトルコとの関係は、ロシア機撃墜以来、最悪の状態にあったが、その後、トルコのエルドアン大統領が、ロシアのプーチン大統領に謝罪して和解した。また、エルドアン大統領の訪ロで、両国関係は急速に改善している。

この三か国による、シリア問題の解決というのは、シリアを連邦制にすることが基本だが、それはシリアを分裂させない、という前提だ。つまり、トルコにしてみれば、シリアが分裂したのでは、シリアのクルドが自治権を得るようなことになり、それはトルコのクルド人を、刺激してしまうから危険なのだ。従って、トルコはシリアが分裂されることは、望んでいない。

同じように、イランにとってもシリアが分裂し、クルド人を活発にさせるということは、イランが抱えているクルド問題、PAJK対応が困難になることは必定だ。また、アラブのなかにあって、シーア派が強いシリアの政権は、どうしても維持したいし、イランはそのシリアが、分裂するようなことがあっては、ならないと考えている。

ロシアもしかりであろう。ロシアの場合は国内にイスラム教の、宗派争いは抱えていないが、シリアのアサド大統領が権力を、維持している限り、タルトースの軍港を維持できよう。また、最近シリアに新たに建設する空軍基地も、ロシアにとっては中東地域での、プレゼンスを強めるうえで有効であろう。また、コーカサスなどの、イスラム原理主義勢力を抑え込む意味でも、シリアにおける世俗政権の、維持は重要であろう。

ロシアが考えるシリア問題の解決案とは、第一にシリア難民の安全な帰国だ、それはこれから2年以内に実現するということだ。そして彼ら難民が安全に帰国できるために、ジャラブルス・アッザズ道路を確保するということのようだ。そこはロシアとトルコが共同で管理する予定だ。

第二には強力な連邦政府を樹立し、全てのグループがこれに参加するというものだ。それは新しい政治システムを、シリアに創り出す、ということでもある。

トルコはこの新構想については、トルコ、ロシア、イラン、カタール、サウジアラビア、ヨルダンなどと話しあっていく、としている。

気になるのは、シリアは関係ない国と話し合う必要はない、と言っている点だ。それが、アメリカを意味するのか、否かについては不明だ。トルコとロシアとの関係は、まさに急速に改善している。そのなかでは、トルコはアメリカとの関係を、急速に悪化させている、ということが気になるのだが。もし、そうであるとすれば、中東は劇的な構造変化に、向かうということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:23 | この記事のURL
NO4223『ロシアがイラン空軍基地からシリア空爆は新時代の幕開け』 [2016年08月18日(Thu)]
ここに来て、ロシアとイランとの関係が、急速に進展しているが、それはアメリカにとって、大きな脅威となっていよう。述べるまでも無く、イランはアメリカの盟友サウジアラビアの、最大の敵国であるからだ。

イランはアメリカとの間で、いまだに核開発問題が燻ってもいて、危険視する間柄でもある。そうした中でイランに、ロシアがイランの友人として、登場するのだから、アメリカはやり難くてしょうがないであろう。

ロシアは既にイランの空軍基地から、爆撃機をシリアに2度発進させているが、これはロシア空軍の戦果を、引き上げるだけではなく、地域全体にとって、ショッキングな出来事として、受け止められている。

ロシアはこれでシリアとイランとに、空軍基地を持つことになった、と見ていいのではないか。もちろん、イラン政府はロシアに空軍基地を、永久に使わせるつもりは無いと言い、あくまでの臨時的な、措置だとしている。

ロシアはこのことに加え、トルコのNATOが利用している、インジルリク空軍基地を使いたい、と言い出している。最近のトルコとロシアとの関係の、急速な進展は、あるいはトルコをして、ロシア軍がインジルリク空軍基地を使うことを、受け入れるかも知れない。そうなると、中東の軍事外交、地図は大きく、塗り替えられることになろう。

イラクでも、アバデイ首相はアメリカの軍事的介入を、不快としている反面、ロシアの台頭を歓迎する意向を、明らかにしている。こうなると、アメリカは次第に中東全域に対する覇権を失い、影響力を低下させていくかもしれない。

現段階では、アメリカにはロシアの進出を抑える、何の名案もなさそうだ。アメリカは中東各国の国民から、毛嫌いされており、各国政府も、その国民の意向を、無視するわけにはいかないのだ。

加えて、トルコもロシア製のミサイル・システムに強い関心を持ち始めており、検討後には輸入したい、と考えているようだ。そうなると、兵器市場としても、アメリカは中東で足場を、減らしていくことになろう。ロシアの兵器に対して、エジプトも関心を高めており、既に相当量輸入している。

ロシアのイラン空軍基地使用と、そのことによる軍事成果は、ロシアに対する信頼感を、中東各国で強めていくことになり、アメリカ寄りの国々のなかでも、次第にアメリカとは距離を置き、ロシアに接近する動きが、顕著になって来るのではないか。

これはまるで、オセロのゲームではないか?
Posted by 佐々木 良昭 at 11:42 | この記事のURL
NO4222『イスラエル・ソロモンの第三神殿建設か』 [2016年08月17日(Wed)]
世界がどさくさに紛れているときは、何かをたくらんでいる国にとっては、その秘密の計画を、実行に移しやすいのであろうか。ここに来て、イスラエル国内ではソロモン王の、第三神殿を建設しようという動きが、本格化してきている。

ソロモン神殿は最初、ソロモン王が紀元前1000年に、建設したと言われている。その後バビロンの捕囚から解放されて、イスラエルに戻ったユダヤ人たちによって、ソロモン神殿は再建された。

しかし、その神殿も紀元前586年に破壊され、その後再建されたのだが、第二神殿も紀元後70年に、ローマ軍によって破壊されている。

世界に散らばるユダヤ人にとっては、イスラエルのエルサレムに、ソロモン神殿が再建されることは、まさに念願であろう。このソロモン神殿の再建を、現代史のなかで、最初に強く進めようとしたのは、ネタニヤフ首相の父親であった。

彼はイスラエル建国時の、極右だった人物だ。彼はイスラエル建国後、イスラエルの妥協的な当時の政治家たちに失望し、アメリカに渡り住む。そこで彼はソロモン神殿再建委員会を、結成している。

こうした経緯から、これまで多くの域者たちは、ネタニヤフ首相が父の意向を受け、ソロモン神殿の再建を、実行するのではないか、と思われてきていた。しかし、それは極めて危険な選択でもある。アラブ人や世界のムスリムを、敵に回すことになるからだ。

ソロモン神殿再建委員会が考える再建場所は、実はイスラムの聖地である、アクサ・モスクや、石のモスク(石のドーム)のある場所なのだ。再建するとなれば、これらのイスラム教徒側から見れば、聖地のモスクを破壊しなければ、ならないのだ。

ユダヤ教では今年2016年が、ソロモン神殿を建設するにふさわしい年だ、と言われているという話もある。もし、今年を再建の年に出来なければ、500年後にしかその日は廻ってこなくなる、と言われているらしい。

そうなるとネタニヤフ首相が、ソロモン神殿再建委員会に対して、神殿の再建許可を出す、可能性があろう。

*果たして、ネタニヤフ首相はその難しい選択をし、再建許可を出のか。ソロモン神殿建設に使われる石材は、既に全てカットされ、アメリカにあるということであり、ソロモン神殿の再建が許可されれば、たちまちにしてイスラエルに持ち込まれ、再建が始まるということだ。そうなれば、ソロモン神殿は工事開始から、3年で完成すると言われている。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:16 | この記事のURL
NO4221『プーチンはシリアをコーカサス・テロリストの追放先にした』 [2016年08月16日(Tue)]
ありうる話だが、多分本当の話であろう、と思われる。プーチン大統領はコーカサスで活動する、イスラム原理主義テロリストたちを、山間部にまで追い詰めたが、活動を殲滅することは、出来なかった。

そこで、彼らのうちのデノフなる人物と交渉して、彼と彼の仲間たちを、永久に国外に、追放することを提案した。彼らには偽名ではあるが、正式のパスポートが与えられ、イスタンブールに追い出したというのだ。

イスタンブールからはシリアに入り、IS(ISIL)の戦闘員としての、活動が始まった。これらの移動に関しては、全部ロシアの情報部員が、裏でサポートしていた、というのだ。

この追放作戦はソチの、オリンピックの時期から、始まったようだが、ロシア政府はソチのオリンピックが、彼らによって邪魔させることを、避けるための措置であった、と思われる。

考えようによっては、ロシアのプーチン大統領が、シリアをテロリストたちの、追い込み先にした。もっとひどい言い方をすれば、テロリスト廃棄場所と考えていた、ということであろう。

その後のロシアによる、シリア支援の軍事行動の裏には、そうした計算があったということを、頭に入れて考えなければなるまい。つまり、シリアだけではなく、今後、そうしたロシア的な考えが、他の国々との関係でも、起こりうるということであろう。

トルコやイランといった、ロシアとの関係を強化しつつある国々は、そのことを計算に入れて、ロシアとの協力推進を、図るべきであろう。また、それは日本とロシアとの関係でも、然りであろうと思われる。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:45 | この記事のURL
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