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NO5710   10月22日『アメリカ軍がISをシリアからイラクに移送』 [2019年10月21日(Mon)]
アメリカ軍がシリアからイラクに、IS(ISIL)の戦闘員と彼らの家族たちを、軍用ヘリで移送している、という情報が伝わってきている。今回移送されたIS(ISIL)の戦闘員と家族たちは、シリアのハサカ地方の、アルジャズイーラという地域にいた者たちだ。

アメリカ軍がIS(ISIL)の戦闘員たちを、他の地域からもイラクに移送している、という情報が前にも流れていた。つまり、アメリカ軍がIS(ISIL)の戦闘員たちを、安全な場所に移送しているのは、計画的なものであり、アメリカの方針のようだ。

例えば、シリアのハサカ地方のマリキーヤ刑務所から、230人のIS(ISIL)戦闘員たちが、10月9日以来イラクに移送されている。これらのIS(ISIL)戦闘員の移送は、全て航空機を使って行われている、ということだ。

この移送作戦には、地域の住民も協力的だ。それはトルコ軍の攻撃を恐れており、トルコ軍とIS(ISIL)との戦闘に、巻き込まれたくないので、IS(ISIL)を早く追放したいということであろう。同時に,住民はトルコやアメリカの部隊の、撤収も望んでいるということだ。地域住民はシリア軍だけが、彼らを守ってくれる、と思っているようだ。

アメリカ政府はIS(ISIL)の掃討を、これまで主張しながら、何度と無く、IS(ISIL)への支援を続けて来ていた。空からの物資の投下は、国際的に知られる、有名な話だ。また,今回のようなIS(ISIL)を敵の攻撃から守るための、逃亡支援作戦も、何度と無く行われてきている。

こうなると、アメリカが主張することは、信用できなくなるではないか。アメリカなどが支援する、ホワイト・ヘルメットという名の人道支援組織(?)は、偽旗作戦の化学兵器をシリア軍が使用した、というアメリカの主張を支援する、工作をしてきていたのだ。

今回のトルコ軍のシリア侵攻作戦でも、化学兵器使用の話が出ているが、それは白隣弾やナパーム爆弾といった、これまで取り上げられたものと同じであり、どうも一概には信用できない。

アメリカは何としても、シリアを混乱状態に、置き続けたい、ということであろうか。その黒い目的を達成するためには、人の命など何の価値もなく、人道とは関係ないのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:01 | この記事のURL
NO:5709   10月21日『中東短信』 [2019年10月20日(Sun)]
:トルコ軍が化学兵器使用

クルドがトルコ軍による、化学兵器の使用を、非難している。クルド側の語るところによれば、使用された化学兵器は、ナパーム弾と白燐弾だということだ。クルド側はトルコ軍が使用できる、あらゆる武器を、使用している、ということのようだ。
しかし、イギリスに本部を置く人権団体は、トルイコ軍による化学兵器の使用は、確認できていない、ということだ。これに対して、クルド側は子供が化学兵器で、火傷をしている映像を、流している。
もちろん、トルコ政府は化学兵器の使用を、全面否定し、クルド側を非難している。これまで、シリアでは何度も化学兵器使用の、嘘情報が流されているが、それはシリア軍による使用、という嘘だった。今回もそうではないのかと思えるのだが、確証はない。

:中国とイラン関係がアメリカを悩ませる
アメリカはイランに石油を、一滴も輸出させない、経済的に締め上げる、と言い続けてきたが、ここに来て、そのアメリカの鉄の壁が、壊されつつあるようだ。それは、中国がイランの石油を、堂々と輸入するように、なってきたからだ。
 中国のズハイ・ゼンロンという会社が、イランの石油を輸入しているのだ。中国はアメリカのイランに対する、経済制裁を完全に無視している、ということだ。中国は石油タンカーの経路を、登録しないで石油を運搬している、ということのようだ。
 これではアメリカのイランに対する、経済制裁は何の効果もなくなろう。ヨーロッパ諸国もイランの石油購入と、経済協力に新たな資金移動の仕組みを、作っているところでもある。
 それだけ、イランは世界の国々にとって、大きな取り引き先であり、メリットの大きい相手だ、ということであろう。こうした情況を前に、それではアメリカは中国のタンカーを、攻撃できるかというと、そうも行くまい。
 また、海上で中国のタンカーを、拿捕しようものなら、米中関係は緊張し、一触即発の状態になろう。いま選挙を控えた、トランプ大統領にはそこまで、中国との関係を、悪化したくはあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:47 | この記事のURL
NO:5708   10月20日『トルコ・シリア国境の安全地帯とISの実態』 [2019年10月19日(Sat)]
トルコとシリアの国境地帯では、IS(ISIL)はどうなっているのであろうか。トルコはこの国境地帯に、安全地帯を設立することによって、クルド・ミリシア( SDFやYPG)のトルコへの侵攻を、阻止しようと思っていることに合わせ、IS(ISIL)の侵攻も、阻止しようと考えている。つまり、一石二鳥という作戦だ。
そのトルコの考えている安全地帯とは、南北に30キロ、東西400キロににわたるものだ。そこにトルコから360万人のシリア難民を、押し戻すということだ。トルコは東西の安全地帯は、最終的には444キロに拡大したい、と考えている。
 トルコはシリア北部の、コバネやマンビジュも、そのなかに含みたい考えだが、現在コバネもマンビジュも、シリア軍が支配しており、それにはSDFも共同行動を、取っているので、容易ではあるまい。
 アメリカはといえば、これまで何度も、トルイコと交渉し、合意に達したとはいえ、確実なものにはなっていないので、極めて脆弱なものとなっている。これではトルコは、アメリカと共同行動を取るのは、困難であろう。
 シリア政府はといえば、300万人を越えるシリア難民を、この安全地帯に押し戻すことは、不可能であろうと見ている。それはこの安全地帯が、人間の居住に必要な条件を、満たしていないからだ。
 IS(ISIL)はといえば、12000人の戦闘員が、未だにシリアの留置所に、留まっており、そのうち2500人はシリアやイラク国民ではない外人部隊だ。IS(ISIL)戦闘員の国籍は、50カ国を超えているということだ。
 これら外人戦闘員は、チュニジア人が最大であり、次いでフランス国籍の60〜70人、それ以外は各国に散らばっている。シリアやイラクの戦闘員は、それぞれ4000人と見られている。
 彼ら戦闘員はロジェ、ダシシャ、ジェルキン、ナブクル、カミシリ、デリクなどの留置所に、収容されているが、SDFが詳しい情報を明かしてはいないので、把握は難しい。留置所の警備は甘く、逃亡が可能な状態にあり、これまでも数千人が逃れている。留置所内の状態は、最悪であろう。食料や医療も不足しているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:07 | この記事のURL
NO5707   10月19日『やっとトルコが停戦に向かう気配』 [2019年10月18日(Fri)]
トルコがやっと停戦に向かう、気配が見えて来た。何のことは無い、トルコのメンツを守るような言辞を、アメリカやロシアが、使い始めているからであろう。アメリカはペンス、ポンペオ両氏をトルコに送り込んだが、エルドアン大統領は会わない、と言ってのけた。
加えて、トランプ大統領からの親書は読んだあと、ごみ箱に捨てたというのだ。これでエルドアン大統領の強気は、アメリカに十分に、伝わったことであろうし、トルコ国内では、彼の強気の姿勢が、十分に国民の間に伝わり、留飲を下げさせたことであろう。
他方、ロシアはと言えば、シリアとトルコの折衷案のような提案をし、トルコのめんつを保っている。これでトルコはシリアとの武力衝突を、取りやめることが出来たわけだ。もちろん、ロシアの軍事介入を始めから、織り込んでいたトルコは、シリア軍がマンビジュを抑えても、それがテロの掃討に繋がるのなら、問題ないと言っている。
エルドアン大統領は、一旦は断ったペンスやポンペオとの面談を、ペンスに限って許可している。そのときに、細かいアメリカとの取引を、したのであろう。バカを見たのはポンペオということになろう。彼は三枚目役者を、演じさせられたということだ。それでも、それは必要なことだったのかもしれない。
アメリカが弱気にならざるを得ない、幾つものことがあったのは事実だ。トランプ大統領の選挙に向けた、メンツの維持、そして、大きな問題は、トルコのインジルリク空軍基地に、アメリカ軍が50発とも60発ともいわれる、核弾頭を置き去りに、していたことだ。
 その核弾頭は旧式だった、とは言われてはいるが、それがトルコの手に渡ったのでは、アメリカはヨーロッパ諸国に対しても、中東諸国に対しても、立場を失ったことであろう。これらの国々に危険を及ぼす、可能性があったからだ。
 ロシアについて言えば、ロシア空軍はトルコ空軍とは戦闘を展開したくなかったろうし、それはトルコ側も同じだ。以前、トルコ軍機がロシア軍機を、撃墜するということが、起こっているが、双方ともに、その二の舞は望むまい。
 トルコとロシアはいま、S400の取引以来、極め良好な関係にある。その関係を壊したくないのは、ロシアもトルコも同じであろう。トルコにしてみれば、ロシアとの良好な関係を誇示しながら、アメリカとの交渉を、有利に進めたい、ということは明らかだ。
 これだけの、何枚ものカードをめくりながら、ロシアもトルコも、アメリカも交渉しているということだ。それに比べると、日本と韓国との間で、起っている険悪な関係は、案外、単純なゲームなのかもしれない。
 ただ、日本の政治家や官僚は、何処まで悪者になれるか、ということだ。国際関係はだましあい、裏切りあい、なんてことは当然のことなのだから。善良と正直を絵に描いたような人たちに、国際的交渉は、可能なのだろうか、と不安になる。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:39 | この記事のURL
NO5706   10月18日『露イランが米より上手なトルコ対応』 [2019年10月17日(Thu)]
どうもここに来て、アメリカのトルコ対応に、問題があるような、気がしてきた。アメリカはいつも通りの、高飛車な命令口調で、エルドアン大統領に、対応しているのだが、エルドアン大統領はトランプ大統領の、いまいる位置をよくわきまえている。
トランプ大統領は来る大統領選挙に備えて、国民を戦争に駆り立てたくはない。せいぜい、傭兵を使うか、空爆する程度であろう。しかし、トルコはそのアメリカの傭兵(SDFやYPG)と、いま戦っているのであり、空軍もトルコのパイロットに勝てるか疑問だ。
 結局、エルドアン大統領はトランプ大統領の、大口叩きを完全に無視する、立場をとっている。そうしたなかでトルコに送られた、ペンスとポンペオ特使は、みじめなものだった。エルドアン大統領はトランプ大統領と以外は、話さないとこの特使とは、会いもしなかったのだ。
 また、エルドアン大統領は『この戦争は止めない。』とも言っている。それはトルコの安全に、直接かかわっているからだ。そのあたりをよく分っているロシアは、『トルコには国防の権利がある。』と言い、イランのロウハーニ大統領も、トルコの立場に理解を、示している。
 こうなっては、アメリカには打つ手があるまい。『平和的に解決しろ。』『住民の犠牲を生むな。』と幾ら繰り返しても、意味をなさないのだ。遂に頭にきたトランプ大統領は『トルコとシリアの国境問題は、俺達には関係ない。』と言い出したのだ。
 大人げないでは済まされない、投げやりな言葉は、ヨーロッパ諸国もうんざりしているのではないか。トランプ大統領はエルドアン大統領を、放置するということは、武器の取引を意識してであろうか、とさえ考えたくなる。
 他方、ロシアはトルコとシリアとの武力衝突を、阻止するためにパトロール部隊を、両国の接点に送り込んでいる。トルコの側もシリアの側も、もし攻撃をするのであれば、ロシアはそれを放置しない、ということであろう。そのロシアの立場を、分かっているエルドアン大統領は、『シリアがマンビジュを支配することが、YPGやSDFの掃討に、繋がるのであれば、構わない。』と言い出している。
 そもそも、今回トルコが強気で、シリア侵攻を進めたのには、トルコには絶対的権利が、あったからであろう。トルコの反政府クルド組織PKKと、連携するシリアのYPGやSDFを、叩きたいということであり、それは何処の国も、認めることであろう。
 しかも、シリア難民の激増で、苦慮しているトルコは、トルコとシリアとの国境のシリア側に、安全地帯を設置して、そこに難民を押し返すというのだ。このトルコの考えに、ヨーロッパ諸国が賛成しなければ、トルコはヨーロッパとの国境を開き、何百万人というシリア難民を、ヨーロッパに追放することになろう。それは誰もが考えるように、ヨーロッパが大混乱に、陥るということだ。
 今回のトルコの始めたシリア侵攻は、結局、アメリカが中東外交の舞台から放り投げられ、それにロシアが代わったということであろう。もうアメリカの外交は、通用しなくなったのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:12 | この記事のURL
NO5705   9月17日『クルド・ミリシアがISの逃亡を許す』 [2019年10月16日(Wed)]
フランスに帰国したIS(ISIL)のメンバーが、フランスのル・パリジャン紙に、語ったところによれば、シリアのSDFやYPGが、IS(ISIL)のメンバー10人と、子供たち25人をキャンプから、逃げさせたということだ。

このIS(ISIL)のメンバーは、突然ドアが開かれ『出ろ、走って逃げろ。』と言われたというのだ。最初のうちは何のことかわからなかったが、状況を理解した後、IS(ISIL)のメンバーたちは、走って逃げた、ということのよう*だ。*
この逃亡したIS(ISIL)のメンバーは、女性10人であり、IS(ISIL)戦闘員の妻や、姉妹たちだろう、ということだ。彼女たちがテントから逃げ出した後、テントはYPGの戦闘員たちによって、焼かれたということだ。
このIS(ISIL)の女性メンバーの、逃亡の裏では、ほかの男性メンバーも、逃げたものとみられている。YPGはあえてIS(ISIL)メンバーを、逃げさせたということだが、それは彼らを味方にして,トルコとの戦闘に備えた、ということだと理解されている。*
ルパリジャン紙がフランス政府に、このことについて、問い合わせると、フランス外務省は『注意深く見ている。』としか、コメントしなかったということのようだ。つまりこれは言わずもがなではないが、IS(ISIL)を逃亡させて使う、ヨーロッパやアメリカの策謀が、あるということを示しているのではないのか。*
 エルドアン大統領もIS(ISIL)のメンバーの逃亡について語っており、彼は、IS(ISIL)のメンバーが逃亡したのは、アメリカやヨーロッパがねつ造した、嘘だと語っている。つまり、アメリカやヨーロッパは、IS(ISIL)を逃げさせてはいない、IS(ISIL)の逃亡には、関与してはいない、と言いたいのであろう。そのことを、エルドアンは指摘しているのであろう。*
 YPGにしてみれば、IS(ISIL)の戦闘員を捕まえたということは、アメリカやヨーロッパとの取引の、交渉材料になるということのようだ。YPGなどはトルコ軍が、IS(ISIL)のキャンプ、例えばアイン・イッサ・キャンプを、空爆すると言っていたが、それは嘘だ、とエルドアン大統領は、否定している。*
 YPGやSDFはユーフラテス川東岸地域を、IS(ISIL)に抑えさせ、テロリストの自由地帯を、作るつもりのようだ。話は益々複雑さを、増しているということであろうか。ロシアはこうしたなかで、トルコ、シリア、そしてクルドの仲介工作を、進めているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:27 | この記事のURL
NO5704   9月16日『大分複雑になってきたトルコのシリア侵攻』 [2019年10月15日(Tue)]
トルコがシリアで勝手な動きをするなら、アメリカは制裁する、とトランプ大統領が息巻いている。その意気持は分かるが、エルドアン大統領はトランプの弱腰を、十分に分かっている。トランプは何とか次の大統領選挙で、勝ちたいということで、口先でしか強いことは言えないのだ。
 EUもしかりであり、シリアなどの難民を、何百万人単位で送られたのでは、社会は大混乱となり、支援の資金も莫大なものになろう。従ってEUもトルコに対して、腰の引けた対応をしている。例えば、トルコに対する武器輸出については、制限をするという言い回しなのだ。輸出を止める、とは言っていないのだ。
 クルドのYPGやSDFもしかりであり、アメリカ軍の支援は期待出来なくなったので、単独でトルコ軍と、戦わなければなるまい。その場合、やはりトルコ軍とクルドとでは、武器のレベルが大きく異なるだろう。加えて、航空兵器を有している、トルイコ側の空爆に対して、クルドには打つ手があるまい。
 シリアはと言えば、シリアもしかりであり、真正面からトルコ軍と、ぶつかる気はなかろう。そうしたなかで出て来たのは、クルド側から提案のあった、シリア・クルド合同軍で、トルコ軍に対抗する、という方法だ。もちろん、シリア政府はこの提案に、飛びついたようだ。
 それでもやはり、トルコは怖いのだろう。マンビジュでは早速に、トルコ軍とシリア軍が、対立することになっているが、どうなるのだろうか。シリア軍はクルドの支配地域までは、勇敢に進軍するのだが、その先はどうもそうでもないようだ。
 シリア北部のトルコ軍が、侵入した地域のそばまで、シリア軍は入っているが、攻撃を加える様子は無い。それでも一部では小規模な武力衝突が、起こっているようでもある。大オスマン帝国の亡霊が、エルドアン大統領に味方しているのであろう。
 さてこうしてみてみると、トルコの戦況は絶対的に、有利ということになるのだが、どうだろうか。これから予想されることは、幾つかある。それらはもちろん、トルコに不利に働く、という意味で考えてみた。
 まずトランプ大統領の言い始めている、経済制裁によるトルコへのダメージだが、トランプ大統領はトルコの鉄鋼に対する、関税を引き上げると言っている。また、トルコへの投資も削減していくことになろう。アメリカのマスコミを使い、アメリカの金融界と結託すれば、トルコへの投資はヨーロッパからもしぼもう。そうなると、やはりトルコにとっては、大ダメージとなろう。
 ロシアとの関係では、ロシアはやはりシリアを、支持する立場にあり、トルコ軍とシリア軍が衝突するようになれば、ロシア軍は放置できまい。その意味でトルコは、シリア軍だけではなく、ロシア軍との戦闘も、考慮しなければならない、ということだ。
 加えて、イランもトルコの見方にはなるまい。やはりイランの支援は、シリアに向かうだろう。そうなると,トルコはシリア、ロシア、クルド、IS(ISIL)、イラン、そしてアメリカを敵に、回さなければならなくなる、可能性があるということだ。これまで何度となく、第三次世界大戦の話が出ていたが、この戦争が第三次世界大戦の、小型版になる可能性はあろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:17 | この記事のURL
NO:5703   10月15日『トルコ軍シリア侵攻・血の代償』 [2019年10月14日(Mon)]
トルコが始めたシリアへの、軍事侵攻作戦はトルコ国内で、死傷者を生み出している。その攻撃対称になっているのは、トルコの南東部の街であるサンヌルウファ、マルデンなどであり、細かくいうと、サンヌルウルファのアクチャカレ、ジェイランプナル、スルチュ、マルデンのヌサイビンといったところだ。
アクチャカレでは7人が犠牲になり、ジェイランプナル、ヌサイビンでは木曜日に攻撃を受け、8人が犠牲になっている。スルチュでも金曜日には、2人が死亡している。これらの攻撃は、シリア側からロケット弾や、臼砲で行われ、その攻撃はPKKやYPGによって、行われたものだ。
トルコの民間人の犠牲に合わせ、トルコ軍のなかからも犠牲者が出ている。トルコ軍がシリア北部の地域に侵攻し、YPGから報復された結果だ。このYPGについてはトルコ政府とヨーロッパ諸国、アメリカとの間には、認識に差異がある。
ヨーロッパ諸国やアメリカは、YPGを対IS(ISIL)の協力ミリシアとみなしている。従って友軍ということになるのだ。しかし、トルコはこのYPGを、自国内の反政府テロ組織PKK(クルド労働党)と、連帯するテロ組織と見なしている。
トルコ軍がシリア領内に軍事侵攻すると、アメリカはこれを非難した。そして、アメリカ軍はトルコ軍の侵攻して来る場所から、撤退している。今後アメリカ軍は、シリアから完全撤退することも、ありえそうな雰囲気に、なってきている。
 アメリカの議会では、民主党共和党の与野党議員らが、アメリカ軍のシリア撤退は、YPGやSDFといった、クルド・ミリシアに対する裏切りだ、と非難しており、アメリカ軍の駐留延長を主張している。しかし、トランプ大統領は大統領選挙を意識してか、アメリカ軍のシリアからの、全面撤退を主張している。
 今後、アメリカ政府がどのような結論を、出すか分からないが、シリア駐留をめぐり、駐留派と撤退派とに、アメリカ政府は分裂しており、多くの政府高官が、トランプ大統領によって首にされている。その代表格はボルトン大統領特別顧問であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 07:15 | この記事のURL
NO:5702   10月14日『クルドはトルコ軍の攻撃受けるが独立には繋がるまい』 [2019年10月13日(Sun)]
クルドのSDFやYPGは、トルコ軍に対峙している。今後相当の被害が、生まれるであろうことは、想像に難くない。既に戦死者が出ている。そのためSDFやYPGは、トルコ本土への攻撃を、始めているようだ。その攻撃で、すでにトルコ側では、市民が14人死亡している。
 クルド・ミリシアはアメリカ軍の、空からのカバーが必要なのだが、今のところアメリカ空軍は、動く気が無いようだ。そうなると、クルド側に出る犠牲は、大きいものとなろう。多くのクルド人の血が流されれば、欧米諸国ではトルコを非難する動きが、生まれようが、だからと言って、クルドを支援する軍隊を、送ることは期待できまい。
 欧米のクルド人に対する対応は、歴史的にも利用はしても、本気で支援することは無かった。最も悲惨な出来事は、イラクがサダム体制の時代に、ハラブジャで化学兵器を使い、5000人を超えるクルド人が、犠牲になったことであろう。
 第一次世界大戦で、オスマン帝国(トルコ)が敗北した後、クルド国家の樹立が話題になったが、それは実現しなかった。実は極めて短期間(数ヶ月) クルド国家が誕生したことがあったが、いつの間にか消えてしまった。それはクルドの内部対立が、原因だったといわれている。
 結果的に、世界で最大の難民、国家を持たないクルド民族は、そのまま放置されている。クルド人はトルコ、イラク、シリア、イランに多く居住するが、トルコでは分離独立闘争が続いており、その主体はPKKであり、オジャランがリーダーになっている。ヨーロッパではドイツが最大のクルド人受入国であり、次いでアルメニア、アゼルバイジャン、レバノンなどが並んでいる。
 イラクではイラク北部に自治区を作り、形式的なクルド国家のようになっているが、実質の力は無い。イランではクルドの独立闘争の組織はあるが、極めて脆弱だ。そしてシリアでは現在ある状態だ。つまり、アメリカ軍の傭兵のような形での、闘争が行われてきていた。
 今回のアメリカの動き、トルコの動きはあるいは、クルド国家創設のチャンス、とクルド人たちは考えているかもしれないが、それはリスクは大きいが、国家樹立はほとんど期待出来無いのではないか。
 クルド人の流す血は尊い、などと言っておだてられても、それは何にもなるまい。一時的な夢の独立に騙されて、トルコという強敵の前に、身をさらすだけではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:08 | この記事のURL
NO:5701   10月13日『プーチン大統領トルコ軍攻撃はISを逃がす』 [2019年10月12日(Sat)]
ロシアのプーチン大統領は、今回のトルコ軍によるシリア北部への、軍事侵攻は結果的に、いま拘束されているIS(ISIL)を、刑務所やキャンプから、逃がすことになる、危険性があると警告している。

確かにそうであろう。一部にはSDFやYPGが、IS(ISIL)を刑務所から釈放し、トルコ軍に対抗させる意図がある、とも伝えられている。つまり、SDFやYPGはIS(ISIL)と連携して、トルコ軍に対抗する、ということだ。

しかし、それが効果的であるかどうかは、いまの段階では分からない。単純に考えれば、今回のトルコ軍のシリア北部への軍事侵攻は、アメリカの軍部を激怒させている。従って、アメリカ軍がIS(ISIL)を、刑務所から逃すことにより、トルコ軍に対抗させるということは、ありうる話だ。

しかも、そもそもIS(ISIL)を創ったのは、アメリカであり、アメリカにとっては、SDFもYPGもIS(ISIL)も、アメリカにとっては、使い勝手のいい同じ道具であろう。

また、IS(ISIL)
はシリアの敵であり、そのシリアを支援しているのはロシアであることから、このプーチン大統領の発言の根拠は、充分にありうる話、ということになる。

そのため、IS(ISIL)がシリアの刑務所から脱獄し、アメリカの意向に沿って戦うことに、何の不思議も無い。その事を懸念して、プーチンは今回の発言を、したのであろう。もちろん、何の根拠も無しに、プーチン大統領がこうした、デリケートな問題について、発言することはあるまい。

もし、IS(ISIL)がSDFやYPGと連携して、戦闘に参加するなら、SDFやYPGは元気付くことであろうから、アメリカ軍の武器供与に合わせ、トルコ軍は苦戦するかもしれない。

今回のトルコ軍の、シリア侵攻によって、IS(ISIL)は新たな戦闘の機会を、得たという見方は、アメリカの専門家の間でも、ヨーロッパの専門家の間でも、言われている。そうなる可能性は、決して低くないということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:49 | この記事のURL
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