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NO4723 10月23日 『コロンビア大研究所トルコIS関係報告暴露』 [2017年10月23日(Mon)]
*
アメリカのコロンビア大学の研究所が、詳細なトルコとIS(ISIL)との関係を、暴露する報告書を作成した。その報告書の内容は、カリフォルニアにあるCourier.COMが、広く一般に公開した。*

*
その内容によれば、トルコ政府はIS(ISIL)に対して、軍事協力、武器の供与、資金提供、医療協力、ロジステック協力をしていたというのだ。この調査報告の製作はデビッド・フィリップ氏が代表した。*

詳細は以下の通りである。

:トルコ軍事支援

IS(ISIL)の指令官が、ワシントンポストとのインタビューのなかで、ほとんどの戦闘員がトルコ経由で、参加していると語った。同時に彼はIS(ISIL)
の武器その他の供給ルートもトルコだ、と明かしている。2014年8月12日

CHPのケマル・キリツダウール氏は、トルコはIS(ISIL)に武器を送っており、それはトラックによって、運び込まれている、と明かしている。2014年10
月14日

CHPのビュレント・テズジャン氏は、ロケット、武器、弾薬などが、トルコからシリアのIS(ISIL)に送られている、と語っている。

トルコのジュムフリエト紙は、フアト・アウニ氏の情報として、トルコはアルカーイダと協力関係にある、テロリストたちに、資金軍事支援を行っている、と報じている。
2014年10月12日

:トルコはロジステック面でIS(ISIL)に協力

ムアンマル・ギュレル内相は、トルコのハタイが、ムジャーヒデーンたちにとって、トルコからシリアに抜ける通路として、極めて重要な場所だ、と語っている。そして支援は増加しており、ロジステック支援、医療支援、軍事訓練の、場所となっている。
2014年6月13日

デイリーメール紙はシリアやイラクに向かう、外国人戦闘員はトルコを、経由していると報道。2014年8月25日

イギリスのスカイ・ニューズ社は、トルコ政府が戦闘員のパスポートに、シリアやイラクに入る前に、出国スタンプを押していることを、確認している。

エジプトの情報幹部はトルコが、衛星画像やその他の情報を、IS(ISIL)に提供していることを、明かしている。2014年10月9日

:トルコが戦闘員に軍事訓練提供

トルコのCNNテレビは、イスタンブールのアダパザリ、ドズジェが、IS(ISIL)の集合場所になっていることを、明かしている。2014年7月29日

トルコでIS(ISIL)に参加した戦闘員たちが、集合している。2014年7月28日

IS(ISIL)のメンバーが、イスタンブールのオメルデイで、集合礼拝を行っている。

ヨルダンの情報部の情報によれば、トルコはIS(ISIL)の戦闘員に、特別作戦の指導を行っている。

:トルコはIS(ISIL)戦闘員に医療支援

IS(ISIL)の司令官は高官を含め、IS(ISIL)
の負傷者などの医療支援を、トルコの病院で受けていることを明かした。これはワシントン・ポスト紙に司令官が語ったものだ。2014年8月12日

タナフ・ニューズ紙は、AKP
の創設者の一人である、デンジル・メフメト・フィラット氏は、トルコがテロリストに対して、支援をして来ていたが、今でも支援しており、医療支援も行っている、と語った。
2014年10月12日

:トルコは石油輸送を通じてIS(ISIL)に資金援助をしている

ニューヨーク・タイムズ紙は、オバマ政府はトルコに対して、IS(ISIL)が石油を売ることで、資金を得ていることを、止めようとしている。2014年9月13


トルコのラデイカル紙のフェヒム・タシキン氏は、非合法なパイプラインが、シリアから石油を、トルコに移送していることを明かした。2014年9月13日

:トルコがIS(ISIL)のリクルートを支援

キリチダウールCHP党首は、トルコのガジアンテペやイスタンブールに、IS(ISIL)のリクルート・センターがあることを明かす。2014年10月14日

コンヤのムフテイは、100人のトルコ人が、IS(ISIL)に参加したと語る。2014年10月10日

オダTVがトルコやドイツの、トルコ語を話す人たちを、IS(ISIL)にリクルートする放送を放映。

スアト・キリジ・スポーツ相が、ドイツのサラフィ・ジハーデスト・メンバーに会う。彼らはコーランを無償配布し、寄付金を集めている。

オダTVはIS(ISIL)メンバーがイスタンブールでバスに乗っている光景を放送。

:トルコ軍はIS(ISIL)と共闘

セィモア・ハーシュ記者は、エルドアン大統領がヌスラなど、ジハーデストを支援していることを、ロンドン・レビュー誌に掲載する。

DHPのデミル・チェリク議員は、トルコの特別部隊がIS(ISIL)と、共闘していることを明かす。

:トルコ軍がコバネの戦いでIS(ISIL)側で参戦

コバネの市長アンワル・ムスリムは、トルコが完全な武器を、IS(ISIL)に提供していることを明かす。これはCHP
議員団がコバネを訪問した折に、明かされたものだが、トルコ政府はIS(ISIL)に戦闘服から銃まで、提供しているということが、明らかになる。2014年9月
19日

トルコ軍は戦車や武器を、IS(ISIL)支配下であるジャラブルスやカルカミシュで、自由に移動していることが、ヌハバル・ビデオで明らかになる。

:トルコとIS(ISIL)世界観共有

ジョー・バイデン氏はトルコが、IS(ISIL)を支援していることを明かす。

フリエトにトルコの公務員が、IS(ISIL)とトルコ政府の高官が、通じていることに驚いたと語る。2014年9月26日

これだけ詳細な報告がこの時期に、アメリカで公表されたことには、それなりの目的があるのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:01 | この記事のURL
NO4722 10月22日 『米がトルコの銀行に数十億ドルの罰金イラン制裁破りで』 [2017年10月22日(Sun)]
* アメリカ政府がトルコの6つの銀行に対して、イランに対する経済制裁を破ったとして、罰金を果たす方針だ、とロイターが報じた。*

*この問題については、トルコのハベル・トルク(トルコ・ニュース社)が報じたものが、その内容は厳しいもので、ひとつの銀行に対しては、50億ドルの罰金が果たせられ、他の二行はそれよりも、罰金の額は少ないようだ。しかし、ハベル・トルコ社はウエッブ・サイトに掲載したこのニュースを、後で抹消している。*

*しかし、このニュースについて、トルコの政府関係者は全面否定し、『そのような連絡はアメリカから受けていない。』とコメントしている。通常であれば、アメリカ政府がそのような決定を下した場合は、トルコ政府の財務省に、まず連絡があるのが普通だ、ということだ。*

*他の国の銀行は、既に制裁を受けていることから、イランとのマネー・ロンダリング問題は、真実味を帯びてきそうだ。もちろん、イラン側もこの問題で、制裁の対象になる、ということだ。*

*エルドアン大統領はアメリカとの交渉のなかで、表面では、ギュレン・グループに対するアメリカの対応を非難し、ギュレン氏をトルコ側に引き渡すように、声高に叫んでいるが、実は裏では、レザ・ザッラブ氏の釈放を、第一に要請している、と言われている。*

*このレザ・ザッラブ氏はイラン人であるが、エルドアン大統領との特別な関係で、トルコ国籍も持っている人物だ。レザ・ザッラブ氏はイランとトルコとの間で、マネー・ロンダリングを行っていた人物だ。*

*また彼はエルドアン大統領ばかりではなく、彼の子息ビラール氏とも、特別な関係にあった、と言われている。イランは彼の活躍で、外貨不足問題から、救われることが、出来ていたのだ。*

*後には、彼の存在が危険だと判断し、イラン政府とトルコ政府は、彼を暗殺するだろうと言われていた。そのため、レザ・ザッラブ氏は暗殺されることを恐れ、アメリカに渡り、フロリダで逮捕されることとなったが、彼自身が出頭したのだろう、と言われている。*

 今回のアメリカによる、トルコの複数の銀行に果たせられる、巨額の罰金は、このレザ・ザッラブ氏の証言を元にして、下されたものと思われる。そして、その先にあるのは、エルドアン大統領を含む、エルドアン・ファミリーへの嫌疑であり、逮捕ということになるのではないか。

 エルドアン大統領は今回の問題で、トルコとアメリカとの関係が、ビザ問題やボデー・ガードの釈放問題などで、こじれているために、出てきたものだ、と説明している。トルコの財政は現在逼迫しており、もし、アメリカが罰金を果たすことになれば、トルコの財政はますます悪化する、ということになろう。なお、マネー・ロンダリングに関わる賄賂は、エルドアン・ファミリーの懐に入っているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:14 | この記事のURL
NO4721 10月21日 『ラッカ陥落後に待ち受ける米への重圧』 [2017年10月21日(Sat)]
*シリアのラッカが、SDF(シリア民主軍)の手に落ちた。IS(ISIL)はほぼ完全に、ラッカから追放され、あるいは殺害され、あるいは逮捕されたようだ。その事はラッカ住民にとって、最高の喜びであろう。*

 しかし、その後には、ラッカがIS(ISIL)侵入前のような状態に、回復出来るのか否かという問題が、持ち上がってくる。あるいは、シリア軍がラッカに、圧力を掛ける前の状態、つまり、シリア内戦ガ起こる前の状態に、戻すということだ。

 この現実を前にして、アメリカ政府は相当頭を、悩ましているものと思われる。アメリカ政府はラッカ住民に、家を建ててやり、食糧を与え、学校を再開してやらなければ、ならないからだ。医療サービスも必要であろう。

 2014年以来、ラッカを支配下に置いていたIS(ISIL)は、そこで法を定め、通貨を発行し、パスポートを発行していたのだ。IS(ISIL)は彼らの組織を、イスラム国家と名乗り、ラッカをその首都だ、と宣言していたのだから、ある意味ではこうしたことを行ったのは、当然であったろう。一時期は、マスコミを通じて、IS(ISIL)の発行した金貨の写真が、広く報じられてもいた。

 アメリカ政府はラッカの住民に対して、人道的な援助を送ることは当然であり、IS(ISIL)のもたらした精神的拘束からも、解放しなければなるまい。また、各所に設置された爆弾、地雷なども、撤去しなければなるまい。

 そして、ラッカに地方政府を設立し、民主化も図らなければなるまい。それには、地域の人種民族への、権限の配分も考慮しなければならない、ということだ。そうしなければ、新たな衝突がラッカの住民の間で、起こってしまう危険性があろう。

 シリア政府にしてみれば、アメリカの息のかかった、新しいラッカの誕生を、邪魔したいと思うだろうし、ロシアやイランもしかりだ。つまり、アメリカが努力しても、ラッカは極めて不安定な状況に、あるということだ。

 莫大な資金と、ラッカの正常化への地方政府に対する、統治支援には、アメリカから多くの分野にわたる、専門のアドバイザーも、送り込まなくてはなるまい。それ無しには、ラッカ住民だけでは戦後の復興には、時間がかかり過ぎてしまうからだ。

 だが、そのラッカへの支援に、アメリカ政府はどれだけの資金をつぎ込み、専門のアドバイザーを、送り込めるだろうか。それに比べ、イランやロシアの方は、アメリカが考えるような、贅沢なことは考慮しないであろうから、復旧は案外早くできる可能性がある。

 アメリカはこの場合も、世界に呼びかけて、負担を強いるのであろう。国連はそのいい道具になろう。もちろん金満大国の日本は、応分の負担を強いられよう。日本政府はいまのうちから、覚悟しておいた方がいいだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:20 | この記事のURL
NO4720 10月20日 『IS幹部トルコへ逃亡・地獄の沙汰も金次第』 [2017年10月20日(Fri)]
*シリアのIS(ISIL)の首都とされていた、ラッカがSDFの攻撃の前に陥落し、その後、IS(ISIL)の戦闘員は、シリア各地に離散している。ラッカに残った者のほとんどは、殺されたようだ。*

*しかし、IS(ISIL)の幹部たちは、トルコ領土に逃亡したようだ。シリアのラッカを始め、デルズール、ホムス、北アレッポといった場所から、トルコに逃亡している、ということだ。*

IS(ISIL)の幹部たちは、トルコ側に対して、2〜3万ドルの現金を渡すことのよって、トルコ領に入れたということだ。その2〜3万ドルが一人に付き、なのか、団体に付き、なのかは分からないが、多分一人に付きではないかと思われるが、トルコ側にとっては結構ないい取引であろう。

トルコへの逃亡の際、IS(ISIL)の幹部たちは、アレッポの北に集結し、その後、シリア・トルコ国境地域に移動し、次いでトルコ領土内に、逃れた模様だ。

同じように、シリアの北部のハサカからも、数百人のIS(ISIL)メンバーが、トルコ領内に逃亡している。逃亡者の内訳は外国人、シリア人などさまざまなようだ。

これまでトルコ政府がIS(ISIL)に対して、影で種々の便宜供与をしていたことは、既に多くの人達の、知るところとなっている。トルコ政府はIS(ISIL)に対して、武器を供与し、サウジアラビアやカタールから送られる、資金を手渡し、戦闘員の入国と通過も、黙認してきていたのだ。

また、IS(ISIL)の多くの戦闘による負傷者の治療も、トルコ国内の病院で行われてきているし、その病院はIS(ISIL)のメンバーだけのものであり、その責任者はエルドアン大統領の、娘だということも知られている。

従って、今回のようなIS(ISIL)戦闘員や、幹部のトルコへの逃亡は、黙認されて当然であろうし、あるいはトルコ政府が、後ろでそれを、支えているのかもしれない。

もうひとつは、トルコとシリアとの間には、幾つもの密輸ルートが出来ており、これまで、そのルートを通じて消費物資が、トルコからシリアに送られていた。また、シリアからはトルコに向けて、石油の密輸が行われており、ロシアは数百台のタンク・ローリーの車列を空爆したが、ロシアは攻撃の後、その空爆の写真を、公開してもいる。

このシリアの石油のトルコへの密輸は、エルドアン大統領の子息ビラールがやっていたことも、良く知られている。トルコのエルドアン一家は、IS(ISIL)への支援で、相当の利益を上げていたものと思われる。

それにしても、ラッカの陥落はまさに『地獄の沙汰も金次第』を証明することになったようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:40 | この記事のURL
NO4719 10月19日 『サイフルイスラーム・カダフィ政治復帰』 [2017年10月19日(Thu)]
*リビアのカダフィ大佐の次男サイフルイスラームが、政治の世界に復帰した、とカダフィ・ファミリーの弁護士ハーリド・ザーイデイが語った。この弁護士はチュニスに事務所を抱えている。*

*彼は頻繁にサイフルイスラ−ムと、電話連絡しているということだが、サイフルイスラームがいま何処にいるのかを、明かしてはいない。サイフルイスラームはズインタンから釈放されたと言われているが、サイフルイスラームの事務所が何処にあるのかも、明かしていない。*

*しかし、サイフルイスラームがリビア国内で、各部族と連絡を取り、政治活動を開始していることを、明言している、また、サイフルイスラームの健康状態は、心身ともに良好だ、とも語った。*
 サイフルイスラームはいまだに、国内外の裁判所が戦争犯罪者として、逮捕しようと思っているが、彼は父親の跡を継ぎ。リビアの建て直しを、する意志が固いようだ。彼に対してリビアのトリポリ裁判所は、欠席裁判で死刑判決を下している。また、国際刑事裁判所も逮捕を命じている。*

 さて、このリビアの大スターを、トリポリのセラジ首相が抱きこむのか、あるいは東部のハフタル将軍が抱え込むのか、興味深いところだ。彼は何と言っても、混乱が続くリビアでは、大物であろうし、国民の期待も大きいだろう。リビア国民は戦いと貧困に疲れ切っているはずだ。

 もちろん、サイフルイスラームは自身で部族を引き寄せ、一大勢力を結成していくかもしれない。平易な言い方をすれば。彼はまさにリビアの台風の目であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:11 | この記事のURL
NO4718 10月18日 『クルドは戦わずに何故キルクークを手放したのか』 [2017年10月18日(Wed)]
* クルドの軍隊であるペシュメルガは、最初にシリアのコバネでの戦いで、圧倒的な強さと勇敢さを示し、それまでシリア軍もイラク軍も勝てなかった、ISに勝利している。*

その勇敢なクルドが、何故今回はキルクークでの、イラク軍との緊張のなかで、戦わずにキルクークをイラク軍に、明け渡したのであろうか。バルザーニ議長の頭のなかには、どんな考えがあったのであろうか。

そして、そもそもクルド自治政府は、何故多くの国々が反対するなかで、強引に住民投票をして、クルド地区のイラクからの分離独立を、問うたのであろうか。バルザーニ議長は今回の、キルクークからのペシュメルガ軍引き上げの後『住民投票の結果をゴミ箱に捨てるつもりは無い。』と語っている。

つまり、ペシュメルガ軍がキルクークから、戦わずにして撤収したのは、計算づくだったということであろう。それは単純に考えると、イラクの一大産油地であるキルクークで、もしクルドのペシュメルガ軍と、イラク軍が戦闘することになれば、多くの死傷者を出すばかりではなく、油田地帯の施設も油井も、破壊されたことであろう。それでは、その後の復旧までに膨大な資金と、時間を必要とすることになろう。

クルド自治政府はキルクークでの、イラク軍とのにらみあいのなかで、ペシュメルガの持つ装備と規模を、十分にイラク軍側に示し、知らしめたことであろう。それにもかかわらず、バルザーニ議長がペシュメルガ軍を、撤収させたということは、イラク政府に対してその後に政治交渉をしろ、とメッセージを送ったということであろう。

 いったん戦闘が起こらなくなったいまでは、ゆっくりとバルザーニ議長はイラク政府との政治交渉開始に、備えることが出来るようになったということだ。そして、その政治交渉を早急に始めろという要求は、周辺諸国や欧米から起こってこよう。

 この政治交渉については、アメリカは現状では中立の立場を採る、と言っているが、裏ではクルド自治政府を支援して、有利な合意を生むように、イラク政府に働きかけることになろうし、ヨーロッパ諸国も然りであろう。

 トルコとクルド自治政府との関係は良好だったし、クルド自治政府との間には、経済的メリットも石油の輸入や企業進出で大きい。従って、トルコ政府は自国の経済利益を、最優先して動くことになろうから、クルド自治政府の敵にはなるまい。

 イラク政府はクルド地域が、イラクから分離独立することは、国家としての面子を失うことになり許せまい。またそれを許せば、他のアラブ諸国でも、分離独立の動きが激しくなり、せっかく安定化に向かい始めた状態が、元の戦闘状態に戻ってしまう危険性があろう。
 そうなると、今後のイラク政府の選択肢は、クルド地域の石油利益をどう配分するのかということと、イラクは今後、クルド地域を含む連邦国家にする、というあたりが落としどころではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:19 | この記事のURL
NO4717 10月17日 『今後も続くアメリカのクルド全面支援』 [2017年10月17日(Tue)]
*アメリカがイラクのクルドを、支援し始めたのは、1960年代の後半から、1970年代であろうか。イラクの体制と対立していたアメリカは、クルドを利用してイラクへの介入を、強化していたということだ。*

*イラクのクルドは、サダム体制からの弾圧の下で、アメリカのスパイとして活動していた、ということだ。そして、イラクのクルドを支援していたもう一つの国はイスラエルだった。イスラエルにしてみれば、『敵の敵は味方』という発想だったのであろう。*

*シリアでもアメリカが一番支援したのは、クルドの部隊であり、今回進められている、ラッカからのIS掃討作戦でも、クルドを中心とするSDFが、主力となっている。その作戦は成功裏に進み、ラッカからのIS掃討作戦は、ほぼ終了した形になっている。*

 いまイラクでは、キルクークの支配をめぐり、クルド自治政府とイラク政府が、武力衝突の一歩手前にあるが、アメリカはどう動くのであろうか。アメリカはこの緊張のなかで、中立の立場を採ることを、決めたと言っている。

 実はアメリカは中立ではなく、クルドを支援する意向のようだ。イスラエルからの情報によれば、アメリカはイラク軍がクルドに対して、攻撃を加えた場合には、イラク軍を攻撃する、と語っているのだ。

 これはアメリカが今後も、クルドを自国の道具として使っていく、ということの意思表示であろう。またその必要は、何処にあるのかといえば、イラク政府に対する圧力であり、イランをも伺う、ということではないのか

 今回のアメリカのクルド支援の発表は、アメリカの本音がばらされた、ということであろうか。それはトランプ政権の情報管理が、ずさんなためなのか、あるいはアメリカには、迎える国は無いという、傲慢な姿勢から出たものでであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:01 | この記事のURL
NO4716 10月16日 『キルクークにPKKが支援部隊戦闘参加か』 [2017年10月16日(Mon)]
*イラクからの分離独立をめぐり、北イラクのクルド自地政府と、イラク中央政府が対立し、このなかでキルクークの領有をめぐり、両者の関係は悪化の一途を、たどっている。それは述べるまでも無く、キルクークがイラクのなかで、最も大きな石油地帯の、一つだからだ。*

*クルド自治政府は自軍のペシュメルガを、キルクーク地域に送り込み、死守する構えのようだが、これにトルコのクルドのテロリスト組織PKK(クルド労働党)が、支援に入ったようだ。*

 キルクークの領有問題については種々あるが、サダム体制下でキルクークをアラブ・イラクの地域にするために、サッダーム・フセイン大統領はアラブ人を移住させ、クルド人を追放し、キルクークをアラブの地域にすることを、狙っていたといわれている。

 このため、多くのクルド人がキルクークから追放され、住民の大半がアラブ人に変えられた、という経緯がある。それはあたかも、イスラエルがパレスチナ人を追放して、イスラエルの土地だ、としたことに似ている。

 当然のことながら、それはクルド人の怒りを呼び、サダム体制崩壊後には、その逆の現象が起こり、クルドのペシュメルガの部隊が、今度はアラブ人を追放し、クルド人をキルクークに帰還させる、という現象が起こっていた。

 キルクークをクルド自治政府が支配するのか、イラク中央政府が支配するのかで、今後の状況は一変することになる。クルド自治政府が支配下に置けば、クルド自治政府は経済的な問題が無くなり、豊かな国家として独立し、兵器も装備し、イラク中央政府は手を、出し難くなる危険性があろう。

 もし、キルクークをイラク中央政府が支配すれば、その逆の状況が生まれるということであり、クルド自治政府は独立が困難となり、自治権を付与され、イラク中央政府がくれる石油収入の分け前を、受け取るだけとなろう。

 こうした事情から、今回のキルクークをめぐる戦いには、トルコのPKKが参戦する形になったのだ。それは、PKKがこれまで、クルド自治政府から、同地域のカンデール山に拠点を持ち、留まることを許可され、トルコ軍の攻撃から守られていた、ということがあるからだ。
 
 つまり、単純な言い方をすれば、トルコのPKKはクルド自治政府の危機にあって、援軍を送ることで、これまでの好意に対して、お礼をしているということだ。

 しかし、話はそれだけではあるまい。いまクルド人たちの頭の中にあるのは、トルコのクルドもイラクのクルドも、クルド国家の樹立であり、それにはイラク北部だけではなく、トルコの東部の地域も、包含されるということであろう。

 こう予測するのは、私だけではあるまい。当然のこととして、トルコ政府も同じような懸念を、抱いているものと思われる。そうなると、クルド自治政府とイラク政府による、キルクーク支配をめぐる戦闘が、クルド自治政府のペシュメルガ軍と、イラク軍の間で起これば、トルコ軍が介入する可能性が極めて高くなろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:24 | この記事のURL
NO4715 10月15日 『ISはモースルに続けてラッカも敗北近い』 [2017年10月15日(Sun)]
*IS(ISIL)のイラクのモースル敗北は既に完了したが、IS(ISIL)が彼らのイスラム国家の首都だと語っていた、シリアのラッカの拠点も失いそうだ。既に、敗北の兆候は明確になってきている。*

*ラッカ作戦はアメリカが立案し、主にクルドのSDFが攻撃に当たっていたが、このSDFの攻撃が効を奏したのであろう。ラッカからの市民の脱出や、IS側の脱出などが、SDFとIS(ISIL)との間で合意され、これまでに何度か実施されたようだ。*

*そして遂に、SDFはラッカの85パーセントを、解放したと宣言するに至った。それはまんざら嘘ではあるまい。IS(ISIL)はここでも、もう戦闘を継続する能力を失なったようだ。そうなるとIS(ISIL)は今後どうするのか、ということが注目される。*

*SDFによるラッカ攻略が成功しているのは、一言でアメリカが与えた武器の、種類や量が潤沢だということであろう。もちろん、SDFの戦闘員の戦闘意志と、その能力が高いことも、評価すべきであろう。*
 以前、シリアのコバネでの戦闘で、クルドのミリシアはIS(ISIL)との戦闘に勝利しており、SDFは主体がクルドであることから、SDFの戦闘員には、IS(ISIL)に対する恐れは、無かったのであろう。*

*もう一つのポイントは、アメリカがシリアのラッカでは、既にIS(ISIL)を必要としなくなった、ということであろう。そうでなければ、アメリカはIS(ISIL)に対して、空輸で武器を送っているはずだからだ。*

*アメリカはシリアでもイラクでも、何度もIS(ISIL)側に対して、武器や医薬品その他の物資を、空中から投下して支援していたのだ。*

 いま、アメリカはIS(ISIL)の戦闘員を、シリアのデルズールやイドリブに集結させ、それをSDFに攻撃させるという、方針なのかも知れない。イドリブには親切にも、トルコ軍が出向いているのだから、戦闘はIS(ISIL)側にとっては、ますます不利なものになる、ということであろう。

 もちろん、アメリカはそうしたIS(ISIL)の窮地にあって、幹部と家族だけは救う手立てを、しているのであろう。今後、デルズ−ルやイドリブで、IS(ISIL)が掃討されていくなかでは、アメリカ軍による、IS(ISIL)幹部救出作戦が、ヘリを使って行われた、というニュースが何度か飛び出してこよう。

そのニュースが頻繁になってきたときが、IS(ISIL)のラッカ敗北の、明らかな兆候ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:28 | この記事のURL
NO4714 10月14日 『火を吐くエルドアンの反EU演説』 [2017年10月14日(Sat)]
*アメリカに対して『トルコはアメリカを必要としない』とエルドアン大統領が発言したのは、つい数日前だった。そして今度は、EUに対しても『お前たちは正直ではない、トルコはEUを必要としない。』という内容の発言を10月13日にしている。*

*エルドアン大統領はトルコのEU加盟について『お前たちが正直なら、EUはトルコを加盟させたくない、とはっきり言うべきだ。我々はEU加盟を必要としてはいない。』と語ったのだ。つまりトルコのEU入り交渉は、もう止めにしようということだ。*

*エルドアン大統領が腹を立てているのには、ビザ・フリーの問題がある。トルコがEUのメンバー国になり、トルコ人がビザ無しでヨーロッパ諸国を、訪問できることを望んで、交渉してきたのだが、未だにこの問題は進展していない。*

*エルドアン大統領は相当このビザ・フリー問題で、腹を立てているのであろう。それは多くのトルコ人が、自由にヨーロッパ諸国に入ることを、強く望んでいるからだ。なかでもドイツ訪問は、300万前後のトルコ人が居住しているために、トルコ国民の間から強い要望があるのだ。エルドアン大統領は『俺たちは哀れに、EU入りのビザを待ち続けるのか?』と問いかけている。*

*エルドアン大統領はEU諸国が、本音を隠してトルコを、EUに入れないようにしている反面、テロリストたちには手あつい対応をしている、と怒っているのだ。ヨーロッパではトルコがテロリスト組織とみなしている、幾つものグループが自由に行動し、現地政府から生活支援を、受けてもいるのだ。*

*『ヨーロッパ諸国はテロリストに対して、自由を与えているが、彼らは正統なトルコ政府に攻撃を仕掛けている。』とエルドアン大統領は怒鳴りまくっている。EU諸国はトルコに対して、昨年7月15日に起こったクーデター以後、人権無視の対応をしている、とも非難しているのだ。*

*なかでもトルコとドイツの関係は、最悪の状態にある。ドイツのメルケル首相は公然と『トルコはEUに加盟させるべきではない。』と発言しているのだ。そのドイツはトルコにとって、最大の貿易相手国であり、関税合意が結ばれているのだから、話はややこしい。*

 エルドアン大統領は今年実施された、大統領権限拡大の国民投票で、在EUのトルコ人との大集会を企画し、閣僚を派遣したのだが、ドイツはもとより、オランダでもオーストリアでも、集会は全て禁止されている。その問題もエルドアン大統領が、激怒している理由の一つだ。

 さて、エルドアン大統領のアメリカに次ぐ、EUへの決別発言は、今後どのようはリアクションを、引き起こすのであろうか。ヨーロッパ人は総じて冷静な対応をするのであろうが、それは言い方を変えると、冷血な対応ということになる。エルドアン大統領が激高すればするほど、EU諸国の対応は厳しいものになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:32 | この記事のURL
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