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雄勝町の春祈祷「獅子振り」活動再開! [2012年01月21日(Sat)]


 平成24年本年もよろしくお願いいたします。

 昨年3月11日の東日本大震災以降、被災地のみならず全国の郷土芸能や祭り、行事が、その地で受け継がれてきた意味を再確認しました。
 たくさんの方々と出会いお話を伺ったり、支援をいただき、(社)全日本郷土芸能協会という組織の有り方も考えさせられた一年でした。

 
 被災した地域も人々も祭りも郷土芸能も、もがきながらも歩みを進めているようです。


 (社)全日本郷土芸能協会と『東日本大震災・郷土芸能復興支援プロジェクト』は、関係各所と連携をとりながら今年も引き続き活動してまいります。

 本年もよろしくお願い申し上げます。



 さて、正月私も実家の岩手に帰省し、大晦日の「悪魔祓い」や氏神様参り等、実家での正月行事をじっくり見てみました。

 情けないことに今まで気にも留めなかった「いつもの」行事だったのですが、やはり今年はいつもと気持ちが違います。



 そんな正月を過ごし、1月4日には年末にお伝えした岩手・宮城沿岸 獅子舞行事復興プロジェクト
で活動を再開する宮城県石巻市雄勝町の大浜地区の「春祈祷」に行ってきました。



 震災後から被災芸能支援や記録で大変お世話になっている阿部武司さん(東北文化財映像研究所)の車に同乗させてもらい北上川沿いを走ります。
 海に近付くほどに、北上川沿いの風景に津波の爪痕を見せつけられました。

 海に近付くほど、と書きましたが、海までは数キロもあって海自体見えない場所でもすっかりさら地になっているのを見ると、改めてその勢いに恐怖を覚えます。


 映像では見ていましたが、雄勝町の光景は9ヶ月経った今でもそれはそれは酷いものでした。

 こんな状況でもそれぞれの浜で「春祈祷」を行うという意味・・・。

 葉山神社も湾に面しており、津波被害を受けました。




 この日、大浜の住民だった方々が仮設住宅や現在住む離れた場所から20人ほどが神社に集まり、千葉秀司宮司のもと春祈祷を執り行いました。



奧のプレハブが今の神社です。プレハブのところまで津波があがったそうです。
この中には祭壇が設えられ、地区の皆さんがぎゅうぎゅう詰めに集まってお祓いを受けていました。

 春祈祷行事の中では、作占い(東方朔というそうです)が行われ、宮司さんが文書に則って今年の農業漁業などを占います。この重要な文書も実は流されていたのですが、奇跡的に発見、大学で洗浄されて使用できるまでになったそうです、驚き。


 お祓いのあとは外で(株)宮本卯之助商店からのレンタル獅子頭を使って獅子振りをしました。


 

この辺りの獅子振りは二人一組で舞うもの、頭も大きく重く、幕も長い、そして尻尾が付いているのが本当なのですが、東京からやってきた獅子頭は一人用につき、頭も小さく、幕も短い、尻尾もないという全く別物、とはいえ舞手のお二人は工夫して何とか一通りの舞を、2個の大太鼓に合わせて荒々しく舞っていました。

 尻尾がないと格好がつかない、舞のバランスも上手く取れないそうで、太鼓の太バチを尻尾に見立てていました。

 また柱を噛んだり、頭を噛んだりすることでお祓いをしますが、この東京獅子はミカンをくわえるのが精一杯。



それでも、アゴがはずれそうなほど頑張って口を開けて、皆さんの頭噛みをして歩いていましたがとても喜んでいました。やはり頭噛みは皆さんの記憶や身体にしっかりと染み付いているようです、正月が来たと皆思ったのではないでしょうか。

 通常獅子振りは地域の全ての家を回りますが、8〜9割の家が被災した雄勝では現状では難しく、この大浜地区でも神社のみで行いました。



 地元の伝承によると、獅子振りを始めると雪が降る。
 その言葉通り、獅子振りが始まる少し前から降り始め、舞の最中は真っ白になりました。
 これも地区の皆さんの記憶として、連綿と受け継がれてきた風景なのでしょう。

 いつもと違う窮屈な獅子振りといつも通りの雄壮な太鼓と笛の音、そして皆さんの笑顔から、大浜の新しい春が始まりました。


 当日の模様は阿部さんの動画に詳しいので是非ご覧下さい。http://www.youtube.com/user/asaproabe#p/u/8/cDTsOuYQOaw



 3日に明神地区で行った獅子もレンタルでしたが、好評だったそうです。

 5日は、この日の葉山神社春祈祷で笛を吹いていた方(あの雄勝法印神楽の舞手で笛吹き、今は仮設住宅に住む)の立浜地区のやはりレンタル獅子による春祈祷。

 6日の浜は雄勝町内で唯一と言っていいほどまともに残った浜で、頭もありそれを使ったそうです。

 15日には陸前高田市川原地区仮設住宅、仮設集会所にて「川原祭組」による悪魔祓い権現様(獅子舞) 【GBFundの助成を受け作り直したはっぴ(一関市の京屋染物店が製作)着用しました】、この模様もSAVE TAKATA阿部さんの動画、そしてblogとりらの皆さんが詳しく取材されているのでご覧下さい。

 また来週の24日には雄勝町名振地区の秋葉神社例祭「名振のおめつき」(宮城県指定無形民俗文化財)も。地区の方々が悩んだ挙句例年通り行われることに決定し、ここでも東京からの獅子頭が活躍する予定です。


 今年は「借り物」での活動でしたが、来年は「自分の浜の獅子頭」で。

 大浜ではGBFundの助成で、獅子頭を復元することに決めました。
 復元は宮本卯之助商店が協力します。


 全郷芸は、『東日本大震災・郷土芸能復興支援プロジェクト』を通して、それぞれの支援活動を繋ぎ、それぞれの地域の郷土芸能や祭りの再開に向けて活動していきます。



〔問合・情報窓口〕
(社)全日本郷土芸能協会 (担当 小岩)
〒107-0052東京都港区赤坂6-7-14-102
TEL・03-3583-8290  FAX・03-3583-2089
E-mail koiwa@jfpaa.jp URL http://www.jfpaa.jp