被災写真応急処置方法について
○写真プリントの処置について
1.塩分除去
できれば真水で洗う。
アルバムなどからは早く取りだして※、一つ一つ水洗いをする。
この場合の水洗いは、大量の水道水(純水よりも)を用いることが望ましいが、井戸水や湧水を使うことでも良い。
※ アルバムの処置について 参照
2.表面の汚れを除去
傷をつけないように、刷毛あるいは軟らかい布などを使用する。指は写真の表面に触れないように注意して取り扱う。
3.乾燥
1枚1枚、水分をスポンジあるいは布※で除去してから、1枚ずつ日陰で自然乾燥。
熱はかけないようにする。
自然乾燥は吸水性のある紙の上に平に置くか、写真のエッジの画像のない部分をクリップで挟み吊るして乾燥する。
湿っていると重ねた時にくっついたり、カビが生じる。
※ タオルなどケバがあるものは使用しない。
○アルバムの処置について
アルバム全体を洗うのは乾燥のことを考慮すると難しい。
アルバムから写真のみを取り外し処理。
台紙は海水を含んでいるので、フリーアルバムのビニールシートから写真を外すのは難しいかもしれない。
可能ならば外したほうが良い。
★処置に際しての注意点
1.記録について
・取り出した時の状態、どんな材料の写真か、その後何を施したかを、できるだけ記録しておくことが重要。
・余力があれば、処置する前に複写をしておく。
2.処置が難しいものについて
・重油をかぶっているなど手に負えない案件は、無理して処置をせず、なるべく低温で保管した上で、専門家に問い合わせてください。
3.写真の種類が不明な場合
・写真の時代や技法によって処置方法が違ってきます。
最近の家庭用プリンターでプリントしたものは、水に濡れると画像が消滅してしまうことがあります。
時代や種類が不明な場合は無理に洗浄せず、なるべく低温で保管した上、専門家に問い合わせてください。
※問合せ窓口
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(文責:NPO法人 文化財保存支援機構)