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藤岡喜美子のブログ

これまで細分化されてきた日本のサードセクターを横断的に再構築し、政府・行政セクター、企業セクターといった
従来のセクターに、イノベーティブで力強く活動するサードセクターが加わることで、3つのセクターが一体的に変化し、多様な主体者が社会問題を解決していく未来に日本に変えていきます。


『世界を変える偉大なNPOの条件』書評 [2012年11月04日(Sun)]
11月16日は仙台会場、18日は東京会場に、著者のヘザー・マクラウド・グラント氏が初来日されます。http://jacevo.jp/news/2012/10/765.html
世界を変える.jpg
今、サードセクター組織、企業、政府・行政関係者がこの本を読めば、未来の社会へと大きく歯車を回すために、どのように変えるのか、どのように変化を起こせばよいのか、解決の工夫が見出せ勇気をもつことができるでしょう。
著者は、最初は偉大なNPOの経営については、MBA的な発想にとらわれていた。それがまちがっていたと述べています。また、NPOにまつわるこれまでの6つの通説を否定しています。そして社会に影響を与える6つの原則を示しています。この本はこれからの日本のサードセクター組織の力量拡大、サードセクターの形成、社会システムをどのように変えていくのか、日本に多大な気づきを与え行動の変化を誘発するでしょう。昨年寄付税制が見直され、今は寄付文化の醸成について議論されていますが、私は、重要なことはサードセクター組織自身のの経営力UPだと思っています。
私はこれまでのサードセクターの経営について、既存のNPOの経営の本では、理想を述べているものが多くあまり参考にならず、MBA的な企業の経営の理論ではあまり参考にならず、実践において、孤軍奮闘、試行錯誤、戸惑い、悩みながらも経営してきました。
この本に出会ったことで私の戸惑いは確信に変わり、自分にかけていることがくっきりしました。
【NPOの経営にまつわる俗説】
1. 完璧な運営
2. ブランドに関する高い関心
3. 革新的な新しいアイデア
4. 模範的なミッションステートメント
5. 従来の評価基準による高評価
6. 大規模な予算

【6つの原則】
1. 政策アドボカシーとサービスを提供する
2. 市場の力を利用する
3. 熱烈な支持者を育てる
4. NPOのネットワークを育てる
5. 環境に適応する技術を身につける
6. 権限を分担する
このうち二つの通説とひとつの原則について説明します。
通説1:完璧な運営「従来の経営の考え方は、MBA的であり、システムや業務手順、戦略計画を重視しています。ある程度の運営管理は必要だか、社会に影響を与えるための説明としては不十分である」としています。偉大なNPOは「無責任な運営をしている。」「できたばかりの組織の能力と彼が取り組もうとする問題の間には深い谷のようなへだたりがある。」「より大きな影響を及ぼしたいという外向きの願望と、組織の中に資本を投下するというギャップを常に埋めていかなければならないことを知っている。」と説明しています。できたばかりの組織の経営者は、理事会や資源提供者(政府・行政や企業、寄附者など)からの組織体制へのチェックに対応し、新しいスタッフのマネジメントに忙殺され、外への力、成果への志向、成長のための「はずみ」ある活動意欲が喪失してはいないでしょうか。私も内向きと外向きはどちらかを完璧におこなうのではなく、内向きと外への成果と両方を試行錯誤しながらすすめていくしかないと思って実践してきました。組織運営については大きな失敗をしないようにスタッフには要所の対応を示し、外へ外へと常に挑戦し目を向けることを伝えてきました。事実私は、特別な支援もなく関係者の協力にてJACEVOを設立し、最初の資金は、会費のわずか160万、2年目決算額約1500万円、3年目に、これぞ理念達成のためには有効な事業と確信し、2億7000万もの大きな事業の申請に挑戦、実施するという選択をしました。完璧な運営をめざすのではなく、大きな失敗をしないように、しかしかならず成果を求める、組織運営は組織の弱みを自覚し、その場その場の対処ではなく、組織を成長しながらひとを雇用し、問題解決を図っていくという経営をしてきました。
通説3:革新的な新しいアイデア偉大なNPOの多くは「従来からある考えを採用し、成功するまでそれを調整し続けている。・・・それらをどのように実行するか、あるいは実行している中でどのように革新していくかによるところが大きい。」と説明しています。たとえば、市民フォーラムは、全国初の民設民営の支援センターで有名ですが、全国の都道府県や市町村で拠点が整備される中で、私たちがおこなうべきことは会計・労務の講座、法人化の講座ではなく、サードセクター組織の立ち上げ期、成長期に個別コンサルティングが有効で重要であると考え、その事業を展開するために企業や行政に提案を続けています。しかしある助成金の審査では、これまでおこなってきたことの代替えであるということで革新性の点数が低くなっています。市民フォーラムのコンサルティングは中間支援組織に広まっていない、つまり世の中にない新しいノウハウであること、私たち自身もそれらを継続して実行することで専門性をあげ、」ノウハウを蓄積し、常に革新し続けていることを説明していますがなかなか理解していただけません。この助成金の審査に関してはどうしても納得がゆかず、毎年ほとんど同じ内容で申請を続けています。この本でいう通説の感覚の審査に対し、現場からの主張を続けています。この本をよんでますます自信がもてました。また今後のプレゼンの戦略もたてることができます。

原則1:政策アドボカシ―とサービスを提供する
「すぐれたサービスを提供していても、次第にそれだけでは制度変革につながらないことがわかってくる。そのため、政策アドバカシーを行って政府の資金を活用したり、法律を変えたりして影響力を拡大する。」サービスと政策アドボカシ―の間を埋め、両方の機能を有効に果たしながら、社会への影響力を強めていく。」とあります。
たとえば、2005年厚生労働省が緊急サポートネットワーク事業を開始しました。このとき市民フォーラムでは、これらの活動をする担い手を育て、サービスを質を高めるためるためには、バウチャー制度が有効であると考えました。現在愛知県内では大府市、豊明市にて、病児・病後児預かりに対しバウチャー制度を導入しています。また、子育ち子育ての分野においては公共サービス改革の政策提言が重要であり、政策提言とサービスの提供の両方を行う一般財団こども財団の設立を支援しました。

私が今もっとも悩んでいるサードセクター組織の人材問題、労務問題に関しても、自分の考えを整理するヒントがありました。11月16日、18日のシンポジュームのときにお話ししたいと思っています。
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