CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


みんなの党の転換? [2012年12月21日(Fri)]
 時事通信の報道では、みんなの党の渡辺代表が来年の参院選での民主党との連携の可能性を示唆したそうです。

 みんなの党の渡辺喜美代表は21日の記者会見で、来年夏の参院選に関し「非自民のすみ分けが絶対的に必要になる」と重ねて強調、協力相手について「一番大きな固まりは民主党だ」と述べ、同党との候補者調整も検討する考えを明らかにした。
 渡辺氏は「民主党が全部(の選挙区に)出すと(衆院選の)二の舞いになる」と指摘。民主党が進めた消費増税など、みんなとの政策の違いについては「民主党の代表が次に誰になるのか着目する」と語り、同党の政策転換に期待を示した。 

 維新もみんなの党も自民党に飲み込まれていく危険を察知したのでしょうか。僕は、政策的には、そのように合流して自民党自体を乗っ取って新自由主義政党(党名は自由党がいい!)に純化させてもらうのがいいと思っていますが。

 いずれにしても、3年間、選挙後の政界再編を叫び続けてきたみんなの党が、ようやく、小選挙区制(参院選も一人区が29もある)のもとでは、選挙後には勝負がついていて、政界再編など起こりようがないということに気付いたのだとすればめでたいことです。

 しかし、みんなの党と民主党(さらには維新)とで自公政権に対して、どのような対抗軸を立てるのかが難しそうです。

 昨日、選挙結果と今後について共同通信と中日新聞から取材を受けましたが、僕が話したのは、安部政権がどのような路線になるかで二つシナリオが考えられるということです。

 一つは、安部政権が新自由主義を徹底する方向に行く場合で、その場合には、維新やみんなの党は路線が重なるので、むしろ一つの勢力になるだろうし、その方が望ましいと思われる。その場合には、数年がかりではあるが、民主党がそれに対する対抗軸として復活していく可能性が高まる。

 もう一つは、安部政権が、党内の既得権擁護派や公明党の抵抗で改革色を薄めていく場合で、その際には、維新やみんなの党が新自由主義的改革派として、民主党に代わって第二極になるだろう。民主党は部分的にそちらに合流するかもしれない。

 渡辺代表はどういうシナリオを描いて民主党との連携の可能性を言い出したかわかりませんが、かなり無理があるといわざるをえません。ともかく自民党にのみこまれるのを避けるということなら、今回の選挙前に維新などと連携を形成するべきでした。今更、という感じは否めませんが、とりあえず、みんなの党が小選挙区制の論理を理解始めたのだとすればいいことではあります。

 ただ、石原の存在もあって維新が自民党との連携に傾斜していること、渡辺代表が橋下との主導権争いで維新との連携が嫌だという報道があることを考えると、維新が自民党に近づくのをみて、みんなの党と民主党とで対抗軸を作ろうと考えたのかもしれません。それで勝てる可能性があるようには思えませんが。

 自公が3分の2を越えたことで(この責任は分裂した第三極にあります)、参議院選挙では政権はびくともしません。4年後の総選挙を見据えての第二極づくりの戦略を各党が考えるべきだと思います。参議院選挙の注目点は、そうした動きの兆しがみられるかどうかです。何の動きもなく、自公が惰性で勝利するという可能性の方が高いとは思いますが。
イタリア情勢 [2012年12月08日(Sat)]
7日のモンティ内閣の信任がかかった法案に中道右派が棄権したことで、与党からの離脱が表明され、来年4月に予定されている総選挙が繰り上げられる可能性が高まっています。大統領が解散権を持つので、その判断のために両院議長や各党党首との会談が始まっています。

中道右派の動きの背後には、ベルルスコーニが復帰する決断をしたことがあり、中道右派では待望論が盛り上がっているようです。新フォルツァ・イタリアを結成して、再びベルルスコーニが首相候補となって勝負をかけてくるようです。ベルルスコーニの後任を選ぶはずだった12月の予備選挙は中止です。

こうした状況のなか、最新の世論調査結果が発表されました(12月7日、デモス調査)。

先週日曜日に決戦投票が行われた中道左派の首相候補予備選が驚くほどの効果を及ぼしていることが判明しました。

3か月前に比べて、民主党の支持率が10%強上昇して過去最高の37.8%を記録しました。指導者の支持率でも、モンティ首相がトップから3位(47.3%)に落ち、予備選候補者だったレンツィが1位で61.9%、ベルサーニが2位で50.1%に上昇しました。

レンツィ効果で民主党への中道の支持が増え、中道連合は7.8%から5.2%へと支持を減らしています。

自由の人々は19.8%から18.2%へ落ち、北部同盟も5.5%から4.2%に落ち、第三極の「5つ星運動」は14.5%から15.0%で急伸がひと段落です。

300万人以上が投票したガチンコ勝負の予備選の成功は、イタリア政治に鮮明なインパクトを及ぼし、民主党の急伸をもたらしただけなく、第三極の伸びも止めました。

見事なもんです。

無策で面白くない日本政治からの気分転換になるので、イタリア政治がいつにも増して面白いです。

イタリア中道左派の首相候補予備選(プリマーリエ) [2012年12月03日(Mon)]
遅くとも来年4月に行われる総選挙に向けて、中道左派連合の首相候補予備選挙(決選投票)が2日に行われ、民主党書記長のベルサー二が61.1%で、フィレンツェ市長のレンツィ(38.8%)を大差で破りました。文句なしの統一首相候補ということになります。

第一回投票では、44.9%と35.5%だったので、結果はきわどいのではないかと思っていたのですが、3位のヴェンドラ・プーリア州知事の票(15.6%)のほとんどをベルサー二がとった形です。

これで、支持率でも中道右派を大きくリードしている中道左派が政権を奪回する可能性が高くなりました。中道左派内での世代交代などをめぐる対立は、300万人以上が投票した予備選挙という方法によって見事に収拾されました。

第三極の「五つ星運動」が相対第二党へと支持率を伸ばしていますが、中道左派は予備選の成功で何とか批判票をも取り込むかもしれません。

日本以上に党派対立が激しいイタリアですが、その分、なんとかまとめていく技術も高いです。

何よりも、左右ともに選挙前に連立の枠組みと政権政策、首相候補を決めて、政権選択権は有権者にゆだねるという慣習が完全に定着していることは注目すべてき点です。

翻って日本では、橋下氏が、選挙前に連立の枠組みを決めたら、小選挙区で争えないじゃないかと言ってましたが、まさに、小選挙区で無駄な共倒れをして自公を利することのないように事前に政権選択肢を構築するわけで、どうにも伝わりようがないようですね。

各紙で、衆院選向けの世論調査結果が発表されています。

自民党が下降気味、民主党がやや回復、維新が伸び悩みという傾向が共通して出ています。また、維新、みんな、未来の第三極を全部足すと自民党を上回るというのも共通です。

おそらく、このまま民主と第三極、および第三極同士の共倒れで、自公は圧勝というのが来週月曜日の最後の世論調査結果となるでしょう。それでも誰も何もしないのが日本政治です。

<< 2012年12月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
月別アーカイブ