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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


東国原 [2010年12月27日(Mon)]
毎日新聞によると、一期で辞職を表明している宮崎県知事の東国原氏が東京都知事選挙への立候補を決意したそうです。

大阪の橋下知事らとの連携も表明したそうです。

こうした目立ちたがりたちが日本政治を制覇することを許すかどうか、もはや笑い事ではすまなくなってきました。

少なくとも名古屋、愛知ではストップを掛けたいと思います。
ふまじめ連合への対抗軸 [2010年12月21日(Tue)]
来年2月6日投票の名古屋市長選挙に、石田芳弘さんが立候補することを表明しました。

河村・大村のふまじめ連合に対して、民主党はようやく石田・御園連合という本格的な対抗軸を立てることができました。

愛知県の自民党は完全に分裂しているようなので、2月6日は、この二大陣営が正面から激突することになります。

民主党が名古屋・愛知の決戦に負けるようなことがあれば、菅政権、民主党にとって致命的ともいえる打撃になるでしょう。そして、大阪維新の会と連携して、一気に第3勢力の結集の動きが推進されることでしょう。

注目を集めて首長に当選することにしか関心のないふまじめ連合の実態がどこまで有権者に浸透するかに勝敗はかかっていると思います。

石田さんはそうしたメッセージの発信者としてはベストだと思います。

河村人気の惰性はまだまだ強く残っているので、状況は厳しいと思いますが、これで互角の戦いになるところまでは来たと思います。
地方政府の多様化シンポ [2010年12月19日(Sun)]



地方政府の多様化を進める議員連盟の2回目のシンポジウムが東京で開かれました。10月2日も100人以上の地方議員が集まりましたが、今回も100人以上が集まりました(新しい人が多かったようです)。

基調講演の片山総務大臣も含めて、地方議会の現状についての危機感はほぼ共有されていました。また、地方政府の選択制についても、長期的課題としてはほとんどの人が賛成のようですが、分岐するのは、二元代表制のもとでもさらにやるべきことが多いので、それらをやり切ってから制度改革にいくべきと考えるか、制度改革を当面の課題として提起すべきかという点に尽きると言ってよいでしょう。

ガバナンス編集長の千葉さん、三重県議会の三谷議長、片山総務大臣などは、制度改革を提起すると、二元代表制のもとでの議会改革が阻害されると考えておられるようです。そこで、段階論になるようです。

しかし、選択制が導入されても、望む自治体が二元代表制を維持して改革を継続することに何の問題もありません。

逆に、選択制が導入されないままでは、予算提案権や執行部との兼職ができないという限界のもとでの自己改革しかできません。多様な政府形態のもとで議会が自己改革を追求できるようにすることになぜ反対なのか理解できません。

どの国の議会にくらべても極端に権限が弱い日本の二元代表制になぜこだわるのか、惰性としか考えられません。あわせて、制度改革に消極的で、現状での小改革に熱心になりがちな日本の風土も痛感させられます。(大きな改革論はホラとみられ、当面の小改革を主張する人は真面目とみられるようです)

なお、片山総務大臣の発言によると、拘束力のある住民投票の導入は来年の地方自治法の改正案に盛り込まれるそうですが、地方自治法の大改正による選択制の導入に速く着手してほしいと思います。

そのためにも、半田市の構造改革特区による議院内閣制の試行を、地方自治法改正のための事例と位置付けて許可してもらいたいものです。
「新しい公共」プロジェクトの戦略的展開を [2010年12月17日(Fri)]
経済産業研究所のHPにコラムを書きました。

「新しい公共」プロジェクトの戦略的展開を、というタイトルです。

鳩山政権から菅政権に一応は引き継がれた「新しい公共」プロジェクトが、雑多な提案の盛り合わせのまま終わる恐れが感じられるので、今後の展開についての私なりの提案を書いてみました。

http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0299.html
トリプル [2010年12月16日(Thu)]
選管の審査の結果、名古屋市議会のリコール署名は必要数をわずかながら上回り、政令市初めてという住民投票が行われることになりました。

来年2月6日に、愛知県知事選挙、名古屋市長選挙、住民投票がトリプルで行われるそうです。

直接民主主義の手段が発動されたこと自体は画期的ですが、直接かかわった人以外は後味の悪い感じがぬぐえないでしょう。

市民の権利であるリコールを公然と市長が政治的思惑で使ったこと、922名分の署名の偽造を典型として、とても市民運動とは呼べないようなルール違反が発覚したこと、などです。

マスコミも、その時々の流れに掉さすだけの無定見な報道姿勢が変わりません。朝日のS、中日のU、などは論外ですが、骨のある記者があまりに少ないです。

ともあれ、知事選のための思惑からの河村市長の辞職表明などによって、この一連の経過の基礎には、河村騒動を名古屋市から愛知県へと広げて、さらに全国的注目を集めたいという河村氏の個人的思惑があることが明らかになってきたと思います。

最大の問題は、議会でも河村派で過半数を握って、河村氏の思いつきがすべて実行できるようにするという以外に、自治の仕組みについて二元代表制の矛盾を解決する見通しがまったく示されていないことです。

ついには、中京都構想という、愛知県知事選挙とダブルで市長選挙をやるための口実で、名古屋市を解体する思いつき構想まで発表するに至りました。橋下大阪府知事の単なるパクリというのもあまりに恥ずかしいです。

市議会が自分の政策を通さないからと言っていますが、昨年12月にマニフェストの二大公約を議会は一旦可決したわけで、そのあとにマニフェストにもない議会の報酬と定数の半減案を出して否決させて議会リコール署名を始めたという経過からみて、それがまったくの口実にすぎないことは明らかです。

日本の政治家の業ともいうべき政界再編幻想にブレーキをかけ、二大政党を中心とする「政権交代のある民主主義」を確立するうえで、名古屋市、愛知県のトリプルは天下分け目の関ヶ原のような意義をもつことになってしまいました。

民主党は石田さんを最後の切り札と考えているようです。私もありうる最強のカードだと思いますが、石田さんも政治生命がかかる以上、民主党の本部と愛知が、来年2月のトリプルがもつ全国的な意味に見合った覚悟をどこまで見せるかを確認したうえでないと決断できないでしょう。

2月6日に、役者がそろった選挙で、有権者が最終的な判断を示す状況を作れるかどうか、政治家たちの本気度が問われます。狭い意味の自己利益を超えて、全体状況を良い方向に転換するために動ける政治家がどれだけいるかです。

あまり幻想を持たないようにしながら見極めたいと思います。
自民党内の造反 [2010年12月10日(Fri)]
自民党衆議院議員14人が、「愛知県知事選挙を考える有志の会」を作って、大村氏の除名撤回と重徳氏の推薦見直しを谷垣総裁に申し入れたそうです。

河村氏と組んだ大村氏を公然と支持するなど、かつての自民党ではありえなかったでしょうが、波乱が起きて政界再編につながるようなことなら何でもOKということでしょう。

自民党のしたたかさ、という面もあるでしょうが、現状では、野党として自己改革をして次の総選挙で勝つという本道を歩む決断がいまだにできないという崩壊現象という性格のほうが圧倒的に強いと思います。

二大政党の立て直しと、第3勢力の台頭のどちらが優位を占めるのか、どちらに期待するのかが日本政治をめぐる焦点だと思います。

マスコミは筋が悪くても面白い方をもてはやすので、本筋に有権者が関心をもつのは難しいでしょうが、日本の有権者は一時的には幻惑されても長くは幻惑されないという成熟度はもっていると思います。
懲りない第3勢力論 [2010年12月09日(Thu)]
8日の朝日夕刊によれば、大阪府の橋下知事が、中京都構想は「大阪都構想とまったく一緒という結論に至った」ので、連携すると表明したそうです。

河村氏たちが、県と市の「司令塔は一つ」と説明したからだということです。ある記者の話では、ではそのトップは河村と大村のどちらなのか、と聞いたところ、それは自分だ、もごもご、という答えだったそうです。

都をめざす愛知県知事に大村氏を押しておきながら、トップが自分だというのも変な話ですが、大村氏に遠慮して公然ともいえないというところでしょうか。おそらく、それほど長く市長をやる気も無いので、どっちでもいいのでしょう(国会議員への復帰願望をもらしたという情報がかなり流れています)。

この記事で興味深いのは、橋下知事が次のように述べたということです。

東京都、中京都、大阪都でタッグを組めれば、結構いい線いくんじゃないか。中京都と大阪都をつくるために奔走してくださる東京都知事が誕生してくれれば。(まさか東国原でないことを願いますが)

確かに民主党も自民党もぼろぼろなので、第3勢力論を出しやすい状況ではありますが、賽の河原のような空しい試みをなぜ懲りずに繰り返すのでしょうか。「みんなの党」の現状をみれば分かりそうなものですが。

私自身は、少なくとも政令市や都道府県は政党政治(二大政党制)にすべきだと考えているので(ヨーロッパでは末端の市町村まで政党政治です)、失敗して時間の浪費になることが分かりきっている第3勢力論、政界再編幻想は早期に潰すべきだと考えていますが、懲りない人たちはどうしようもありません。

しかも今回は、河村・大村連合を小沢一郎が密かに支援しているという噂も聞くので、民主党、自民党を巻き込んでの政界再編の起爆剤に橋下、河村を使おうという構想が見えてきます。

二大政党の正念場です。

愛知県、名古屋市はその主戦場になるでしょう。

自民党ははやくも重徳、大村に分裂しつつあります。

民主党は果たして踏ん張れるのでしょうか。
迷走 [2010年12月08日(Wed)]
今日の朝刊では、河村、大村両氏が会って、橋下大阪府知事の気に入るように中京都構想を微調整しようとしていることが報道されました。

もともと、政令市の解体、中京都=県の権限強化である都構想をパクるのは、河村氏の名古屋市長としての主張や立場と根本的に矛盾するので、当初は名古屋市は形として残すという案を出したところ、橋下知事から突き放されてしまったわけです。

今度は、県と市のトップを一元化するという橋下案を丸呑みして擦り寄ろうとしたわけですが、そうするとやはり名古屋市解体論に戻ってしまいます。

この迷走は、自らの主張の一貫性を投げ捨てでも、橋下知事との連携、アイデアのパクりにすがらざるを得ない危機感の産物でしょうが、そのように衰退過程に入った河村氏は、もはや橋下知事にとっての利用価値も低下していくことになります。

橋下知事は、関西人らしく打算で割り切るタイプのようなので、河村との連携を今後どうするかがなかなか注目されますね。
住民1000人当たりの職員数 [2010年12月06日(Mon)]
住民1000人当たりの自治体職員数のランキングを作っているサイトがありました。
http://wjp.iaigiri.com/thema014.html(以下、引用)

住民1000人当たりの職員数をランキングしてみました。
1番少ないのは、福岡県春日市で人口109,395人に対して、職員数412人。
人口1000人当たり3.766人になります。
逆に多いのは、東京都青ケ島村で人口195人に対して、職員数29人
人口1000人当たりで考えると、148.718人になります。
村は除外し、市レベルで1番多いのは、北海道歌志内市で人口5,321人に対して、職員数129人。
人口1000人当たりで考えると、24.244人となります。
一番少ない、福岡県春日市と比較すると6.4倍以上多いことになります。
どんなに人口が少なくても、組織として運営して行く為にはある程度の人数は必要だとは思いますが、皆さんどう思いますか?
ちなみに、市レベルで2番目に多いのは、北海道夕張市で人口13,268人に対して、職員数270人。
人口1000人当たりで考えると、20.350人となります。
※このデータは、平成17年度末のデータで計算しています。
 夕張市は、平成18年度末に大量に職員が退職したため、現在はかなり下がっているはずです。
※職員数は、総職員数(一般職員、教育公務員、消防職員、臨時職員)で計算しています。


少しデータ(平成17年)を紹介すると、職員数が少ないベスト15は以下の通りです。先日紹介した大野城市は見事全国3位です。

           人口   職員数 千人当たり
1 福岡県 春日市 109,395人 412人 3.766人
2 長崎県 長与町 42,730人 169人 3.955人
3 福岡県 大野城市 93,166人 379人 4.068人
4 福岡県 宇美町 37,925人 170人 4.483人
5 福岡県 筑紫野市 97,954人 440人 4.492人
6 福岡県 篠栗町 31,087人 140人 4.503人
7 福岡県 宗像市 94,616人 429人 4.534人
8 福岡県 前原市 68,516人 314人 4.583人
9 長崎県 時津町 29,671人 136人 4.584人
10 福岡県 志免町 41,286人 194人 4.699人
11 宮崎県 清武町 28,078人 132人 4.701人
12 愛知県 大治町 28,591人 135人 4.722人
13 群馬県 吉岡町 18,203人 87人 4.779人
14 岐阜県 可児市 95,155人 459人 4.824人
15 兵庫県 播磨町 33,876人 164人 4.841人

次は、職員数の多いワースト15(市のみ)です。

            人口  職員数 千人当たり
1 北海道 歌志内市 5,321人 129人 24.244人
2 北海道 夕張市 13,268人 270人 20.350人
3 新潟県 佐渡市 68,058人 1,327人 19.498人
4 大分県 竹田市 27,479人 481人 17.504人
5 長崎県 対馬市 39,193人 679人 17.325人
6 沖縄県 宮古島市 55,782人 916人 16.421人
7 徳島県 三好市 34,623人 568人 16.405人
8 三重県 熊野市 21,518人 348人 16.173人
9 北海道 芦別市 19,069人 308人 16.152人
10 青森県 つがる市 39,759人 638人 16.047人
11 岡山県 高梁市 37,005人 591人 15.971人
12 岡山県 新見市 36,433人 580人 15.920人
13 大分県 豊後大野市 42,852人 666人 15.542人
14 岡山県 美作市 33,583人 521人 15.514人
15 秋田県 仙北市 32,330人 500人 15.466人

人口1000人当たり職員数が多いのは、北海道など、過疎地で最低限の役所機能を維持せざるを得ないというような状況のように見えます。

少ない自治体が福岡県に圧倒的に多いのはなぜでしょう。多い自治体の6分の1、5分の1で運営しているわけですから、やりようによって想像以上の違いが出ることが一目瞭然です。是非研究してみたいと思います。

ちなみに、愛知県内の市では、最も少ないのが安城市で、最も多いのが名古屋市でした。

安城市 167,781人 934人 5.567人
名古屋市 2,145,208人 19,029人 8.870人
「中京都」構想? [2010年12月05日(Sun)]
愛知県知事選挙に河村名古屋市長と連携して出馬予定の大村氏が、「中京都」構想を公約に盛り込むそうです。

名古屋市など都心を分割して公選の区長が住民に身近な予算を決める「特別区」のような形に再編し、愛知県を「中京都」とする方向で検討されている。愛知県と名古屋市で重複する行政機能を簡素化し、効率化するのが狙い。(『朝日』12月5日)

名古屋市長の再選挙を愛知県知事選挙にぶつける口実は、橋下大阪府知事の大阪都構想のマネくらいしかないだろうとは思っていましたが、本当に出してきたのには呆れました。

河村氏は、名古屋独立論を主張してきたわけですから、名古屋市を解体して愛知県=中京都に吸収するというこの構想とは根本的に矛盾するので、さすがにありえないと思っていたのですが、もうはや理屈はどうでもいいのでしょう。

中京都構想の問題点の一つは、名古屋市が特別区に解体されることで、広域都市圏の政府がなくなってしまうということです。現在の区が自治体化すること自体はメリットですが、現在の名古屋市という広域での政府が解体され、中京都=愛知県に吸収されてしまうことは大きなマイナスです。

県の権限を政令市である名古屋市に徹底して分権化する方が、重複の解決策としてはまっとうだと思います。また、現在の区の自治体化については、そうした強化された名古屋市の都市内分権(公選区議会の設置など)によって十分可能です。

また、中京都構想という名の愛知県強化論は、市町村への分権、道州制の導入などによって、都道府県を相対化していこうとする大きな分権改革の流れにも逆行するものです。

河村氏は市長の再選挙を知事選挙に重ねる口実がとにかく欲しくてこれに飛びついたのでしょうが、こうした事実上の名古屋市解体論を旗印にしてどうやって名古屋市長選挙を戦うつもりなのでしょうか。

まさに支離滅裂です。

アイデアの枯渇と政治的思惑優先の産物としか思えません。
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