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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


代表選、総裁選 [2012年09月07日(Fri)]
民主党代表選が21日、自民党総裁選が26日ということで、ニュースはそればっかりになっています。といっても、主役は橋下徹ですが。

私が一番不満なのは、本来の路線対立を前提にした再編成が隠され、当面の総選挙対策だけを意識した論戦になっていることです。

石原伸晃が総裁なら、民主、公明と組んで増税・社会保障の一体改革をやるわけですから、そういう路線を前面に立てて、それと組もうとする野田総理もそれを明言して代表選をやるべきです。

安倍晋三が総裁なら、橋下と組んでやるわけですから、総選挙前に連合した選択肢を示して総選挙に臨むべきです。

ベストなのは、大きな政府派と小さな政府派がそれぞれ総選挙前に旗幟を鮮明にして二つの選択肢を提示することです。自民党も民主党も、総選挙をやったうえで強いものにつくのではなく、政策路線で総選挙前に分裂すべきです。

ほとんどの政党や政治家が、とりあえず総選挙を有利に戦うことしか考えず、国民に選択肢を示すことをまったく考えていません。マスコミも、政治家側の思惑の内部だけで議論していて、国民側に立って、きちんとした選択肢を示せというメッセージを出しません。

選挙をやった直後に多数派形成の談合が始まるという、中選挙区制や比例代表制に典型の行動を、小選挙区制なのにもかかわらず堂々とやろうとしています。まずは、小選挙区制で選挙をやるということを思い出してほしいものです。

それと、せっかく橋下が統治制度の根本的改革を提起したのですから、特に参議院の廃止については各党、各議員ともに正面から対応してほしいものです。