• もっと見る

〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


何のための選挙? [2010年11月15日(Mon)]
15日夕刊によると、河村名古屋市長は、以前から言っていたように来年4月の市議選にぶつけて市長を辞めて市長選挙をやるというのを変えて、来年2月の愛知県知事選にぶつけることを考えているようです。

市政運営に真面目な関心などなく、毎晩焼酎を飲みながら選挙と陰謀のことばかり考えている人らしい発想です。

何のための市長選挙なのか、政治的思惑以外の必要性がまったくありません。仮にまた当選しても、議会との関係はまったく変わりません。彼がもっと強引なことがやりやすくなるということくらいでしょう。

大村氏を担ぐのも、100%選挙のことだけを考えた結果で、自民党と民主党の両方を敵に回してどうやって政権運営をするのか、考えてもいないことでしょう。TVタックルのいいかげんコンビの政治遊びです。

ところで、そうしたとばっちりを受けて、名古屋市職員の残業時間が去年に比べて26・2%増えたという朝日新聞の調査が夕刊に載っています。市長がマネジメントを真面目にやらず、議会との政治ごっこばかりやっていることの結果です。

市長の思いつきの「頼む」と、議会用の資料の激増が原因とのことです。

30代後半の女性職員は「市長の発言に振り回されている」。重要な施策を報道陣の前で突然口にし、確認すると「言ってまったで頼むわ」。その度に残業が増える。発信力の高さは市長の売りだが、「必要ない仕事が増えて迷惑」と手厳しい。

この職員によると、減税や議員定数削減など思い入れの強い施策が偏り、他がなおざりと感じることも、という。

| 次へ