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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


選管騒然 [2010年10月26日(Tue)]
26日付け各紙によると、名古屋市選管へ議会リコール署名の受任者や支援者ら70人が抗議に乗り込んだそうです。論点そっちのけでパフォーマンスをやるという河村流です。

彼らのことはともかく、運動体として、まずは説明すべきことを説明すべきだと思います。前回も書いた通り、問題の核心は、10人の請求代表者が11万以上の署名を集めたというのが事実かどうかです。彼ら10人が十分な説明をすることが先決で、それをしないで抗議もへったくれもありません。

ところで、読売の記事に次のような一節がありました。

中区で署名集めを担当した女性(78)は「支援団体から『街頭署名の場合は、受任者欄は空欄でも有効』と説明を受け、500人分を集めた。無駄になってしまうと思うと悔しくて足を運んだ」と話した。

前回書いたように、請求代表者が集める場合は受任者欄は空欄でいいという説明を逆手にとって、(請求代表者がいようがいまいが)街頭で受任者欄を空欄のまま集めてしまうという方針が組織的に採られたということがこの証言でも確認できます。

街頭での署名活動には請求代表者が必ず同席していたのでしょうか。それとも、どうせ後からは確認できないので、請求代表者がいたことにすればいいということでごまかしたのでしょうか。

こうして、各区の有権者はその区の受任者に対してしか署名できないというルールを組織的に破ったということでしょう。

署名者や受任者が抗議すべきは、こうしたいいかげんな方針を流した運動団体指導部に対してです。そして、最大の説明責任は、10人の請求代表者たちにあります。

マスコミはなぜ彼らに説明を求めず、空騒ぎだけを報道するのでしょうか。

問題そのものに対してマスコミとしての考え方を一切示さず、ただ状況に掉さした報道を垂れ流すやり方にはうんざりです。
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