鎌田 實
[2010年05月20日(Thu)]
『がんばらない』などのベストセラーを書いたお医者さんということは知っていましたが、本を読んだのは初めてでした。なかなか面白かったです。今更こういうことを言うと、ファンには怒られそうですが。
鎌田實『空気は読まない』集英社、2010年
同 『ウエットな資本主義』日経プレミアシリーズ、2010年
1948年生まれで、いわゆる団塊の世代で、学生運動と映画、芝居、マージャンで学生時代をすごしたそうなので、一旦は社会主義に染まったのでしょう。
そういう人が、諏訪中央病院の院長として赤字病院を建て直して立派な病院に育て、チェルノブイリやイラクの子どもたちへの医療支援のNPOのリーダーもやるなかで、「ウエットな資本主義」を唱えるようになったというのは興味深いです。
ウエットな資本主義を目指すのは、昔ながらの社会民主主義ではない。貿易立国として質の高い商品をつくり、競争力のある産業を備えた国を目指す。いわば筋骨隆々として強いたくましい上半身を誇る国。同時に、福祉や医療、教育を充実させて、土台となる下半身にもあったかな血をしっかり通わせる。今、苦境にあえぐ日本を救うのは、ウエットな資本主義しかないと思う。(『ウエットな資本主義』、16ページ)
いわゆる一つの、第3の道ですね。
『空気・・・』の方は、四国のある町の小学校で、「子どもが作る"弁当の日"を実施します」と宣言して、子ども、親、教師を大きく変えた校長先生の話など、自力で社会を変えた人の話をたくさん紹介してくれているのが面白いです。
流行の言葉でいえば、社会起業家とかチェンジメーカーということになるのでしょうが、自分でもやりつつ、他の人たちを発掘しながら紹介している、なかなか魅力的な人だと思いました。
鎌田實『空気は読まない』集英社、2010年
同 『ウエットな資本主義』日経プレミアシリーズ、2010年
1948年生まれで、いわゆる団塊の世代で、学生運動と映画、芝居、マージャンで学生時代をすごしたそうなので、一旦は社会主義に染まったのでしょう。
そういう人が、諏訪中央病院の院長として赤字病院を建て直して立派な病院に育て、チェルノブイリやイラクの子どもたちへの医療支援のNPOのリーダーもやるなかで、「ウエットな資本主義」を唱えるようになったというのは興味深いです。
ウエットな資本主義を目指すのは、昔ながらの社会民主主義ではない。貿易立国として質の高い商品をつくり、競争力のある産業を備えた国を目指す。いわば筋骨隆々として強いたくましい上半身を誇る国。同時に、福祉や医療、教育を充実させて、土台となる下半身にもあったかな血をしっかり通わせる。今、苦境にあえぐ日本を救うのは、ウエットな資本主義しかないと思う。(『ウエットな資本主義』、16ページ)
いわゆる一つの、第3の道ですね。
『空気・・・』の方は、四国のある町の小学校で、「子どもが作る"弁当の日"を実施します」と宣言して、子ども、親、教師を大きく変えた校長先生の話など、自力で社会を変えた人の話をたくさん紹介してくれているのが面白いです。
流行の言葉でいえば、社会起業家とかチェンジメーカーということになるのでしょうが、自分でもやりつつ、他の人たちを発掘しながら紹介している、なかなか魅力的な人だと思いました。