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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


舛添新党 [2010年04月21日(Wed)]
ついに、舛添新党もできるようですね。さすがにこれで終わりでしょうか。

できたばかりの新党が政党連合を組んで参議院選挙に臨むというのは日本ではありそうにないので、7月の参議院選挙は民主党よりも自民党の敗北になる可能性が高くなってきました。

新党がそれぞれ自己主張することで、民主党に流れていた無党派層をある程度は引き付けられる可能性はありますが、民主党の方は小沢戦略のもとで、労働組合や(かつて自民党系だった)各種団体を使った組織選挙である程度の票を集めるでしょう。そうすると、自民党は組織票も無党派層も失って惨敗することになります。

新党も、比例区ではある程度の議席が取れるとしても(それにしても4つもあると却ってブレークしにくいでしょうが)、定数1〜2の選挙区で勝てるほどの票は無理でしょうから、選挙区では民主党が漁夫の利を得ることになりそうです。

そうなると、民主党が多少苦戦しても、公明党と組んで参議院で多数を確保することは難しくないので(また、一部新党との連携もありうる)、民主党も巻き込んだ選挙後の政界再編はなくなります。(何度も言うように、衆議院308議席の岩盤があることを忘れてはいけません。)

そういうシナリオを前提に考えると、新党を次々に結成する意図は、自民党が惨敗したあとに、野党第一党を作るための野党内政界再編をめざすということなのでしょうか。

そうなら、自民党が惨敗すればするほど環境は整うということになります。

とはいえ、新党の当事者たちは、民主党を大敗させたうえで民主党も巻き込んだ政界再編が可能だと思ってやっているようにしか見えません。私は幻想だと思うのですが。
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