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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


ヤングなでしこ、「90分のエンターテインメント」 [2012年08月22日(Wed)]
8月20日、ヤングなでしこがテレビデビューしました。
20歳以下の女子サッカーワールドカップが日本で開幕し、日本は初戦をメキシコと戦って4-1で快勝しました。

昨年のドイツワールドカップの衝撃と並ぶような小気味のいい試合でした。すっかりはまりそうです。

後藤健生氏がコラムで見事に解説しているので、それを紹介します。
http://www.jsports.co.jp/press/article/N2012082012342902.html

***

地元開催のワールドカップでの重要な開幕戦で、4-1の快勝という結果自体もそれは素晴らしいことではあるが、より衝撃的なのは、日本代表が見ていて面白い試合で、アグレッシブに、ほぼ90分間仕掛けに仕掛けて勝ちをもぎ取ったことだろう。とにかく、ボールを持ったら、何かを仕掛けてくれる。

どんなカテゴリーの大会にしても、日本チームが世界大会で勝ち上がること自体は、今ではそれほど珍しいことではなくなっている。先日のオリンピックで男子も女子もベスト4に進出したばかりである。だが、少なくとも男子の場合は、南アフリカでのベスト16にしても、ロンドン・オリンピックのベスト4にしても、「規律高く、しっかり守ってカウンター」というリアクションサッカーの成功だった。

だが、宮城スタジアムで見たU-20女子代表(ヤングなでしこ)の試合は、日本が90分間仕掛け続けての快勝だった。「90分間のエンターテインメント」と呼んでもいいくらいだ
「女子サッカーと愛犬の死」by 村上龍 [2012年08月14日(Tue)]
作家の村上龍が、コラムでなでしこジャパンを取り上げている(富山新聞8月14日付)。男子サッカーには詳しいが、それまで「女子の試合をちゃんとみたことがなかった」村上が、このコラムの結びで、「最後まで走り抜いた日本女子サッカーのロンドン五輪でのパフォーマンスを、わたしは一生忘れないだろう」とまで書いている。

準々決勝のブラジル戦
試合開始直後に、日本は負けるだろうと思った。ブラジルは自信を持って圧倒的な攻撃を仕掛けてきた。ゴールを決められるのは時間の問題だと感じたのだ。

だが、日本は、絶妙な連携で懸命にディフェンスし、ブラジルの攻撃を紙一重のところでかわし続けた。この集中力はどこからうまれているのだろうと思った。

結局日本は数少ないチャンスを確実にゴールに結びつけ、堂々とブラジルを破った。当たり前だが、走力も体力もキック力も男子には劣る。だが、選手たちは全員はつらつとプレーを続け、FWはゴール前で冷静さを失わず、簡単ではないシュートをあっさりと決めて見せた。

準決勝のフランス戦
日本は波状攻撃を受けても慌てず、しかも苦しそうな表情をいっさい見せなかった。むしろ、この相手と、この舞台で、試合ができるのが楽しくてしようがないという意気込みが伝わってきた。この強烈なモチベーションはどこからくるのだろう。

日本の女子サッカーが国民的な注目を集めるようになったのは、昨年のW杯で優勝してからだ。それまでは国内のリーグ戦でも観客はほとんどいなかったと聞く。そんな状況で、選手たちは黙々と愛するサッカーを続けた。彼女たちのモチベーションは、そのときに鍛えられたのだと思う。

サッカー発祥の地であるイギリスの、サッカーの聖地と呼ばれるウェンブリースタジアムで満員の観衆を前に強豪と闘う、鍛えられたモチベーションは120パーセント解放され、奇跡のような連携と、ゴール前の冷静さを生んだ。

金メダルは逃したが、なでしこジャパンは、重要な事実をわたしたちに示した。何かを楽しむことはそう簡単ではなく、モチベーションは自ら鍛え上げなければ本物にはなりようがない、ということだ。


ほとんど引き写しになってしまいましたが、最も共感できるなでしこ論だったので、しかたありません。

愛犬の死でナイーブになっていた村上を、なでしこジャパンの魅力が直撃したことが良く伝わってきます。「鍛えられたモチベーション」という指摘も核心の一つを突いていると思います。

私自身も、去年のW杯の準決勝スウェーデン戦から生で見始めたにわかファンですが(だから川澄ファンですが)、自分が目立つことしか考えていない政権交代後の民主党議員たちの醜態との対比で、女子サッカーの認知を確立しようとするなでしこの志は強烈な印象でした。

その場しのぎのパフォーマンスで自分だけ目立とうとする政治家たちは軽蔑をさそうだけです。それぞれの分野で期待するような感動が見いだせない中で、多くの人に、なでしこは何が人に感動を引き起こすのかを再び見せてくれました。

「近いうち」の解散の約束で、またグルーミーな政治の季節がやってきそうです。1つの政党としての実態さえ失っている民主党はいうまでもなく、解散総選挙しか念頭にない自民党も間違いなく惨敗するでしょう。急伸するであろう維新の会やみんなの党も、統治に必要な数(特に参議院)も経験も足りません。

小選挙区制にもかかわらず、どのような多数派も生み出さない総選挙となりそうです。そこから何が始まるのか。深く失望しつつもあきらめない、ということくらいしか思いつきません。救いは、世の中ではなでしこのようなパフォーマンスがときどきは見られるということです。
なでしこ、再び [2012年07月25日(Wed)]
なでしこジャパンのオリンピック初戦がもうすぐ始まります。

日本中で高まっているこの期待は、Wカップのあの奇跡がもう一度みたいということでしょう。ただの奇跡というだけでなく、想像を絶する努力の歴史と、試合に臨んだ志の高さという裏打ちのある奇跡です。

女子サッカーの認知、という明確な共通目標があることが決定的に重要だったと思います。国内でははるかにメジャーになった男子サッカーでは、これだけの感動はかえって生まれなかったでしょう。個々のスター選手はヒーローになったでしょうが。

日本の女子サッカーは、Wカップ優勝でもまだメジャー化の途上です。選手たちも、その行方はオリンピックの成績にかかっていることを明確に意識しているでしょう。

本番でのなでしこの勝利を期待させる最大の要素は、その意識です。

個々の選手のアピールやファインプレーは、それなりにスポーツの面白さですが、それを超える何かを目指しているという迫力がないと、やはり薄っぺらいです。

小説「もしドラ」で、みなみちゃんが高校野球部のミッションを、「人々を感動させる組織」と表現しました。

サッカーファンはともかく、一般の日本人が男子サッカーよりも女子サッカーに引きつけられるのは「感動」が味わえそうな匂いがするからでしょう。
「マーガレット・サッチャー」 [2012年03月17日(Sat)]
伏見ミリオン座で、映画「マーガレット・サッチャー」を見てきました。

サッチャーの強さがよく描かれており、実像に迫っていると思いました。主演のメリル・ストリープの演技も見事でした。アカデミー賞の主演女優賞だそうですが、なるほどです。

でも、サッチャーの晩年の幻覚を通しての回顧という組み立ては、本人が亡くなる前、ということを考えると違和感がぬぐえません。現役時代を中心にもっときちんと描いてほしかったと思います。

ところで、夕刊によると、吉本隆明氏が亡くなられたとのことです。時代の新しい動きに最後まで併走しながらの発言には一貫して敬服していました。ミーハーなところがすごかったです。

宿敵と目していた丸山真男氏と見事に対照的でした。僕としてはどちらも捨てがたいですが。
なでしこジャパン [2012年03月06日(Tue)]
なでしこジャパンが、アメリカ戦で初勝利!。1−0。

ワールドカップではPK戦で勝ったわけですが、公式には引き分けと記録されるようで、90分で公式に勝ったのは初めてということになります。

しかも、澤が体調不良で欠場というなかでの勝利です。そして、やはり宮間がさすがでした。

内容も、全体としてほぼ互角の競り合いで、ワールドカップの時と比べても明らかにレベルアップしている印象でした。

なでしこを見てて引きつけられるのは、勝つことで自信を強めてさらに強くなっていく、めったにないストーリーが見られるということです。(一回勝っただけでおごり高ぶって墓穴を掘ったどこかの政党とは対照的ですね。)

インタビューでの選手たちの姿勢も、残された課題を絶えず意識する向上心が維持されており、今後もこの強さがさらに続くことを期待させられます。

それにしても、スポーツが、自分たちの生活には何の関係もないのに、私たちをエンパワーしてくれるのは一体なぜなんでしょうね。
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