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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


美濃加茂市 [2013年05月14日(Tue)]
美濃加茂市へ多文化共生政策の調査に行ってきました。
ピーク時には、外国人が住民の10%を超えていた、日本でも代表的な外国人の集住都市のひとつです。ちょうどソニーの撤退で、1000以上の外国人が職を失ったばかりのところです。

市の政策が大きく展開した背景には、やはり、理念と度胸のある行政職員(当時の室長)がいたことが大きかったようです。また、在日ブラジル人を市が国際交流員などとして雇用したのが、つなぎ役の育成という点では非常に有効だったと思いました。

特筆すべきは、古井(こび)地区の自治会長経験者(渡辺勝則さん)がリーダーシップをとって、外国人を地域に受け入れようという動きをしていることです。

ただ、そのためには、自治会・町内会自体が、会員以外にはサービスを提供しないというこだわりを捨てれるかどうかが決定的です。「公共的団体」という看板がだてではないなら、会費を払っているかどうかにかかわらず地域全体のために活動するという方針に転換すべきだと思います(事実上のNPO化ですが)。外国人だけでなく、若い世代の参加も促進しようとするなら、そうした転換が不可避だと思います。

ただ、町内会の役員はほとんどが高齢者であるだけに、そうした意識の転換は相当難しいと思います。上記の渡辺さんのように、サラリーマン時代から外国人労働者の問題に関心をもっていて、退職後に町内会や市政に関わるようになって推進役になるという人が出てきているのも事実ではありますが。
中北浩爾『現代日本の政党デモクラシー』 [2013年01月04日(Fri)]
中北浩爾『現代日本の政党デモクラシー』岩波新書、2012年12月。

1990年代初めの「政治改革」以後の日本政治を総括する好著である。最近はやりの「やっぱり比例代表制」という後だしじゃんけんのような政治学者たちの本とは異質で、政治改革とそれ以後の「競争デモクラシー」を目指した動向を内在的に辿っている点が貴重である。特に、私自身も関わった民間政治臨調―21世紀臨調の狙いについてはほぼ正確にフォローしていると思われる。

具体的には、小選挙区制を基礎にした「競争デモクラシー」をシュンペーター型とダウンズ型に区別したうえで、政治改革派のなかに両方の潮流があったことを明らかにしていることが注目される。

前者は、「エリート競争型」と呼ばれ、その想定する有権者は個々の政策に関する十分な判断能力をもたず、選挙で有能な人物を見極めて投票するのがせいぜいである。シュンペーターは、このエリート間の有権者の支持を求める競争に民主主義の最低限の要素を求めた。典型的には小沢一郎の立場とされる。

ダウンズは、民主主義を市場モデルで解釈し、市場における企業の代わりである政党が得票の最大化をめざし、消費者の代わりである有権者が効用の最大化をめざして、それぞれ合理的に行動すると想定する。これは「市場競争型」と呼ばれ、マニフェストが想定する政治イメージと近いとされる。

中北によれば、96年結党の民主党は、「市民主義」という参加デモクラシーの系譜を継承しつつ、98年に新民主党になり、その後二大政党の一角へと成長する過程で、エリート競争型よりも有権者の判断能力を重視する市場競争型の競争デモクラシーを目指すようになったという。そして、マニフェスト政治の担い手となり、2009年の政権交代を実現することになる。

ここまではかなり的確な分析だと思うが、民主党政権の挫折を市場競争型デモクラシーの挫折と判断し、「比例代表制の比重を高め、穏健な多党制を実現し、参加デモクラシーへと向かうべき」(206ページ)と結論する終章の議論は、一気に説得力が落ちるといわざるをえない。

中北の分析では、競争型デモクラシーの挫折は内在的限界と外在的限界によるものという。前者は、「二大政党間の競争の激化と無党派層の増大を背景として、選挙戦がイメージに頼る傾向を強めたこと」であり、それによってマニフェストが機能しなくなったという。後者は、有権者―衆議院―首相・内閣という競争デモクラシーのラインの外部にある強力な参議院の存在である。いわゆるネジレ問題である。

私自身は、二大政党の凝集性の弱さ、理念の不足、無党派層の増大、メディア特にテレビの強い影響力などを前提に、機能する二大政党制(ないし二大ブロック)を構築することは不可能とは考えない。また、参議院問題についても、自公民で公債特例法を参議院で潰し合うことを回避する合意が形成されたことの延長線上で、憲法改正(一院制)以前にも機能する程度の解決策はありうると考える。

中北が提案する比例代表制に基づく穏健な多党制は、比例代表制を担えるだけの強い理念を備えた複数の政党の構築を不可欠とするが、それが日本の政党の現状を前提にしてとても現実性をもつとは考え難い。社共を中心とした戦後革新勢力の衰退ぶりを考えるだけでも明らかであろう。

しかも、穏健な多党制では、肝心の連立政権と政権政策は、選挙後に有権者抜きで決められることになるので、中北が競争デモクラシーを批判する論点と同じようなエリート主義が再現することになる。

中北は、穏健な多党制はネジレの解消にも貢献するというが、その場合、主要政党のほとんどが加わるほとんど大連立に近い連立政権が恒常化しかねない。

いずれにしても、政治改革以来の二大政党制型の民主主義をさらなる努力によって機能するようにしていくか、穏健な多党制に転換するかという二つの選択肢の間での選択はもっと徹底的に議論されなければならない。

一度の政権交代の失敗だけから、比例代表制への転換というほどの重大な結論を引き出すのはいくらなんでも乱暴である。

競争デモクラシーと穏健な多党制のそれぞれをより体系的、徹底的に比較する作業がまずは必要だろう。

そのためにも、民主党政権の徹底した分析、総括を含めて、私のような競争デモクラシーの支持者の側が、競争デモクラシーを日本でよりよく機能させるための条件や改革提案を提出することが不可欠である。同時に、穏健な多党制が機能するイメージやそのための条件についても、より明確な議論が求められる。

中北の終章の議論は、先に私が書評で批判した小林良彰の単純な比例代表制提案よりはかなりまともではあるが、やはり初歩的なアイデアの域を出ていない。とはいえ、両派の議論をかみ合わせながら展開させていくうえで、中北の内在的な議論は有益な出発点となると考える。その意味で、冒頭で好著と評した次第である。
イタリア下院 [2012年11月09日(Fri)]
11月6日は、民主党本部で党の外交担当のピステッリ下院議員に、議員会館で下院議員団副団長のヴェントゥーラ議員にインタビューしたあと、幸運にも、議員会館と下院の本会議場などを案内してもらうことができました。

夕方は、友人のモナコ上院議員と日本食を食べながら懇談しました。

下院議員の部屋で、お世話をしてくれた民主党のアジア担当のパーピさんを囲んで取った写真です。
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民主党下院議員団総会をやる部屋です。部屋にはかつての共産党書記長のベルリンゲールの名前が付けられていました。
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下院の黄色の間といわれる部屋です。そこにかけられていた絵は、ナポレオン本人をモデルにして書かれた唯一の肖像画だそうです。
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下院議長の部屋への通路です。現在の下院議長は、旧ネオファシズム政党の書記長だったフィー二氏です。P2012_1106_153523.JPG

今回の発見の一つは、下院の廊下に並べられていた著名な議員の胸像のなかに、アントニオ・グラムシのものがあったことです。私の最初の研究対象はグラムシでした。たしかに、1926年に逮捕されたときは、議員の不逮捕特権を無視して逮捕されたのでした。パーピさんが気を利かせていっしょの写真をとってくれました。
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現在のナポリターノ大統領が選出された時の議員の投票用紙が展示してありました。来年の5月には大統領の選挙があり、モンティ首相が有力候補のようです。
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ほかにも、下院の本会議場にも入れてもらいました。写真は禁止でしたが、ガラスの天井で素晴らしい部屋でした。一番下が入り口になっていることもあり、長老議員が上の方座る日本とは違って、有力議員は前から2,3列目くらいに座るそうです。


というわけで、今回のイタリア調査はおしまいです。
日本でも共通の制度的課題である首相補佐機関の強化と、政府の議会運営における主導権の強化という二つの課題について、イタリアはかなりの程度改革が進んでいるということがわかりました。さすがに、ほかのヨーロッパ諸国の制度を導入しやすい環境でもあるのと、政治家や研究者のなかにそうした課題を意識している人が日本より多いということによるのでしょう。

決められる政治のための制度整備ということでは、先進民主主義国では、日本だけが例外のようです。




首相府、バチカン博物館 [2012年11月09日(Fri)]
11月3日はフィレンツェからローマに移動したあと、夕食を食べながら朝日新聞のローマ支局長からお話を伺いました。

11月4日はコロッセオ、フォロ・ロマーノなどを回った後、首相官邸、下院などの場所を確認にいきました。

11月5日は首相府事務次官、首相府の議会関係局の局長、局次長にインタビューしました。日本では政府側が国会審議についてほとんど権限がありませんが、イタリアではかなりの程度、政府・与党が主導できる制度が整備されてきていることが確認されました。

1986年に一部例外を除き秘密投票が廃止され、採決での造反議員が出にくくなったそうです。1999年に国会の議事日程(3か月の審議予定表、1か月の審議予定表など)を以前のような全会派の議員団長の全員一致から、75%の議席を持つ議員団長の賛成で決められるようになり、そこで決まらない場合は、議長の権限で決めたり(下院)、議長の権限で本会議に提案して採決できる(上院)ようになったそうです。

また、議長が招集する議員団長会議が大きな決定権を持ち、そこには政府から国会担当大臣が出席して要望を述べることができるそうです。

また、暫定措置令(decreto-legge)というイタリア独特の制度があり、これが法律と同様の効力を持つと同時に60日以内に法律に転換されないと効力を失うわけですが、その転換については優先的に審議されるので、これが政府が立法を主導する重要な手段として活用されているようです。

写真は、首相府事務次官のストラーノ氏を囲んだものです。通常は国務院の判事がなることが多いそうですが、彼は首相府の生え抜きだそうです。
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イタリアの選挙制度 [2012年11月04日(Sun)]
3日付けのコリエーレ・デラ・セーラ紙の記事で選挙制度の見直しをめぐる動向が分かりました。

イタリアは戦後一貫して完全小選挙区制でやってきましたが、冷戦終結後、「政権交代のある民主主義」をめざして93年に75%小選挙区制、25%比例代表制の連用制を導入しました。その後、2005年には、全国一区で比例代表制で投票して、相対第一位の名簿に630議席中の340議席(55.1%)の多数議席を与え、残りの議席を他の名簿で比例配分するという新しい制度が導入されました。

2005年の制度について、日本の新聞は比例代表制が復活したなどという誤った報道をしていましたが、第一党に過半数の議席を与えて政権を運営させるというのがこの制度の主眼です。その意味で、小選挙区制と同じく多数決型、政権選択型の選挙制度といえます。

イタリアの政党が制度の意味を過剰なまでに理解して戦略的に行動するため、94年、96年、2001年、2006年、2008年と5回の総選挙すべてで政権が交代しています。その反面での問題は、選挙に勝つために広範な連合を組むため(選挙の前にやるところが日本とは違うところです)、選挙後の政権運営が内部対立で停滞するということです。

日本の政党は政権を取るために戦略的に連合を組む習慣がないために政権交代までに15年もかかりましたが、09年の民主党政権の混乱は、イタリアと同様の「統治」=政権運営の問題をようやく意識させるに至ったということになります。

我々のヒアリングでも、首相や首相府の権限を強化する制度改革がこの20年くらいの間にかなり進んでいること、政府が国会運営をコントロールできる仕組みも日本と違ってある程度整備されていることが確認されました。

象徴的な例は、首相が国会に出るのは信任、不信任の投票の時くらいで、日本のように130日以上も朝から夕方まで国会に貼り付けにされるなどということはありえないということです。フザーロさんも目を丸くして驚いていました。

しかも、副大臣や政務次官というポストは、そもそも大臣が国会に行かなくても済むようにということで設置されたという歴史的経過もあるようです。野党が首相や大臣を呼びつけることにこだわって、本来の仕事ができないようにし、国際会議への出席すらままならないようにしているのはほとんど日本だけの悪習のようですね。

それはともかく、09年11月に、イタリアの財政危機、国債金利の高騰という圧力によってベルルスコーニがようやく退場したため、現在は、来年4月までの期間限定で首相以下全員が非政治家という専門家内閣が経済財政対策をやっているわけです。

近づく総選挙に向けて、中道左派連合の首相候補の予備選が11月25日に予定されており、中道右派もつい最近、12月に首相候補の予備選をやることを決めました。

こうした状況で、大統領が総選挙の前に選挙制度改革をやれと強く要請していることもあって、その議論が国会でなされているのですが、焦点は、第一党に340議席を与えるというプレミアム制度の是非にあるようです。

これは、総選挙での政権選択を明確にするかどうかということがかかった重大問題です。全国一区で1票でも多い名簿が過半数議席を得るというのはたしかにやや乱暴です(実際、2006年はわずか二万票の差で中道左派が勝利し、この制度を入れた本人のベルルスコーニが数え直せと騒いだという前例があります)。本来は、フランス小選挙区2回投票制という案が有識者には支持されているようですが、政党の政治的利害と直結するので、合理的な議論にはなりません。

現在も、ベルルスコーニの退場や、先日のミラノ地裁での彼に対する禁固4年の実刑判決などもあって、中道右派は20%以下まで支持を減らしているのに対し、民主党を中心とする中道左派は35%以上の支持を集めています。さらに、6,7%の中道連合が今度は中道左派に付くという姿勢を示しているので、このままいけば、中道左派政権が確実とみられています。(唯一の不安要因が、既成政党全体、政治家全体を否定する5つ星運動がパルマ市長選での勝利に続きシチリア州議会で第一党になるなど、総選挙では20%くらいまで伸びるのではないかという勢いであることです。リーダーのグリッロ氏は首相を目指すことを宣言しています)

こういう状況なので、かつて05年の選挙制度を導入した中道右派が、中道左派政権を阻止するためにプレミアム制度を廃止ないしは弱化させようとしています。中道左派が単独過半数を得られなければ、いろいろ余地が出てくるということでしょう。

それに加えて、現在のモンティ首相を来年の総選挙後も続けさせようとする勢力も比例代表制を支持ているようです。なぜなら、中道左派単独政権になるとモンティはせいぜい財務大臣として残る程度ですが、比例代表制でどこも過半数を取れない状況になれば、また超党派の国会多数派を従えてモンティ専門家内閣が継続できる可能性があるからです。

こうした思惑のなかで、焦点は、現在のような無条件のプレミアム制度を維持するか、それともプレミアムをもらえるのを40%以上の得票を得た場合だけに限定するか(第一党が40%以下の場合、プレミアムをまったくなくすか、12%くらいのプレミアムを付けて連合政権作りで優位にたてるようにするかという選択肢はあるようです)にあるようです。

政権選択型という範囲で、現在の選挙制度を改善する余地はあると私も思いますが、現状では比例代表制に近づける方向での改革にしかなりようがないので、フザーロ教授と同じく、現在の制度で総選挙をやったうえであらためて検討することにした方がいいと思います。

お分かりのように、現在の日本でも中選挙区制の復活や比例代表制への転換を主張する声が高まっているのとかなり共通した状況です。

私自身は、政権選択型のシステムを一旦選んだ以上、それをきちんと運用してみるべきだと考えています。そのためには、首相や内閣の指導力を強化する体制整備、国会運営を政権与党主導で行える改革をさらに進める必要があります。特に、二院制の矛盾をどうにかすることが急務です。たとえば、予算案についての衆議院の優越を、予算関連法案にも適用するという協定を主要政党の間で形成することが現実的だと思います。

こうした具体的な改善策を飛び越えて、今度はやっぱり比例代表制がいいなどというのは、政治システム全体を視野に入れない暴論にすぎません。日本の政党がそもそも比例名簿を作れるのか、選挙後の政党の離合集散にどう歯止めをかけるのか、そうした状況でまともな政権運営ができるのか、などの重大問題もあります。

なお、出発前に、比例代表制への転換を主張している小林良彰『政権交代』中公新書の書評原稿(東京新聞・中日新聞用)を書いてきましたので、そのうち掲載されると思います。
フィレンツェ [2012年11月03日(Sat)]
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2日のフィレンツェですが、フィレンツェ大学のフザーロ教授(公法学)からの聞き取りをしました。10時半から昼食を合わせて4時間、たっぷり聴きました。

イタリアの政治システムにおける共和国大統領(現在は旧共産党幹部のナポリターノ氏)の重要性が一つのポイントでした。ベルルスコーニ時代は、フランスのサルコジ大統領やドイツのメルケル首相が、ベルルスコーニ首相をバイパスして直接イタリア大統領と連絡を取り合っていたそうです。

もう一つのテーマは、90年代以降のイタリアにおける専門家内閣でした。イタリア銀行はイタリアでトップのシンクタンクとみなされているそうで、そこの幹部の権威は相当高いそうです。過去、チャンピ氏、ディー二氏が非議員で首相に指名されています。現在のモンティ首相は、経済学者で、欧州委員をやってからの任命です。

フザーロ先生は、小選挙区制(多数決制)の支持者で、日本にも来てその事情もよくご存じです。日本でもイタリアでも、小選挙区制への疑問が強くなっているわけですが、二大勢力による政権交代の意義について我々と同意見で意を強くしました。

イタリアの現在の選挙制度には問題もあるが、現在の修正論議は比例代表制に向かうものなので、それよりは現在のものを維持した方がいいというのが彼の意見です。

それと、意外だったのは、イタリア民主党内の刷新派の象徴となっているレンツィ・フィレンツェ市長について、結構肯定的な評価をしていたことです。5つ星運動に対抗できる存在ではないかという評価でした。ベルトロー二元副首相やプロ―ディ元首相なども、口には出さないが、彼に好意的だという話は始めて聞きました。

レンツィ市長にはあるつてでインタビューを申し込んだのですが、ダメでした。来年4月の総選挙に向けて、11月25日に予定されている中道左派の首相候補の予備選挙において、民主党書記長のベルサーニを脅かす存在になっており、連日テレビにも登場しているので、無理もありませんね。

いずれにしても、日本政治とイタリア政治の共通点の多さはいつもながらで、非常に参考になります。
イタリア [2012年11月01日(Thu)]
10月28日夜にイタリアに着きました。
科研費での調査で、今のところ、下院議員2人、上院議員1人、内閣府の官僚1人にインタビューする予定が決まっています。

写真はローマのレプッブリカ広場の夜景と、11月1日の午前中に、打ち合わせに下院に行った際に見た支出削減への抗議集会の様子です。昨年からのモンティ政権は、経済財政対策ではそれなりに成果をあげているようですが、増税や支出削減で国民からの不満も出ているようです。

今日は昼からフィレンツェへ電車で移動しました。あいにく雨で、かなり寒くなってきています。

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ゼミ合宿 [2012年10月09日(Tue)]
連休中に、学部ゼミの合宿に行ってきました。
岐阜養老の、天命反転地と養老の滝の写真です。
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今回のテキストはなかなかディープでした。学生にとってはハードだったと思いますが、例年、これを経るとゼミでの議論が活発になります。
ちなみに、女子学生の間で、フェミニズムが(勝利したことで)完全に終わって共感を失っていることにはあらためて驚きました。

フリードマン『選択の自由』日経新聞社
サンデル『それをお金で買いますか』早川書房
小倉千加子『オンナらしさ入門』理論社
小浜逸郎『男はどこにいるのか』草思社、ちくま文庫
渡邊恒雄『反ポピュリズム論』新潮新書
議会改革論から地方政府形態論へ [2012年09月30日(Sun)]
『日経グローカル』に連載していた「議会改革論から地方政府形態論へ@〜E」が完結しました。

二元代表制の全国画一化から、地方政府形態の選択制、多様化へという持論をほぼ全面展開する機会となりました。依然として支配的な「二元代表制神話」を解体する一助になれば幸いです。


@「劇場型首長と二元代表制の矛盾」、『日経グローカル』第199号、2012年7月2日、pp.42‐43.
A「橋下「議会内閣制」論の波紋」、『日経グローカル』第200号、2012年7月16日、pp.46-47.
B「地方政府形態の多様な選択肢」、『日経グローカル』第201号、2012年8月6日、pp.42-43.
C「米国の地方政府形態と二元代表制の起源」、『日経グローカル』第202号、2012年8月20日、pp.54-55.
D「日本で機能する地方政府形態を考える」、『日経グローカル』第203号、2012年9月3日、pp.46-47.
E「自治体内分権と地方議員の統治意識向上」、『日経グローカル』第204号、2012年9月17日、pp.38-39 .
2011年度学部ゼミ [2012年02月03日(Fri)]
2011年度の学部ゼミが終了し、2012年度のゼミ生募集が始まりました。

いやおう無く、毎年新しい世代の相手をしなければならないのが教員の宿命であり、特権でもあります。新2年生の顔ぶれが楽しみです。

私のゼミ案内では、前年度の内容を紹介することにしています。それが以下です。

***

演習テーマ: 政府−市場−市民社会

1)演習T(2年通年):8名
     U(3年通年):8名 
  V(4年通年):8名
    
2) 担当教員名:後 房雄

3)演習内容
■行政に対する政治主導の回復、分権改革や住民起点の行政経営改革、市場や市民社会(NPOなど)の行政からの自律性回復などを主な内容として、現在国際的に進行中である「自由主義的改革」に関する諸問題を中心としながら、参加者の関心に沿ってテキストやテーマを選んで検討していきます。
 テキストをきちんと読んで自分なりにコメントする力、他の人とかみ合った討論ができる力、いい論点を見つけて討論を展開させるように司会する力、自分なりのテーマを設定して調査研究して論文にまとめる力などを身につけることを目標にします。

■前半(および夏合宿)では、主にテキストを読みながら議論します(2週間で1冊のペース)。そのなかで、基礎知識を得つつ、後期の研究発表のためのテーマを探してもらいます。昨年度は次のようなテキストを使いました。
 ジュリアン・ルグラン(後房雄訳)『準市場 もう一つの見えざる手』(法律文化社、2010年)、「自治体の二元代表制」関係の論文、岡田斗司夫『人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人』(朝日新聞社、2011年)、山岸俊男+メアリー・ブリントン『リスクに背を向ける日本人』(講談社現代新書、2010年)、飯田泰之『ゼロから学ぶ経済政策』(角川新書、2010年)、藤原和博『校長先生になろう!』(ちくま文庫、2010年)、藻谷浩介『デフレの正体』(角川新書、2010年)、アーミテージ、ナイ、春原剛『日米同盟VS中国・北朝鮮』(文春新書、2010年)、鈴木亘『年金は本当にもらえるのか』(ちくま新書、2010年)、古賀茂明『日本 中枢の崩壊』講談社、2011年、岡田斗司夫『フロン 結婚生活・19の絶対法則』(幻冬舎文庫、2007年)、宮台真司・飯田哲也『原発社会からの離脱』(講談社現代新書、2011年)。

■後半では、それぞれの関心に基づいて各参加者が特定のテーマについて研究発表を行います。その際、書くことの訓練を兼ねて、報告日の1週間前までに報告論文をメールで提出することをルールとしています。その報告論文を参加者が読んできたうえで、ゼミでそれをめぐって議論することになります。昨年度の研究テーマは次のようなものでした。
「日本の観光戦略」「何処に国の教育予算を配分するのが効率的か−文部科学省から消費者へ」「都市部の脱クルマ社会にLRTは寄与するか−名古屋市における実現可能性とともに」「男性の育児休業」「幼保一元化によって待機児童は解消できるか」「『学校経由の就職』をどう変えるか」「日本のエネルギー政策」「なぜ結婚しないのか」「公務員制度改革は成功するのか」「外国人労働者受け入れは歓迎されるべきか」「生活保護は廃止すべきか? 生活保護の再考と新たな社会保障制度の模索」「エネルギー政策における原則とは何か」「カジノに本導入の是非を問う」「ソーシャルメディアは日本に根付くのか」「政治教育の必要性」「これからの『メディア』の話をしよう」「中部国際空港と名古屋空港−中部の空港のこれから」「これからのコミュニティ政策を考える」「年金制度を改革すべきか」「財政赤字を解消するために消費税を増税すべきか」「介護労働者増加のために何をすべきか」「日本は北欧型ワークライフバランスへ舵を切るべきか」「日本はTPPに参加すべきか」。

4)受講上の注意
議論を楽しめる人、議論を活性化できる人、自分なりの調査研究に意欲を持つ人の参加を歓迎します。また、卒業論文の執筆を奨励しています。

5)選抜方法
新規希望者は、ゼミを希望する理由書(A4一枚)を演習申し込み書に添付(ホチキス止め)し、文系教務課(法)に提出すること(継続者は理由書は不要)。申込者が定員を超過した場合には理由書に基づいて選抜する。
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