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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


ポピュリズムごっこはおしまい [2011年04月02日(Sat)]
4月1日に統一地方選挙の前半戦が告示されました。

このあたりでは、愛知県議会選挙が注目です。定数103に対して、減税日本が19人、日本一愛知の会が24人の候補者を立てました。自民党は56人、民主党は45人です。

2日付け朝日によると、河村氏は、民主党が検討している復興特別税への批判を争点にし、「県民税10%減税」を堅持し、「増税なき震災復興」を掲げたそうです。

以前から指摘しているとおり、河村氏の減税論は政策論ではなく、リバタリアン(自由至上主義)の立場からの思想信条の表明にすぎません。だから、どんな状況においてもただ思想信条をそのまま表明するだけです。

具体的な状況に応じて政策を考える関心も能力もありません。

納税者の政府行政不信が高まっている状況では、それでも偶然ポピュリズムのネタになりうることもありますが、これだけの大震災からどのように復興をなしとげるかという真剣な課題に直面している現状でも、そうした不真面目な提案が支持されると思うのは大間違いです。

もう、ポピュリズムごっこはおしまいです。

日本社会、日本人の問題解決能力が正面から問われています。河村氏のもっとも不得意な課題ですが、また市長になることを選んだ以上はやってもらうしかありません。

ちなみに、減税日本について、依然として「地域政党」という報道がされていますが、名古屋とか愛知という地域は「減税」という一般的な政策(思想信条)とほとんど関係がありません。また、全国で候補者を推薦している以上、活動も地域政党とはいえません。

河村氏の国政復帰のための手段としての個人政党にずぎないことを、マスコミも認識はし始めていると思うので、用語は変えるべきだと思います。

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コメント
今日の結果を、固唾を呑んで見守っています。
Posted by:名古屋人  at 2011年04月10日(Sun) 11:39