CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


「中京都」構想? [2010年12月05日(Sun)]
愛知県知事選挙に河村名古屋市長と連携して出馬予定の大村氏が、「中京都」構想を公約に盛り込むそうです。

名古屋市など都心を分割して公選の区長が住民に身近な予算を決める「特別区」のような形に再編し、愛知県を「中京都」とする方向で検討されている。愛知県と名古屋市で重複する行政機能を簡素化し、効率化するのが狙い。(『朝日』12月5日)

名古屋市長の再選挙を愛知県知事選挙にぶつける口実は、橋下大阪府知事の大阪都構想のマネくらいしかないだろうとは思っていましたが、本当に出してきたのには呆れました。

河村氏は、名古屋独立論を主張してきたわけですから、名古屋市を解体して愛知県=中京都に吸収するというこの構想とは根本的に矛盾するので、さすがにありえないと思っていたのですが、もうはや理屈はどうでもいいのでしょう。

中京都構想の問題点の一つは、名古屋市が特別区に解体されることで、広域都市圏の政府がなくなってしまうということです。現在の区が自治体化すること自体はメリットですが、現在の名古屋市という広域での政府が解体され、中京都=愛知県に吸収されてしまうことは大きなマイナスです。

県の権限を政令市である名古屋市に徹底して分権化する方が、重複の解決策としてはまっとうだと思います。また、現在の区の自治体化については、そうした強化された名古屋市の都市内分権(公選区議会の設置など)によって十分可能です。

また、中京都構想という名の愛知県強化論は、市町村への分権、道州制の導入などによって、都道府県を相対化していこうとする大きな分権改革の流れにも逆行するものです。

河村氏は市長の再選挙を知事選挙に重ねる口実がとにかく欲しくてこれに飛びついたのでしょうが、こうした事実上の名古屋市解体論を旗印にしてどうやって名古屋市長選挙を戦うつもりなのでしょうか。

まさに支離滅裂です。

アイデアの枯渇と政治的思惑優先の産物としか思えません。
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。

この記事へのトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
http://blog.canpan.info/tb/499461
» 中京都構想、コトバの響きからして嫌だ from 名古屋人伝説。税理士バッキーの日記帳
「チュウキョウト」、なんとなく中途半端な京都みたいな感じが耳に残る。生粋の名古屋人の一人としては、来年の愛... [Read More]
Tracked on 2010年12月07日(Tue) 10:30
コメント
はじめまして。
名古屋市北区出身のさいたま市民です。

「中京都」というシステムは、私も先生とほぼ同意見です。
特別区制にするのであれば、名古屋市のまま周辺市町村も巻き込む(合併)する形で、形成する、平松大阪市長の提唱する都市連合の方がいいのではと思います。

都制かでの特別区は、市ではないため課税権が与えられず、事実上名古屋市内の自治権も奪ってしまう恐れも感じます。
Posted by:ASA  at 2011年03月03日(Thu) 11:04
批判するだけなら誰でも出来る事だ。
所詮評論家のレベルならそこまでしか発想が無い。

国に権限を持たせているから、政令指定都市の権限強化が出来なかったのじゃないのか?
文句があるなら、地味に批判せず、世論に対抗策を訴えたらどうだ!
Posted by:他県民より  at 2011年02月06日(Sun) 22:22
とても勉強になりました。
政令指定都市ができるにあたって、県や府が政令指定都市に対して権限委譲を嫌い、政令指定都市に県や府の権限を残すように国に働きかけたとも聞きます。目指すは政令指定都市の権限強化であると思います。河村たかし氏のめちゃくちゃぶりが、凄すぎます。
Posted by:名古屋人  at 2010年12月06日(Mon) 10:16
<< 2014年08月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
月別アーカイブ