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農山村再生の主体

[2011年03月28日(Mon)]
ここのところ、ずっと上山や上郡の山に通っていて、
頭の中の整理ができていなかったんだけど、
今日はちょっと時間が取れたので、書いてみよう。

今回は農山村再生の主体について。
ご存知のように、農山村はすっかりと元気が無くなっている。
いや、元気が無くなっているように見受けられる。

この農山村を再生することが、僕にとっては今もっとも取り組みたいことであり、
その目的は、欧州の共同体の柱が「食」と「エネルギー」である(宮台真司)
ということにも表されるように、今後の日本にとっても、
地域共同体が重要であるとともに、その柱は食とエネルギーの自給なのだと思うからだ。
そして、それらを自給できるのは、農山村でしかありえない、というわけだ。

では、震災前(つまりこれまで)までの日本の状況とはどういう状況か。
それは、明治以降続いてきた、中央集権の象徴である行政官僚制によって、
食もエネルギーも任せられてきた。

お米だって、原発だって、行政官僚と大企業(JAであり重電・電力であり)が
くっついて、親方日の丸のもと、突っ走ってきたわけだ。

電力会社がこれほど大きくなる前は、農山村にはマイクロ水力がたくさんあり、
送電線も自分たちで準備して、家の照明や街灯に使っていた。
それを、電力会社に売っちゃったもんだから、今や送電線は取り返せない状態だ。
そして、買取価格も激安だ。(全量買い取り制度で上がるだろうが)

食料だって当然自給していた。動物もたくさん飼っていたから、
たんぱく質やカルシウムにも困らなかっただろう。
今や、動物はほとんどいない。
お米や野菜ぐらいは作ってるけど、
牛の代わりに農業機械を買っちゃうもんだから、
取り返すのに相当頑張らなければならない。
地域全体で買えばよいのだろうけど、そうもいかない。


さて、今回の東日本震災は、いわゆるカタストロフィ(大破滅)とも言える。
と僕たちの仲間では言わずとも共有されている。
つまり、メドウズの「成長の限界」で言われてきた「カタストロフィ」が、
まさに起こってしまったのだ。
人口増加、エネルギー増加、経済成長・・・
有限な地球では、いつかは破たんが起こる、と予想した学説だ。

もちろん、震災で亡くなられた方には、哀悼の意を表します。
福島原発は、本当におさまってほしいと祈らずにはいられない。

ただ、大局的に見れば、この震災は本当に大きな意味を持つだろう。
それは、twitterなどで多くの人たちも予想しているので、
僕からしっかり主張するまでも無いだろう。

さて、前置きが長くなったが、いよいよ農山村再生の主体について考えたい。
僕は、4月から美作市地域おこし協力隊として、動くこととなる。
限界集落であった英田上山地区は、すごい動きとなるだろう。

僕らは、Iターン、ヨソモノである。
都市での経験や人脈、外の目線を入れながら、
新たな価値の発見や、昔からの技術なんかを新鮮に見れる。

他の地域だって、ヨソモノが頑張っている地域が盛り上がる。
塩見直紀さんを中心とする京都府綾部市、大南信也さんの徳島県神山町。
大南さんはUターンだけど、他の若者たちはみんなIターンだ。
そして、全国の地域おこし協力隊がネットワークを組んで設立する、
村楽LLP(有限責任事業組合)の仕掛け。

ほな、そういう人がいないところはどないなんねん!
というがシンプルな疑問。ずーっと疑問だった。

それをすっきりさせてくれたのが、京都大学の秋津元輝准教授。
http://www.gcoe-intimacy.jp/staticpages/index.php/akitsu_ja

だれが主体となるかは地域によって違うという説。
たとえば、もともとあるような自治組織や家族なんかが主体になる場合、
「ポピュリズム」と呼んでいる。
そして、Iターン者や都市農村連携、NPOなどが主体になる場合、
「市民社会論」と呼んでいる。

そして、それぞれ個人なのか組織なのか、ということもある。
これを横軸にしながら、以下の表を作成している。


この4つに分類された人たちにおいて、
各地域の情勢によって活躍する人たちが違うのであろう。

これは仮説だが、例えば、もはや立ち上がれそうに無い地域では、
Iターンや仕掛け人が活躍するだろう。
逆に、地元の組み、集落、高齢者たちが元気であれば、
地元が活躍するはずである。

秋津論文には、主体と組織のどちらが活躍するかは書かれていなかったが、
恐らく、主体(個人レベル)が引っ張りながら、組織が動くのではないかと思う。
経験上の話だが。

こういった整理によって、だいぶ落ち着いた。
なるほど、僕らは僕らで頑張れる地で頑張ろう。
そして、今は元気だけど、ヨソモノにもぜひ来てほしいという地があれば、
喜んでワンワンと、なついていきたいと思う。

それが僕らの役割なのだ。
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コメント
まもるちゃん、ナイスツッコミ。
ごめん、「恐らく、主体(個人レベル)が引っ張りながら、組織が動くのではないかと思う。」が正しいのでした。
書き換えておきましたー。
Posted by:いづつコーヘイ  at 2011年03月28日(Mon) 19:49
個人が引っ張って組織が動くのではない、ってことは、その逆ですか?それともどちらが先というわけではなくて、ってことですか?
Posted by:ヤマサキマモル  at 2011年03月28日(Mon) 19:25
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