今日の毎日新聞ネット記事では、9月1日で発足から1年を迎える消費者庁について報じている。
〔記事要旨〕
・「死人も出ていないのになぜそんな調査をするのか」。トヨタ自動車リコール問題を受け、消費者委幹部がリコール制度を調査しようと国交省を訪れると、同省幹部は激しく抵抗。
・こんにゃくゼリー窒息事故を防ぐ法律や所管官庁は存在せず、消費者庁の役割の一つがそうした「すき間事案」への対応。消費者庁はゼリー形状などを規制しようと模索するが、厚労省が「規制をすることは難しい」。食安委が「我々に諮問すべきだ」。
・「消費者庁は全党一致で設置が決まったのに、発足した途端、政治に見放された気がする」(阿南久全国消費者団体連絡会事務局長)。
・消費者安全法は事故情報通知を義務付けており、22日までに各省庁や自治体から2141件の事故情報。これら情報を分析し、消費者庁が再発防止に向けて注意喚起ができたのは3件。同庁幹部は「事故情報の定義が厳格過ぎるため、有用な情報が集め切れていないことが一因」。
・ライター火遊びによる火災は毎年全国で2000件発生しているが、消費者庁には事故情報として通知されていない。
・乳児が車のパワーウインドーに挟まれて小指を切断した事故。総務省消防庁に報告したが、同庁は消費者事故扱いにせず消費者庁に通知しなかった。
・消費者安全法では、通知する消費者事故にあたるかどうかの判断は各省庁や自治体に任されている。
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消費者庁発足以前からの懸念は全然払拭されていないという話。消費者行政の推進という消費者庁及び消費者委員会の発足趣旨は良いとしても、現行の権限・人事の配分のままでは、記事のような事態は今後も解消されないだろう。
供給者(企業など)目線か、需要者(消費者など)目線か、などと論じ合われながら発足した消費者庁及び消費者委員会。その問題設定そのものが行政機関の新設や権限の集約とは何の関係もないということは、設置法成立までの過程では思い切り無視された。
ただ設置されれば良く、それが特定の人々を自己満足させたに過ぎないと思われても仕方がない。隙間事案だけに政策資源を集中させるべき。各省庁で従来から行われていることに口出ししても、結局はこの記事のようなことが更に増えるだけだろう。
その意味においても、余分な権限は全て各省庁に返戻した方が全員のため。せっかく設置したのだから、畏怖と尊敬を集める行政機関に昇華されたい。