「日本郵政:3社体制へ 政府見直し案 国の関与強化」について
[2009年12月31日(Thu)]
今日の毎日新聞ネット記事によると、日本郵政グループの新組織形態の原案が分かったとのこと。

≪記事要旨≫
・3社制に改編して金融2社が親会社と受委託契約を結ぶことで、親会社の郵便配達員や郵便局員が貯金・保険を扱えるようにする。
・郵便配達員が過疎地の高齢者の依頼を受け、貯金口座から引き出した年金を自宅に届けられるようにする。
・郵便だけだった全国一律サービスを、貯金・保険にも義務づけ。
↓
郵政金融2社の完全民営化は完全回避されるという話。先の郵政株式売却凍結法の成立は、現行の郵政民営化に相当の無理があったことを再認識させる効果はあった。次期通常国会に提出予定の郵政改革法案の骨子は、去る10月20日の閣議決定の通りであるが、案の定、組織論に最も興味が集中している。
郵政民営化における最大の足枷は、郵政金融2社が民営化開始から10年間で社会・地域貢献基金の原資として総額1〜2兆円を拠出する義務を負っている点である。この基金の運用益を、郵便事業会社と郵便局会社の赤字事業補填に充当しようという趣旨だが、郵政ユニバーサルサービスに要するコストを郵政金融2社に負わせる構造こそが、真っ先に改革されるべきであった。
郵政民営化は「民営化」というキーワードに固執し過ぎた嫌いがある。だから、郵便事業会社と郵便局会社を不完全な民営化会社に衣替えせざるを得なかったのでないか。そこは、今次の郵政民営化見直しにおいて焦点の一つとなるべき。
組織論から入ると、機能論が蔑ろになりがち。機能論に重きを置くと、郵政ネットワークの維持システムは、公営か民営かを問わない。郵政ネットワークに乗っかる金融サービスと物流サービスは、「郵貯・簡保・郵便」に限定するのではなく、「銀行・保険・宅配・信書」と捉え直さないと業務拡充の機会を失う。地方行政サービスを乗っけるのであれば尚更である。
機能論から始めると、自ずと組織論の最適解が見えてくる。おおまかには、「完全民営化(2金融・宅配)」と「完全公営化(ネットワーク・信書)」に分けるべきだとなろう。郵政金融2部門の収益で郵政ネットワーク・郵便事業・地方行政サービスなどを内部補填する体系を指向すると、結局は公的支援に向かわざるを得なくなる。民営事業と公営事業を明確に分離することが、真の郵政改革(≒ポスト郵政民営化)だ。


