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官邸斜向かい〜霞門の眼 by 石川和男

政治・経済・社会の動向から明日明後日を読むということで。


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石川和男(TKFD研究員)
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省庁の天下りあっせん禁止 [2007年03月17日(Sat)]
 日本経済新聞(07/3/17朝刊)では、「省庁の天下りあっせん禁止 首相 行革相に指示 諮問会議で」と題する記事その他関連記事で、公務員制度改革のうち天下り問題について掲載している。安倍首相は16日の諮問会議で天下り規制について「各省のあっせんはやめる。機能する新・人材バンクをつくるということで法案をまとめてほしい」と渡辺行革相に指示、自民党内に反発が根強く調整は難航しそうとのこと。

−−−行革相は諮問会議に、各省による天下りあっせんの全面禁止と新・人材バンクの創設を柱とする素案を提出。民間議員も行革相案と歩調を合わせた提言。首相は「国民に押しつけと見えるあっせんはよくない。根絶していく」と、行革相案に沿った調整の必要性を強調。首相は記者団に「私が示した方向に閣内は一致している」と語り、早期の意見集約に自信を示した。

 閣内は一致しているが、党内がまだまだだ、という意味か。公務員制度改革が一段落した後は、次の標的をどうするかを考えておかないといけない。あまりやり過ぎると、『再チャレンジ』の次のタマは出てこなくなる。官僚機構を壊すふりして上手に活用するか、上手に活用するふりして壊すか、といったところだろう。滅私奉公の志を殺ぐことが得策だとは思えない。
 
−−−人材バンクは、退職する公務員に民間の求人情報を伝える仕組み。現在も総務省に同様の組織があるが、過去7年で1件の利用のみ。新・人材バンクは各省から独立した機関とし、OBが出身官庁の予算や権限を背景に業務と関係の深い企業に天下りするのを抑える狙い。各省の関与を完全に排除することの是非や移行期間などの課題が残り、不透明な天下りの根絶につながるかどうかは微妙。

 不透明な天下りの根絶は当然の方向だが、公正・透明であれば良いとなると必ずGZができてしまう。試行錯誤の繰返しを始めるといった大らかな構えでないとなかなか難しい。
 
−−−諮問会議で各省あっせんの禁止に反対したのは尾身財務相のみ。他の出席閣僚や民間議員は「各省に残す理由がない」「国民からは各省が押しつけ的なあっせんをしているように見える」と主張。政府内や自民党には「改革が性急すぎる」との反発がかなり強い。麻生外相が「公務員制度改革は閣僚懇で協議することになっているがまだ開かれていない」と口火を切り、長勢法相も「案が固まってからでは遅い」と同調。片山参院幹事長は「目立つように派手に、大立ち回りのような印象を与えるのはよくない」と述べ、改革の旗振り役である渡辺行革相への不快感をあらわに。

 そうは言っても、誰が主導しようが結果はあまり変わらないのではないだろうか。相手は官僚ではなく官僚機構。政治家と官僚では、時間的余裕が全然違う。弱ってもいずれ回復する。官僚ではなく、官僚機構。
 
−−−自民党内では新・人材バンクの創設は認めるが、各省の実質的な関与を残すよう求める声が大勢。独立した人材バンクがうまく機能するかを疑問視する見方が強い。出身省庁の意向が見え隠れする組織では「押しつけ的天下り」の根絶につながらない。一元化の時期も固まっていない。

 制度上で各省の関与を排除しても、実質的には各省の意向は必ず残るはず。そうでなければ回らないような制度になる気がする。 

−−−日本の国家公務員総数は90万人規模。自衛官や郵便局員などを除き、中央省庁の官僚ら行政機関で働く公務員に限っても30万人規模。現在は省庁ごとに大臣官房で退職者の再就職などをあっせんしているが、今後検討する新しい枠組みでは「新・人材バンク」が省庁横断で人事を管理。年功序列、省庁縦割の霞が関人事慣行が様変わりする可能性も。

 相当な時間をかけないと年功序列・縦割を変えるのは難しいだろう。国内最大の“コングロマリット”なので、気長に考えていくのが良い。

−−−省庁など行政機関の退職者数は04年度で約1万4000人。定年退職は約3560人、残りは年次が上がるにしたがって省庁の外に出る再就職。同期で原則1人の事務次官ポストを争う中央省庁独特の仕組み。「キャリア」職員の再就職については「天下り」の慣行が根強い。特に目立つのは所管する公益法人への再就職。05年8月から1年間で再就職した省庁幹部は約1300人だが、最も多い再就職先は各省庁が所管する財団法人など。旧態依然の官僚人事の象徴でもあり、前政権で改革の旗を振った竹中前総務相は「公務員制度改革は他の改革を進めるうえでの試金石」。

 “お金の循環”と違い、『人の循環』は、一箇所に貯めれておけばいずれ流れ出すというものではない。お金には色があまり着いてないが、人には必ず色が着いている。全ての公益法人が不要だとは思わないが、今後は、税金を注入しないと成り立たないような公益法人は余程の理解がないと存続を許容されないだろう。

−−−人材紹介最大手リクルートエージェントは「50歳以上、課長職以上の一般職」という登録内容を懸念。「需要が多い層ではないうえ高額所得者になるため、再就職成立の難易度は高い。公務員のスキルを民間で生かすのも難しい」。派遣最大手スタッフサービスも「メリットが見えにくいので静観の構え」。業界全体に好調な民間同士の人材サービス事業に集中する色合いが濃く、「うまみがあるとすれば官庁との関係づくりくらい」(関係者)。

 仲介する民間企業の見方もさることながら、受け入れる民間企業の意向が最重要だ。常識的な経営感覚からすると、メリットがあれば官庁出身かどうかを問わず受け入れるが、メリットがなければその逆。官のスキルは公の領域の方が馴染む。コスト感覚の違いを上手に活用していくべきだろう。
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